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380万年前の頭蓋骨から人類の祖先の顔が明らかに

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(著) (編集)

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 数年前、エチオピアで380万年前のほぼ完全な形の頭蓋骨が発見された。その頭蓋骨は知られているものとしては最古の猿人「アウストラロピテクス・アナメンシス」のものであることが判明した。

 その顔が復元されたのだが、アナメンシス猿人とも呼ばれる初期の「アウストラロピテクス」は、まだ「サルに近い顔立ち」をしていたようだ。

 この発見により、人類の複雑な進化の道筋が明らかとなった。

人類の遠い先祖、アウストラロピテクス

 アウストラロピテクス属は、400万~200万年前に地上を二本足で歩いていた猿人で、初期のヒト亜族のグループだ。

 その名は「南のサル」という意味だが、アフリカ南部だけでなく、東部や中北部でも暮らしていたことが知られている。

 すでに絶滅しているが、彼らは人類が進化する上で重要な役割を担った。240万年~140万年前に、アウストラロピテクスから私たちのグループである「ヒト属(ホモ属)」が誕生したからだ。

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photo by iStock

初期のアウストラロピテクスの頭蓋骨から顔を復元

 アウストラロピテクス・アナメンシスの頭蓋骨は、エチオピアの首都アディスアベバ北東に550キロ離れたウォランソ=ミル(Woranso-Mille)で発見された。

 その頭蓋骨は、それほど大きくないが成人男性のもので、乾燥した潅木地帯で暮らし、草原・湿地・川辺の森林で過ごすこともあったと考えられている。

 この頭蓋骨が注目されたのは、保存状態が素晴らしかったためだ。

 最古のアウストラロピテクスとして知られるアナメンシス猿人は、それまで顎骨や欠けた歯、数本の砕けた手足の骨しか見つかっていなかった。

 だが2016年のものは、ほぼ完全な頭蓋骨で、これをもとに彼らがどのような顔をしていたのか、デジタル技術で再現できるようになった。

 それによると、最古のアウストラロピテクスはまだまだ原始的な顔立ちをしていたようだ。

 米クリーブランド自然史博物館のヨハネス・ハイレ=セラシエ氏は、「ヒト属が登場するまで、初期の人類の祖先はとても”原始的”だったことを示しています」「彼らはまだ猿のような顔と猿のような形の頭蓋をしてました」と語る。

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復元されたアウストラロピテクス・アナメンシスの顔 / image credit:Matt Crow

人類の複雑な進化の道筋が明らかに

 発見されたアウストラロピテクス・アナメンシスの頭蓋骨からは、私たちの遠い祖先についての常識をくつがえすような新事実が明らかになっている。

 アウストラロピテクス属で一番知られているのは、「アウストラロピテクス・アファレンシス」だ。私たちの祖先はこの種から分岐したと考えられており、有名な化石に「ルーシー」がある。

 今回の頭蓋骨からは、それまでの学説とは異なり、アウストラロピテクス・アナメンシスとアウストラロピテクス・アファレンシスはかなり容姿が異なっていただろうことがわかっている。

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復元されたアウストラロピテクス・アナメンシスの顔 / image credit:Matt Crow

 また、かつてはアウストラロピテクス・アナメンシスはアウストラロピテクス・アファレンシスの直接の祖先だと考えられていたが、頭蓋骨の年代測定から、この2種は10万年以上にわたって同時に存在していただろうことが判明した。

 人類がたどった進化の物語と同じように、アウストラロピテクスの進化も一直線だったわけではないようだ。この頭蓋骨が伝えているように、ときに重なり合い、ときに行き止まりもある十字路のようなものだったのだ。

 この研究は『Nature』に掲載された一連の論文(こちらこちら)で発表された。

References:Face Of Ancient Human Ancestor Revealed By 3.8-Million-Year-Old Skull | IFLScience / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 27件

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  1. 猿(始祖)→猿人(数種類へと分岐)→人(猿人の一種だけ生き残る)
    猿(複数種の始祖)→猿人(各始祖から進化)→人(猿人の一種だけ生き残る)
    知ってるようで知らないんだよな
    どういう分岐なの?

