メインコンテンツにスキップ

アフリカの希少なマスクを老夫婦から安く買い叩き、6億円で売却した古物商が訴えられる

記事の本文にスキップ

41件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 フランスに住むある老夫妻が自宅を整理していたとき、アフリカの部族が着けるマスクを発見した。

 夫妻はそれを古物商にそこまで価値がないものと説明され2万4千円で売ったが、後にそれが希少なもので、6億円で売却されていたことが判明した。

 老夫婦は当時ディーラーがそのマスクの価値を隠していたと主張し、現在古物商に対して訴訟を提起している。

Montpellier : Enchere record pour un masque africain Fang du Gabon adjuge 4,2 millions d’euros

億単位の価値あるアフリカのマスクを安値で買い叩かれる

 フランスのニームに住む81歳と88歳の老夫婦(匿名)は、2021年に所有地を整理していた際にアフリカの木彫りのマスクを発見し、同年9月に地元のディーラーに売ることにした。

 ディーラーはそれを150ユーロ(約24000円)で夫婦から買い取った。

 ところが去年3月、そのマスクがモンペリエのオークションで420万ユーロ(約6億6000万円)という高額で落札されたのだ。

 民族学者の専門家によると、19世紀ごろのものとされるそのマスクは、ガボン共和国に居住するファング族の一部の男性秘密結社「ンギル(Ngil)」が、冠婚葬祭などの伝統儀式に使用していたものだという。

 ファング族のマスクは非常に様式化されていて、オークションに出品されたものはカオリンでコーティングされた木彫りで下半分に長いひげのような装飾が施されている。

 西洋の博物館やコレクションに収蔵されている希少なもので、世界的に見ても十数点しか存在しないそうだ。

 そのマスクはアフリカの植民地総督だった夫の祖父が、フランスに持ち込んだものだったようだ。

マスクの価値を隠されていたとディーラーを詐欺で訴える

 老夫婦から安く買い取った古物商は、マスクを店に展示する代わりにフランスの3つのオークションハウスと連絡を取り、その価値を見積もった。

 そのうちの最後の1社はアフリカの工芸品の専門家で、専門的に分析されたマスクはオークションでの落札見積もり額を、30万ユーロ(約4700万円)から40万ユーロ(約6300万円)の間に査定した。

 しかし昨年3月、その3倍以上の値段で落札された。

 ちなみにオークション開催時、アフリカ祖先を持つ人々が希少なマスクを競売にかけるのを反対し「それは私たちの国から盗まれたものだ。祖国に帰すべきだ」と抗議の声をあげた。

 老夫婦は新聞で売却の記事を読むまでマスクの本当の価値を知らず、古物商が故意に価値を隠して安く買いたたいたと主張している。

 老夫妻は現在、古物商に騙されたとして訴訟を起こしている。

オークションでの売却代金は凍結され訴訟を継続中

 今年6月28日、ニームの控訴裁判所は夫妻の訴えが「十分な根拠があると思われる」との判決を下している。

 裁判文書によると、古物商は法的措置に直面した夫妻に最初30万ユーロ(約4800万円)の賠償金を提示したが、夫妻の子供たちが反対したためその提示は拒否されたという。

 彼らの弁護士は「マスクを買い取ったのは古物商であって古美術商ではなく、査定のプロとは言えない。彼にはアフリカ美術の知識はない」と主張している。

 同裁判所は裁判が終わるまで売却代金を凍結するよう命じていて、現在ニームの高等裁判所で再審理が行われているということだ。

References:Elderly French couple sue art dealer who bought African face mask from them for £129 and sold it for £3.6m/ written by Scarlet / edited by parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 41件

コメントを書く

  1. 老夫婦から買い取って即オークションに出てたなら確信犯だろうなぁ。
    しばらく寝かせて置いて、後から価値を知った振りをすれば・・・なんてのは賢しいな。
    老夫婦に価値を提示してオークションに出したら利益の何パーセントかを貰えないかと交渉した方が無難だったろうに。

    • +8
    1. >>2 古物商はすぐに各地に連絡とって価値を正確にしてるし擁護できないから裁判結果も妥当
      逆に「これOKでしょ!」みたいな感じだと自分が同じ立場になって鯖トレやら転売やら何やらで訴えられるんだなぁと学べればいい話だね…

