メインコンテンツにスキップ

古タイヤで耐久性に優れたコンクリートを作ることに成功

記事の本文にスキップ

21件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 近年、コンクリートに使われる骨材(セメント・水と一緒に混ぜ合わせられる砂利や砂などのこと)を廃棄された古タイヤで代用しようという試みが行われている。

 今回、オーストラリアの研究グループは、従来のものの欠点を克服した100%古タイヤの骨材でコンクリートを開発した。

 それは機能面で優れているだけでなく、コンクリートと古タイヤが抱える環境問題をどちらも解決してくれるそうだ。

古タイヤを骨材に使用する為に克服しなければならないこと

 コンクリートは、水・セメント・骨材(砂や砂利など)を混ぜ合わせたものだ。

 こうした素材はどこにでもありそうだが、砂や砂利は地面から掘らねばならないので、じつは世界中で骨材が不足している。

 一方、タイヤはある程度はリサイクルできるが、そのまま埋め立てられたり、焼却処理されたりすることも多い素材だ。

 そこで両者を組み合わせるという発想が生まれた。要らなくなったタイヤを砕いて砂や砂利の代わりにすれば、そうした両素材が抱える問題を解決できるからだ。

 しかもタイヤは圧力を受けても曲がって壊れないので、古タイヤ骨材で作られたコンクリートは普通のものより丈夫だ。

 ただしタイヤ粒子を使いすぎると、圧縮や引っ張る力に弱くなるという欠点もある。セメントがゴムにうまくくっつかず、しっかり結合しないからだ。

この画像を大きなサイズで見る
タイヤを砕いた粒子を水と一緒に混ぜたコンクリート/Mohammad Islam, RMIT

圧力をかけることで最適化

 オーストラリア、RMIT大学の研究グループは、セメントが結合してくれない原因は、タイヤゴムに開いている小さな穴であることを突き止めた。

 より正確に言うなら、コンクリートを混ぜた時に穴に入った水が、蒸発して最終的に空洞になってしまうことが原因だ。

 この問題を解決するために考案されたのが、今回の新しいコンクリートの作り方だ。

 まずは100%タイヤ粒子骨材のコンクリートを普通に作る。新しいのはここから。コンクリートを特殊な金型に流しこみ、圧力をかけてタイヤ粒子の穴を潰すのだ。

 その結果、コンクリートが乾いても、ぐっと結合が良くなったという。

 従来のやり方による100%タイヤ骨材コンクリートに比べて、圧縮強度・曲げ強度・引張強度がそれぞれ97%・59%・20%向上したそうだ。

この画像を大きなサイズで見る
新たに開発された100%古タイヤ骨材コンクリートは、建築基準を満たしているだけでなく、一般的なコンクリートより軽量だ/Mohammad Islam, RMIT

高性能で環境にもやさしい古タイヤ骨材のコンクリート

 研究グループの今後の目標は、新開発のコンクリートをさらに強化し、建築により適したものにすることだ。

 研究グループのリーダーであるリ・ジエ教授は、「一般的なコンクリートは大部分が粗骨材で占められています。これを古タイヤで代用できれば、天然資源の消費を大幅に減らせるとともに、古タイヤが引き起こす環境問題への対策にもなります」と、語る。

 この研究は学術誌『Resources, Conservation & Recycling』(2022年5月4日付)に掲載された。

References:Concrete using recycled tyre rubber hits the road to a circular economy – RMIT University / written by hiroching / edited by / parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 21件

コメントを書く

  1. 再生コンクリートになるのか?

    ならないのならコンクリートのゴミ問題が増えるだけ

    • -2
  2. コストが気になるね
    そこがダメだと結局誰も使わないから

    • 評価
  3. 廃タイヤの質ってコンクリートに混ぜられるほど一定なのか

    • +6
  4. 耐候性どうなんだろ。
    すぐ中性化しそうな気がする。

    • +6
  5. 従来の100%タイヤ骨材コンクリートより良くなったのは分かったけど
    通常のコンクリートに比べての数値も気になるな

    • +7
  6. 日本だと鋼鉄スラグの処分法がコンクリ骨材や路盤材に利用するのが定着してるのでここに廃タイヤなんか入り込む余地はないだろ
    自前で鉄鋼の精製をしてない国で有効

    • +8
  7. 建設現場で圧掛けて硬化させるの?特殊な金型使って?

    • +1
  8. 酸化劣化するし、高アルカリ条件で少しずつゴム劣化せんか?BRとか天然ゴムとかやろ。アルカリへの耐久性は知らんけど。

    • -2
  9. 問題は未だあるかもだが人間社会の中で循環させられるならそれが一番なのは確かだね

    • +6
  10. 前も同じ記事があったね。
    ついでに日本ではアスコンに混ぜ込んでる。

    • +6
  11. 建設現場でコンクリ型枠に圧力をかけるとか現実的じゃあない。
    アホほど無駄なコストかかるだけ。
    耐久性も良くなるとはとても思えない。
    火にくべたらゴム成分が燃焼するわ有毒なガス出るわろくなもんじゃないぞ。

    • -4
  12. コンクリとゴムは異物同士だからリサイクルできないのでは?
    廃棄物処理の特性として、同一素材であればあるほど処理は容易になる。
    分別が必要になる建材が街にあふれたら処理場はパンクするだろう。

    • +1
  13. なんか否定的なコメばっかだけど、砂不足と違法浚渫の問題はすごい深刻なんだぜ…

    • +2
  14. あれっ?これは、すでに日本で高強度の側溝蓋として製品化してたような気がします。たしか、千葉県の市原市で売ってたと思いますが。間違ってたらすみません。

    • +2
  15. その新コンクリートって本当に環境に有害でないんだろうか?

    • +2
  16. 君たちが思いつくようなことを考えていないわけがないだろう。

    • 評価
  17. 今はいいけど、その再生ゴムタイヤ入りコンクリートをリサイクルや最終処分する際は大変な事になるだろうね

    • +1
  18. それでも回収するタイヤの殆どは 再生できずに 埋め立てや焼却とか… (BBC ドキュメンタリーでやってました)。

    プラスチックもアスファルトも石油精製で出るゴミだし、車や化石燃料への依存自体を 減らさなきゃないだろう。

    • -1

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

サイエンス&テクノロジー

サイエンス&テクノロジーについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。