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シロナガスクジラの2倍以上。史上最も重い動物かもしれない絶滅種のクジラの化石を発見

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(著) (編集)

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 南米ペルーの砂漠でまるで岩のような化石が発見された。それはもしかしたら地球史上もっとも重たい動物だったかもしれない。

 新たに発見された『ペルケトゥス・コロッスス(Perucetus colossus)』と名付けられたこの絶滅種は、3700万~3900万年前に海の浅瀬で生きていたクジラの仲間だ。

 これまでの動物の重さのチャンピオンは現代のシロナガスクジラで、体重130トンもある。だがペルケトゥスは、その2倍から3倍も重かった可能性がある。

 なぜそんなにも重たかったのか? その理由は彼らのライフスタイルと関係しているかもしれないという。

岩のように巨大な化石を砂漠で発見

 ペルーにあるマヨール・デ・サン・マルコス国立大学の古生物学者マリオ・ウルビナ氏が、ペルーの砂漠で「ペルケトゥス・コロッスス(Perucetus colossus)」の脊椎骨を発見したのは2006年のことだ。

 まるで岩のような巨大さで、彼の同僚は当初、化石と信じてくれなかったという。

 だが分析の結果、確かにそれは生物の化石であることがわかったのだ。それ以来、脊椎骨13本、肋骨4本、腰の一部が発掘されてきた。

 それは化石の発掘にしては、あまりにも大変な作業だ。

 特に脊椎骨は巨大で重すぎることから、毎年1、2本しか発掘できない。例えるなら、ビールの樽のような大きさなのだという。

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ペルケトゥス・コロッススの椎骨の1つを持ち上げる研究者たち / image credit:Giovanni Bianucci

ペルケトゥス・コロッススが巨大な理由

 ペルケトゥス・コロッススの化石は2つの意味で巨大だ。

 まず密度が異様に高いこと。普通の骨はスポンジのような作りだが、ペルケトゥスの場合は、骨の隙間がギュッとつまっている。だから岩ではないかと疑われたのだ。

 もう1つの巨大さは、骨が大きく、膨らんでいることだ。

 たとえば、大きいという意味ではシロナガスクジラの脊椎骨も大きいが、すらっとしたスマートさがある。ところが、ペルケトゥスのものはずんぐり膨らんでいるのだ。

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Image NPG Press/Youtube

 なぜペルケトゥスの骨は、こんなにも大きく重いのか? その理由は、沿岸部の浅瀬で生きるために便利だったからかもしれない。

 水中では脂肪や肺が浮かぼうとする。だから重たい骨で浮かばないようにバランスを取っていたのでは? というのだ。

 ちょうどダイビングでウェイトベルトを使うようなものだ。

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Image NPG Press/Youtube

胴長のアザラシのようなボディ

 ペルケトゥスの骨は約4000万年近く前のものだ。

 つまり、この巨大な動物は、クジラが現在のようなハクジラとヒゲクジラに分かれるほんの数百万年前に生きていた。

 だが、そのライフスタイルはほとんどわかっていない。化石は体の中心部分のものしかないからだ。彼らの生き方をもっと具体的に思い描くには、その前後の部分が必要になる。

 近縁種から想像されたペルケトゥスの生前の姿は、なんだか胴長のアザラシを思わせる。体の割にずいぶん頭がちっちゃいのは、近縁種もやはり小さいからだ。

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Image NPG Press/Youtube

ペルケトゥス・コロッススは何を食べていたのか?

