
image credit:serviceaussiebailey/Instagram
アメリカ・ジョージア州に住む女性は、日常生活に困難をきたす持病と日々闘っている。その女性の毎日を全身全霊で支えてくれているのが、介助犬のベイリーだ。ある日、立ち上がることができなくなった飼い主のために、ベイリーはキッチンカウンターに飛び乗って薬をつかみ、水と一緒に渡した。
飼い主の状態をいち早く察知し、そのために必要なことをすべて行ってくれるというベイリー。女性はベイリーのおかげで生きていられると、感謝の気持ちと共にその様子を撮影した動画をSNSに投稿したところ、多くのユーザーの反響を呼んだ。
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POTSと闘う女性を支える介助犬ベイリー
ジョージア州アトランタに住むケイティ・グラハムさんは、体位性頻脈症候群(Postural Orthostatic Tachycardia Syndrome)を抱えている。起立性調節障害の一型と考えられているこの病は、日本では英名の頭文字を取って「ポッツ(POTS)」と呼ばれている。
主症状として、立ち上がると立ちくらみや動悸、疲労感などが起こるほか、腹痛や頭痛、睡眠障害などが併存症状として発生し、日常の活動性に大きな影響をもたらす症候群として知られている。
年齢や性別関係なく発症がみられるが、北米では12〜50歳の女性の発症確率は80%以上だという。
POTSを抱える日々は、グラハムさんにとって静かな闘いだ。見た目では判断されにくい疾患だからだ。
POTSを抱えている毎日が、どれほど本人にとって衰弱するものであるのかということは、周りの人には理解するのが難しいでしょう。POTSだけでなく、他にもさまざまな病状に苦しんでいるというグラハムさんの日常生活を献身的に支えてくれているのが、オーストラリアンシェパードで介助犬のベイリー(2歳 オス)だ。
日常生活を普通にしているだけで、突然私の状態は悪化します。自分の体が、皿洗いをすることすらできなくなっていることに気付くのは、信じられないほど悲痛なことです。(グラハムさん)
ベイリーは、私が失神する前に心拍数が上昇していることを感知することができ、知らせてくれます。
これによって、私は自分が意識を失った場合に備えて、座って安全な位置に着くのに十分な時間を確保することができます。
ベイリーは、心拍数を下げて血流を促進するための、いわゆる深圧療法を行う手助けをして、私の意識が失われないように介助してくれます。
また、薬や水、スマホ、毛布、スナック菓子など、求めるものを何でも持ってくるよう訓練もされています。
私が何を必要としているかをベイリーはすぐに感知し、機転を利かせて介助してくれるのです。
座り込んだ飼い主のために薬と水を渡すベイリー
2月5日、グラハムさんはTikTokアカウントで、ベイリーが自分を助けてくれた時の様子をシェアした。 キッチンで、食洗器から乾いた食器を棚に戻す作業をしていた時、グラハムさんの心拍数が上昇した。それをいち早く感知したベイリーは、飼い主が失神してしまう危険性があることを知っていたため、すぐに座るように勧めた。
「またか…」と病に失望しながらキッチンの床に座り込むグラハムさん。その横で、ベイリーは素早くカウンターに置かれてあったスマホをくわえて、飼い主に渡した。

image credit:serviceaussiebailey/TikTok
グラハムさんが、万が一外に助けを求める必要があった場合に備えての準備だ。その後、ベイリーはグラハムさんの薬を手に入れるためにカウンターに前脚を伸ばしたが、薬はカウンター奥に置かれていて、ベイリーには届かなかった。
その時、ベイリーは予想外の行動を取った。カウンターに飛び乗り、薬を取ったのだ。

