
少年は犬を心から愛していたが、ホームレスのため、満足なお世話をすることができない。犬の幸せを一番に考えた少年は、泣く泣く施設に彼の犬を託したのだ。
事情を知った施設側は彼の犬を受け入れた。さらに、少年をホームレス生活から立ち直らせるため、自治体などに協力を求めた。
多くの人の協力のおかげで少年は滞在する場所を得ることがでた。更に犬と再会を果たし、一緒に暮らせるようになったのだ。
広告
Homeless teen reunited with dog he surrendered to MS animal shelter
断腸の思いで犬を施設に連れてきたホームレスの少年
4月8日、ミシシッピ州テイト郡にある動物保護施設『Senatobia-Tate County Animal Shelter』のもとへ、犬を連れた少年がやってきた。ロットワイラーとジャーマンシェパードのミックス犬、ジェイダ(メス 生後4か月)の飼い主だという17歳の少年は、ドッグフードと毛布が入ったビニール袋を渡して、施設側に「犬を引き取ってほしい」と頼んだ。
施設のディレクター、クリス・ロビンソンさんは、「うちの施設はもういっぱいなのよ」と最初は犬の引き受けを断った。
だが少年が、「自分はホームレスで橋の下に住んでいて、犬を満足に面倒を見てあげることができない」と話したことで、ロビンソンさんの心が動いた。
少年によると、ホームレスになった最初の頃は犬とテント暮らしをしていたという。だが、ある日少年が仕事を探しにテントを出た時、犬がテントから抜け出してしまった。
その後テントも失ってしまい、橋の下に住んでいる少年。本当はずっと犬と一緒にいたいけど、犬の幸せを考えたら、ちゃんと世話してもらえるところに行くべきだと考えたようだ。
彼の住んでいる橋からかなり遠い場所にある、ロビンソンさんの施設へと犬を連れて歩いてやって来たのだ。

photo by iStock
施設は一杯だったが、少年の思いを知ったロビンソンさんは彼の犬を受け入れることにした。更に、この少年にもなんとかして救いの手を差し伸べたいと思った。
うちはもう満員だったのですが、彼の話を聞いて誰が犬の引き取りを拒否できるでしょう。
そういう事情ならと、ひとまずジェイダを引き取ることを伝えました。少年が去った後、ジェイダは困惑し、とても悲しそうにしていました。
まだ、17歳という若さで、家を失った少年の心の支えはジェイダだけだったはずです。それでも、犬の幸せを第一に考え、犬のために助けを求めたのです。少年も、同様に第2のチャンスを与えられるべきだと思いました。
施設側の呼びかけで多くの人が協力し、少年を助ける
ロビンソンさんは、施設で少年が書き残して行った書類の情報をセナトビア警察と自治体のサポート機関に渡し、事情を説明して少年への支援を求めた。また、この1件をFacebookでシェアすると、多くのユーザーから少年への協力の申し出を伝えるメッセージが送られてきた。
その後、警察は少年の居場所を突き止めることができ、次の日には少年が安心して滞在できる場所を見つけることができた。
街には、ホームレスの為の公式な避難所というのは設けられていないそうだが、地域のメンバーが迅速に協力し合い、少年は一時的にある家族のもとに引き取ってもらえることが可能になった。
それを知った地元の教会も、少年を受け入れた家族に支援のための寄付をしたという。ロビンソンさんの呼びかけで、多くの人々が少年を救うために立ち上がったのだ。

image credit:Senatobia-Tate County Animal Shelter/Facebook
滞在先で愛犬と再会を果たした少年
多くの見知らぬ人々の協力と親切のおかげで、少年はジェイダと再会することができた。滞在先の家が犬も受け入れてくれたのだ。自立した生活ができるようになるまで、少年はしばらくの間そこで暮らすことになるという。
Facebookで少年への支援を求めたおかげで、犬と少年の行く末を心配した多くの人からサポートを得た施設側は、感謝の気持ちを述べた。
また、施設はジェイダのために避妊手術を行い、ノミやダニ、フィラリアの1年間の予防薬を少年に無料で提供した。
少年の母親から連絡が
なお、このストーリーが多くのメディアで伝えられると、少年の母親と名乗る女性から連絡があったようだ。その女性によると、少年は1年前に家を出たきり行方がわからなくなっており、、居場所がわかった今、家に帰ってきてほしいと話しているという。
なぜ少年は家を出たのか?当時の彼の家庭環境や生活環境は不明だが、ホームレスだったということは、誰も頼る人がいなかったのは確かだ。
そしてまた、自分はどん底の状態にありながらも、少年は何よりも犬のために保護先を探すことを最優先したのも確かだ。
だがこれでハッピーエンドというわけではない。少年は今後、自分の力で生きていかなければならないし、越えなければいけない壁もあるだろう。
だが、最後まで守り抜こうとした犬のジェイダが彼を支えてくれるはずだ。今回関わった多くの人々も見守ってくれている。
References:‘It broke my heart’: Homeless teen surrenders dog to MS animal shelter / A teen who was homeless gets his beloved dog back and a place to live thanks to strangers/ written by Scarlet / edited by / parumo
追記(2022/04/22)ジェイダがジェダイと表記されていた間違いを正して再送します。
あわせて読みたい





コメント
1. 匿名処理班
一瞬フォースを感じて草
2.
3. 匿名処理班
※1
私も感じた 笑
でも二人がこの状況から救われて本当に良かった。
4. 匿名処理班
自分が一人ぼっちになろうともジェイダちゃんを預けられるなんてすごいなあ
二人一緒ならきっと大丈夫
5. 匿名処理班
フランダースの犬みたいな結末に
ならなくてよかった。
6. 匿名処理班
これはいい話だが、次に「俺も犬と暮らす権利がある」と主張する輩が出てくる
7. 匿名処理班
17歳でホームレスといいアメリカヤバすぎるから国は他国のいろんなものに干渉するより自国民助けた方がよくない???
健康保険もないし最悪じゃん
8. 匿名処理班
深刻な顔でスマホ見てたのに
ジェダイで不覚にも
9. 匿名処理班
17歳のホームレスというのも相当な衝撃だけど家を出て1年、つらいこともあっただろうに帰らなかったのだからそれなりの理由があるはず
母親に居所を知られてしまって大丈夫だっただろうか?と心配になる
もちろん彼は親の庇護を受けて然るべき年齢だし本来親元に居たほうが安心なはずだけど、世の中まともな親ばかりではないから
10. 匿名処理班
※7
ホームレス&ストレイドッグ問題しかりいろいろと闇たくさんありますよね
最近見たフィラデルフィア・ケンジントンは衝撃だった(戦争とはまた別の域)
薬物関係もっとどうにかならないのか(日本も同様)
11. 匿名処理班
何で17歳の少年がホームレスに‥‥( i _ i )
12. 匿名処理班
フォースとワンコとともにあらんことを
13. 匿名処理班
フォースを感じたが最後はダークサイドを感じてしまったよ・・・果たして戻るべき所なのかどうか・・・