 クジラ、イルカ、ネズミイルカなど、クジラの仲間はどれも肉食だ。だからペルケトゥスもまた肉食だったろうと考えられている。

 だが、生きるためには膨大な量のエサが必要だったろう。

 現在のシロナガスクジラはオキアミと呼ばれる小さな甲殻類を大量に食べているが、沿岸部で生きていただろうペルケトゥスでは無理だ。

 そこで1つの可能性として、海底に沈んだ死骸を食べるスカベンジャーだったという仮説が提唱されている。

 だが、そのようなクジラの仲間は今のところ知られていないので、もう1つの可能性として、マナティーのように海草を食べたとの仮説もある。

 実際、想像図の姿もマナティーに似ているだろう(ただしマナティーはクジラではなく、カイギュウ目に分類される)。

 とはいえ、歯や顎の化石がない以上、すべてはただの推測でしかない。ペルケトゥスの残りの部分を発掘するために、もっと資金が必要であるとのことだ。

 この研究は『Nature』(2023年8月2日付)に掲載された。

References:Could this ancient whale be the heaviest animal ever? / Bizarre-Looking Colossus Whale May Have Been Heaviest Animal Ever (Sorry, Blue Whales) – Scientific American / Could this massive whale from 40 million years ago have been the world’s heaviest animal? – ABC News / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 24件

コメントを書く

  1. 現代のクジラで草食っていないらしいから、もしかしたらクジラの仲間で初の草食かもしれないし、もしそうなら草食が生き残れなかった理由とかその辺も気になることがたくさん

    • +9
  2. こんなのが沿岸部の浅瀬にいたらと思うとワクワクで悶絶しそう

    ああステラーカイギュウどこかで生き残ってないかなあ

    • +11
    1. >>4
      まだ一つの仮説にすぎない。

      新しい化石や痕跡などの発見で変わる可能性が大いにある。

      • +3
  3. 陸上で生きられる最大の重さは130トン程度と言われるが海の中だとどのくらいの重さまで可能なんだろう?

    • +5
  4. 辛うじて残ってる足の短さが何か可愛いな
    クマムシみたい

    • +7
  5. 申し訳程度に付いている後脚がかわいい

    • +9
  6. 一日の何を食べて、その食事量が気になる

    • +5
  7. やった!現行の生物が生物史上最重量ってのがロマン無いなぁって思ってたんだ!

    • +7
  8. 浅瀬で鈍重な体だと他のアグレッシブな肉食のやつに狙われまくらないかな。
    頭がモササウルスみたいな超怖いやつだったとか希望。

    • +6
  9. 沿岸にもオキアミや動物プランクトンは大量発生するぞ。あくまでも沖合よりも安定性がないたけで。

    • +1
  10. マナティとかの海牛目かと思ったら鯨偶蹄目の原クジラ亜目か

    • +2
  11. コイツだって現代のクジラのように迷って浅瀬に打ち上げられただけじゃないかと思う
    そうじゃ無ければこんなに巨大で密度の高い骨の化石がもっと見つかってもよさそう

    • +4
  12. 次はこの密度が高くてクソデカい背骨の化石に刺さったままの巨大な牙の化石を希望するものであります。

    • +2
  13. 海外の研究者じゃなくて、自国による発見というのがうれしいな。
    更に進めるための予算がちょっと心配だけど。

    • +2
  14. これバシロサウルス系統の首が短く淡水域特化型に適応した個体だったりしてな

    • +4
  15. これが進化して今のジュゴンになったの?

    • -1
    1. >>20
      クジラとジュゴンは分類学的には全然違う仲間だよ。
      大分類で言うとジュゴンはアフリカ獣類(ゾウ、ツチブタ等と同じ)
      クジラは北方真獣類(ウシ、ネズミ、サル等と同じ)に属する。

      クジラから見たらジュゴンより人間の方がまだ近いレベル。

      • +4
  16. オオカミサイズだったと言われるパキケトゥスから
    ほんの千数百万年で300トンくらいまで巨大化したってことか。
    事実なら生物史上類を見ない巨大化速度だと思う。

    • 評価
  17. なんか化石が断片的過ぎて復元図は好き放題面白に全振りしましたって感じだな、ちょこんと出た指がしっかりある脚とか…面白いからヨシ!

    • 評価
  18. ポケモンに出そう アザラシと鯨とマナティーの合体ポケモンw(・∀・)w

    • 評価
  19. これさ、確か体重の推測にすげー幅あるんじゃなかったっけ?
    下は100トン切ってたような。

    • 評価
  20. まるでカメラを動かしながら撮影したような歪なデザイン、右フック犬みたいで嫌いじゃないわ

    • 評価

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