メインコンテンツにスキップ

イラクサの葉が精子の動きを抑制することが判明。男性用避妊ピルの開発へ一歩前進

記事の本文にスキップ

25件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 オーストラリアの新たな研究によると、「セイヨウイラクサ」という植物の葉の抽出物に、男性の精子の動きに関わるタンパク質をブロックする作用があることが確認されたそうだ。

 『PLOS ONE』(2022年7月28日付)で発表されたこの新事実は、植物のエキスを使った、ホルモンを使用しない、新たな男性用避妊ピルの開発につながると期待されている。

イラクサの葉のエキスが精子を運ぶタンパク質をブロック

精子を運ぶタンパク質とイラクサ葉エキス
 イラクサ(Urtica thunbergiana)は漢字では「刺草」と書く。その名のとおり葉や茎にトゲが生えている多年生植物だ。

 男性用避妊薬の開発に取り組んでいるオーストラリア、モナシュ大学のサバティーノ・ベンチュラ博士らは、イラクサの近縁種である「セイヨウイラクサ(Urtica dioica)」の葉から抽出したエキスが、男性の精子の動きを制御するタンパク質に与える影響を調査した。

この画像を大きなサイズで見る
photo by Pixabay

 これまでの研究で、「α1Aアドレナリン受容体」ならびに「P2X1プリン受容体」という2種のタンパク質を取り除いてしまえば、男性を不妊にできることが明らかになっていた。

 都合がいいことに、それによって精子自体の生存能力や男性の健康を損ねたりすることはない。

 今回のマウスによる研究では、イラクサ葉エキスが「P2X1プリン受容体」の働きを邪魔するかどうか確かめられた。

この画像を大きなサイズで見る

イラクサ葉エキスでマウスの生殖能力が半減

 実験として、オスに経口で1日50mgのイラクサ葉エキス(市販されているもの)を飲ませたところ、生殖能力が53%低下したという。

 注目すべき点は注射などではなく、口から服用して効果があったことだ。避妊薬として使うなら、できるだけ手軽に服用できた方が良いだろう。

 このような避妊効果は、イラクサ葉エキスがP2X1プリン受容体を阻害し、尿道や生殖器平滑筋の収縮力を弱めることで発揮されるとのこと。これによって精子が運ばれなくなってしまうのだ。

 研究グループは、「男性向け避妊を行う上で、効果的かつ便利な生物学的戦略」と結論づけている。

この画像を大きなサイズで見る
photo by Unsplash

男性にも手軽で効果的な避妊の選択肢を

 研究グループの今後の予定は、イラクサ葉エキスのどの化合物が実際にタンパク質を阻害しているのか調べ、より避妊に適した類似の化合物がないか探すことであるそうだ。

 ベンチュラ博士はこう語る。

残念なことに、現在男性が行う避妊方法は、コンドームかパイプカットしかありません。しかし『Male Contraceptive Initiative』が主導した研究によると、大多数の男性は避妊に前向きであり、我々は彼らに、安全で効果の高い避妊の機会を与える必要があるのです

References:New development for hormone-free male contraceptive pill – Faculty of Pharmacy and Pharmaceutical Sciences / written by hiroching / edited by / parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 25件

コメントを書く

  1. そっちよりもエイズの特効薬作った方が良いのでは?

    • -16
    1. ※1
      全然別の話題降って顰蹙買うありますあります身に覚えが!
      本人の中では繋がってるのよね

      • 評価
  2. 一瞬ちゃんとこんなの使ってその人に差し支え出ないのかなとか心配になったけど、なんとなく思いやりの無駄遣いした気分になった。

    • -1
  3. >生殖能力が53%低下したという。

    100%でないと意味がない

    • +8
    1. >>3
      だから、これから有効な成分を特定したり抽出したり分析したりたくさんの過程を重ねて、できるだけ100%に近い効果があって可能な限り副作用も(少)ない薬を作るための一歩って話だよ

      • +9
    2. ※3
      他の避妊法と併用する、失敗時の保険としては
      半減以上なら意義はあるんじゃ?

