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ブタの皮膚から作った人工角膜を移植した20人全員の患者の視力が回復

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(著) (編集)

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 ブタの皮膚に含まれるコラーゲンで作った角膜を移植したところ、20人の視覚障がい者全員の視力を回復させることに成功したそうだ。

 実験参加者の中には、盲目だった視力が1.0にまで回復した人たちもいた。移植手術から2年が経過した現在、深刻な合併症や副作用はまったく報告されていないとのことだ。

これまで人間のドナーに頼っていた角膜移植

 「角膜」とは、黒目をおおっている透明な膜のこと。

 直接外に接しているため傷つきやすい部分だ。世界には、これが曇ったり、歪んだりすることによる視覚障がい者がおよそ1200万人いるとされる。

 移植することもできるが、人間のドナーが少ないために、実際に移植手術を受けられるのは、患者70人に1人くらいなのが現状だ。

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photo by iStock

ブタの皮膚から作った人工角膜を移植した全員の視力が回復

 スウェーデン、リンショーピン大学のメルダッド・ラファット氏らは、ブタの皮膚から抽出した「コラーゲン」で、コンタクトレンズのような柔軟で弾力性のある人工角膜を開発。これを人間の志願者に移植した。

 実験に参加した20人は、全員が「円錐角膜」(角膜が薄くなり、円錐形に突出する病気)による視覚障がい者。14人は盲目で、6人は重度の視力障がいだった。

 ところが術後、全員の視力が改善し、盲目だった参加者のうち3人は視力が1.0まで回復した。

 ラファット氏は、「最初の移植手術が行われた時のことを覚えています」と語る。一晩中眠れず、手術の結果を待っていたが、実際に視力が回復すると想像以上に良好な結果で驚いたそうだ。

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豚皮由来のコラーゲンタンパク質で作られた人工角膜 / image credit:Thor Balkhed/Linkoping University

拒絶反応の心配はなし

 コラーゲンは、個々の細胞を持たない構造化されたタンパク質だ。だから免疫系によって拒絶されることはないと考えられている。

 人間の角膜を移植された患者の場合、一般に数年は拒絶反応を抑える薬を服用する必要がある。しかし今回の患者は、8週間免疫抑制剤入りの目薬をさしただけだ。

 ただしジョンズ・ホプキンス大学のエーゼン・アクペック氏は、第三者の立場から、それほど画期的ではないと述べている。

 これまでも円錐角膜用コンタクトレンズといった治療法が開発されているからだ。ブタの人工角膜でも「既存の医療技術で治せない症状は、治せないでしょう」とのことだ。

 また今回の人工角膜が最終的にいくらになるのかもはっきりしない。それでも現在の人間の角膜(米国なら数百万円)よりは手頃なものになるだろうとのことだ。

 この研究は『Nature Biotechnology』(2022年8月11日付)に掲載された。

References:Cornea implant made from pig skin restores vision in landmark pilot trial / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 46件

コメントを書く

  1. 都合のいいことしか書いてないから意味不明

    14人は盲目のうち3人は視力が1.0まで回復した。

    じゃあ残りの11人はどうなった?

    • -47
    1. ※1
      都合の悪い事は無視か?
      「全員の視力が改善し」って書いてあるんだが…

      • +17
      1. ※4 ※6 ※7
        それじゃあ分らんだろうが

        回復が0.00001でも回復だぞ

        ホンマに揚げ足取りしかできんお子様やで

        • -41
    2. ※1
      20人全員が視力回復、内14人の盲目のうち3人が1.0まで回復なんやから回復はしてるんじゃない?

