
動画を公開したモントレー湾水族館研究所 MBARI によると、このイカの名はガラスイカ(glass squid)。開眼目サメハダホウズキイカ科の一種だそう。
ガラスイカは海のトワイライトゾーン深海に生息し、驚異のカモフラージュ能力で天敵から身を守りながら暮らしている。
このイカは皮膚の色細胞を自在に操り、体色を透明にするだけでなく、反対に深海の闇に溶け込むぐらいの暗色にすることもできちゃうそうだ。
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Glass squid use an invisibility cloak to stay safe in the twilight zone
深海にいるカモフラージュの達人ガラスイカ
先月末にモントレー湾水族館研究所 MBARIが披露したガラスイカ。

色素胞を閉じ透明な皮膚で捕食者から身を隠す
体がとってもやわらかく、甲殻類や貝のように頑丈な殻もないタコやイカなどの頭足類が、捕食されずに生きだのびるにはなにかしらの工夫が必要になる。
ガラスイカはたいていその袋を閉じたままにしている。するとこのイカ本来の、透明な皮膚のみの体になって捕食者に気づかれにくくなる。またこの能力は食事にも有効で、獲物を油断させるの時にも役立つ。
発見されると暗色に変化。最後の手段でイカスミも利用
だが時には失敗もある。たとえば腹ペコな捕食者にうっかり見つかった場合、さすがのガラスイカも大至急動かなくてはならない。透明が通用しない相手には、深海の暗い景色にまぎれるためか、すぐに色素胞を開き体色を濃くしたり、体内の隙間に墨(イカスミ)をたっぷり満たして黒い塊のふりをする。

徹底した透明仕様。発光器で不透明な器官の影もカバー
開眼目 サメハダホウズキイカ科 (Cranchiidae) のガラスイカは、全世界の海域の海面(表層)から水深2000メートルまでの深海(中層)に生息する。食べ物は甲殻類や魚類、他の頭足類などだ。また鳥のトサカのように見えるのは脚。厳密には腕にあたる。



こちらもガラスイカの仲間。サメハダホウズキイカ科に属するガラスイカの一種(Helicocranchia sp.)。通称コブタイカ(piglet squid)

ガラスイカの環境が金属の発掘で悪化する懸念も
一方MBARIは、ガラスイカの環境が将来悪化する懸念があるとして、ガラスイカの保護活動を呼びかけている。理由は人間による鉱物の採掘だ。現代の人間の技術に欠かせない金属をとるための採掘作業で、深海の海底から中層までが汚染されて濁ってしまうと、ガラスイカの透明技も使えなくなる可能性があるという。
採掘作業がもたらす深海生物への影響。その特定を急務とするMBARIは、こうした一連の深海調査がその予測に役立つことを願っている。
References:laughingsquid / youtube / techeblog / mbariなど /written by D/ edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
ポケモン感がすごい
2. 匿名処理班
なかなかイカすじゃないですか
3. 匿名処理班
クジャクイカかな?って思ったらやっぱりお仲間だった
某ダイビング寿司屋経営ゲームで寿司にしてたわ
4. 匿名処理班
(◉◇◉)
5. 匿名処理班
イカソーメンが食べたくなってしまった。
6. 匿名処理班
リュウグウノツカイとかあっち系の魚に擬態してるみたい。周りにいる子の影響を受けるのね
7. 匿名処理班
せっかく綺麗な透明の身体ですが
醤油漬けにしたらやっぱり真っ黒になってしまうのでしょうか?
8. 匿名処理班
美味しそうじゃないね
9. 匿名処理班
オイバトイッカのフクロウみたい
10. 匿名処理班
海洋学者も食べてみたいとか思うんだろうか・・・ 考古学者とか太古のチーズとか食べたりする人居るから・・(;^ω^)
11. 匿名処理班
ランチュウとかみたい。
でも最大2mはこわいかも。
12. 匿名処理班
シンクロ選手みたいな足の上げ方だな
リアルなガラスイカのガラス細工とか出ないかな。子供の頃水族館で買ってもらったタコの置物と並べたい
13. 匿名処理班
やっぱり、酢味噌でしょうかね
14. 匿名処理班
ガラスイカってめっちゃ小さいイメージあったけどそんなデカくなるんか