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男性器に直接注射する避妊法、効果は13年持続するが治験では副作用も(インド研究)

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(著) (編集)

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MarianVejcik/iStock
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 子宝に恵まれたい夫婦がいる一方で、意図せぬ妊娠が起きているのが現状だ。様々な避妊法はあるものの、失敗率の低い方法は、ピルの投与や子宮内に器具を挿入するなど、女性に対してのものが主流となっている。

 もし、男性にも簡単にできる避妊法があるのなら、意図せぬ妊娠は激減するだろうと予測されている。

 そして今、インドの研究グループが、そうした男性向け避妊法の完成に近づきつつあると報告している。地元紙によると、インド医学研究評議会から世界初の男性用不妊注射の治験に成功したと発表があったそうだ。

男性器に直接注射する避妊法、効果は13年

 その避妊法は「reversible inhibition of sperm under guidance(指導下の可逆的阻害法)」の頭文字をとって「RISUG」と呼ばれており、男性器の裏側に直接注射するというものだ。とはいえもちろん麻酔をした上でだ。

 これによって、精子を尿道へ送り込む精管にポリマージェルを注入する。すると精子が排出されなくなるので、女性を妊娠させることができなくなる。その効果は13年持続するという。

薬剤を溶かす注射をするだけで元に戻る

 原理としては、精管切除(パイプカット)に似ているだろう。だが、こちらの方法では、手術によって精管を切るか結ぶかしなくてはならない。やっぱり子供を作りたいと思って、元に戻そうとするなら、再度手術を受ける必要がある。

 だがRISUGの場合は、ポリマージェルを溶かす薬剤を注射するだけでいい。体への負担が少ないし、途上国でならわずか1000円程度の費用で実施することが可能だ。

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Image by Natali_Mis/iStock

不妊法のスタンダードになるか?

 近年、メディアでも取り上げられており、2015年、「低コスト、最小の侵襲性、完全に可逆的」な理想的な男性向け不妊法であるとヴァイスは伝えている。

 またブルームバーグも2017年に「妊娠防止に98パーセントというコンドームと同等の効果」があると報じた。

 だが、その効果に懐疑的な専門家もおり、インドで最近行われた3つの治験を注意して調べてみると、そうした意見もうなずけることがわかる。

成功率は139名中133名、副作用も

Indian Journal of Medical Research』(2019年7月付)に掲載された治験の報告からは、メディアが伝えるよりも少々込み入った状況をうかがうことができる。

 その治験では41歳未満の既婚かつ2人以上の子供がいる男性139名が参加し、それぞれに1回RISUGを注射。その後6ヶ月の経過を観察した。

 結果、RISUG以外の避妊をせずに性行に及んだ参加者133名の妻は妊娠しなかった。

 副作用もあり、一般的だったのは、陰嚢の軽度の膨張、陰嚢の痛み、注射部の結節だった。ただし、これらは短期で治っているため、大きな問題にはならなそうだ。

 しかし2名には液貯留が見られ、米ワシントン州立大学の男性不妊の研究者であるマイケル・スキナー氏は、こちらはやや懸念され、より長期的な調査が必要であると述べている。

 だが、より気になるのは、妻が妊娠しなかった参加者133名の精液が出なくなったのは、RISUGを注射されてから1~6ヶ月後のことだということだ。つまり、RISUGは効果を発揮するまでに少々時間がかかるということだ。

 治験の観察期間は6ヶ月であり、この間の妊娠は確かになかったとはいえ、それがRISUGの効果なのかどうかはっきりしない。また、観察期間が短すぎて、不妊効果がその後も持続するのかわからないし、人体に対する安全性もよくわからない。

 ついでにRISUGの施術に耐えらず、途中棄権した参加者も6名いる。

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Image by Phuchit/iStock

より大規模で長期的な治験が必要

 このようなポリマージェルを使った避妊法は、以前より懸念が表明されていた。2014年、インドの研究グループは、RISUGについて希望であるとともに危険でもあると論じている。

