メインコンテンツにスキップ

第6の味覚として塩化アンモニウム味が浮上。北欧のリコリス菓子に含まれる鼻にツンとくる味

記事の本文にスキップ

45件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

本記事はアフィリエイト広告を利用しています。

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 甘味、塩味、苦味、酸味、うま味に続く第6の味覚に、あらたに塩化アンモニウム味が浮上したそうだ。

 それはいったいどんな味なのか?我々日本人にはあまり馴染みがないが、「リコリス(スペインカンゾウ)」という甘草で作られた主に黒色をしたグミのような食感のお菓子がある。

 北欧で好まれるリコリス菓子の一種には塩化アンモニウムで味付けされている「サルミアッキ」と呼ばれるものがあり、それにより独特の塩味とアンモニア臭がある。

 新しい研究では、この塩化アンモニウムが、舌の味蕾にある「酸味受容体」を反応させることが明らかにされている。

人間が味を感じるメカニズム

 味は、食べ物に含まれている化学物質が、舌や口の中にある味蕾(みらい)を反応させることで感じられる。

 味蕾には「味覚受容体」というタンパク質のセンサーが備わっている。このセンサーが味の素になる化学物質に反応すると、脳に向けてメッセージが送信され、味が感じられる。

 甘味、塩味、苦味、酸味、うま味といった味の違いがあるのは、それぞれの受容体が反応できる化学物質が違っているからだ。

 例えば、酸っぱい食べ物には酸がたくさん含まれている。つまりpHが低く、水素イオンが多い。

 こうした酸が酸味受容体に触れると、水素イオンが細胞膜を通過することで電気信号が生じ、脳に酸っぱさを伝えるメッセージが送信される。

この画像を大きなサイズで見る
photo by Unsplash

酸味受容体は塩化アンモニウムにも反応することが判明

 南カリフォルニア大学などのチームによる今回の研究では、この酸味受容体(より正確には、そこにある「OTOP1プロトンチャネル」)がサルミアッキなどに含まれる塩化アンモニウムに反応するのかどうか調べられている。

サルミアッキとは、甘草の一種であるリコリス から抽出した成分を配合した「リコリス菓子」の一種で、リコリス菓子に塩化アンモニウムを添加したものだ。北欧ではサルミアッキは化学物質としての塩化アンモニウム自体も意味する。

 その味は食べたことがある人ならわかるだろう。食べなれていない我々日本人にとってはおいしいとは言えないし、特にサルミアッキが使用されているものは、何とも言い難い塩味とアンモニア臭のようなものを感じる。

 話を戻そう。

 研究チームは、酸味受容体が機能するうえで鍵となる「OTOP1遺伝子」を移植した培養ヒト細胞に、酸や塩化アンモニウムをかけてみた。

 すると、塩化アンモニウムは酸と同様、酸味受容体を反応させることがわかったのだ。

 またマウスを使った実験では、普通のマウスは塩化アンモニウムを嫌うが、OTOP1遺伝子のスイッチを切ってやると嫌がらなくなることも確認された。

この画像を大きなサイズで見る
サルミアッキで味付けされたリコリス菓子 photo by iStock

塩化ナトリウムの味を感じるのは毒を避けるための進化か?

 アミノ酸が分解されるとできるアンモニウムや、そのガスであるアンモニアは、人間などの動物にとっては有毒なものだ。

 だから、そもそも塩化アンモニウムを味わう力は、有害な物質をうっかり口にしないように進化したのではないかと、研究チームは推測している。

 ちなみに塩化アンモニウムの感じ方は動物によっても違う。

 例えば、ニワトリの酸味受容体は、人間やマウスよりも強く塩化アンモニウムに反応する。一方、水の中で暮らすゼブラフィッシュは、それほど塩化アンモニウムに反応しない。

 これはそれぞれの生物が暮らしている環境の違いを反映している可能性があるという。

 例えば、鳥は一般に酸味をあまり感じないが、それでもフンに含まれている塩化アンモニウムは有害だ。だから、それを避けるために、その味を感じる力が発達したと考えられる。

