メインコンテンツにスキップ

周囲の電波を電気に変える未来の技術が登場

記事の本文にスキップ

46件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 電波から電気を作り出す、そんなSF映画にでも登場しそうな装置がアメリカ・サウスフロリダ大学で開発されたそうだ。

 その装置は、電磁波(光)の波長よりも細かな構造体を利用して、物質の電磁気学(光)的な特性を人工的に操作した疑似物質「メタマテリアル」で作られたアンテナだ。

 電波を効率よく吸収してそれを電気に変換する。電気が関連するあらゆる産業を大きく変える威力を秘めているという。

周囲の電波から発電

 電波を電気に変える技術は、何年も前から研究されている。だが、それは簡単なことではなく、得られるエネルギーよりも消費されるエネルギーの方が大きいのが当たり前だった。

 しかし最近ではその状況が変わりつつある。まず、Wi-Fi、GPS、Bluetoothといった通信技術が普及したことで、身の回りを飛び交う電波が増えた。

 もう1つは、「メタマテリアル」の分野に進展が見られたことだ。これは光などの電磁波の波長よりも細かい構造を利用することで、物質の電磁相互作用現象を人工的に作り出す疑似物質である。

 こうした技術の進歩のおかげで、電波から発電するというかつての夢物語が現実的なものになった。

 今回、サウスフロリダ大学のグループが開発したのは、メタマテリアル製のアンテナだ。

 電波の吸収効率がきわめて高く、アンテナに取り付けられたダイオードに高電圧を流すことができる。

 エネルギー効率が高く、弱い電波でも電気に変換できるので、たとえば「部屋の中にあるデバイスに電波で通電・充電」できるようになると、研究グループのクレイトン・フォーラー氏は説明する。

この画像を大きなサイズで見る
image credit: JIANGFENG ZHOU AND CLAYTON FOWLER

基地局の電波で発電できることを実証

 『Optical Material Express』(2022年2月28日付)に掲載された実験では、0.7~2.0GHzの電波からアンテナが収穫したエネルギー量を計測。さらに電波の周波数を変えながら、エネルギーの収穫量に影響が出るのかどうかも調査された。

 その結果、携帯電話の基地局から100メートル離れたところの強さに匹敵する電波で、100マイクロワット発電できることが確認されたという。

 それどころか着信中の携帯電話のすぐそばにアンテナを置くだけでも発電できた。

 「基地局を利用して発電した方が実用的とはいえ、アンテナの発電能力は実証されました」と、ジョウ・ジャンフェン氏は話す。

この画像を大きなサイズで見る
photo by Pixabay

世界から電線がなくなる日も近い?

 研究グループによれば、このアンテナ技術はエネルギー産業を大きく変えるとのこと。

 ジョウ氏によれば、電線やバッテリーを省略できるので、電気のコスト削減・信頼性の向上・効率化につながるという。

 「温度・照明・動きなどをチェックするスマートホームのセンサーや、建物や橋の構造をモニタリングするセンサーなど、そう簡単にはバッテリー交換できない場所に使えるでしょう」とジョウ氏は説明する。

 携帯型アンテナを開発すれば、移動中やデバイスの利用中にこっそり発電してもらったり、なんて使い方もできるようになる。

 エネルギーをより持続可能かつ効率的なものにしてくれる新しいアンテナなら、「未来はもっとパワフルで、効率的になることでしょう」とのことだ。

References:Metasurface-based antenna turns ambient radio | EurekAlert! / / written by hiroching / edited by / parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 46件

コメントを書く

  1. 無線による給電というと、ニコラ・テスラの「世界システム」だな

    • +29
  2. ペースメーカーを御使用の方は注意をして下さい

    • -3
    1. ※4
      電波を出すんではなく吸収するのだから、逆にペースメーカーの電源にすら出来るのでは?

      • +3
      1. >>18 電波が不十分なとこに出たらどうすんの。枯れた技術でスタンドアロンでなきゃならんもんはあるよやっぱり。

        • +4
        1. ※25
          べつに全部の電源をこれにしろってわけでもないんだし
          予備バッテリー付けておけばいいんじゃない?

          • +6
          1. ※26
            機能を付加すればするほど故障率があがる

            • +1
  3. 電線がなくなる
    ということは停電もなくなる?
    災害に強いテクノロジーは一般家庭でもどんどん使えるようになってほしい

    • +6
    1. ※5
      太陽フレアや高高度核爆発等による電波障害には脆弱になるね
      効率は悪くなるけど現行の方式と両方備えていたほうがいいだろう

      • +9
  4. 電波から電力得るで真っ先に鉱石ラジオが浮かんだおじさん

    • +14
    1. ※6
      すんません、ケータイのアンテナの先につけて LED ピカピカしていたアレを思い出しましたが、私はかなりのジジィです w

      • +8
  5. 電波を吸収するってことは緊急車両の無線を妨害するかもしれないって事だろ
    電波が多く飛び交う都市部ほどアンテナ設置の規定が厳しくなるんじゃないか?

    • +3
  6. 日陰で使える電卓用太陽電池くらいかな。地味だからこそ革新技術だ。

    • +5
  7. そんなに強い電力じゃないでしょ?
    せいぜいスマホや電球がつくくらいの

    • +2
    1. >>11
      一昔前はナノワットだったからだいぶ進化してる

      • +7
  8. 宇宙からの電波を吸収すれば無限エネルギーだな

    • +7
  9. 飛び交う電波の~♪
    その~果てに~♪

    • -1
  10. 流石に高圧送電線なみの電力供給ができるわけないというか、できたらそれはそれで危険だから
    大電力を使う工場やインフラ設備なんかのための電線は無くならないだろうし
    電池を使う程度の製品が電池要らずになるとかそんなレベルだろうかね?

