この画像を大きなサイズで見る映画『エクソシスト』は、ウィリアム・P・ブラッティによる小説が原作であり、この小説のモデルとなったのが「メリーランド悪魔憑き事件」だ。1949年、当時14歳の少年が悪魔に取り憑かれ、壮絶なエクソシズムの儀式が行われた。
この事件を知ったブラッティが小説の題材として取り上げ、『エクソシスト』が誕生したのだ。
少年はローランド・ドウ(ロビー・マンハイム)という仮名しか知られていなかったが、最近その本名が明らかとなり、事件後どのように暮らしていたのかもわかったようだ。
悪魔祓いを受けた少年の本名が明らかに
『エクソシスト』のモデルとなった少年の身元は、『The Skeptical Inquirer』誌の記事に最近掲載された。
この雑誌は、ニューヨーク州北部を拠点とした隔月刊誌で、超常現象などの異常な出来事を科学的に正しく説明することを目的としている。
1949年、14歳の時に壮絶な悪魔祓いを受けた少年の本名はロナルド・エドウィン・ハンケラーという。
彼の身元はずっと伏せられていて、何十年も、彼は匿名の”ローランド・ドウ”、あるいは”ロビー・マンハイム”としか知られていなかった。
彼のことは、悪魔祓いに参加した司祭に近いイエズス会や、この恐ろしい現象を研究した一握りの学者や記者の間では公然の秘密だった。
ハンケラーは昨年、メリーランド州マリオッツビルの自宅で脳卒中を起こし、86歳の誕生日を迎える1か月前に亡くなったが、その真実が公然となることを怖れながら生きていたという。
NASAのエンジニアとして40年近く働いていた
ハンケラーはNASAの優秀なエンジニアだった。
スペースシャトル用の耐熱パネルを作る特殊な技術特許を持ち、1960年代のアポロ計画に大いに貢献した。おかげで、1969年に米国は宇宙飛行士を月へ送りこむことができたのだ。
ハンケラーは、40年近くもNASAで働いていたが、まわりに自分の秘密を知られるのを怖れていたという。
29年間、ハンケラーと一緒に暮らしたパートナーの女性によると、ハンケラーはいつも、NASAのゴダード宇宙飛行センターの同僚に、自分が『エクソシスト』のモデルだったことがばれないか、ビクビクしていたという。
ハンケラーは、NASAに40年近く勤めた後、2001年に退職した。
ハロウィンの日は、いつも私たちは家を留守にしました。彼が、誰かが家にやってきて、住まいを知られ、平穏な生活ができなくなると考えたからです。彼は常に不安にかられながら、生活していました
ハンケラーの少年時代に起きたこと
ハンケラーは1935年6月1日に生まれ、メリーランド州コテージ・シティの中流家庭で育った。
14才のとき、自分の寝室の壁から、叩く音、ひっかく音を聞いた。物が部屋の中を飛び、ベッドがひとりでに動くという体験もした。いわゆる古典的なポルターガイスト現象だと思われる。
1949年、家族が世話になっていた司祭ルーサー・シュルツェが、デューク大学の超心理学研究所に宛てて、ハンケラーを乗せたまま椅子が移動し、振り落としたり、寝ているベッドがひどく揺れるなど、詳細を綴った手紙を書いた。
さらに、テーブルがひっくり返る、重い家具が滑って床が傷だらけになる、ハンケラーが近くにいると、壁にかかっていたキリストの絵画が揺れる、といった現象もあったという。
ハンケラーの母親は、一連の奇妙な出来事は、ウィージャ板を使っての霊との交信をハンケラーに教えた、叔母の死と関係があると考えて怖れた。
この叔母は、父方の親戚のマチルダ・ヘンドリックスという名であることがわかった。
この画像を大きなサイズで見る14歳の時悪魔祓いを受けることに
ハンケラーは、医学的な診療と心理学テストを受けたが、なにも異常は見つからず、家族はプロテスタントの牧師など、宗教家に相談することにした。
ハンケラー家の母親はルター派を信仰していて、なんとか解決しようと、医者に行ったり、ルター派教会の牧師のところへかけ込んだりした。
イエズス会のウィリアム・ボーデルンは、2ヶ月以上に渡って30回以上も悪魔祓いを行って、ハンケラーを助けたひとりだ。
エクソシズムの手引き書『イエズス会司祭によるケーススタディ』の中で、ボーデルンは悪魔に憑りつかれたRという少年について書いている。
1949年3月10日のボーデルンの日記:
14人の証人が見守る中、ハンケラーはトランス状態に入った。彼が横になっているマットレスが揺れ、兵士が行進しているようなリズムでひっかく音がした。聖マルグリット・マリー・アラコクの聖遺物が床に投げつけられ、誰も触っていないのに、聖遺物の安全ピンがはずれると、Rは恐怖にかられて立ち上がった
ハンケラーは、悪魔祓いの治療を受けるべく、たまたま叔母のティリーが住んでいたセントルイスに送られることなった。
ボーデルンの日記:
ある晩、少年の肋骨に”ルイス”と書かれた真っ赤な文字が浮き上がった。次は、出発する日についてなのか、尻に”土曜日”という文字が現れた。セントルイスに滞在する期間については、”3週間半”という文字が胸に出現した。母親がずっと監視していたが、少年は自分の手を決して動かしていなかったという
