
アメリカの中核を担うCIA(中央情報局)はそうした諜報活動で有名な組織だが、なんとその本部には一般人立ち入り禁止の「CIA博物館」なるものが存在するそうだ。
だが今年、創立75周年を迎え、職員の家族やメディア関係者に機密解除となった展示品が公開されたという。作戦用の模型やかつてのスパイ用品など、その一部を覗いてみよう。
創立75周年記念だから。非公開のCIA博物館が限定解放
噂の「CIA博物館」はCIA本部とされるアメリカのバージニア州ラングレーにある。普段一般人は立ち入れないが、今年は特別だ。CIA創立75周年を機にリフォームやリノベーションを行ったため職員の家族やメディア関係者限定での開放が叶ったそう。
とは言え全てをさらけ出してくれるわけではない。今回は多数ある展示のうち、機密解除の展示のみの紹介となる。

館内にはスパイ用の道具や戦利品が多数
厳重な保護下にある館内にはスパイ活動の道具のほか、著名なアメリカのスパイや情報提供者の印象的な逸話が展示されている。パイプ型のラジオ受信機

image credit:cia.gov
スパイ活動に成功した道具と失敗した道具の両方があり、重要な任務に役立った興味深い品なども美しく配置されている。爆発するマティーニグラスなんて道具も

海軍が作戦に使用したアメリカ同時多発テロ事件(2001年)の首謀者ウサーマ ビン ラーディン容疑者の居宅の模型や…


image credit:cia.gov
冷戦時代の作戦の遺物や最近の作戦に使った模型も
他にも1974年に核ミサイルを搭載したまま沈没したソビエトの潜水艦を極秘で引き上げる作戦でCIAが使ったカモフラージュ用のユニフォームや、約18ヶ月間におよぶソビエト軍の通信傍受を可能にした東ベルリンの地下トンネルのレプリカなどもあるという。
それは今年7月アメリカの無人機で殺害された国際武装組織アルカイダの指導者アイマン ザワーヒリー容疑者が潜伏していた施設の模型だ。

そのほかウサーマ ビン ラーディン容疑者が所持したライフルやイラクのサダム フセイン元大統領が2003年に拘束された際に着用していた革のジャンパーなどマニアが目を見張る品々が目白押しだそう。
成功だけでなく今までの教訓を学べる施設
博物館の館長であるロバート・バイヤー氏によると、展示の多くは職員に捧げるものだという。またこれらの展示品は今までの教訓を学ぶためのものであり、成功をひけらかすために過去を脚色することはないそうだ。
中にはメッセージが隠されたネズミの死体や冷戦時代に使われていた鳩のスパイの模型もある。

CIAのありのままを知った職員はその任務を深く理解し、よりうまく対処できるはず。この博物館のねらいはそこにあるのだ。
CIA博物館館内の動画(※ネズミの死体の模型らしきものもあるので注意)
Inside the CIA’s top secret museum – BBC News
冷戦時代にCIAがスパイ用に開発した特別なカメラも
また実際に訪れたメディアによると、とりわけ注目に値するのが、冷戦時代にCIA がソビエトの航空電子技術者トルカチェフのために開発した固定焦点カメラだったという。アメリカで価値あるスパイと賞賛されたトルカチェフの写真の質を上げたのがそのカメラだったのだ。
CIAの有能な協力者として今も語り継がれるアドルフ・トルカチョフは、ヨシフ・スターリン体制の下で妻の両親に対する迫害に怒り、CIAへの協力を引き換えに助けを求めた。
自らアメリカ人と連絡を取った彼は、小型カメラでロシアの機密情報を伝える活動に協力した。
専門知識を生かし、ソ連のミサイルや戦闘機に関する重要な情報をアメリカに伝え「10億ドルのスパイ」というあだ名まで獲得したそうだ。
過去の成功や失敗を学ぶ場でもあり、20代の若手職員にもためになるCIA博物館。というか今回許可されたものだけでもかなり面白いよね。
References:yodoozy / youtubeなど /written by D/ edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
爆発するグラスが気になる。
ニトロセルロースみたいとか、強化ガラスに細工がしてあるとか…
2. 匿名処理班
CIAの機材は見たことはないがインターポールの機材が
裏で流出し、マニアの間で相当盛り上がったことある
3. 匿名処理班
MI6「うちも負けてはいられんな」
4. 匿名処理班
靴底が受話器の電話はおまへんか
5. 匿名処理班
靴に仕込んだ携帯無線機はないのか?
(簡易防毒マスク機能付き)
6. じょん・すみす
あの飛行服は、U2高高度偵察機のパイロットが着てた奴だな。