 本来であれば、十分な人数と期間を確保した上で治験をしなければならないのだが、現時点ではなかなか思うように進んでいない。

 ワシントン大学のステファニー・ペイジ教授によると、たとえばアメリカでRISUGの認可を得ようと思えば、数千人が参加する治験を行わねばならないという。今回の治験は、それに比べればかなり小規模なものでしかない。

 さらに2018年の研究では、初期の臨床試験と動物実験から、精子や生殖器官の組織を損傷する恐れがあることが報告されている。

 こちらの研究ではさらに、現時点でRISUGの効果が可逆的であるかどうかは動物実験で確認されたのみで、人体に用いた場合、本当に再度妊娠させる機能を取り戻せるかどうか不明である点も指摘している。

 少なくとも今のところは、RISUGをまるで未来の不妊のスタンダードであるかのように喧伝するニュースがあったら、少し割り引いて考えておいたほうが良さそうだ。

References:Male birth control: The world’s been waiting for it. India may be the first to offer it. – Vox/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 70件

コメントを書く

  1. なるほど完璧な避妊法っスねーーーっ
    相手がいないという点に目をつぶればよぉ~!

    • +22
    1. ※1
      相手がいないというのはこれ以上ない避妊法なのでは?

      • +24
  2. 人口抑制のための途上国を中心に積極的に導入するべき

    • +11
    1. ※2
      この発言自体も信じられないし、これにプラスの評価がついてることも信じられない
      どれだけ傲慢なんだ
      自分が他者を生殺与奪する権利を持っているとでも思っているのだろうか

      • -8
      1. ※72
        強制的に避妊してるわけじゃない
        何より望まぬ子を設けて悲劇的な結果を招いてしまうよりは良いのじゃないか

        ただ他の方も書いてるけど性犯罪の温床にならないようにはしてほしいね

        • +1
        1. ※73
          2には「するべき」って書いてあるけどね

          • 評価
      2. ※72
        途上国は娯楽が少ないからすぐヤって避妊もしないから望まれない子が出来る事が多い
        親に捨てられたりロクに世話もされず餓えて死ぬ子供も多い
        それは仕方のない事だからほおっておけとあなたは言いたいのか?
        親が子供を生殺与奪する権利を持っているとでも?
        この避妊をしたからといって二度と子供を作れなくなるわけではない、しっかり読め

        • +1
  3. 性犯罪者にバンバン使ってください。
    副作用、上等!

    • +4
    1. ※4
      外科手術でちょん切ってしまうより、注射一本でお手軽ですしね。

      でも想像すると内股ぎみになってしまうな^^;

      • +3
    2. ※4
      被害者の妊娠は防げるけど、犯罪行為そのものの抑制にはならないんじゃないかな。

      やっぱり性犯罪者にはタマ切除がベスト!

      • +25
    3. >>4
      妊娠するかどうかが問題じゃないだろ

      • +32
    4. ※4
      こういう「犯罪者には人権がない」と思ってそうな意見、よくみるけどそんなことないんだよ?

      • -17
      1. ※20
        性犯罪に関しては同意しかねるな。
        他社の尊厳を踏みにじっておいて当人は護られるべきだ?
        ふざけるのも大概にしとけ。

        • +15
      2. >>20
        それは現実であって、理想は犯罪者はいなくなったほうがいいだろ?
        いかに理想に近付けるか
        その方法の1つがこの薬だといいなと思っただけ

        • +1
      3. >>20
        人権が欲しいなら犯罪を犯さなきゃ良いんだよなあ

        • +6
    5. >>4
      性犯罪者は2回目逮捕でで宦官処置すべき

      • +3
  4. 歯医者なんかでもそうだけど、麻酔の時点で気絶しそう。ましてや息子スティックでしょう?ガクブルで玉ヒュン・・・・

    • +3
  5. 実用化されたらネコみたいに男の子産まれたら子供のうちに親が打たせるとかなりそう

    • +4
  6. 薬の効果で「出なくなる」って事は
    何回でもできるのか?
    そっちの使い方の方が重要そうだ

    • -1
  7. 男ってピルはないの?