これが、セントルイスに行くきっかけになったようだ。
1949年3月21日、ハンケラーはセントルイスにあるアレクシアン・ブラザーズ病院に入院。ここで激しい痙攣を起こして、牧師の鼻を骨折させた。
4月半ば、ハンケラーは聖ミカエルが炎の剣を持っている姿を見たので、悪魔から解放されたと主張した。
「最近の宗教史において、おそらくもっとも顕著な体験のひとつといえよう。14歳の少年がカトリックの司祭によって、悪魔の憑依から解放されたとカトリック関係者が報告した」ワシントンポスト紙の記者ビル・ブリンクリーは、1949年8月の記事に書いている。
イエズス会の神父が悪魔に少年の体から出ていくよう命じたとき、少年は「叫び、罵倒し、誰にもわからないラテン語のフレーズを口にして、激しい癇癪を起した」と記録されている。
この画像を大きなサイズで見るハンケラーの体験をもとに『エクソシスト』が誕生
ホラー映画『エクソシスト』の原作である1971年の小説は、ウィリアム・P・ブラッティが書いたものだが、彼はジョージタウン大学の学生時代、このワシントンポスト紙の記事を読んだ。
また、大学の教授のひとりで、イエズス会司祭でもあった、ユージン・ギャラガーに、悪魔に憑りつかれて苦しんでいた少年が、何度も悪魔祓いを受けて救われたという壮絶な話を聞いていた。
その話を元にブラッティは「エクソシスト」の小説を書きあげた。
ブラッティの『エクソシスト』は、米国だけで1300万部以上売れた。1974年に、映画化された作品が、アカデミー賞とゴールデングローブ賞を受賞した。ホラー映画がアカデミー賞にノミネートされたのは初めてのことだった。
昨年ひっそりと息を引き取る
調査した者たちは、ハンケラーが『エクソシスト』を実体験した人物であることは知っていたが、彼が生きている間はその正体を明かさなかった。
ハンケラーは、86歳の誕生日まであと一ヶ月というときに、メリーランド州ボルチモア北西の郊外、マリオッツビルの自宅で脳卒中を起こして亡くなり火葬されたと、彼のパートナーが認めた。
『エクソシスト』に影響を与えたハンケラーの最期は悲しいものだった。
娘ふたり、息子ひとりの3人の子どもたちは、長く父親から引き離されていて、葬儀にも出席できなかったという。
本当に超常現象は起きていたのか?
この出来事を最初に調査したマーク・オプサスニックは、2016年の著作『The Real Story Behind the Exorcist: A Study of the Haunted Boy and Other True-Life HorrorLegends from Around the Nation’s Capital』の中で、ハンケラーのまわりで起こった超常現象に疑問を呈し、”彼はただ注目をあびたいだけの、甘やかされた子どもだったのだろう”と結論づけている。
2018年、『Diabolical Possession and the Case Behind the Exorcist: An Overviewof Scientific Research with Interviews with Witnesses and Experts』の中で、作家のセルジオ・ルエダは、ハンケラー家の友人が、一族の力関係を説明してくれたと書いている。
父親はハンケラーを甘やかし、母親のほうが厳しかったという。母親は迷信を信じる傾向にあり、ハンケラーは母親のそうした信念を巧みに操り、しばらく学校を休学させるために策をめぐらせたのではないかという。
ハンケラーのパートナーによると、ハンケラー自身は自分が悪魔に憑りつかれた被害者だとは思っていなかったし、宗教も信じていなかったという。
「自分は憑りつかれてなどいない、全部でっちあげだ。自分は悪ガキだっただけだと、彼は言っていました」
だが、ひとつだけ説明のつかないことがある。ハンケラーが昨年に亡くなる直前、カトリックの神父が、最後の儀式を行うために彼の家を訪ねてきたという。パートナーが神父を呼んだわけではないという。
「どうして、神父さまがやって来たのか、見当もつきません。でも、おかげでロナルドは天国へ行くことができました。今、彼は天国で神と共にいるのです」
References:Is ‘The Exorcist’ a true story? What happened to Ronald Hunkeler / written by konohazuku / edited by parumo














こうなるとオカルトビリーバーは、
「ハンケラーに取り付いたのは悪魔ではなく宇宙人の思念で、ハンケラーは宇宙人より授けられた技術を元にNASAで働き、アポロ計画を成功させたのだ」とかなんとか言い出すわけだよなw
※1
そんなわけないだろ、アポロは月になって行っていない!