      • +12
    3. ※1
      「ところが術後、全員の視力が改善し、」って書いてあるのに、何言ってるんだろう。
      原著論文のリンクもあるのに読みもしないで。

      • +11
    4. >>1
      20人の視覚障がい者全員の視力を回復させることに成功したそうだ
      と始めの方に書いているので視力1.0には満たないまでも好転したことは確かですよ。
      移植を待つことしか出来なかった方々がローリスクで手術できると思うと素晴らしいことですね。

      • +11
    5. ※1
      荒れるだけだからこういう奴のコメントは事前に弾いてくれ。こっちには非表示機能もないんだから。

      • +9
      1. ※18
        そうは思わない。

        ※11の物言いはどうかと思うが、
        ※1に関しては、「○人はこれだけ良くなった!」
        ⇒「じゃあ他の△人は?」に関して具体的な言及が無いのは事実で
        べつに誹謗中傷とかでもない、まっとうな指摘だと思う。

        自分も※1に対してレスコメを書かせてもらったが、
        反論コメントを、自分が不快だからと
        封殺しようとするのはどうなのか。

        • -11
        1. ※32
          最近多いんだけど、ID見ると他の記事でも1レス狙いで必ずああいう揚げ足取りしてるんだよね
          普通に構ってちゃんの荒らしだと思うよ。素通りじゃ承認制の意味がない

          • +7
        2. ※32
          ちゃんと元記事へのリンクが貼ってあるんだからそれくらい読めば良いのではないかと。
          英語の記事だって今どきブラウザで翻訳してくれるし。

          • +9
    6. ※1 ※11
      20人の被験者(インド8人、イラン12人)の術後平均視力は、
      インド8人がコンタクト矯正視力で20/26(≒0.8)
      イラン12人が眼鏡矯正視力で20/58(=0.3~0.4)、
      盲目だった14人の矯正視力は20/36(=0.5~0.6)。

      術前は、矯正視力でも20/600とか20/200レベルだった人達。

      ちなみに、日本の運転免許の視力テストは
      片眼0.3以上、両眼視力0.7あれば合格になる。

      なお、この円錐角膜の特徴は、
      眼球表面の変形でまともに見えなくなるだけでなく
      弱視の視力があってもコンタクトの装着による矯正が不能
      というのが問題点としてあるので、装着に耐えうる状態になり
      日常生活が可能な矯正視力が出せたら、成功といえる。

      • +7
  2. 人間の角膜移植ではヤコブクロイツフェルト病とかいう狂牛病みたいな危険がなかった?
    豚由来のたんぱく質にも注意が必要かも。

    • -13
    1. ※3
      おしい
      クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)な。

      • +3
    2. ※3
      角膜そのものを移植するのとは危険度が違うのでは?
      というかブタの皮膚由来のコラーゲンから作った角膜にヤコブ病発症の危険があるとすると、動物由来のコラーゲンが原料のゼラチンもヤバいかもですよね。

      • +4
    3. ※3
      異常プリオンは神経に集まるから脳・脊椎・眼に注意とされる。
      眼は露出した脳と異名がつくほど神経が集まってるからね。

      記事のこれは皮膚であり、すでに死んだ細胞も多い部位だから(角質はほぼそう)、そこから成分を取り出しても危険性はかなり低いんだ。
      もちろんゼロではないけど限りなく低い≒使用に耐える(安全)という考え。

      • +4
    1. ※5
      生活習慣病からなる2型糖尿や腎硬化症の場合、腎臓と共に動脈硬化や
      毛細血管破壊で肺機能や失明などのいろいろな問題出て来るし、全身を
      修復できる医療技術が無いと腎臓だけ移植しても数年後詰まって再度
      移植という悲惨な結末待ってる
      まあ後30年もすりゃナノロボットをインフルエンザのように注射し
      寝ている間に腎臓や全身修復、ガンや白血病などの重度の病ですら
      ついでに治すSFのような時代来る
      その時には腎不全なんて言葉は死語になってるはずだ

      • -5
  3. 1.0とか現代人の大半より目がええやん(大人どころか中学生時点で半数以上が視力1以下になる)
    こら将来はみんなお豚様の細胞を移植されてメガネがなくなる時代がくるで!

    • +4
    1. >>9
      裸眼視力は個性やから利便性の指標でしか無い。矯正視力が異常正常を判断する基準やね。裸眼視力がわるくても矯正視力が良ければなんの異常もないということ。
      そもそも若い時にメガネ無しでイキってる奴は50歳以降にガッツリ老眼鏡が必要になるから心配すんなW

      • -7
    2. >>9
      えっ!?そんな!
      この世から眼鏡っ子が居なくなるなんて嫌だ!

