
この恒星ブラックホールが噴出するプラズマジェットに、謎の揺らぎがあることが判明したそうだ。
ブラックホールから光速に近いスピードで噴出される宇宙ジェットのエネルギーが、なぜか周期的に変化しているというのだ。
謎の揺らぎを記録した恒星ブラックホール
謎めいたジェットの揺らぎが観測された「GRS 1915+105」というX線連星には、恒星ブラックホール(大きな星が死んだ後に形成されるブラックホール)があり、その周囲をまるで死のダンスを踊るように恒星が公転している。この恒星ブラックホールの質量は太陽の約12倍と推定されており、質量がわかっている恒星質量ブラックホールの中では最も重いものの一つである。
だが物質のすべてがブラックホールに飲み込まれてしまうわけではない。その一部は、事象の地平面に落下することなく、光速に近い速度の凄まじいジェットとなって噴出される。
今回、中国貴州省にある世界最大の電波望遠鏡「500メートル球面電波望遠鏡(FAST)」で観測された電波シグナルは、GRS 1915+105から噴出する宇宙ジェットのエネルギーに揺らぎがあることを示している。
なぜか0.2秒の周期で、強まったり弱まったりしているのだ。
それは常に起きているわけではなく、2021年1月と2022年6月に2回だけ検出された。

このブラックホールに何が起きているのか?
なぜGRS 1915+105の宇宙ジェットに揺らぎがあるのか、その原因は謎に包まれている。だが仮説としては、ブラックホールの自転(GRS 1915+105の場合、1秒に950回転)がその周囲にある降着円盤と一致していないからではないかと推測されている。
降着円盤とは、ブラックホールの重力によって引き寄せられた物質が、その周囲に集まったものだ。そうした物質はブラックホールにらせん状に落下していくので、円盤のような構造となる。

photo by iStock
今回のブラックホールの自転は、そうした降着円盤と一致していない。そのせいで、コマの軸がゆらゆらと揺れるように、ジェットがゆらゆらと揺れている可能性があるのだ。これがジェットのエネルギーの増減として観測される。ジェットの向きがそれるとエネルギーが低下、元に戻ればエネルギーも元に戻る。
これはあくまで仮説で、真実は謎に包まれている。宇宙にある似たような天体を調べることで、いずれもっと理解が深まることだろう。
この研究は『Nature』(2023年7月26日付)に掲載された。
References:Star-size black hole is emitting radio signals that scientists can't explain | Live Science / written by hiroching / edited by / parumo
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コメント
1. 匿名処理班
そりゃ、息継ぎせんと息切れするやろ
2. 匿名処理班
話は聞かせてもらった
人類は滅亡する
3. 匿名処理班
>この研究は『Natureう』(2023年7月26日付)に掲載された。
"う" ???
4. 火を噴いて街が飛ぶbyTOKYO
これは、「宇宙の彼方へ」の楽曲で有名なバンド『ボストン』のジャケットまんまじゃないか?
5. 匿名処理班
「うは宇宙のう」観たいでちょっとかわいい
6. 匿名処理班
このスケールで0.2秒間隔って・・・。
あまりの規模にめまいを覚えるな。
7. 匿名処理班
×「『Natureう』」→○「『Nature』」
8. 匿名処理班
封印が解けたんじゃない?
9. 匿名処理班
連星の相方が影響与えてるのでは。
10. 匿名処理班
>>9
若しくは周辺のガスの濃度が低くなって放出するバーストの量が減ってきてるとかありそう
11. 匿名処理班
サムネがほぼイデオンガンなんよ
12. 匿名処理班
幻夢界とは一種のホワイトホールである!!
ブラックホールに吸い込まれた夥しい物質が
原子分解して逆噴射している
光と熱の渦巻く悪魔の空間である!!
モトシャリアーン!!
13. 匿名処理班
>>3
”う”は宇宙の”う”だよ
14. 匿名処理班
遠い銀河のブレーザー
15. 匿名処理班
そうか、そうだったのか… プラズマジェットとは、命、時間、空間、生、死、全ての起源は…あぁ、俺は今、とても満足している・・・すべては、そう、素晴らしい事だよ
16.
17. 匿名処理班
宇宙内の全ての存在の起源はエネルギ−