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宇宙はこれまでの推定より2倍古い可能性。宇宙年齢を再定義、137億年ではなく267億年

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 これまで、宇宙の膨張スピードから導き出された宇宙年齢は137億年と推定されていた。

 だが「光は長旅で疲れる」という古い仮説をあわせて考えると、じつはそれよりも2倍近く古く、267億年であるとする新たな研究結果が報告された。

 宇宙では、宇宙そのものより古いとされる星や、年齢のわりに年老いて見える銀河などが見つかっているが、今回の研究はこの矛盾を解く鍵になるかもしれないそうだ。

宇宙の年齢を推定する方法

 宇宙の年齢を推定するのは、身長の伸びるスピードから子供の誕生日を当ててみるようなものだ。

 遠くにある星々は、それが本来放っているはずの光よりも少しだけ赤く見える。その理由は、宇宙が膨張して光が引っ張られているからだ(とされる)。

 すると、より赤みを帯びた光ほど、より長い距離を引っ張られた古い光ということになる。ここから宇宙の膨張率を求め、それを逆算することで宇宙が誕生した時期を推定する。

 この方法によるならば、ビッグバンによって宇宙が誕生したのは137億年前ということになる。

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photo by Unsplash

過去の仮説を組み合わせることで真実の年齢が見えてきた

 だが遠くの光が赤く見える理由についての説はこれだけではない。1929年、超新星研究の先駆者である天文学者フリッツ・ツビッキーは、また別の仮説を提唱している。

 それによると、遠くからやってきた光は”疲れている”のだという。つまりはエネルギーを失っている。すると周波数は下がり、波長が長くなる。だから赤くなる。

 この「疲れた光説」は、さまざまな問題を抱えていたため、光の赤さは宇宙の膨張のせいであるという説が一般的になった。

 だがオタワ大学の理論物理学者ラジェンドラ・グプタ氏によるならば、この2つの説はお互いに矛盾しているわけではないという。

 むしろ、両者を組み合わせることで、異常なほど古い星がある理由や銀河が年齢以上に年をとっているように見える理由を説明できるかもしれない。

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ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が撮影した遠方の銀河 / image credit:NASA, ESA, CSA, STScI

真の宇宙年齢は267億歳である可能性

 グプタ氏のハイブリッド説は、宇宙の大きさについての天文学の常識は一応正しいということを前提にしている。だが、ここで「結合定数」というものを考慮する。

 結合定数とは、原始や分子のような粒子がお互いに作用する力の強さのことだ。

 たとえば、磁石のS極とN極はくっつこうとする。このくっつき合う力の強さが結合定数だ。くっつき合う力が強ければ、結合定数は大きい。弱ければ、結合定数は小さいということになる。

 一例として磁石を取り上げたが、この結合定数はどんな力にもあるものだ。そして、それは必ずしも一定ではなく、エネルギーによって変化する。

 もしも結合定数が時間とともに変化し、それが光の動きを左右するのだとしたら、これまでの宇宙の年齢を求める計算は大幅に狂ってしまうことだろう。

 このような考えからグプタ氏が導き出した宇宙の真の年齢は、一般的に言われているような137億歳ではなく、267億歳であるという。

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photo by iStock

既存の宇宙理論の矛盾を解消

 実際にこれまでの宇宙論ではうまく説明できない天体が見つかっている。

 例えば、恒星であるHD 140283は宇宙の年齢に匹敵するか、あるいは宇宙そのものより歴史が古いと考えられている天体と言われている。

 HD 140283は、聖書に登場する最も長寿な人物「メトシェラ」(969歳で死んだと記述されている)の名前にちなんで、メトシェラ星とも呼ばれている。余談だが、同じ名をもつ世界最古の木も神秘的だ。

 他にも、わずか3億年しか経っていないはずなのに数十億歳も年老いているような銀河なども発見されている。

 だが、本当は宇宙がこれまでより2倍も古く、疲れた光のせいではるか遠くの天体の見え方が違ってくるのだとすれば、こうした謎をうまく説明できるかもしれない。

 観測結果が予想とまったく違っていたとき、科学者はありとあらゆるアイデアを検証する。ときには古い理論を引っ張り出して、どうにか使えないか試してみることもある。

 最終的にどのように説明されるにせよ、そうやって生み出された理論は、これまでよりも一歩進んだものだ。

 この研究は『Monthly Notices of the Royal Astronomical Society』(2023年7月7日付)に掲載された。

References:Reinventing cosmology: New research puts age of universe at 26.7 — not 13.7 — billion years — ScienceDaily / The Entire Universe Could Be Twice as Old as We Thought : ScienceAlert

