この画像を大きなサイズで見るめっきり寒くなって本格的に冬が到来した。そう、風邪やインフルエンザが流行しやすい季節がやってきたのだ。もちろん新型コロナの第8波も懸念されている。
だが、よく考えてみると不思議ではないだろうか? ウイルスは季節を問わず、1年中いるのに、なぜ冬になると感染が増えるのだろう。
ウイルスは低温で乾燥した状態を好むとか、寒いので室内で密な状態でいるからとか、様々な理由があげられていたが、新たな研究によると、冷たい空気そのものが、鼻の中の免疫力を低下させてしまうからだという。
この研究結果は『The Journal of Allergy and Clinical Immunology』(2022年12月6日付)に掲載された。
鼻の中が戦いの舞台に
鼻は体内への主要な入り口だ。だから、そこには門番がいる。ウイルスや細菌がここから侵入すると、鼻の手前の部分がそれにいち早く気づく。
すると鼻の内側の細胞は直ちに、「細胞外小胞(extracellular vesicle)」という自分自身の簡易コピーを無数に作り始める。
細胞外小胞は細胞そのもののように分裂することはできない。むしろ細胞のミニバージョンのようなもので、”おとり”として機能する。
だから侵入したウイルスや細菌は細胞ではなく、細胞外小胞にくっついてしまう。
まんまと侵入者をとらえた細胞外小胞は鼻の粘液(つまりは鼻水だ)に排出される。
そこへ、さらに無数の細胞外小胞が群がってくる。今回の研究では、攻撃を受けているとき、鼻は細胞外小胞の生産が160%増加することもわかっている。
ハーバード大学医学大学院のベンジャミン・ブレイア氏によれば、それは巣を蹴られて怒ったスズメバチが敵に群がるようなものであるそうだ。
この画像を大きなサイズで見る細胞外小胞はおとりとして、兵士として、外敵を撃退するために2つの武装をしている。
1つは、たくさんの「受容体」を持っていることだ。元の細胞の最大で20倍の受容体がある。それだけウイルスが付着しやすく、これがおとりとしての能力を高めている。
もう1つは、「マイクロRNA」というウイルスの殺し屋が備わっていることだ。これは普通の細胞にも備わっているが、細胞外小胞のマイクロRNAは13倍もいる。
細胞外小胞は、こうした武装によって、鼻に侵入してきた病原菌を撃退し、細胞に感染することを防いでいる。
ところが冬になると話が違ってくる。
この画像を大きなサイズで見る細胞外小胞は寒さに弱い
ブレイア氏らは冬に感染症が増える理由を探るため、被験者に15分間4.4度の寒さに耐えてもらい、鼻の温度を計測してみた。
その時、鼻の中の温度は12.7度下がる。そして、人体から採取した組織でこの状況を試してみたところ、寒さが小さな兵隊を弱体化させてしまうことがわかったのだ。
細胞外小胞は42%近く減少。細胞外小胞の武器である受容体とマイクロRNAも、それぞれ70%と50%も減ってしまった。
その結果、全体としては呼吸器系感染症を撃退する免疫力が半減してしまう。
この画像を大きなサイズで見るマスクで鼻を暖かく保つ
こうした事実を踏まえると、マスクのもう1つの効果が見えてくる。
「マスクはウイルスの吸入を防ぐだけでなく、鼻にセーターを着させるようなものです」とブレイア氏は説明する。
鼻の中を暖かく保てば保つほど、免疫がうまく働きやすくなる。その点、マスクは鼻の防寒着としてうってつけだ。
ブレイア氏は、将来的には今回の知見をもとにした鼻腔外用薬が開発されるのではと予測する。
たとえば、ウイルスが入ってきたと鼻を騙すことができれば、事前に小さな兵隊を配備して感染を防ぐことができるだろう。
「鼻の粘膜をスズメバチが飛び回り、あなたを守ってくれるのです」とのことだ。
References:Scientists May Have Finally Discovered Why People Get Sick in the Winter / written by hiroching / edited by / parumo
追記:(2022/12/11)本文を一部訂正して再送します。
















鼻マスクを見ると呆れてしまうのは本能だったのか
※1 ※8
そもそも鼻マスクをしているぐらいの人って、
冬でも薄っすら汗が滲むぐらい動き回ってるような場面で
鼻の中は既に湿気と温度が十分高いケースが多いような気がする。
逆に、この状態で口も鼻もマスクで覆うと
どうやって呼吸すればいいんだ?っていう…。
時代劇で、寝ている人に濡れ和紙をかぶせて暗殺するみたいに
不織布が貼り付いて呼吸のための空気すら通りづらい。
かといって、呼吸しやすいウレタンマスクにすれば
不織布より飛沫のカット率はだいぶ落ちるようだが、
息が上がって汗が滲む状態だと、ウレタンマスクと
不織布マスクで鼻を出したり定期的にずらして息をするのと
どっちが流行防止に有効性がより高いのか知りたい。
鼻の中の温度はマイナス12.7度まで下がる。
って12.7度下がるってこと???