    • +3
    1. ※1
      チンパンジーと別れたときに同時に何種かに分かれたのかってことなら、まずそういう考え方自体が存在しないっていうか、一度に三種以上に分岐するってなくて、たとえ一日違いでもどちらかが祖先なわけよ。つまり猿人の始祖は一種類。
      その後の猿人がとんでもなくバリエーション豊かでパラントロプスとかの複数種が同時並行的に進化してたのはまさにそうでこの記事もそういう意味合いだけどね。

      • +3
  2. 正直、親近感よりは嫌悪感あるな。
    我々に似てるようでなんか異質なものを感じる。

    • +4
    1. >>2
      多分、眼球の復元が白目の多い現世人類のものになってしまってて、それが異質感を出してるんだと思う。ここまで形態が猿寄りなら、チンパンジーみたいにもう少し黒目がちなんじゃないかなと思う。

      • +2
    2. >>2
      いわゆる不気味の谷現象みたいだよね。
      人間から遠い容姿は可愛いけど、人間に近付くとある時点から不気味に見える。
      犬猫やアニメキャラは可愛いのに、猿やゴリラ可愛くないのと同じ。

      • +1
  3. 似たような顔の奴って見たことあるけど、人って
    変わったようで全く変わってないんだ

    • +10
    1. ※4
      たしかに、横顔とかそっくりW

      • 評価
  4. これはかなりミッシングリンクを埋めてると思うけどこれでも進化論の証拠にはならんの?

    • 評価
  5. 原猿だとかわいいけど、類人猿だとちょっと不細工なのよね。人間でも整ってる人のことを小動物みたいっていうしなんか不思議

    • +4
  6. 東洋人顔だよね。
    遺伝的には我々アジア人が一番遠いだろうし、外国人に言われたらイラッとするけど、こういう顔の人見たことある。

    • +8
  7. 現代人の頭蓋骨でも鼻は無いから
    もしかしたらご先祖も鼻が高かった可能性ないかな

    • +3
    1. ※15
      ゴリやチンパンは鼻が低いので、おそらくあまり鼻はあまり高くなかったと思われます。
      鼻が高く、大きくなるのは、気温の低い場所に住むとなると聞いたことがありますが、モンゴロイドの鼻があまり高くないので説得力がやや低い気がします。

      • 評価
      1. >>20
        シベリアみたいな気温が低過ぎる場所だと
        凍傷を避ける為に鼻が低くなって顔の皮膚が暑くなるらしい
        彫りが深い中東やヨーロッパの人間は低温かつ乾燥した土地に住んでいて(中東は冬すごい寒い)
        あのデカい鼻の中で空気を温めていたと考えられている

        まあ現代は顔と気候が必ずしも一致はしないから
        顔が変化していくのか気になるところではあるね

        • +2
      2. ※20
        冷気を直接肺に吸い込んでダメージ受けるのを防ぐためやな

        • -1
  8. 数多の人類の唯一の生き残りが現生人類で、DNAは同じでも見た目が全然違う
    同じ種族の中でも殺しあってる私達が何故生き残ったのかが分かるよね

    • +1
  9. パッと思いつく哺乳類ってクジラの仲間以外みんな鼻の先端が口より前方に突き出していて人間ですらそうだけど類人猿やこのアウストラロピテクス以外にも口の方が前の哺乳類いるんだろうか。あと目を剥いていない平常時にも白目が外から見えるようになったのはこのアナメンシス辺りから?

    • +2
  10. 懸賞の当選品で生活する企画の番組に出てた人に似てる

    • 評価
  11. なーんで顔つきはもろチンパンジーなのに、どことなく人間っぽいんだろうってしばらく腑に落ちなかったんだけど、強膜を白くしているからか。実際のアウストラロピテクスの強膜がどんなものだったのかが気になった。

    • +5

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