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この記事へのコメント 45件

コメントを書く

  1. はえ~ わいが数年歳をとってる間に
    宇宙では100億年以上も経ったのかー

    • +4
  2. まだまだ宇宙に対して人類は接してきた時間が短いからなあ
    骨だけの標本で生前の姿を正確に復元するのが難しいように、宇宙も現地で調べられる手段が限られてるので定説も二転三転する
    解けない謎はモヤモヤするけどだからこそ引き寄せられるのかも知れない

    • +12
  3. ・太陽系の年齢が宇宙の年齢と比較して古すぎるとは感じていた。
    ・超新星爆発でしか生成されない元素の量も多すぎる。
    これからもっともっと宇宙の起源は古くなっていくんじゃないの。

    • +4
    1. >>5
      超新星爆発は平均すると一つの銀河で
      50年に1回くらい起きるとされてるから
      それはそこまで不自然でもないかも。
      超新星悪発起こすような巨大な星の寿命は
      1000万年程度とかなり短いので。

      あと重元素は超新星爆発以外に
      中性子星合体なんかでも生成されると言われてる。

      • +6
  4. 相対論的にはそれぞれの星で流れる時間が異なるのだろうけど

    • 評価
  5. 宇宙に年齢があるなら、毎日見えなくなる天体がないといけないけど、その辺どうなのさ。

    • -13
    1. >>7
      もちろん、時間とともに観測的に見えなくなる星はいくらでもあるし、物理的に崩壊する星もいくらでもある。星座なんかも数万年スパンで見ればどんどんズレていく。
      が、砂浜の砂粒が一つ消えた所で我々はそれを事実上知りようがない。
      8世紀頃には当時の天文学者によって超新星爆発と考えられる増光イベントが記録されてるけど、今はその痕跡すらわからない。

      • +2
  6. 定数が変化するならそれは変数じゃないのか

    • -8
  7. まあ確かめようがないしどうでもいいわな

    • -12
  8. 確かに空間の無限に近いようなバカでかさに比べて137億年という数字はショボさが否めない

    歳とると1年があっという間だが、それのたった137億倍と考えるとショボい

    • +1
  9. 宇宙の誕生が古いなら、今の広さももっと大きくなってるのでは?

    • 評価
  10. えー267億歳なんですかあ?見えなーい!
    すっごい若見えですねー、137億歳くらいだと思ってましたー!

    • +18
    1. >>15
      宇宙センパイって無理に若作りしているけど光が疲れてるのよねー

      • +6
  11. 遠くの宇宙ほど赤方偏移が強い

    昔の宇宙ほど光が引き延ばされて観測される

    昔の宇宙は今より時間がゆっくり流れてる
    と考えることもできる

    宇宙の時間の流れ方は過去も今も一定という前提で赤方偏移の原因が宇宙膨張とか光の疲れとか言われてるけど
    時間の流れ方が宇宙開闢以来徐々に加速してるかもしれない説を誰も提唱しないのはやっぱり物理学的に無理があるからなのかね

    • +3
  12. 新しい宇宙望遠鏡のせいでビッグバン理論が崩れつつある

    • -3
    1. >>17
      ジェイムズウェッブ宇宙望遠鏡よりも超対称性理論が間違ってたぽいのが大問題
      多額の労力と金を注ぎ込んだ大型衝突加速器での実験失敗はスポンサーに対しても大きな失望感と物理に対する疑念を与えてしまった

      • -3
      1. >>18
        「理論」は所詮「理論」なので…
        ちなみに超対称性理論での”失望”は、現在主流の物理学が根本的に崩壊する可能性があるからだよ
        どれぐらい差し戻さないといけないかというと、だいたい半世紀ぐらいの論文がほぼ死に至る可能性がある程度で、現在話されている宇宙論も大幅に差し戻しされていく可能性があるよ

        科学者の皆さんはみんな失望とわくわく感に溢れているんじゃないかなw

        • +1
    2. >>17
      遠い未来ではビッグバン理論と地動説は同じカテゴリになってたりして。

      • -2
  13. 世の中のほぼ99.99%の人間が騙されていることは、人間は宇宙も何も知らないってこと。始まりも確かな事は何1つ判明したことは無い。アカデミアは全てデタラメ、捏造機関である。

    • -7
  14. ○○○…グーゴル年からの、もう分からないになる流れですか?

    • 評価
  15. 宇宙の膨張速度は光より速いなんて話もあるらしい。そうなると時間って何?みたいな話になるな。

    • 評価
    1. >>23
      光より速いだけじゃない加速もしてるw

      • 評価
  16. 赤方偏移には「宇宙の膨張」と「疲れた光」の二つの要因があるのでは?ってこと?
    宇宙の膨張率が変われば宇宙の年齢も変わる。
    でも、どうやってこの説を検証すればいいのか素人の俺には思いつかないわなw

    基礎知識

    京都文教大学2015年秋学期 宇宙の科学
    担当教員:磯部洋明
    https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~isobe/etc/kbu16/file/KBU-20161003.pptx.pdf