    まあ性病もある程度防げるしゴム使っておけ

    • +10
    1. ※10
      男性用の避妊薬って、
      もう何十年も前から研究が続いていて
      数年おきに「実験で好成績、実用化へ一歩前進」
      みたいなニュースを聞くけど、
      未だに実用化してないってことは
      うまく進展してないんだろうな。

      • +2
  8. 男はやらんよね、こんなの。
    だって妊娠して困るのは女だもん。

    • -12
    1. 確かに切るよりは安価で楽だと思うけど、息子スティックに注射ってだけで精神的にダメな人も多そうだ
      ※11みたいな阿呆に強制施術できる法律でもできればいいけどな

      • +4
      1. ※26
        マジレスするとそういう法律は優生保護法の二の舞になる。

        • +7
  9. はいヤメヤメ!この話は終了!(股間を抑えながら)

    • -8
  10. 避妊用というより冤罪の可能性がない性犯罪者用ではないか?
    一般人でもヤリチンには有用なのだろうか・・・

    • -8
  11. X病に1人亡くなってる割にはねずみ算式に増えてるどっかの難民の人口調整にいいね
    そうなれば支援金が全員に行き渡るぞw

    • -4
  12. これ、すべての男性は13年に一度必ず打つようにして、子供をもうけたい期間だけポリマーを溶かせばいいのでは?
    13年に一度、しかも1000円でいいってすごいよ。
    副作用で言うなら、女性のピルのほうが、脳梗塞などもっと深刻な副作用がある。

    • +32
    1. >>16
      それすると一時の気の迷いっていうのが無くなって出生率が終わる

      • +2
    2. >>16
      避妊しないならゴムいらんやんけ!

      じゃあ生でしよ!

      性病蔓延

      になるからそれはないわ。性犯罪者への処置ってんならまだわかるけど。

      • +8
      1. ※65
        男性への避妊法ってなぜか中出し前提になる どんな避妊法を使ってもコンドームとセットでないと安全ではないのにね

        • 評価
        1. ※74
          そうでもないぞ。
          むしろ、性病予防でコンドームを過信するのは危険。
          (覆っているのは竿の部分だけだから、
          それ以外の周辺箇所の接触で伝染る場合もあるし
          前戯などで口を使う場合も喉粘膜に感染したり。)

          一番安全な性病予防は、互いに検査を受けた上で
          特定のパートナーとのみ行為をすることだと言われている。
          いくらゴムをしていても、性履歴のよく分からない相手と
          安易に関係を持つのは、安全とは言えない。
          希望する人数の子供を産み終わった夫婦などでは
          しばしばゴムを併用しない避妊方法の選択も視野に入れられる。

          「自分はちゃんとしてても、相手の浮気までは保証がない」
          と言われれば、そういうカップルなら まぁそれまでだけど。

          • 評価
  13. 性犯罪者に使えばいいんじゃね?
    一般男性はちゃんと相手を見つけるか、店に行くかの選択肢があるわけだし

    • -10
    1. >>18
      合法とはいえ店で女性を金で買える倫理観の男性を“一般男性用”と定義してほしくない。まともな一般男性に失礼

      • 評価
  14. 大橋巨泉「パイプカットすりゃ良いだろ、必要になったら再手術すりゃ良いだけで」

    • 評価
    1. ※21
      パイプカットの再通手術って、
      必ずしも成功率は高くないそうだけど。

      一度機能を停止して、長年経過すると
      もう一度開通してももう機能が戻らない場合も結構ある。

      • 評価
  15. 野良犬や猫に使えれば低コストで殺処分が減るのでは。
    管が細くて難しいかな?