  研究チームは今後、塩化アンモニウムに対する酸味受容体の反応をさらに調べ、それが進化した理由や背景を解き明かしたいと考えている。

 この研究は『Nature Communications』(2023年10月5日付)に掲載された。

 これまで第6の味覚は脂(あぶら)味や、でんぷん味が議論されてきたが、新たに浮上した塩化アンモニウム味。

 塩化アンモニウムは食品添加物として、炭酸水素ナトリウム(重炭酸ソーダ)と併用して膨張剤として使われることが多いというが、味がわかるほど大量には入っていないので、やはり味わうには北欧で製造されているリコリスを試すしかなさそうだ。

 どんな味なのか試したい人はフィンランドのサルミアッキがAmazonで300円(送料500円)で販売されているので試すことも可能だ。私も食べたことあるのだけれど、個人的には無理だったかな。

追記(2023/10/09)サルミアッキの説明をわかりやすいように変更しタイトルを訂正しました。(2023/10/10)脱字を訂正しました

References:A sixth basic taste may join sweet, salty, sour, bitter and umami on the tongue / New taste: Sweet, salty, bitter, sour, umami and … ammonium chloride? / written by hiroching / edited by / parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 45件

コメントを書く

  1. アルミサッシか
    美味いんかね
    俺は食った事がない

    • +3
    1. >>1
      昔お土産にグミ数粒もらったが、まずいのなんの。
      その不味いこと、今まで食べたものの中でも1,2を争う。
      よそさんにもらったお土産を、捨てるか牛乳で流し込むか悩んだことは後にも先にもこれ一回。

      • 評価
    2. >>1
      食べるにはちょっと大きいよね。アルミサッシ

      • +1
  2. オタでいうリコリスだとアニメであり、サルミアッキのお菓子と
    書かないとハアハアされちゃうぜ

    • -28
  3. いや、内容を見る限りは酸味だとしか読めないのだが
    塩化アンモニウムが酸味受容体で反応するなら酸味でしょ

    • +11
    1. >>4
      その通り

      この記事では第6の味覚の説明ができていない

      • 評価
      1. >>13
        まあ俺らは検証も反証もできないからさ

        • 評価
  4. 反応する酸味受容体になにか酸味枠と違う差異があるのかな。
    お土産で進められたけど匂いだけで駄目で未経験。酸味は大好きだから案外いける口なんだろうか。

    • 評価
  5. 記事中でサルミアッキ=塩化アンモニウムみたいな書き方されてるけど、
    サルミアッキはリコリス菓子(キャンディ)の商品名で
    食品添加物として塩化アンモニウムが添加されてるだけ
    リコリス菓子が全て塩化アンモニウムを添加してるわけでもない

    何が言いたいのかというと、リコリス菓子は美味いがサルミアッキはマズい
    それだけだ

    • +7
  6. マメ科のリコリスは甘みがあるので、北欧菓子はかなり甘そうですね。
    塩化アンモニウム加えると甘みを抑えるということなのか。

    ハーブショップでドライタイプのリコリス売ってますが、昔テオフラストスは咳や肺の疾患に用いたし、中国では十二指腸の疾患にも用いたということです。
    ハーブティー利用も妊娠中授乳中は禁止で、投薬治療の人は医師の指導が必要だということ。

    メディカルハーブの勉強をしたものとしては、塩化アンモニウムよりもリコリスをお菓子に使用することが驚きました。爆食いしなければOKなんだろうけど。

    • +6
  7. 昔の記事で、脂肪酸の受容体、そして第5の味覚ーー脂味が発見された、としたから、
    こんどは第6の味覚でしょう。

    • 評価
  8. 電気の味は何味になるんだろう、あのシューッとした味。

    • +4
    1. >>11
      あれは味なのか?
      電気は通電させる物とか電流の強さで変わるからどうなんだろ

      • +1
    2. >>11
      電気の味は一般には金属味と呼ばれる。電気味覚では、塩味・甘味・苦味・酸味・うま味からなる基本五味が混ざったような味を感じる。

      • 評価
  9. 普通のマウスが嫌がってるじゃないか(´・ω・`)

    • +1
  10. 辛味はなんで味覚として認められてないん?

    • -1
    1. >>14
      あれは味覚じゃなくて触覚(痛覚)が反応しているからでは?