1935年生まれが昨年68歳になる前に亡くなったっておかしいだろ、と原文読んだら86歳になる前に亡くなったと書いてあるな。
NASAの技術者を勤め上げるぐらいだから、テコやらバネやらロープやらで重い物を動かしたり離れたところで音を出したりしてたった事か。
なるほど。
最後の儀式ってなんだ
※5
『終油の秘蹟』じゃないの?
欧米の映画でよく見る、臨終の枕元に神父を呼んでするやつ。
香油を塗って、聖書の一節や祈りの言葉を唱えたり
今までの人生での悪事を告白→「あなたの罪は許されました」
って感じの。
日本でいう、末期(まつご)の水をとって
戒名をつけてもらうみたいなもんかと。
※7
今ではそれほど厳しくないけど、中世とかだと亡くなる直前に聖職者に全生涯の罪の許しを得ないと天国の門をくぐれないとか信じられてみたいだね。
中世の城とかで城内に教会があるのも、朝晩のミサとかもあるが、領主とかのえらい人がなくなる時、すぐに聖職者が駆けつけて罪の許しが得られないと魂の平穏が得られないからとか。
敵領主が死ぬときに聖職者を立ち会わせないなんて報復があったりしたらしいし、宗教的には結構大事なんだろうな。
死ぬ間際までバチカンの監視対象だったのか。
確かに中二病的なことで有名になっちゃって、後々お堅い仕事してるのに、そっち関連の人が来られたらすっげー迷惑だわな
タイトル読んでカラス神父のことかと思った
日本人にとっては特徴的な名前だし
NASAの超技術を駆使して悪魔を祓うッッ!!みたいな
つまり一番最後に出てきた神父が凄いって話?
NASAの技術者であの耐熱パネルを開発となれば大したもんだし、良い生活を出来たんだろうが、『エクソシスト』のモデルとバレる事を恐れて暮らしていたとは気の毒だな。
西川のりお と違うんかったんかい
これはまた映画化されてしまうかもね。
カトリック信徒だけど、バチカンと英国は諜報のツートップといわれるくらい世界中の情報が集まる場所。今でも各小教区や修道会を通じて情報が上に上がるシステムは変わっていない(某修道会管区事務局長に確認済み)
なのでハンケラーが監視対象として教区に把握されていた可能性は高い。
エクスシスト認定講習を受けなくても、特殊能力を持つ神父は存在するが公表しないだけ。
その神父の訪問が偶然なのか死期を悟っての訪問なのかは謎。
他の方のコメントで「終油の秘跡」では?とあったが、信徒でないハンケラーに「終油の秘跡」を行うことは考えにくい。信徒でない人に行う「祝福(または祝別)」をしたという気がする。信徒でなくても悪魔祓いの儀式を受けたハンケラーのために無事に天国へ行けるよう
お清めしたと思われる。
こっちの感覚だと退職後は「俺がモデルさ、hahaha!」とやっても
何ら問題なさそうなんだけど、この手のオカルトのアメリカの闇の
深さを感じるなあ。
まるで犯罪事件の証人が偽名で余生を送ったような生き方だ。
亡くなる直前に来たのって、本当に神父だったのかなぁ…?
なんちゃって。
Porous Ceramic Cures at Moderate Temperatures, Is Good Heat Insulator
で検索すると、NASA Technical Reports Serverにあるハンケラーさんの書いた文書が出てきますね。
耐熱セラミック(タイル)についてのもの
多分、この少年が苦しんだのは低周波音だろうなあ。
物以外でも人体が共振とかもするし。
バチカン特務局第13課(ボソッ!
謎が解けて嬉しいような寂しいような
死ぬまで周囲に隠し通せたってことは事情を知ってる人達のモラルが相当高かったのかな。
今だと何だかんだで拡散されてそう。
神父ではない。サタンが彼の魂をとりにきただけ。