    福岡教育大学 宇宙の膨張について
    金光研究室 水口雄太
    https://staff.fukuoka-edu.ac.jp/kanamitu/member/youshi/2006/mizuguchi_youshi.pdf

    • +2
  17. まあ、たかが地球1個が46億歳で、とんでもなく広大な宇宙がその3倍程度しかないってなんか変な感じはしてた。

    • +3
  18. 情報が古いな。メトシェラ星は2021年3月の再観測で、下方修正されてるから
    宇宙より古いという矛盾は無くなったぞ

    120億歳で、誤差は+-5億年とのこと。

    それでも古い星であることに変わりは無い。
    でも重元素が存在しないファーストスターでもないんだよね。

    • +1
  19. 赤方偏移は超重力で観測軸が引き伸ばされている場合にも発生するので、その場合には距離や古さを確定する事が出来なくなる。
    という事は、遠距離に見える天体の実際の距離や古さは実はまったく当てにならないという事。
    宇宙は膨張していないかもしれない。

    • 評価
  20. そもそも時間というのが思っているよりあやふやなシロモノだと言われてるようだし
    桁数がちがうのでもうどうでもいいように感じる

    • +1
  21. 疲れた光(tired light)仮説は大昔に否定されてるけど。なんでまた出てきたんだ?

    ビッグバン直後の光(宇宙マイクロ波背景放射)のスペクトルパターンを説明出来てないなら代案にはならないよ

    • -1
  22. 宇宙の謎に求めることはたった1つ。
    この宇宙が唯一ではなく、宇宙も生命のある星も知性のある生き物も、どこかに必ずいつでも存在してありふれたものであること。
    じゃないと、地球が滅んだあと、この宇宙が枯れ果てて何も新しく生まれなくなったあと、この宇宙に寿命が来た後が怖くてたまらない。
    自分がいつかいなくなることはいい、でも全てなくなったらどうなるのかを考えると恐ろしすぎる。
    サイクリック宇宙論、膜宇宙、何でもいい。
    宇宙も、そこに内包される星も命も知性も絶えないでどこかに有り続けて欲しい。

    • +1
  23. 光子「もう疲れちゃって・・全然動けなくってぇ・・」

    • +1
  24. 宇宙がトーラス構造かもしれないって話はどうなってんのかなー。
    空間がずっと加速し続けて広がり続けるって、感覚的に不自然に感じるから、閉じた構造が何となくしっくりは来る。
    もっと言うなら、宇宙も星と同じように閉じた球じゃないの?と思う。色々なものがフラクタル構造で類似点があるから、宇宙そのものもそうじゃない?って。
    でもって球の宇宙がたくさん集まって宇宙群とか作ってるんだよ。
    いつか宇宙そのものも超新星みたいに弾けて終わったりするんだー。

    • +1
  25. それなら・・・・俺の仮説

    我々が住む宇宙のビッグバンで産まれたのは、137億年で・・・それ以前に古代宇宙にあった星が、現在の我々の宇宙内に取り込まれたのではないかと!

    宇宙は、我々の宇宙だけではないと思うよ! 
    我々の宇宙以外の先代宇宙が無ければ・・・ビッグバンなんて現象が起きないからな!!

    • +1
  26. 辻褄合わせにもほどがある(笑)。そもそも時間自体が存在しない。

    • 評価
  27. ブラックホールの内側が一つの宇宙に変化するって考えた方が何かしっくり来るんだよなぁ
    引力が無限大になるブラックホールの表面の向こうには、マイナス無限大とも言える斥力場ができてそうに思うわ
    まあ、それこそ観測不能なので証明しようもないが

    この場合、宇宙創生(内側)=ブラックホールの創生(外側)
    爆発が起きたんじゃなくて、逆ブラックホールとも言える、全天球型の天体の表面に向かって内容物全体が引っ張られてる
    光速でも追いつけない彼方の天体は、実はもう逆ブラックホールの表面に吸い込まれてしまっているに違いない

    • +1
  28. この理論の真偽はわからんけど、宇宙年齢が137億年は短すぎるんじゃないかとずっと思ってた。感覚的に。つまりなんとなくw
    これって自分だけ?

    • 評価
  29. 森羅万象に関する様々な現象について発表する人はなぜか都合のよい情報のみを関連付けて発表するので、別の角度から見ると計算が合わなくなるのは至極当然の事と思います。
    実は思考停止していて新しいことを言われるままに信じているに過ぎないのではないでしょうか。もちろん誤差よりも小さな要素もあるので大まかにみて大体あってるでよいのかもしれませんが、137億年前に発射された光を観測して137億年前に宇宙が出来たといわれて信じてしまった我々にも非があるのです。一つだけ確かなこと、それは生まれたばかりの宇宙は観測できないということ。観測できるものが何もないかもしくは超高温高圧の世界だから観測できるはずなどないのです。

    • +1

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