      • +1
  4. これでさらに「豚=人の生まれ変わり」というオカルト説が捗る

    • -5
  5. ブタには悪いが
     
    えっ!?そんなモンで良いの?

    • +4
  6. 今も
    死んだ人から提供される角膜移植をしてるのかな❓
    治したい人が順番待ちしないで済む世界になったら
    良いな…

    • +5
    1. ※15
      私は自分の角膜を死後移植してもらうためにアイバンクに登録しています。毎年「愛眼新聞」というのが送られてきて 亡くなって角膜を移植した方々の御芳名が記載されてます。ほとんどが80代以上 たまにお若い方がおられると胸が痛いです。

      • +7
      1. >>38
        頭が下がりました。
        僕は若い頃、輸血4ℓ、人乾燥硬膜1.5枚貰いました。
        だからCJ病の危険もありドナーなどにはなれません。
        いまは病院のコメディカルをしてます。
        仕事で返していけたらと思いますが、やはりドナー登録されてる人は素晴らしいと思います。

        • +5
  7. 皮膚なら自分の皮膚から作りゃ良いじゃんね?

    • +1
  8. 医療、特に目の研究が進むのは本当にありがたい
    盲目になったら死のうと思ってるから
    目と手は絶対に失いたくない

    • +2
  9. もうすぐ拒絶反応のない豚も育つから全身のどこまで人間に移植できるかな?

    • 評価
  10. 1の言葉が強めなため反感を買ってますが、確かに平均してよい傾向なのか改善はしたもののほぼ見えない事に変わりないのか、ムラも知りたいと思います。良いニュースと信じたい

    • -4
    1. ※22
      だからリンク先の原著論文に全部書いてあるって。
      カラパイアはちゃんとリンク貼るなどすごく良心的なニュースサイトだと思うよ。

      • +5
  11. あの・・・コレで近視は治りますか?

    • 評価
    1. ※23
      残念ながら、水晶体が原因の近視は角膜移植では治りません……。

      • +4
  12. 遺伝子操作した豚の皮膚を人間に移植する事には成功してるし、皮膚で成功したんなら…と色々応用先を考えてる感じだね
    人間の角膜を用意するよりはるかに簡単だから普及してほしいな

    • 評価
  13. コラーゲン摂るなら
    僕はブタよりウナギがいいなぁ。

    • +1
  14. 以前ブタの心臓を人間に移植した話が合ったけど、今度は角膜と言う訳か。だとすると次は腎臓の移植かな。
    いずれはブタの脳細胞を人間に移植して、アルツハイマーとかパーキンソン病の治療ができるかもしれない。

    • +1
  15. 円錐角膜って角膜が円錐形に変形して見えなくなる病気だから、角膜を移植したら円錐角膜になる前の視力に戻るわけだよね?つまり視力が1.0になったって人は、単に円錐角膜になる前の視力が1.0だったってこと?

    • +2
  16. 豚さんは食べて美味しく、皮膚も人の役に立つ、
    素晴らしい動物♡

    ただ、この移植技術、イスラム教徒の人は受け入れてくれないかもなぁ。

    • +2
    1. ※36
      それが※31にあるとおり、原文を読むと「20人の被験者(インド8人、イラン12人)」なんですよ。
      イランは国民の99%がイスラム教徒なんだけど、ブタ由来のコラーゲンを使っても問題ないんでしょうかね?
      本人と神との契約だから、多少のことは気にしない人もいるのかな。

      • 評価
  17. 生まれた時から盲目の人が視力回復して、見えた世界の感想が聞きたい。

    • +2
  18. アイバンク、登録したいけどまだできてないなあ。
    他の臓器と違って幅広く提供できるそうなので、損は無いかも。

    • 評価
  19. IPS細胞でも同じことしてたけど、豚ので済むなら糞高いIPSのやつ必要なくなるな

    • 評価
  20. これとは別だけれど、誰でも網膜の復旧が出来る時代にならないなあ

    • 評価
  21. 生きている豚をわざわざ殺す、、なんて事だったら嫌だな。

    • 評価

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