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物理学者がワームホールで過去にタイムトラベルを可能にする理論上の方法を考案

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(著) (編集)

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 理論物理学者は物理学のルールの抜け穴や矛盾を探している。

 カナダ、アルバータ大学の物理学者が見つけ出した抜け穴を利用すれば、時間は過去から未来へ流れるというルールを回避できるかもしれないという。

 つまり、少なくとも”理論上”は過去にタイムトラベルすることが可能になるのだ。

 具体的には時空の近道とされる謎めいた「ワームホール」を利用する。リング状ワームホールという特殊なタイプのものなら、そこをくぐることでまた同じ時間へと戻れるのだという。

時空のワームホールとは何か?

 よくSF映画などに登場する「ワームホール」とは、この宇宙に広がる時空と時空をつなぐトンネルのような仮設上の構造のことだ。

 私たちはこの宇宙を3次元の空間として認識しているが、話を簡単にするために空間がぺらぺらの紙のようなものだ考えてみよう。

 その紙の上に点を2つほど記してみる。2点間の距離が空間の距離だ。

 宇宙の時空は、大きな質量があると曲がる。そこでこれを紙で再現してみよう。ただ普通に曲げればいい。どんどん紙を曲げれば、いずれは2点をくっつけることができるだろう。これがワームホールだ。

 2つの点は離れているはずなのに、ワームホールを通り抜ければ、その距離を無視して近道することができる。

 この性質をうまく利用できれば、あら不思議! SF映画ように遥か遠くの宇宙まで一瞬で行けるようになる。

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photo by Pixabay

リング状のワームホールでタイムトラベルが可能に(理論上)

 実際のところ、ワームホールは理論上のもので、この宇宙にそれらしきものはまだ見つかっていない(2016年の仮説によると、ブラックホールの中心にあるらしい)。

 それでも科学者たちは、この不思議な時空トンネルをどうにか潜り抜ける方法はないものかと、さまざまな理論を提唱してきた。

 そして今回、カナダ、アルバータ大学の研究チームは、ワームホールを利用してタイムトラベルする方法を考案している。

 そのワームホールは少々特殊なタイプで、2016年にケンブリッジ大学の理論物理学者ゲーリー・ギボンズらによって考案された「リング型ワームホール(ring wormhole)」というものだ。

 このリング型ワームホールは、ブラックホールが作り出すような球状の時空の歪みとは違って、いわゆる”平坦な宇宙”をつないでいる(異なる宇宙をつないでいる可能性すらある)。

 ここに双対性回転(duality rotation)という電磁場の相互作用や、いくつかの変換を適用してやる。

 するとリング状の質量が時空に不思議な歪みを作り出し、この宇宙の2点をつなぐトンネルが誕生するのだ。

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ワームホールを通過することで過去へのタイムトラベルが可能に

 今回の研究チームが検証したのは、さまざまな状況においてこのトンネルがどうなるのかということだ。

 たとえば、リングの上に動かない質量が置かれていたとしたら、どうなるだろうか? あるいは、リングの入口と出口が同じ宇宙にある場合はどうなるのだろう?

 こうした検証の結果、浮かび上がってきたのが、「時間的閉曲線」と呼ばれるものだ。

 これは物体や光線がまっすぐ進んだ場合、いずれ最初とまったく同じところに戻ってくることを意味する。

 しかもそれは、空間だけでなく、時間という点でも同じなのだ。だからこのワームホールを通過することで、過去に戻ることができる。

 車椅子の天才、故スティーブン・ホーキング博士も考えていたように、残念ながらこの時間旅行トンネルは、ちょっとしたことで通行不能になってしまう。

 だが未来のことは誰にもわからない。もしかしたら、いつか登場する天才物理学者が物理ルールの抜け道を見つけて、ワームホールを上手に通り抜ける方法を考案するかもしれない。

