
image credit: Ashenafi Zena
エチオピア南部のゲデオ地区は、アフリカの中でも古代の石柱が集中している場所だ。60の異なる区画に約1万のモノリス(石柱)が建てられている。中でも目をひくのが巨大ないちもつ型の石柱だ。これまでの研究では、1か所でしか年代測定が行われておらず西暦1100年に作られたものと推定された。
だが、『Journal of AfricanArcheology』誌に発表された新たな研究によると、こうした石柱群が建てられた時期は場所によって異なり、2070年前に建てられたものも存在するという。
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考えられていたよりも古い時代に建てられていた
ワシントン州立大学(WSU)の考古学教授、アンドリュー・ダフ氏と共にこの研究を行った、エチオピア出身のアシェナフィ・ゼナ氏はこう語る。狭い範囲にこれほどたくさんの石柱が数多く存在することは衝撃的でした。多くは地面に倒れたり、バラバラに壊れてしまっていますが、中には男根を思わせるようなものもあり、非常に興味深いものです

WSUの研究チームは、1万基近くの石柱がある、この地域の60の遺跡のうち、3つの遺跡の石柱基部から採取したサンプルを年代測定にかけた。
このチェルバ・トゥトゥティ、サカロ・ソド、ソディティの遺跡の石柱は、これまで年代測定されたことはなかった。
1990年代、フランスの研究者が石柱の年代を測定しようとしたが、サカロ・ソド遺跡の北48キロのところにある、トゥト・フェラ遺跡のサンプルしか調べることができなかった。ここで出た結果から、これら石柱は紀元1100年頃に建てられものとされた。
しかし、放射性炭素年代測定を使った新たな研究によって、サカロ・ソドの巨石柱がもっと古い、紀元前50年頃にさかのぼるものであることがはっきりした。トゥト・フェラ遺跡のものよりも、およそ1000年も古いことになる。

誰が?何の目的で大量の巨石柱を作ったのか?
この地域に巨石柱が集中し、ユネスコの世界遺産登録が検討されているとはいえ、その目的や、どのように建てたのかについては、意外なほど知られていない。「これは世界でもっとも研究が進んでいない遺跡のひとつで、それを変えていかなくてはなりません
」ゼナ氏は言う。
西暦紀元になった頃に、この地域に住んでいた人々については、ほとんど知られていない。
なぜ、この研究が重要なのか、その理由のひとつは、この地域に初期に住んでいた人々がどのようにして暮らしていたのか、その文化や社会的活動はどんなものだったかに、新たな光を当てることになるからだ。
新たに判明したこれら石柱の年代は、エチオピア南部で動物が家畜化され、より複雑な経済・社会が出現した年代とほぼ同じであることがわかる。
考古学的、民族学的なデータや、現在の文化的伝統から判断し、サカロ・ソドやその周辺の石柱群はおもにふたつの目的にために作られたと結論づけられた。権力の世代交代を示すことと、集団の功績を祝うことだ。ダフ氏はこう述べている。
エチオピアの石柱がさまざまな機能のために使われたことは、実に魅力的です。例えば、比較的新しいゲデオ地区北部のトゥト・フェラ遺跡の石柱は、墓石として使われたことがわかっています。
サカロ・ソド遺跡のものは、石柱の並びが直線的に配置されていることから、世代交代を意味するしるしだった可能性があります
3 minutes en Ethiopie : Le secret des phallus de pierre | ARTE
石柱に使用されていた石や遺物の産地も特定
また、石柱に使われた石がどこで切り出されたのかも初めてわかった。ゲデオ地区やシダマ地区両方の採石場から、未完成の石柱が回収されている。さらに、ゲデオ地区全域の遺跡から出土した、黒曜石でできた数種類の小さな遺物の産地も特定できた。
興味深いことに、この黒曜石のほとんどは、ゲデオから300キロ近くも離れた、ケニア北部で産出されたものだった。
つまり、ゲデオ地区の石柱を作った人たちは、遠くのケニアとなんらかの交易をしていたということになる。
研究者たちは、エチオピアの政治状況や、このコロナ禍にもめげずに、ゲデオ石柱群の調査を続行するつもりだ。
ユネスコの世界遺産登録を目指すには、遺跡とその建造者についての理解を深めることが重要になるからだ。
「この研究は、エチオピアの経済を支える、観光収入を生み出すことにつながるでしょう」とダフ氏は語っている。戦争と飢餓に苦しむこの国にとって、大いに期待がもてる結果だ。
References:Ethiopian monuments 1,000 years older than previously thought – WSU Insider / Phallic Ethiopian Megaliths Are 1000 Years Older Than Believed | Ancient Origins / written by konohazuku / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
名前と見た目が...
2. 匿名処理班
パルモさん…
まぁ、区切りだよね!今年最後の息子トピック
3. 匿名処理班
息子スティックの記事で一年を終えるパルモちゃん好き
4.
5. 匿名処理班
スティック 爽やか〜♪
6.
7. 匿名処理班
はえー立派な形
8. 匿名処理班
インドの石窟寺院でも似たようなものがある
リンガだったかな?正式名称は覚えてないけど
息子スティックがモデル
生命の象徴としてのシンボリズム的
存在だったはず
これもそうなのかも
9.
10. 匿名処理班
モノリスというかちん…
11. 匿名処理班
そんなに古く感じないのは親近感ゆえか
12.
13. 匿名処理班
墓石として使われてた場合、被葬者は男性なのかな?
14.
15.
16.
17.
18. 匿名処理班
古のご立派ァ!
19. 匿名処理班
大きなイチモツを下さい
20. 匿名処理班
モノリス(すっとぼけ
21. 匿名処理班
※13
甕の中の屈葬とか母胎を模してるとも言われるし、
もし「再生」の象徴として建ててるなら、男女問わない可能性も。
22. 匿名処理班
※8
道祖神の類もだね
23. 匿名処理班
シバ王国は場所的にも年代的にもズレるのか
24. 匿名処理班
古代人が悪ふざけで作ったものだったりしたら笑えるんだけどな
それを後世の学者が大真面目に解説してたりすると
25.