      • +2
  4. 効果や安全性があったところで男が本当に避妊しているか信用ならないという理由により、コンドームや女性側の避妊が必要な状況は変わらなそう。
    絶対に子供を作りたくない男性にとっては良さそうだね。

    • +13
  5. パンパン草と間違ってちぎったら激痛が走ったやつだ!!!

    • 評価
  6. イラクサというとグリム童話の白鳥の王子を思い出す
    白鳥になってしまった兄たちを救う為にイラクサで服を編む妹が主人公なんだけども、避妊効果がある前提で読むと内容が変わってきそうで面白い

    • +4
    1. >>8
      もともと西洋では昔から「ネトル」の名前で万能ハーブとしておなじみの草で、鉄分が含まれてるから女性の貧血にも効果があるとされてきたんだ
      泌尿器系の不調やアレルギーにもいいと言われてる
      海外ではハーブティーやサプリメントも一般的だよ

      と書きながら、白鳥の王子の話は日本に置き換えたら鶴か鷺に変えられたお兄ちゃんズのために妹が手に黒い色と匂いが付くのに耐えながらドクダミやヨモギでちゃんちゃんこ編むみたいな感じになるのかな(雑)とか想像しちゃったよ…

      • +5
      1. >>12
        ちゃんちゃんこに笑ってしまいましたwww

        • 評価
  7. oh……念の為調べたらアンデルセン童話でした……
    子供の頃の記憶だけで書き込んだらダメですね

    • +1
  8. 妊娠は回避できても性病リスクには一切効果ないから結局お店でのスキンは必要だろうなぁ
    開発が進んで100%の男性用避妊薬になったら恋人たちのスパイスにはなるな

    • +3
  9. 方法はどうあれ避妊について真面目に話し合える相手と交際することが大事ですよね

    • +3
  10. イラクサ属は蒸して野菜として食べられる種もあるそうだけど
    子供欲しいのにこの野菜好きなせいで知らんうちに不妊になってる人とかいそう

    • 評価
    1. >>18
      マウスにエキス50mlで半減程度なら、人間に適用できるとしても毎日こればかり大量に食べでもしない限り影響が出るとは思えないし、これを心配するくらいなら他にいくらでもリスクになる要因があるかと

      • 評価
  11. 中絶が禁止されたアメリカでは特に需要が出そう

    • 評価
  12. 男が避妊に関する自己決定権を持つための技術も必要だけど、「性欲があるせいで男は性犯罪をしてしまうかわいそうな生き物なんだ」論とか見ると、性欲そのものをなくす技術も作ってあげた方がいい。

    • +3
    1. >>20
      科学的な去勢の記事を読むといいかもね、

      • 評価
  13. どの避妊方法でも長所も欠点もあるから、選択肢が増えるのも男女で負担を分散したり補ったりできるようになるのはいいことだよね

    • +1
  14. このまま男女ともに避妊・不妊技術発達して性交のない時代が来て特別な資格や許可がないと子供を作れない時代がくればいいな~人類は簡単に同類を作り過ぎるんだよ。

    • -1
  15. その昔、西洋で男女が淫欲に溺れずに生殖を行うために、イラクサでできた服を着たままで性行為を行うことを教会が奨励していたなんてことを思い出したけど、こんなトコでつなかってしまうとは。
    んで、白鳥の王子のイラクサの服も性的な暗喩が潜んでたりするのかな。民俗学に通じた人、教えてくれないかな。

    • 評価
  16. アイコ (ミヤマイラクサ) のピリ辛めは 懐かしの味ですハイ。

    ※イラクサは猛毒の物もあるから気をつけてね。

    • 評価
  17. タイムスリップ医者の話で避妊のためにイラクサを食べさせる話が…来ないな

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

サイエンス&テクノロジー

サイエンス&テクノロジーについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

料理・健康・暮らし

料理・健康・暮らしについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。