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酒酔いを速くさますホルモンが発見される。マウスに投与したところ2倍の速さでしらふに

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(著) (編集)

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 アメリカの研究チームが、脳に”ダイレクト”に作用して酔いを覚ましてくれる「酔いさましホルモン」を発見したそうだ。

 酔い醒ましホルモンは、「線維芽細胞増殖因子21(FGF21)」と呼ばれるもので、マウスや人間などの肝臓で作られている。

 これを酔っ払ったマウスに投与したところ、アルコールの分解が進んだわけでもないのに、酔いの醒めが速くなったのだ。

 なぜアルコールが体に残っているのにシラフになってしまうのか? その理由は、FGF21が脳の覚醒を司る領域に直接作用するからだという。

 『Cell Metabolism』(2023年3月7日付)に掲載された研究によると、このホルモンは生物がアルコールの害から体を守るために進化させたのかもしれないそうだ。

エタノールから体を守るホルモン

 お酒を飲むと酔っ払ってくるのは、アルコールの一種である「エタノールの作用」だ。お酒をお酒たらしめている成分なので、酒精と呼ばれたりもする。

 これを摂取して酔っ払うと、気分は良くなるが、体はうまく動かなくなるし、頭もまともに働かなくなる。

 そんなエタノールは、スーパーのお酒コーナーに行かなくても、自然界には普通にある。

 熟れた果物の糖分が発酵してできるからだ。だから、そうしたものを食べる動物は、エタノールから体を守る仕組みを進化させてきた。

 たとえば、肝臓で作られる「線維芽細胞増殖因子(FGF21)」というホルモンがある。

 これは飢餓状態になったり、タンパク質が不足したりすると分泌されるのだが、とりわけ人間の場合、分泌を一番うながすのがエタノールだ。

 FGF21には、お酒を飲みたくなくなるかわりに水を飲みたくなる(脱水症状を防ぐ)など、酔いの悪影響から体を守ろうとする働きがある。

 だが今回の研究では、その効果はそれだけでないことが明らかになっている。脳に直接作用して、酔いを醒まそうとするのだ。

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酔いさましホルモン「FGF21」は、脳内のノルアドレナリン神経系に作用して、酔いをさます / image credit:Cell Metabolism/Choi et al.

脳に直接作用して酔いをさます

 テキサス大学の研究チームが、エタノールで酔わせたマウスにFGF21を投与してみたところ、エタノール分解の進み具合には特に変わりがないのに、覚醒レベルが上がることが確認された。

 私たちは、体のバランスが崩れれば、無意識に重心を移して倒れないようにするし(姿勢反射)、それでもダメなら足を出して転倒を防ごうとする(立ち直り反射)。

 酔っ払った人はこうした反射が鈍くなるが、それは酔ったマウスでも同じだ。そして実験でFGF21を投与したマウスは、こうした反射が速やかに回復したのだ。

 面白いことに、FGF21はケタミン、ジアゼパム、ペントバルビタールといった麻酔や鎮静剤には、まったく効き目がない。つまりエタノールにしか効かないのだ。

 FGF21の酔いさまし効果は、脳の「青斑核」(覚醒や注意に関係)にある「ノルアドレナリン作動性ニューロン」を直接活性化させること発揮されているようだ。

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photo by Pixabay

エタノール中毒から身を守るために進化した可能性

 研究チームはこうした結果に基づき、FGF21肝-脳経路は生物がエタノール中毒から体を守るために進化させたのだろうと推測している。

 この経路は、さまざまな認知・感情機能を調節することで、厳しい状況での生存率を高めてきた可能性があるそうだ。

 なおFGF21とノルアドレナリン神経系は人間にもあるが、酔いさましホルモンでマウスのように酔いが醒めるかどうかはまだわからない。

 いずれにせよ、今回の研究でFGF21が脳にダイレクトに効いていることが確かめられた。研究チームは今後、酔いさましホルモンが神経レベルでどう働いているのか探っていくとのことだ。

References:A Sobering Shot: Drunk Mice Sober Up After a Hormone Shot – Neuroscience News / FGF21 counteracts alcohol intoxication by activating the noradrenergic nervous system: Cell Metabolism / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 25件

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  1. はたらく細胞ブラック2話を見てアルコールには
    手を出さんと心に決めた

    • 評価
  2. 酒を止めるのは現実的に難しいので、とても凄くかなり欲しい

    • +1
  3. 酔った後、早く醒めれば車の運転とかが安全になるってのは判るとして
    その機能があるから飲み過ぎを防いでる可能性はないのか?
    酒飲みなら早く醒めた分急ピッチで飲み続けちゃいそうだし、体壊すのもマッハになるのでは
    アルコール摂取に伴う身体的な負担が減るんじゃなければ下手に弄らん方が良い気がするが…

    • +3
    1. >>3
      これは血中のアルコール濃度を下げるわけではないから
      車の運転はNGじゃなかろうか。
      呼気検査でアウトになるのは変わらないわけで。

      飲み過ぎに繋がる危険があるのはその通りと思う。
      脳が覚醒するだけでアルコールによる各所へのダメージは
      そのままだろうから。

      • +1
      1. >>15
        そもそも飲酒運転の何がアウトかって、
        アルコールによって
        「脳の働きが低下し、判断力や操作の反射力が落ちる」
        からだろ?