      • +5
  2. 老夫婦はマスクを安く買い叩かれて古物商はオークション凍結アフリカ人からすれば盗品を勝手に売買されてる
    誰も得しない不幸な話ね

    • +21
  3. 騙すも何も、結果的に420万ユーロまで値が跳ねたってだけの単なるトレードでしょ。
    モノを持ち込む場所と時機、その他諸々を整えた古物商の手腕が賞賛されることはあっても、詐欺呼ばわりは流石にあり得ないわ。品性を疑うね。

    • -39
    1. >>5
      >>6
      >>21
      >>27

      >>26が既に解説してるけど、「価値は無い」って買い取って置きながら専門家にその価値を鑑定してもらってそのままオークション開催したって時点で「最初は価値がわからなかったけど後から偶然凄い価値がある品だと判明しただけで詐欺をする意図はなかった」は通じません

      • +10
    2. >>5 価値知ってた上で安い値段で買い叩いてんだから詐欺師呼ばわりでも妥当でしょ

      • -1
  4. これは仕方ないのでは
    「なんだか怪しげな雰囲気はあるけど、それだけで古くて汚いマスク」
    これが当時の老夫婦から見た価値観だったわけでしょ
    それが自分たちの手から離れたあとでもっと価値のあるものだったと判明してから、やっぱり返せもしくはもっと金よこせなんて
    売っぱらう前に老夫婦がいろんな古物商に鑑定依頼しなかったのが悪いとしか思えない

    • -26
  5. どっかの美術館も盗んだもの返さないしねえ

    • +2
  6. 漆原教授のコレクションに似てるのあったな
    (漫画「動物のお医者さん」)

    • +11
  7. 漆原教授思い出した

    さて古物商は詐欺みたいなものだけど
    価値の2割は還元しないと犯罪と見られても仕方ない
    今回は夫婦に返して刑事告訴を逃れては?

    10年ほど前、象牙のビリヤード球を9万で言われた
    欲しかったが証書がなかったので尋ねると「なんとかします」というが…
    危ないので止めておいた
    そんな商売してる人達

    • +9
  8. > そのマスクはアフリカの植民地総督だった夫の祖父が、フランスに持ち込んだものだったようだ。

    この事実が、第三者からするとしらけるな

    • +7
  9. 日本も昔イタリアの商人がボケって言う色の薄い赤珊瑚にケチを付けて安く買い叩いてたって話もあるな

    今は時代が時代だけに訴えられても仕方ない気もする

    • +6
  10. オークションで高値で落札されたの結果論だけど
    高値と分かっていて偽物ですと安く買い取っていたなら詐欺だわね。

    • +10
  11. ワールドカップのトロフィーかと思った
    しかし古物商はあくどいですね・・・

    • +2
  12. なぜか俺はこの商品の価値が偶然知ってた
    俺でも知ってるのにそれを無価値で引き取るって
    詐欺師にしてはけつが甘すぎ

    • 評価
  13. 売りに行ったのは夫婦
    古物商が押しかけて買いに行ったわけではない

    正常な売買が成立しているのになぜ詐欺なのか?

    こんなことがまかり通るのなら古物商はみんな詐欺になる
    安く買って高く売るのは当たり前だ

    • -17
    1. >>21
      言っても限度がある素人ではないのだし金をこれは真鍮ですって専門家がいって買い取ったら詐欺にならないと思うか?
      素人が買ってたならまた別だろうけどね

      • +14
      1. >>24
        老夫婦はアフリカの古いマスクってことは売る前から知っていたわけだし、古物商はアフリカの古いマスクとして買い取ったのは間違いないと思うよ(つまり金を真鍮と嘯いたわけではない)
        最終的に古物商は買取金額を提示し、その上で老夫婦は納得して2万なんぼかを受け取って仮面を手放したわけですよ
        それを自分の無知を悔やむことはあっても、それ高いやつならやっぱり返せと控訴までするなんて、恥ずかしいと思わないんですかね