image credit:serviceaussiebailey/TikTok
ベイリーがカウンターに飛び乗った時は驚きました。カウンターに飛び乗って、薬を飼い主に渡すことが最重要だということを認識し、それを実行した後、ベイリーはグラハムさんが薬を飲めるよう冷蔵庫を開けて、ペットボトルの水を渡した。
家では、犬がカウンターに乗ることを許可していません。もちろん、カウンターに飛び乗ってはならないことをベイリーはちゃんと知っています。
でも、ベイリーは私の健康を優先してくれました。
私が、その時に必要なものを確実に手に入れるために、大丈夫であるために、どんなことでもしなければならないという思いを持ってくれているのだと思います。

image credit:serviceaussiebailey/TikTok
全身全霊で飼い主を守り支えるベイリー
映像からは、「飼い主が自分を必要としてくれる時、何があってもそこにいてベストを尽くす」と、全身全霊で飼い主を守り支えようとするベイリーの思いやりが伝わってくるようだ。シェアされた動画を見た人々は、ベイリーが飼い主の発作をいち早く感知して機転を利かせた行動を取る姿に、とても感心させられた。
ベイリーが訓練されている優秀な介助犬であることは間違いないが、やはり普段からグラハムさんとベイリーに強い信頼関係が築かれ、深い絆が育まれているからこそ、ベイリーの機転の良さが身に着けられているのだろう。
ベイリーがいることで毎日がんばって生きていけるというグラハムさんは、ベイリーの自分を支えてくれる愛にとても感謝している。
ベイリーは、いつも私のためにそこにいてくれます。すごく落ち込んでいる時にも、ベイリーは支えてくれて頼りになるし、私にとって本当にかけがえのない存在です。
References:Camera Captures Incredible Moment Service Dog Goes Above And Beyond/ written by Scarlet / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
お互いに愛情を注ぎ合ってて素晴らしい光景だった。
盲導犬が雑に扱われることも多いらしいが、みんなかくあって欲しいもんだね。
2. 匿名処理班
真に慈愛溢れる神がいるのなら、きっと犬の姿をしているだろう
3. 匿名処理班
犬は5歳児くらい賢いっていうけど、たまに中1くらいのやつおるよな。
4. 匿名処理班
訓練や頭の良さもあるけど守らなきゃ助けなきゃの献身だね
5. 匿名処理班
発症率80!?!?
6. 匿名処理班
辛いだろうけどこうやって病気への理解深める為に動画UPして
ケイティさんの精神力感服する
ベイリーも良い子(犬)だね
7. 匿名処理班
見た目で分からないと疑われるし難癖付けられるんだよね
二人とも頑張っててえらいわ
8. 匿名処理班
発作を前もって知らせてくれる補助犬は
日本ではまだ正式な補助犬として
認められてないんだっけ❓
発作の症状が起きる前から発作時の匂いがするから
犬に教えてくれるように訓練してるんだけど
まだオカルト扱いなのかな
9.
10. 匿名処理班
同じ病気だけどアメリカでは介助犬の対象なんて知らなかった…
正直羨ましい気持ちとベイリーがグラハムさんを助けてくれてて良かったという気持ちの両方を感じる
ふたりで病気を乗り越えてほしい
11. 匿名処理班
介助犬や盲導犬を街で見かける度、そっと遠くから見守りながら、心の中でめっちゃ熱い敬礼をしてる
本当に素晴らしい仕事をしてると思う
12. 匿名処理班
わんちゃんが素晴らしすぎる
でもこのわんちゃんが老いてしまった時どうなるんだろう
13. 匿名処理班
涙出た
14.
15. 匿名処理班
>>12 飼い主が強く希望して、かつお世話をこなせる状況であれば、新しい介助犬を迎えつつ老犬の看取りもできるのでは。(大変そうだけど)
もしムリなら協会などに引き取られて、新しい飼い主さんの元で余生を過ごすのではないかな。日本の引退盲導犬のように。
16. 匿名処理班
やっぱり犬ってすごいな(小並感)
自分もこうなったらと考えただけでつらい病気だけど、こんな子が献身的に尽くしてくれたら生きる力もわくよね
17. 匿名処理班
他の
18. 匿名処理班
間違えた。他の動物はこういう事してくれないから、他のどんな動物より犬が一番最高だなって思う。