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銀河系最古となる謎の太陽系の残骸を発見。地球からわずか90光年の距離

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(著) (編集)

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 地球からわずか90光年離れたところに、私たちの太陽系とはまったく異なる、謎の太陽系の残骸が発見されたそうだ。

 それは100億年は経過している銀河系最古の恒星の残骸、白色矮星 「WDJ2147-4035」で、まるで墓場のような「微惑星」という惑星の残骸に囲まれている。

 奇妙なのは、そうした残骸に「リチウム」や「カリウム」が大量に含まれていることだ。私たちの太陽系にそのような元素で構成された惑星はなく、その意味でまったく異質なのだ。

銀河系最古の太陽系の謎

 なぜ、初期の天の川銀河に誕生したこの古い太陽系は、私たちの太陽系とこうも違うのか? さらに不思議なのは、その当時リチウムやカリウムが珍しかったはずであることだ。

 『Monthly Notices of the Royal Astronomical Society』(2022年11月5日付)で論文を発表した英ウォーリック大学博士課程の学生アビゲイル・エルムズ氏は、「完全なミステリー」と語っている。

 すでに述べたようにその太陽系は古い。つまり、白色矮星「WDJ2147-4035」とその周囲の惑星は、太陽や地球が生まれる前に形成され、死んでいった。

 白色矮星は、太陽のような恒星の残骸である高温の核であり、恒星進化の最終形態の1つである。

 実際、WDJ2147-4035の周りにある元惑星は、天の川で発見された白色矮星の周囲にあるものとしては最古の「微惑星(太陽系の形成初期に存在したと考えられている微小天体)」なのだそうだ。

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かつての惑星の残骸に囲まれた白色矮星のイメージ図 / Credit: CfA / Mark A. Garlick

太陽系の残骸は地球からわずか90光年離れた場所にあった

 WDJ2147-4035は、欧州宇宙機関(ESA)が打ち上げた宇宙望遠鏡「ガイア」によって発見された。

 さらにその後、チリ、パラナル天文台にある超大型望遠鏡(VLT)の観測装置「Xシューター」という観測装置で、星の大気の状態が調べられた。

 その結果、リチウム・カリウム・ナトリウムといった元素が、WDJ2147-4035の周囲に引き寄せられ、蓄積していることが判明。

 シミュレーションの結果や、白色矮星が水素やヘリウムでできている事実から、そうした元素は惑星の残骸によって供給されたのだろうと推測されている。

天の川で進化が行き着いた惑星系を持つ最古の恒星を発見…100億歳の白色矮星は地球からたった90光年の先にある

我々の太陽系の50億年後の姿

 実は、まったく異質なWDJ2147-4035のほかに、今回「WDJ1922+0233」というもう1つの白小矮星も発見されている。

 こちらには特に謎めいたところがなく、地球をおおう岩石質の地殻に似た惑星の破片が集まっていた。

 これは、地球が宇宙でそれほど珍しい存在でないことを示唆している。私たちが暮らす太陽系のような場所は、ほかにもあるということだ。

 それと同時に、惑星の墓場に囲まれた2つの太陽系は、いずれ私たちも辿るだろう悲しい運命を告げている。

 太陽のような恒星は、95%以上が白色矮星に進化する。だがその前に、膨張して巨大な「赤色巨星」となり、近くの天体を破壊する。

 私たちの太陽の場合、いずれは膨張して、水星や金星、さらにはこの地球をも飲み込むかもしれない。そして後には、バラバラになった惑星の残骸と白色矮星が残される。

 これが私たちが暮らす太陽系の運命だ。それは今から50億年後のことだ。

References:Oldest planetary debris in our galaxy found from new study – Press Releases / Scientists discover mysterious solar system remains in deep space | Mashable / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 16件

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  1. 科学が発達しても惑星系から出ることができず、主星の膨張により滅んだ文明の残骸
    そんな未来を見てしまったようで急に怖くなったのでご飯食べます。

    • +7
  2. そんな近いなら明日の仕事終わりにでもちょっと寄ってみようかな

    • +5
  3. 遥か太古の時代にその惑星に栄えていた素晴らしい文明があったのかもしれんね
    まあもし本当にあったとしてもその文明の残滓すら一欠片も残らんほどの大昔なのだろうが

    • +2
  4. 恒星の寿命は質量の3乗に反比例する。現在の観測データから宇宙誕生は137億年となっているので、件の白色矮星が100億年前に誕生したとしても、元となった恒星が太陽の2倍の質量なら寿命は精々10億年程度だったかもしれない。超新星爆発を起こすような恒星は太陽の10倍程度の質量があり、寿命は1億年程度で鉄ぐらいの重元素を作り出していたことを考えるとカリウム程度の重元素は110億年前に存在していてもおかしくは無い。
    因みに太陽は誕生から少しずつ出力を増しており、10億年後には地球は干からびて生物は絶滅するという予測が出ている。

    • +1
    1. ※4
      ※6
      その前に最短で6億年後には地表の水が全て地殻に染み込んでしまう可能性があるらしい
      その時点でENDでございます

      • +1
  5. 90光年は近いな、広大な宇宙空間では「目的地付近に着きました、音声ガイダンスを終了します」レベルだな。

    • +4
  6. 太陽の寿命で滅ぶより先に地球のコアが冷えて磁場が無くなり有害な宇宙線が地表に降り注いで生物が絶滅する方が速く訪れる。
    予想では17.5億年から32.5億年くらいで

    • 評価
  7. だからといって地球のような惑星が珍しくないと言い切るのはどうかなと
    見方を変えると地球人のような知的生命体はこの宇宙で最古の存在ともいえかもしれない

    • 評価
    1. ※7
      ぜんぜん有り得ない話ではないよな。
      そもそも太古の地球の支配者たる恐竜だって1億6000万年間も繁栄したのに知的には進化しなかったし、数百年そこらで高度な文明を築けた人類みたいなのは割とイレギュラーなのかも。

      • +2
      1. ※11
        人類って化石燃料というチートアイテム(高密度のエネルギー源かつ万能工業原料)がなければこんな劇的な科学技術の進歩は達成できなかったはずなので、とんでもない幸運に恵まれた存在なのは間違いないと思う。

        • +2
    1. ※8
      ボイジャーが到達した距離ですら15光時なんだから90光年って途方もないよな

      • +1
  8. 宇宙作った人、放置やめてそろそろアナウンスでネタバラししてや
    ぐーたら認定するよもう

    • +1
    1. ※10
      同じ事思った
      「太陽系の残骸が90光年先に」では
      太陽系から何らかの物体が90光年先に移動したのかと思ったわ

      • +5
  9. これは太陽系と表記するより恒星系と表記した方がいい

    • +4

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