    • +3
  16. 性犯罪者は去勢でいいだろ
    これで快楽そのままで避妊も出来るなら開き直って性犯罪やる人間もいそう

    • +27
  17. 玉に溜まって精しぎっしりで浮腫みたいにならないか心配。精し分解するのってセイノウだから玉内で分解できるのか

    • +5
  18. コンドームは避妊目的以外にも性病予防に使うべきだと思う。
    これは男女問わず性行為を行う上で互いに大事なことだ。

    • +14
  19. 体内に残留する異物を入れるのは危険だよ
    美容整形で鼻や胸にシリコン入れたりするけど
    もの凄い体に負担かかる上に
    経年劣化するから何年かしたら
    取り替えなきゃいけないらしいよ…
    ましてや管の中に13年でしょ…

    • +6
  20. なんか男性泌尿器や前立腺の治療や検査って麻酔を使うのに、
    女性の婦人科治療や検査って麻酔なしの事が多い気がする
    理不尽なんだよなあ

    • +6
  21. 物理的に道を塞いでいるのに効果が出るまで時間がかかるのが謎

    • 評価
    1. ※45
      よく分からんけど、じゃあ
      注入したてだと まだポリマーと管の間に微妙な隙間があって、
      数ヶ月かけて徐々にポリマーの形がこなれてくると
      管とピッタリ密着して漏らさなくなる、
      みたいな感じなんだろうか…?

      • +1
      1. ※70
        13年持つと言うけど、実際に13年試した訳ではないし
        年月が経ってポリマーが内壁にくっついちゃって
        腐ったり溶けたり内部でベリー!って

        • -1
  22. 性犯罪の厳罰化を言う人間はやたらと多いのに
    それにたいして性犯罪の被害者、あるいは被害にあいかけた人に対する理不尽な扱いは
    いったいなんなのか
    女性に対する性犯罪だけなぜ被害者の方が叩かれるのか
    警察の被害者に対する扱いや法の不備、ネット上の妄想だけでたいした根拠もないのにハ二―トラップだのなんだの言っている連中
    厳罰化より先にすることがあるんじゃないのかね

    • +16
    1. >>46
      ハニートラップて言われたくなければ被害訴える際に政治的要素絡めたツイートとかしなきゃいいんだよ。

      • -3
  23. 他に安全な方法あるだろうにこんな事しなきゃいけないほどインドって人口増加が深刻なのか

    • -1
  24. ちょっと思ったんだけど、もしこういう避妊法が一般化したとしたら
    いわゆる「授かり婚」がグッと減るよね
    子供ができたから、という理由で結婚に踏み切るカップルって昨今多いし、恥ずかしいことじゃないみたいな風潮になってきたけど
    こういう避妊法がスタンダードになったら…結婚率も出生率も下がるのでは…?

    • +4
    1. >>50
      そうだよ
      「産まれてしまったから妥協して育てられた」
      そういう子どももたくさんいるし
      それは想定外なだけで不幸な事ではない

      国が堕胎を違法としているのも
      こういった子も貴重な出生であるから

      子どもを作るかどうかを完全にコントロールできるようになったら
      将来多くの国が壊滅するよ

      • +1
  25. アルバート・フィッシュ「針 増し増しでヨロ!」

    • 評価
  26. 副作用でスティック肥大化を期待したんだが

    • -1
  27. 意図せずに子供が出来ちゃったのって、男も女も避妊に関してなあなあで済ませてしまう
    タイプだから、前もってこういう処置を自分から行う確立は無いに等しいのでは・・・。

    • +4
  28. 男性器は差すもので、刺されるものではありません。

    • -8
  29. なんか身体に悪そうなんだけど、本当に大丈夫なん?これ…

    • -1
  30. 結局、出ないだけで起つんなら性犯罪抑止にはならない。人口抑制等には役立つのかもしれないが、妊娠させる心配もなく、行為自体は出来るとなれば、性犯罪者はむしろ増えるかもしれない。
    妊娠しなきゃ被害が無いってわけではないし、行為や欲求そのものに抑止を掛けなきゃ犯罪抑止にはならんよ。性被害に男性も居る事を考えれば分かると思う。

    • +11
  31. 陰嚢に注射するのは痛いかもしれないが、短時間で済むし、それ自体に危険は無さそうだからいいじゃないの。
    女性は妊娠してしまって堕胎ということになると、一瞬痛いじゃ済まないんだよな。
    二度と子供産めなくなったり、希には死亡する例もある。

    • +3

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