マスクなしでも風邪もインフルにもならないワイの鼻にはゴルゴ並の殺し屋がいるんだろか
>>3
お馬さんと鹿さんが守っておられる
>>13
代償が大きすぎない?
なんと、人間の鼻はスズメバチに守られているとな!?
マジかよ、蜂の奴等いつの間に。。。
と言うことは※3のような風邪など全くひいたことないっていう人の鼻は最強のオオスズメバチさんに守られているのか。
その他ほとんどの人の鼻には普通のスズメバチで、風邪をひきやすいって人はスズメバチではなくアシナガバチかもな。
もし甘い鼻水の人ならそれはミツバチかも?
>>3
肌と粘膜しっとりしてるんでしょ
ほっかむりとマスクが東北の冬の制服。
コロナの前は、これでスーパーに入ると万引き扱いされるので、マスク外さなきゃならなかった。
乾燥だけじゃなく寒さに弱いのか
やっぱりマスクは最強やん
やっぱマスク効果あるんやな
最近やたらとマスク外させたいんだなって記事見受けてたが
鼻だしマスクはタマだけかくしてスティック丸出しで
歩いてるようなものだから、みんな「ソコを隠せっつーの」
って思いながら見てる。マスクの原理とか何を求めて
存在してるモノなのかを解らん人はお里が知れる。
秋冬にマスクしてないと口の周りガッサガサで粉吹く
唇も割れるし喉も痛める
春は花粉でマスク必須だし
コロナ前から1年でマスクしてない期間の方が短かったわ
単純に鼻や喉の粘液が乾燥して使い物にならなくなるのかと思ってた
生物的に弱っても居るのか
マスク日常的にする様になって確実に風邪引かなくなったもんな
もうコロナ関係なくマスクしようっと
冬場は乾燥して鼻が痛くなるんだけど、マスクしてるとそれもカバーできるんで助かるわ
体温が1℃あがると免疫力がどんだけかアップするってどこかで見た。
だからホットヨガがいいとかなんとか。
風邪ひいて熱が出るのも、体温を上げて免疫力をアップさせてるんでしょ?
鼻の冷え性なので冬は室内でもマスクをしてるし
眠る時もマスクをつけてるような状態なんだけど
マスク美人に見せたい人たちみたいな見方が世の中に存在し、一定数そういう方もいるので
鼻冷え性&喘息&花粉症の自分としてはなんだかなあって…
鼻水で鼻詰まって口でしか息できなくなっていたら本末転倒なんだが…
※16
鼻は呼気(息を吐くほう)中の水分を結露させて粘膜を濡らし、吸気(息を吸うほう)で濡れた粘膜から水分を出させて肺に向かう空気を温め湿度を上げるという機能を持っています。そのためホモサピエンスの鼻はほかの類人猿よりも顔から出っ張っていて中のほうよりは冷えていて空気よりは暖かい状態になっているそうです。ですから、細胞外小胞の減少はあらかじめ織り込み済みなのかもしれません。人がそのように進化する時期にはマスクはなかったので、より強化できるならマスクを使わない手はありません。……で、鼻がそのように免疫というか外界の脅威から守るようにできているのに、口で呼吸するというのは鼻の効用を使わないということでもったいないわけですので、可能なら鼻かんで鼻呼吸できるようにしたほうがよさそうです。
マスクは湿度も保てるし、喘息持ちのワシには空気が暖かくなる効果もあり、助かっていた
加湿+マスク+生姜湯が最強ということで
比喩なのはわかっているけれど
「鼻の粘膜をスズメバチが飛び回り」は粘膜への激痛を想像しちゃうでしょ
現在マスク+メガネ+補聴器で、なんだか耳がかわいそうになってくる
年中マスクしたい派なので、コンタクトを考えるべきかな…
※21
イヤーフックおすすめ
細胞外小胞ブーム来てるね
これ分かるんだけど、コロナって何で冬より夏の方が感染爆発するんだろう?暑くてみんなマスク外しちゃうから?
いやーほんとに人体(生命体)ってのはよくできてるなと驚くね、本体はボーッとしてても細胞やらがあれこれ働いてくれてるんだねえ
しかしマスクも冬はいいんだよ(コロナ前から防寒&防感冒で元々冬はしてたし)、でも夏のマスクはもう嫌だ~
鼻の中でそんな壮絶な戦いが繰り広げられてたのか
コロナが集結したとしても冬はマスクはしてたほうがいいね
これだけ多くの人がマスクをきちんと着けてる国って日本位なのに何故日本で感染者が増え死者が増えているのかが知りたい。マスクは確かに予防になるのは重々承知だし、鼻の中の戦い、鼻の温度低下によりバリア機能も低下するってことはこの記事で解った。だが、新型コロナウイルスに関しては謎が多すぎてマスクしてりゃ大丈夫、鼻を守れば良い、とは思えない状況じゃない?