メインコンテンツにスキップ

アルツハイマー型認知症を予防する点鼻スプレーワクチンの治験が開始される

記事の本文にスキップ

15件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 アルツハイマー型認知症は、脳神経が変性して脳の一部が萎縮していく過程でおきる認知症だ。患者には病気であるという認識がなく、徐々にもの忘れが多くなり、ゆっくりと症状が進行していく。

 その点鼻予防薬がアメリカの病院で試験的に投与されるそうだ。

 じつはこのワクチン、かつて効果がないとして、大手製薬会社が開発を断念。にもかかわらず、アメリカ当局が特例的に承認したという経緯がある。

脳の垢を除去して、記憶を守る鼻スプレー”ワクチン”

 ブリガム・アンド・ウィメンズ病院で試験的投与が行われるアルツハイマー型認知症の”ワクチン”を、「アデュカマヌブ(Aduhelm)」という。

 感染症予防でもないのにワクチンというのは、それが免疫系に作用して、病気を予防するからだ。

 アルツハイマー病の原因は、「アミロイドβ」というタンパク質の破片が、垢(プラーク)のように脳内にたまることだと推測されている。

 そのせいで神経細胞が破壊され、記憶や思考力が失われてしまう。

 そこでアデュカマヌブを鼻にシュッとスプレーしてやる。すると免疫系が刺激されて、ベトベトした垢が除去されるのだ。それによって、アルツハイマー病を予防し、病状の進行を抑える効果が期待できるという。

この画像を大きなサイズで見る
photo by iStock

かつて治験を断念した経緯

 かつてアデュカマヌブは、かつて治験に失敗して、開発が中断されたことがある。

 この薬の開発を進めていたバイオジェン社は、アメリカ当局(食品医薬品局)によって効果が不確かであると判断され、結局19年に後期臨床治験を中止してしまった。

 ところが、だ。それから半年後に、治験の参加者にワクチンの効果があったらしいことが明らかになったのだ。

 最終的に食品医薬品局は、「不確かだが、患者に役立つ可能性がある」として、特例的制度の下でアデュカマヌブを承認した。

 こうしてアデュカマヌブは、ほぼ20年ぶりのアルツハイマー病新薬としてデビューしたが、その一方で、効果が不確かのものが承認されたことで、物議を醸すことにもなった。

この画像を大きなサイズで見る
photo by iStock

アルツハイマー型認知症の新薬は続々と開発中

 遅々として開発が進まなかったアルツハイマー型認知症の予防薬だが、ネバダ大学のジェフリー・カミングスによれば、その開発はついに「難関を突破した」そうだ。

 アデュカマヌブ以外にも、有望な新薬候補が続いている。

 バイオジェン社は、日本のエーザイ社と共同で、また別の抗体薬「レカネマブ」の申請を完了。さらにイーライリリー社も、年内にも治療薬「ドマネマブ」のデータを食品医薬品局に提出するとしている。

 また、ここ5年ほどで、脳スキャンや血液検査法などの新しい技術が登場。アルツハイマー病を正しく診断し、治療の効果もきちんと確かめられるようにもなってきたとのことだ。

References:An Alzheimer’s Nasal Spray Vaccine Is About to Enter Human Trials For The First Time / written by hiroching / edited by parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 15件

コメントを書く

  1. 認知症は世界的に深刻な問題なので予防薬の開発は本当喜ばしいニュースだ
    一刻も早く実用化して欲しい

    • +12
  2. アドデック9は創作物の中の話だったが、現実もそれに追いつくんだなぁ
    それもたった数年で

    • +3
  3. 治験係員「効き目はありましたか」

    お爺さん「あったような・・・なかったような・・・」

    • +6
  4. 本当に効果があって承認されたなら素晴らしいけど、色々と大人の事情がありそうで素直に喜べない

    • +2
  5. おかしくなっちゃっても人間簡単に死ぬ事もできんし
    周りに迷惑しか掛けなくなるからなあ
    実用化されれば社会的な負担がかなり軽減されるのではないか?

    • +7
  6. Nスペで山中教授が言っていたが、脳には悪いものを寄せ付けない鉄壁な防御機構があるそうでそれのせいでそもそも薬が脳に届かないそうだ。今回の場合は薬を脳に届けるのではなく、免疫機能をアップさせるためのものなのでこの問題はクリアされているんだね。

    • +8
  7. ほとんどの専門家は否定したのに
    溺れる者は藁をも掴むで圧力がかかって強引に承認された怪しい薬だしなー

    • -2
  8. 痴呆の原因はアルツだけじゃない
    若年性アルツは診断名が「若年性アルツハイマー」なのに
    高齢者のアルツの診断名が「アルツハイマー症候群」なことに気付け
    自分の母親は「症候群」の診断を受けたが脳の萎縮は殆どなかったのだよ
    ようするに高齢者の認知症でよく判らないのは何でもかんでも「症候群」にしちゃってるの

    余談だが 母の認知症(っぽくみえる)の原因は医療ミスによる高次脳機能障害だ
    医者がそのように診断しない、かばい合うからね

    • -1
  9. ワシは鼻スプレーしてない!
    おじいちゃんスプレーは済んだでしょ

    • +2
  10. アルツハイマーって原因分からないんじゃなかったっけ?
    どう言うメカニズムで効くのかな?

    • 評価
  11. 認知症に限らず発達障害等も免疫系が異常になっている場合が多い。アレルギー=免疫系の暴走=脳の脆弱性
    調べてみると色々分かってきた事もある。
    でも、ワクチンや薬で長期に渡って改善や予防ができるかと言ったらそれはまだわからない。

    • 評価
  12. 孫『おじいちゃん頭の中汚~い』
    爺『婆さんや!アデュカマヌブ!アデュカマヌブ!』

    • 評価
  13. アデュカヌマブもエーザイと共同開発なんだけどなぁ…

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

料理・健康・暮らし

料理・健康・暮らしについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。