 この研究は『Physical Review D』に掲載される予定だ(現在、査読前のものが『arXiv』(2023年5月6日投稿)で公開されている)。

References:Physicists Just Figured Out How Wormholes Could Enable Time Travel : ScienceAlert / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 41件

コメントを書く

  1. 過去に戻った場所にまずリングワームホールを設置しないと相互通行できなくなりそう

    • 評価
  2. ELOのアルバムのジャケットみたい(笑)
    (ELOは、電車男や天才てれびくん、ダイコンフィルムで流れた『トワイライト』で有名なイギリスのバンド)

    • 評価
  3. アメリカのボストンと言うバンドの『宇宙の彼方へ』と言う曲のジャケットにも似ている!

    • 評価
  4. 『スター・トレック』では、ワープする時、月の裏を回るのだが、『おじゃる丸』が平安時代から現代にワープするのに、月光ロードを利用する!
    『アラレちゃん』では、「 キーンと一飛びお月様ホヨヨ~ン宇宙人べっくらこいた♪」と歌っているが、2番では、「怪獣うじゃうじゃいるよ♪」と歌っている⁉
    ここから見えてくるのが、タイムワープには、月が関係していると言う事だ!
    内閣府が目指す『ムーンショット目標』とは、おそらくタイムトラベルの事だろう!
    PS.ELOで『ニュースペーパー』を聴こう!

    • -1
  5. ELOの曲ニュースペーパーじゃなくてニュースだ💦
    大変失礼しました!

    • 評価
  6. 昔から言われてる方法だと思うけど何が新しいんだろう

    • -1
  7. ドラえもんのタイムマシンではないんだな
    どちらかっていうと、映画の「アルカディア」と「キャビン・イン・ザ・ウッズ」みたいな感じかな

    • 評価
  8. 作者はタイムトラベルのことが全く理解できてない

    星を見るように過去を見ることは可能だが、過去に行くことは不可能

    • 評価
    1. >>14

      作者?なんの?
      今回は学者さんの話だと思うけど?

      で、あなたは何がわかってるの?
      コメントで終わるんじゃなくて発表したらいいんじゃない?

      • +2
  9. 理論上だとしても夢がある話だ
    いつか実現してほしい

    • +1
  10. 時間って本当にあるのかな?

    人間が物事の変化を表現するために尺度としてつけただけだと思うけど

    • +5
    1. >>17
      例えば双子のパラドックスや、強い重力下では物理法則に則って時間が遅れたりするように、恐らく時間(を内包する「時空」)は確かに存在しているはず。
      いずれにせよ、例え「時間」が人類特有のバイアスだとしても、「時間」という単語を「エントロピー増大」に読み換えれば不都合なく時間を説明できる。

      • 評価
    2. >>17
      物質の崩壊を、人間が「時間」と定義しているだけだね
      時間という定義によって物質の崩壊や変化を認識している

      変化こそが唯一の不変であるという旨を残した古代の哲学者は真に正しいと思うわ

      • +2
      1. >>44
        時間の進み方が状況によって変化するから
        やっぱり時間はあると思うよ
        ウラシマ現象的な。

        • -1
  11. ブラックホールも存在してるかさえわかってないからね
    実はトポロジカル星なのではという説もあるし

    • 評価
    1. >>18
      ブラックホールらしい天体は観測できたけど、それがブラックホールかは確定していないのよね
      「ブラックホール理論」から理論が外れるか。はたまた別のものになるか…予断を夜しません

      • 評価
  12. 「特殊なブラックホールは入れる」か
    「回転するブラックホールは入れる」は前から
    「ブラックホールに見える別世界への穴がある」は先日
    まあ言うだけならタダってやつ、学者が言うから記事にされるだけ