    • +3
    1. >>16
      それだけでもめっちゃ便利だから頑張ってほしい

      • +9
  11. ニコラ・テスラって、当時は現代で言うところのドクター中松のポジションだったのかね

    • -7
  12. やったあ!これで電池要らずのテレビのリモコンが実現する!
    ↑茶化してはいるが、こういう用途の製品が世の中多いのよ…

    • +9
  13. やっぱりテスラ博士は偉大だ。
    バッテリーの要らないEV車が走る(パワーセルはいるな)し飛行機も船舶も指向性の電波を送り続ければ電力を節約できる。
    携帯やモバイルのバッテリーも要らない、携帯の懐炉やクーラー(ペルチェ素子)。
    家庭用はどこまで進むか予想できないけど(有線の利点もあるしね)、室内配線はなくなるだろう。

    そして世界は『JM』と化すのだ。

    • 評価
  14. センサーを無電源で動かすような用途には使えそうね
    (そういう装置は既に存在するけど・・・)

    • +6
  15. 今後社会に普及して至る所で電波を勝手に電力に変換してたら電波が減衰して遠くまで届かなくならない?

    • +1
    1. >>27
      雨の日よりかはマシだと思うけどな。水は電波を吸収するのはご存知だと

      • +1
    2. ※27
      おそらくご心配されていることはないと思います。
      発信側は放射していて、受信側のアンテナというか今回の記事なら受け取り側の金属原子を揺らしています。このエネルギーの変化を音声で変調してラジオで復調するのがラジオ、信号にしてさらに音声にしてるのがケータイ電話、今回の記事は電力へと変換するでしょう。すべて放射されたエネルギーを、空間経由で受けた仕組みが再度電気エネルギーへと変換しているだけです。だから発信源から離れると距離の二乗に反比例して弱くなりますが、そばのモノが隣り合ってる間は基本的に影響なく、発信元と受け取りの間に別の受け取りのモノが入るときにだけ影響がでます。いうなれば太陽が放射しているたとえば光エネルギーは火星や月が受け取っても地球に影響がなく、地球と太陽の間に月が割り込んできた(日蝕っていいますw)ときにだけ影響がでるのと同じと考えて良いでしょう。 長文御免

      • +7
  16. N○K「お宅は電波を電力に変換していますね?では受信料を・・・」

    • +3
    1. ※29
      正直それならまだ納得がいくわ。見もしない、見るに堪えない番組を垂れ流して金よこせっていうよりはだいぶ良い

      • +3
  17. 1816年まではタルタリア帝国があり、日本も交易が盛んで日本全土にタルタリア建築が建てられフリーエネルギーを使っていた。消された歴史。

    • -4
  18. 受電設備が小型化できるならポータブル機器の類が電池も充電も必要なくなるのは良いね。
    昔あった鉱石ラジオみたいな感じでスマホが使えると便利。
    でも違法無線とかでインフラ麻痺しそうだし戦争おきたらEMP祭りになりそう。

    • +3
  19. これを宇宙空間、ラグランジュ点とかに設置すればまさに永遠不滅のフリーエネルギーになるんじゃない?
    ダイソン球とかより簡単だし恒星の寿命とかを極端に考えても枯渇することはありえないし

    • 評価
  20. 今でも奇妙な耳鳴りするのに、さらに悪化する。
    やめてくれ

    • 評価
    1. ※37
      電波の波長を音(高周波)として聞き取れる希少な人にとってはまあ災難ですけど所詮ごく稀な少数派ですんで考慮はされないでしょうしな…
      原理的には説明がつく(ていうか実際にそういう機械的装置も既にある)んだけど人体でもそれが起こると実証されたわけじゃないからまだまだ仮説段階で存在を疑問視する向きも根強いし

      • 評価
  21. この技術の完成を待つより、電線はさっさとなくしてほしいね。
    日本の空の電線被覆率は途上国と変わらない。
    一刻も早く、安く電線をなくす技術を確立してほしい。
    空が電線で分離しなくなれば日本人の創造力は大きく飛躍するはず。
    まあ一部有名アニメ作家は電線大好きらしいけどね。

    • -2
  22. 技術的にはスマホとかのコードレス充電とおなじ。
    ただ、これで現在の機器で利用できるレベルの電力を取り出そうとするのは事実上不可能。
    (そんな環境だと人体への電磁波の影響が無視できなくなる)
    これを利用するには小電力で動作する機器を開発する必要がある。

    • +2
  23. ふと、ニコラ・テスラさんが考えた無線送電は、どういうものだったのだろう? と思った。
    あの時代にメタマテリアル式のものを構想していたのだろうか。それとも別なものか、はたまた考えていなかったか。

    • 評価
  24. 衛星軌道に打ち上げた太陽電池からマイクロウェーブで地上に送電する技術は既に存在するね。IHIや金沢工業大学あたりが頑張ってる。…….アーマードコアのどれかで「敵のレクテナ(rectenna)施設を破壊せよ」ってミッションあったな。アンテナに乗るとマイクロウェーブで自機がダメージってw イヤな未来予想だけど当たりそう。

    • 評価
  25. やっとニコラ・テスラに追いついたってところか

    • 評価
    1. ※43
      富裕層以上が損しないシステムが完成したって事でもあるな

      • 評価
  26. なんで素直に世界システムって言わねぇんだろ

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

サイエンス&テクノロジー

サイエンス&テクノロジーについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。