皮下に埋め込むマイクロチップ型のワクチン接種証明書が開発される

　日本では、スマホを使った新型コロナワクチン接種証明書の発行が最近始まったばかりだが、スウェーデンでは、皮膚に移植するマイクロチップ型のワクチン接種証明書が作成された。

　腕をスキャンするだけで情報が表示され、これなら絶対に忘れる心配はない。

　もともとスウェーデンでは、企業や政府がマイクロチップの活用を推進しており、社員証や交通費の支払いなどに利用されていたが、犯罪に巻き込まれた際、スマホなら取られるだけで済むが、マイクロチップなら皮膚を引き裂かれる可能性があるんじゃないかと、ちょっと心配になってしまう。

皮膚に埋め込むワクチン接種証明書

私は自分の新型コロナワクチン接種証明書をチップに入れています。いつでも利用できるようにしておきたいからです

　マイクロチップ型ワクチン接種証明書を開発したDsruptive Subdermals社のハネス・ショブラッドCEOは、こう語っている。

　彼はマイクロチップが移植されている左腕にスマホをかざす。すると画面に新型コロナのワクチン接種証明書がPDF形式で開かれる。お手軽だ。

A Swedish company has come up with a microchip that can be inserted under the skin so that users can carry their Covid passports in their arm. pic.twitter.com/Vkl82q7dGR

— AFP News Agency (@AFP) December 21, 2021

50年は充電なしで動作し続ける超小型のマイクロチップ

　人体に移植されるだけあって、マイクロチップの大きさは、長さ12〜14ミリ、幅2ミリと小さい。

　ケースはDsruptive Subdermals社が「バイオガラス」と呼ぶ素材でできており、その中には小型アンテナも内蔵されている。 　記憶容量は2KB。必要最小限のものかもしれないが、データの送受信にしか電力を使わないので、充電なしで50年は動作し続ける設計となっている。

　値段は100ユーロ（1万3千円）で、データを更新するために取り外す必要はない。代わりに、ユーザーはアプリを介して新しい情報をアップロードする。

　スマホで触れたときにのみアクティブになるため、他の人の場所を追跡するために使用することはできないという。

　またクレジットカードの情報を保存したり、体温を測定したりと、ワクチン接種証明書以外の用途も考えられるとのことだ。

この投稿をInstagramで見る

DSruptive(@dsruptivesubdermals)がシェアした投稿

皮膚に埋め込むマイクロチップは普及するのか？

　チップを移植すれば、かさばる荷物を持たなくて済むなど利便性は高いが、安全性の上で恐ろしさも感じる。

　手を引き裂かれてマイクロチップを取り出されて悪用されたり、乗っ取られたりする可能性も否定できないからだ。

　スウェーデンは古くから個人情報の共有が受け入れられているため、個人情報を保存するマイクロチップに対する抵抗感は他の国に比べて低いようだ。

　これまで、ワクチン接種証明書だけでなく、飲食物の購入や切符の支払いなどを皮下に移植したマイクロチップで行おうという取り組みが進んでいる。

　今のところ私の認識では、マイクロチップというと、犬や猫などの迷子防止とか、SF映画にでてくるやつ、くらいのイメージしかなかったが本格的に普及する日は近づいてきているのだろうか？

References:We hate it: This implantable microchip stores your COVID vaccine status / Covid Vaccine Passport Microchip That Goes Under Your Skin Has Been Created - UNILAD
あわせて読みたい
社員の皮膚にマイクロチップを埋め込み社員証代わりにする試み。（スウェーデン）

切符の支払い、社員証、飲食物の購入。マイクロチップIDの皮膚下移植が進むスウェーデン

本物のコロナワクチン接種証明書を盗み出し未接種者に通販サイトで販売した薬剤師が逮捕。懲役120年の可能性

コロナの沙汰も金次第？全世界を対象に、偽造ワクチン接種証明書の闇取引が横行するロシアのSNS

偽のシリコン製筋肉でコロナのワクチン接種を受け、証明書をもらおうとした男性。さすがにバレる

この記事に関連するキーワード

キーワードから記事を探す

• マイクロチップ
• ワクチン
• 新型コロナウイルス
• 接種
• 証明書
• スウェーデン