    ミチオ・カクは「負の物質で包めば高重力と反発して潰されない」と持論を展開してたよ

    • 評価
  13. ワイの聞きかじった限り、ワームホール自体は(現実に確認こそされてないけど)空想のお遊びどころか現代物理学の中心的話題らしい。量子テレポーテーションの方は現実にも既に観測されてるけど、その量子テレポーテーションとワームホールとが深いつながりがあって、そのつながりを探る過程で、より深い物理的な考察へと導かれるそうな。

    • +1
  14. ワームホール自体はゲートを通って瞬間的に物体を移動させる技術。
    そこからワームホールをタイムトラベルに利用するということは、一方のゲートAの時間の進行を遅らせることで、もう片方のゲートBから侵入した場合は過去へ行けるのではないかとの話しがあったはず。
    光速は何らかの妨害がない限り不変として、時間の進行は条件に応じて変わってしまうのではないかというのが相対性理論だからね。
    条件に応じて変わってしまうのではないかというのが重要なんだよな。
    もしかしたら通常の時間経過ではなく条件次第で逆の時間経過が生じる方法がまだ発見されていないだけなのかもしれない。

    • 評価
  15. 質量による時空の歪みは観測者に「見かけの」短絡を見せているだけなので、実際に物理的距離が短縮されている訳ではないのでござる。

    • 評価
  16. 理論上とか、可能性いう考え方は非常に厄介で、完全否定が無理なことをいい事に
    近頃の科学者は注目を集めるために子供みたいな理論を提唱するのやめて欲しい

    • -2
    1. >>24
      理論と可能性こそ全ての源なのに。
      そこに大人とか子供とか関係あるんでしょうか。
      それにやめて欲しいとは?
      完全否定しないと気が済まない方なんですか?

      • 評価
    2. >>24
      同意

      自称科学者が、悪魔の証明を前提に理論を構築するような、意味のない論文が多すぎる

      • 評価
      1. >>43
        現在の物理学は基本「悪魔の証明」みたいな話の積み上げでできている件について

        • -1
    3. >>24
      検証と証明が伴ってこそ初めて科学と呼べるから、大昔の神話と大して変わらない与太話を「仮説」という言葉で誤魔化すのはやめてほしいとは本当にそう思う

      • +2
  17. 過去に行けるならギャンブルの結果が全てわかってるから大金持ちになれる

    • 評価
    1. >>25
      ギャンブルの主催者もその過去を改変するから絶対負けるよ

      • 評価
  18. ではまず屏風からワームホールを出してください

    • +1
  19. これはタキオンエンジンの開発が必要になってくるな

    • 評価
  20. 銀河系の移動速度が秒速630km
    タイムマシンであれ、ワ-ムホ-ルであれ、
    出口座標を地球上や地球周辺に制御することが不可能である以上、
    実現に関する部分的な技術が存在したとしても無意味w

    • -3
  21. ワームホールは地球上なら出入り口が重力を受けてるんだから宇宙空間に出ることはない。扉は地球に引き寄せられて固定されてるんだから制御できないというのがそもそもの間違い。もしも扉が地球から離れてしまうならそれは重力の影響を受けてないことになる。
    タイムマシンもそれと同じく重力を受けた状態で移動しているかが重要な問題となる。エレベーターみたいな個室に侵入して後は個室の中の時間が遅くなったり周囲の時間に逆らうとする。このタイプなら地球の重力の影響を受けるから宇宙へ放り出されてしまうなんて心配はない。
    ただどちらもそれぞれが作られるより前には移動できないという問題がある。アインシュタインもタイムマシンは開発されるより前への移動はできないと予測してる。過去へ行きたいなら過去へつながる扉がないとそこへ出ることはできないんよな。

    • 評価
  22. ワームホールを人工的に作り出してワープするには、銀河系にあるすべての恒星を集めたくらいのエネルギーが必要なんだってさ。

    • +1
  23. 確かに時計の針が遅くなることと物質の崩壊がイコールってのも変な話しだよな

    • +1
  24. 時間と空間の関係から提唱された時間結晶の存在は、時間が存在するという証明の一つにならないか?

    • 評価

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