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ミイラの展示に健康リスク。潜在的に危険な菌類が増殖している可能性

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(著) (編集)

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 メキシコで集められた古代ミイラコレクションには、危険な菌類がはびこっている可能性があり、ミイラを観に訪れる人たちの安全を確実にするために、展示方法を見直す必要があるという。

 この忠告は、菌の増殖が展示物を扱う職員や、来館者に感染症を引き起こすかもしれないという懸念に基づいて、メキシコ国立人類学歴史研究所から出されたものだ。

展示されているミイラに危険な菌が増殖している可能性

 メキシコ国立人類学歴史研究所はこう語る。

2021年11月に研究所が展示されているミイラを調査し、公開された写真のいくつかから、少なくともひとつのミイラに菌の増殖の兆候の可能性が見られた

バイオハザードから庶民を守る策がないまま、相変わらずそのままミイラが展示されているのは、憂慮すべきことだ

 これらミイラは、1800年代にさかのぼるもので、ミネラルが豊富な乾燥した土壌に遺体を埋葬した結果、できたものだ。

 グアナファトのミイラとして知られるものは、埋葬後、墓地の場所を保証するために支払わなくてはならない「埋葬税」が導入されたため、掘り起こされた。遺族に納税する余裕がなかったり、身寄りのない遺体は、掘り起こされて展示にまわされたのだ。

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ミイラ展示のガラスケースの密閉性に懸念

 ミイラが展示されているガラスケースの密閉性に懸念が集中している。隙間があると、菌の胞子が訪問者にくっついてしまう可能性がある。

 こうしたことはすべて、慎重に調査されるべきで、ミイラという文化遺産だけでなく、ミイラを取り扱う職員や来館者たちにリスクにならないか、見極める必要がある。

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ツタンカーメンの呪いも菌によるもの?

 脅威が確認されたとしても、古代のミイラそのものが、現代の生きている人間に影響を及ぼす菌の感染源になる可能性があると言われるのは初めてではない。

 世界一有名なツタンカーメンのミイラの発掘でも、カーナヴォン卿を始め、そのとき発掘現場にいた10人以上の人間が死んだのは”ミイラの呪い”のせいだと噂されてから(棺を開けたとき、その場にいたのに死ななかった人も多かったことは注目すべきだが)、菌による恐怖騒動はあった。

 毒性を増す可能性のある墓の中で、非常に長い間、休眠状態で生き延びることができる真菌「アスペルギルス菌」がもっとも有力な原因だとされた。

 墓があばかれ、空気が何千年もの平穏を初めて破ったとき、胞子が舞い上がって、生きている人間の鼻や口から入り込んだ可能性はある。

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photo by Unsplash

ミイラの呪いは菌であるとする例はほかにも

 ミイラの呪いの発生源が菌だとされるのは、前例がないわけではない。

 1970年に、カジミェシュ4世の墓が開けられたときにも、同じような出来事があった。

 600年ぶりに墓が開けられたときにそばにいた12人の科学者のうち10人が、数週間以内に亡くなった。なにが原因だったのかは不明だが、墓の中でさまざまな菌が培養されていた。

 同様に、1976年にラムセス2世のミイラがパリに移送されたとき、ミイラの呪い「アスペルギルス」を始め、89種もの異なる菌を分離することができたという。

 結局、人間の遺体がいくら古くなっても、菌を無害化するには十分ではないのは明らかだ。

 こうした事実は、展示に適したミイラを考える場合には注意が必要で、生きている人々の命を守るのに、ミイラをどのように管理するのが最善かを提案する国立人類学歴史研究所の考えを支持している。

References:Mexican experts say mummy exhibit may pose health risks / Mummies Touring Since 1800s Showing Signs Of Potentially Hazardous Fungal Growths | IFLScience / written by konohazuku / edited by / parumo

この記事へのコメント 24件

コメントを書く

  1. 展示以前に、採掘している方々は大丈夫なのかな?

    • +11
  2. 言われてみればありそうだよね。未知の病原菌とか、かびとか

    • +9
  3. あちこちで薬💊として飲んでいたよね。
    (散剤としての利用が多かったようです)
    で悪いってことはなかったみたい。
    あれは包帯に染み込んだ消毒薬が効いたのかな?

    • +4
  4. ミイラを展示したり鑑賞したりって、やっぱり皆んななんとなく後ろめたい気持ちがあるのが分かるね
    殺菌したり滅菌したりするだけならいくらでも方法はあるもんな

    • -3
  5. ツタンカーメンの呪いの病原菌説懐かしいわ
    サイボーグ009でネタになってたっけ

    • +1
    1. >>6
      小学生の頃ツタンカーメンのなぞ的な本を恐々読んでたのを思い出した

      • 評価
  6. 南極の地底奥深くから採取した古代の細菌や、シベリアの永久凍土が溶け出して現れたマンモスの凍結遺体だとか、現生人類とは直接接触していない生物が持つ古代のウイルスが現生人類に与える危険性も危惧されるくらいだから、古代のミイラや遺物も同様に危険性を考慮するのは必然かもしれませんね

    • +3
  7. 危険性は理解できるけど、…正直、今更? って思っちゃうよね。

    • +4
    1. >>9
      昔は目に見えなかったものが様々な理由でどんどん「見える」(認識される)ようになってきたからねー

      • +2
  8. なんか昔読んだ双子の姉妹の少女漫画を思い出した
    これ系の話だったような…久しぶりに読みたいなー

    • +2
  9. そういえばちょっと前にエジプトで新たに見つかった大量の棺を何週も続けて次から次へと開けるってバラエティやってたけど、最近やらないなぁ。
    もしかしたらミイラの呪い……?

    • -1
    1. >>11
      単純にテレビ側の取材費用が…視聴率が…

      • -1
  10. 人体を分解する菌が大量繁殖して
    休眠状態なんだろ

    • +1
  11. トップ画はクマ姉さんが何かのお菓子で再現しそうw

    • +2
  12. 遺跡や遺物で肺炎拾ってくるのはままあることです

    • +6
      1. >>22
        うわ~お気の毒です
        ちなみにどちらの?

        • 評価
  13. サムネは某鋼鉄の〇女のジャケットに使えそう

    • 評価
  14. 「火葬」ってやっぱり人類の叡知の結晶なんじゃないだろうか

    • +4

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