      • +7
    2. >>14
      味蕾を刺激するんじゃなくてただ単に刺激物として粘膜を刺激してるだけだから

      • +4
  11. つまり第六の味は臭味ってことなのかな

    なんでアンモニウムを配合してるのかというと、その刺激でのどの粘膜が刺激されて分泌物が出て、去痰作用があるから
    元来は風邪の予防やのど飴的な位置のものだったのが、お菓子として定着した。浅田飴みたいなもん

    • +1
  12. いや
    サルミアッキにそんな目新しい味ないだろ
    匂いは強烈だけどさ

    • 評価
  13. 結局具体的にはどのような味なのか、記事ではわからないんだけど俺が鈍いのか?

    • +1
  14. リコリスって甘草で良いのかな
    砂糖よりやや舌の上に残る甘み
    塩化アンモニウムは想像がつかない

    • +2
  15. あえて名前を付けるとするならば、不味味(まずみ)と名付けたい。

    • +4
  16. つまりドリアンとかくさやが苦手な人は臭味が苦手だったのが原因というわけか

    • 評価
  17. あれは癖になる味
    あれば口にするお菓子

    • 評価
  18. リコリスって彼岸花(毒)かと思ったら違うのね

    英語名のリコリス (liquorice, licorice) でも知られるが、園芸ではリコリスといえばヒガンバナ属 (Lycoris) を意味することがある

    • 評価
    1. 第5の味覚までは「どの文化でも、一生の間に何度も遭遇する感覚」と断言できたけど、
      第6で「どの文化でも遭遇する」とは断言できないものが候補に出てきちゃったかー

      >>32
      食べ物の話してるときに、園芸で使う分類を出すことはないなあ
      洋食屋のメニューにカタカナで「ライス」って書いてあっても、それを「虱(lice)」だと思う人がいない・暗黙の了解として「米飯(rice)」と考えるような感じで

      • -2
      1. >>34 通りすがりだけど、どっちも植物だし。

        • 評価
        1. >>36
          通りすがりだけど、食べ物の話してる時に毒性の植物の話はしないなぁ

          • 評価
          1. >>38
            ムキになってるの多いけど元々植物は学名や和名がザルなんや
            日本は昔に付けた和名がテキトーすぎて、植物は原則カタカナで書かないかん。漢字表記はもはや通称や
            んで、カタカナだとyとiの違いが区別できん。これがまさにそれ。どっちもリコリスや
            同じ発音だから、どっちが思い浮かぶかなんてあなたの感想でしかない。ほんま無駄なラリーやで

            • +1
          2. >>43
            通りすがりだけど、食べ物の話をしてる時に毒の話は出さないなぁ

            • 評価
          3. >>46
            彼岸花の球根を食べていた地方もあるそうですよ
            毒抜きして食べていたらしい
            それ程までに食べるものが無かったらしいけど

            • 評価
          4. >>46
            う、うわ言みたいに何回も…通りすがりちゃう、徘徊者やないか
            どんな話が出るかはそいつの常識や知識次第。あんさんが無知なだけやで

            • 評価
      2. 塩安て肥料じゃないか 北欧の人は植物なのかな

        >>34
        通りすがりじゃないけど ヒガンバナの毒は りこりん 言うそうです
        かわいらしいですね

        • 評価
  19. 脱字報告です。
    最後から3段落前の「塩化アンモニウムは~」のところの「炭酸水素ナトリウム」のムが抜けておりました。些細な事ですが一応…
    あと、パルモさんいつも色んなニュースを翻訳して楽しませてくれてありがとうございますm(_ _)m

    • 評価
  20. このお菓子の味をわかる人に説明するなら

    アブサンの味だ。お酒のアブサン。あれだよまんま。

    • +1
  21. 三大栄養素のうち炭水化物とアミノ酸に対する味覚があるんだから、脂質に対する味覚もあるはず

    • 評価
  22. リコリス自体はちょっと癖のある甘みで一応平気だけど、あのゴムタイヤはちょっと無理だったな…

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

サイエンス&テクノロジー

サイエンス&テクノロジーについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

料理・健康・暮らし

料理・健康・暮らしについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。