        で、脳にどの程度アルコールの影響が行ってるか
        測定するための“手段”が、呼気検査や血中濃度なわけで。

        このホルモン投与によって、
        血中や呼気のアルコール濃度は高くても
        それで脳の働きの低下が起きている訳じゃないなら、
        脳が影響を受けている度合いを判定できる別の方法を確立し
        法改正するのが筋、って理屈になると思うが。

        • 評価
        1. >>23
          それ言ったらそもそも同じ血中アルコール濃度の人でも
          脳の機能の低下度合いは個人差があるから
          それを踏まえた検査方法を作るべき、という話になるけど
          あまり現実的ではないと思う。
          安全側に寄せた対策をとるのが自然じゃないかな。

          • 評価
  4. 脳だけ醒めても身体は醒めんのやろ。
    麻痺させて早死にさせるだけじゃないのか?

    • +2
  5. 酩酊状態だけを覚せいさせる作用はあるけどアルコールを分解する作用は無いって事なんだよね
    市販されたらこの薬飲めば酒が抜けるって勘違いして飲酒運転で捕まるドライバー増えそうだな

    • +3
  6. これを聞いて
    「朗報だ!これで今までの2倍酒を飲めるぞ!」と思う奴は酒飲みで
    「悲報だ!酔いが2倍も早く覚めるなんて酒がもったいない!」と思うやつも酒飲みだ

    • +7
  7. 肝臓の繊維化を促進するんじゃないか?
    下手すりゃ肝硬変まっしぐらだぞ。

    • +5
  8. ヒトの体内でもエタノール摂取時に普段から放出されてるってことは、高用量でない限りはその程度の効果ってことだ。

    まあ、急性アルコール中毒に対する緊急投与なんかには使えるかも。

    • 評価
    1. >>8
      日本では急性アルコール中毒で毎年1万8千人位死んでるみたいだから、救急隊員が使えれば結構な命を救えそう。
      早く人間への治験が始まると良いね。

      • +1
    2. >>8
      >>17
      > エタノール分解の進み具合には特に変わりがないのに、覚醒レベルが上がることが確認された

      記事中にこうあるから、残念ながら急性アル中には効果ないと思うの
      それよりも意識が覚醒したままアル中の症状と戦わなければならない地獄がまっているよーな?

      • +1
      1. >>19
        急性アルコール中毒の症状は、
        血液によって運ばれたアルコールによって
        「脳を麻痺させ働きを抑制する」点にあるんだろ?

        んで、このホルモンを投与すれば、
        血中自体にはアルコールが巡っていても
        「その作用が脳に及ばないようにする」効果があるんだろ?
        (現に、千鳥足などの運動機能の異常から速やかに脱している。)

        であれば、呼吸や心臓の動きなど
        急性アルコール中毒で起こる中枢神経の運動低下も、
        同じように軽減できるんじゃ…?

        • 評価
  9. 適量を嗜む人にはあまり関係なさそう
    泥酔する人は食いつきそうな記事

    • 評価
  10. SFでたまに出てくるアルコールでの酩酊状態を素早く冷ます薬の原型みたいな?
    実用化されたら一般市販よりもまず最初に軍隊で使われそうだな

    • +1
  11. 酔わないのであればノンアルコールでいいのでは

    • +1
  12. 酔いを冷ますホルモン?レバーとかミノとか

    • +1
  13. アルコールへの対症療法じゃなくて覚醒作用があるなら普通にうつ病とかパーキンソン病とかに使えないのかな?

    • 評価
  14. アル中や呑兵衛には全く意味のないですね

    ぶっちゃけ酔いが覚めたらまた飲むからね、のんべえは

    これを必要とする人は
    逆にお酒を飲めない人や弱い人
    アル中治療には利用できないんじゃないの???

    • 評価
  15. 酔う目的で酒を飲んでる人には意味がないし、
    これから仕事や運転なんかがあって酔えない、という人は
    そもそも酒を飲んじゃダメだろう。

    「酒を飲んでいた時にどうしても避けられない
    緊急の用事が入ってしまった」 みたいな
    かなり限定的な場面でしか使えないような気がする。

    • +1
    1. >>21その通りだけどその判断ができないのがアルコール依存症という薬物依存だしなぁ

      あとはホストやキャバのような仕事が飲む可能性あるけど不健康極まりないからそういう黒い市場でしか意味のない商品…

      • 評価
  16. 飲み会でソフトドリンクしか頼めない勢には持ってこい

    • 評価
  17. いわゆる「肝臓を鍛える」ってのは迷信で、人体がアルコールに馴染むことは金輪際ない、ってのは知識としては知ってた。
    けど、じゃあなんで「酒に馴れる」というあの現象が起きるのだろう、っていう点がずっと疑問だったんだ。

    ここらへんが関わってるのかねえ。

    • +1
  18. 逆だね
    少しのアルコール量で酔い効果を長く持続させた方が
    身体に害であるアルコール量も減って
    肝硬変や喉頭がんやアル中も治せる
    研究者は方向転換しなさい!

    • 評価

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