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火星には「オパール」の原石が大量に存在することが判明

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(著) (編集)

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 『Journal of Geophysical Research』(2022年12月19日付)で発表された研究によると、火星のクレーターには宝石「オパール」の原石が大量に存在しているという。

 これは科学的にも重要なことだ。というのも、オパールはその辺りに豊富な水が存在するというサインだからだ。

 それは火星の地下が地表よりもずっと生命に優しい環境である可能性を示唆するとともに、将来的なミッションで水源としても期待することができる。

火星のクレーターの亀裂にある明るい岩石の謎

 NASAの探査機「キュリオシティ」 は、過去10年にわたり火星のゲール・クレーター内の調査を進め、赤い惑星の様子を映像におさめてきた。

 そうした映像には不思議なものが映っていることもある。例えば、クレーター内を地平線の向こうまで走る亀裂の周囲になぜか明るい色の岩石があるのだ。

 この明るい色の岩石は「フラクチャー・ヘイロー」(”亀裂の後光”の意)と呼ばれている。この石に注目したアリゾナ大学の博士研究員トラビス・ガブリエル博士らは、新しい方法で分析してみた。

 すると宝石好きが飛びあがって喜びそうな事実が判明した。

 フラクチャー・ヘイローは水とシリカでできていることから、「オパール」である可能性が高いのだ。

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photo by iStock

 しかもそうした亀裂のネットワークは広範囲に広がっている。かつて広大な湖だったゲール・クレーターのいたるところにオパールが埋まっているかもしれないということだ。

 「こうした亀裂のネットワークが広大で、そこにオパールが詰まっている可能性が高いのを目にしたとき、信じられない思いでした」と、ガブリエル博士はプレスリリースで話している。

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岩盤を横切るように見える明るい色の亀裂は地下に広がっている / image credit: Malin Space Science Systems/NASA/JPL-Caltech

火星の地下に生命が存在できる環境が保たれていた可能性

 こうしたオパールは、人類や科学にとってもっと大きな意味を持つかもしれない。

 オパールはシリカが水に溶けたときに形成されるものだ。それは水に溶ける塩や砂糖に似ている。普通なら溶ける塩や砂糖も、あまりにも量が多ければ水の底に沈澱するだろう。

 だとすると、火星の地下には、地表から水が消えてしまった後も、長いこと生命が存在できる環境が守られていたかもしれない。

 こうしたオパールは、かつて湖だったクレーターが干上がってずいぶん時間が経ってから形成されたと考えられるのだ。

 「ゲール・クレーターで発見された広大な亀裂のネットワークを考えると、生命が存在可能かもしれない地下環境は、クレーターや火星のほかの地域にまで広がっているかもしれません」とガブリエル氏は言う。

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火星のゲール・クレーター / image credit:NASA

未来の火星探査ミッションの水源が得られる可能性

 もう1つ重要な点は、オパールは水を豊富に含んでおり、それを比較的簡単に取り出せることだ。砕いて熱するだけで、水を放出してくれる。

 火星は、極地なら氷の水が大量に発見されているが、赤道付近では水の痕跡がまったく見つかっていない。

 もしもオパールが火星のいたるところに埋まっているのなら、将来的にはこれを水源として利用することもできるかもしれない。

 実際、実験ではフラクチャー・ヘイローの1メートルの区画からおよそ5.7リットルの水が取り出せることが確かめられている。

 要するに、火星のオパールはまだ水が豊富だった時代にまでさかのぼるとともに、現在でもその当時の水が残っている可能性を示唆しているということだ。

 宇宙進出を目指す人類にとってこの上ないビッグニュースだろう。

References:NASA’s Curiosity rover discovers water-rich fracture halos in Gale Crater | ASU News / Mars crater is ‘chock-full’ of opal gemstones, hinting at widespread water and possible microbial life | Live Science / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 22件

コメントを書く

  1. 地面の亀裂がオパールで出来てるなんて…
    見てみたいなぁ…

    • +21
  2. 真っ先に思ったのが「たくさん持ちかえれば大金持ちじゃん!」

    ……だけど、冷静に考えたら大量のオパールを売り出したら価値が下がるし
    それ以前に火星から持ち帰るコストを考えると採算がとれないなぁ

    • +13
  3. メキシコの水晶洞窟にも興奮したけどオパールの洞窟なんてあったら美しいだろうなあ

    • +9
    1. >>5
      プレート運動がないから時間的制約がない分地下水脈が丸ごとシリカに置換されたような鉱脈もあるかもしれない。総延長数kmのオパールの塊…

      • +2
  4. 火星産オパールなんて、そのロマンだけでほしい
    例え組成や見た目は地球のと一緒でも

    • +5
  5. 海洋、火山と来て火星オパールか、放射線が心配
    地下から掘り出せば大丈夫だろうが、顔出してるやつは要検査(砂嵐で埋もれたり出てきたりするならそれほどではないかも)

    • 評価
  6. 水があるのなら原始的な生命が存在してた可能性はあるんだろうか
    分子から自己複製する生命が産まれるのってどのくらいの確率なんだろう

    • +1
  7. 極限環境ではオパールなんかより水が希少ってことやな~

    • +5
  8. ある程度の湿度が無いとオパールは割れたりするんだっけ? 火星のオパールは無事なのかね。

    • +4
  9. オパールは生物由来の物もあり
    現に生物が化石のように形成してる例もある
    ひょっとしたら生命体の化石が出て来るかも

    • +3
  10. 自分の誕生石がオパールだから火星が誕生石のようなものだなこれは

    • +3
  11. かつて水が豊富にあり干上がった所でオパールができるとな?

    古びわ湖のあたりにオパールの鉱脈があったりして

    • 評価
  12. 火星の放射能で取れたとしても人類が持つのは叶わなさそう…

    • 評価
  13. 宝石の中でオパールが一番すき
    あの遊色がなんともいえない美しさ
    AIに、世界がオパールでできていたらなんてのを描かせたりしたなあ
    きれいだった

    • +1
  14. 火星全体がオパールだったら・・・
    夢はヒロガリング
     ゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)’・*:.。. .。.:*・。

    • +1
  15. 採掘した物を持って帰るまでは何とでもいえる。

    • 評価
  16. 火星への定期便ができたらオパールの相場が崩れたと未来の投資家が泣くかもしれない

    • 評価

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