        • -13
  14. そのうちこの古物商はエレベーターから忽然と姿を消すかもしれない。

    • +1
  15. この場合、【古物商は無価値だと判断した】にも関わらず【店に展示せずにオークションハウス3軒を巡って鑑定してもらった】というのが騙したという根拠になるんじゃないですかね。
    この古物商が常に買い取ったものは念のため鑑定して貰っていたのなら騙す意思は無かった可能性もあるけど、そうでないなら価値が「分からない」可能性はあっても「無価値」と断言は出来なかったことになる。如何に手続きの上では正答な取り引きだったとしても、その過程で価値を理解できない相手に虚偽の報告をしたのであればそれは詐欺でしょう

    • +15
  16. 売り払った後になって高値がついたのなら返せって
    なんか釈然としないな
    そういうのって筋が通らない気がするんだが

    • -15
    1. >>27 騙されてんだから筋もくそもないと思うよ。

      • 評価
  17. なんか小汚い子どもが作ったみたいな変な見た目のマスクにこんな高値がつくのも不思議だな

    • -4
  18. 法律に詳しくないんだけど、
    モノの価値を知っていて安く買い叩く行為って違法なんです?

    • 評価
    1. >>34
      刑事だと、専門家が素人を言いくるめて
      価値ある物をガラクタと誤認させて詐取したら犯罪にはなるけど、
      常習的でかなり悪質でなければ立件まで持っていくか?ってのと
      裁判するにしても立証を厳密に求められると思う。

      民事では、専門家に無価値と明言されてその価格で渡したなら、
      「動機の錯誤」として売却の取消を主張するか、
      既に善意の第三者へ渡っているなら
      差額の賠償を求める余地があるかと思う。

      まぁ、ここらへんは、国によって法構成が異なるかも知れんけど。

      • +4
    2. >>34
      シンプルに、売買も契約の一種だと考えれば良い。

      契約のときに重要な情報を隠すのは犯罪であることを考えれば、
      作家の名前や価値、有名性を隠したまま契約するのも犯罪なのが分かる。

      • +2
  19. 一番ヤバいのはこんな仮面ごときに6億円も出す富豪だな。

    • -2
    1. >>35
      一番ヤバいのは自分が理解できない価値だからって「こんな仮面ごとき」とか断じてるあなただよ

      自分が理解できるものが価値の全てだと思うのはあまりにも視野が狭い
      自分には理解できなくても他人にとっては価値のあるもので世の中はできてるし回ってるんだよ

      • +7
      1. >>43
        いやいや、「こんな仮面ごとき」だよ。あほらしい。ピカソの絵とかもそうだけど、高額で購入したとしても、後にオークションに出品したら購入時よりも更に高値がついて、さらに資産を増やせるだろうという富豪の思惑に踊らされてるだけ。世の中は自分にも他人にも価値の無い物に無理矢理に付加価値をつけて回してるんだよ。

        • -5
  20. ジョジョを想像していたが(あれは南米だっけ?)漆原コレクションだった

    • +1
  21. 落札した人以外の主要登場人物がみんな悪いってことで。
    利益はアフリカにでも回しとけ。

    • 評価
  22. 江戸時代の秘仏で長年行方不明だったのが、実は海外に持ち去られてて国外のオークションにかけられてたみたいなもんでしょう。
    現地の人の抗議もわかるわ……。

    • +5
  23. 出てる情報だけで言えば悪いのは古物商だろ
    取り交わした書面とかやりとりの録音とかあれば別だけど

    • +1
  24. うちの先祖が作った能面も海外の詐欺師にやられて今はベルリン博物館に収蔵されている
    返してくれないかなあ…

    • 評価
  25. さて、古物商がうまく罪を逃れる方法はあるのかな。
    例えば、他の複数の古物商と共謀して
    老夫婦から安価に自分が買い取る→別の古物商が多少上乗せして買い取る→さらに別の古物商が買い取る・・・で頃合いを見て鑑定依頼→オークションに出す。利益は古物商同士で折半。
    いや、ダメか。折半した時点でグルだってのがわかるものね。
    申告できない大金が懐に入っちゃったら困るし。
    やっぱり素直に老夫婦にオークション出したら6億になっちゃったんでお返しします。
    ただ、手数料として当方に何パーセントか頂けるとくらいにしといた方が
    よほどのケチでなければいくばくかの小金を得られた可能性が高いでしょうね。

    • +1

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

動画

動画についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

料理・健康・暮らし

料理・健康・暮らしについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。