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体臭に含まれるある化学物質が女性を攻撃的にする。逆に男性は穏やかになる

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(著) (編集)

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 体の表面からは様々な揮発性物質が放出されており、その一部は体臭として知覚される。分泌された物質がまじり合うことでその人独自の体臭となる。

 発せられる物質の種類は全て明らかになっていないが、『Science Advances』(21年11月19日付)に掲載された、新たな研究によると、体臭に含まれるある化学物質は、女性を攻撃的にし、男性を穏やかにさせるのだという。

 男女で正反対の効果をもたらすとは非常に興味深い。

男女で正反対の効果をもたらす化学物質

 女性と男性では効果が真逆となるこの奇妙な揮発性化学物質は、「ヘキサデカナール(hexadecanal:HEX)」という。

 イスラエル、ワイツマン科学研究所などの研究グループは、男女の被験者グループにHEXを嗅がせ、そのうえで攻撃性を測るコンピューターゲームをプレイしてもらった。

 被験者は自分を挑発してくる対戦相手(AI)に対して、大きな音を鳴らして対抗する。実験では、このとき鳴らした音が大きいほどに、攻撃性が高いと評価された。

 この結果、HEXを嗅いだ女性は攻撃的になる一方、男性は攻撃性が低下することが確認されたのだ。

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photo by Pixabay

なぜ女性が攻撃的になり男性がおとなしくなるのか?

 じつはHEXは、乳幼児がストレスを感じたときにも発せられるものだという。

 このことから、HEXは赤ちゃんを守るという母性本能を刺激し、そのために女性を攻撃的にするのだと考えられている。

 男性の攻撃性が低下するのは、男性自体が赤ちゃんにとって危険な存在になりうるからだ。つまりHEXは男性を落ち着かせることで、赤ちゃんを攻撃しないように仕向けているのかもしれない。

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photo by Pixabay

化学物質が脳内ネットワークに作用

 なおMRIなどによる脳の検査からは、男女どちらも、HEXによって、大脳領域の頭頂葉の外側面にある「角回(かくかい)」の左側(左角回)が活発になることが明らかになっている。

 左角回は言語中枢に関連しており、コミュニケーションしている相手の社会的な手がかりを認識させる領域だ。

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赤く示されたところが角回 / image credit:WIKI commons/CC-BY-SA-2.1-jp

 男性は、HEXを嗅ぐことで、角回と社会的評価や攻撃性に関わる脳内ネットワークとの接続性が高まったが、女性ではその接続性が低下した。

 どうやらHEXは、社会的評価や攻撃性を司る領域のネットワークに作用することで、その効果を発揮しているようだ。

人は無意識のうちに化学物質に操られている

 このことは、人間の攻撃性が、化学物質のシグナルに強く左右されることを示しているのだそうだ。

 己の行動は己できちんと律していると思っていても、私たちの行動は、知らず知らずのうちに化学物質によって操られているようだ。

References:Sniffing the human body volatile hexadecanal blocks aggression in men but triggers aggression in women / written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 27件

コメントを書く

  1. こういう研究が進んで乳児虐待防止などに応用できれば良いな

    • +14
  2. 化学物質というと工場で人工的に製造された
    ケミカルで有害な物質と考えがちだけど
    分析、分類、解析されて呼称や特性が判明している
    元素や元素が結びついた物質の事だから
    ある意味全てのモノが化学物質みたいなものであって
    何でもかんでも有害ではない。一般に無害なものでも
    致死量を超えると有害に変わる。ビタミンCも一度に
    40トン摂取すると圧死するという恐ろしいデータもある。

    • +23
      1. ※13
        なにこの長文と思ってスルーしてて
        言われて読み直してみて納得した

        • 評価
  3. その女性の攻撃性が乳幼児に向けられるってことはないの?

    • 評価
    1. ※4
      外敵がいなかったら我が子に向かうんじゃない?

      • 評価
  4. 女を攻撃的にするとか人類破滅の化学物質やな
    逆に穏やかにする化学物質はよ

    • -14
  5. 化学物質で動物としての行動を左右すると言うことは、本来の意味での(色気という意味ではなく)「フェロモン」の一種ということですね。
    他にもいろいろな化学物質が、動物としての人間に作用しているのかもしれませんね。

    • +4
  6. 攻撃的にするというより 泣き声とか匂いとか危機感を煽ってくる気がする 泣いてるのに耐えられない女性と泣いてても泣いてるなーくらいの男性の違いは多くの人が体験してるだろうと思う
    攻撃的になるって言葉もあってなくはないのかな
    火事だ!とか地震だ!っていう感じに似てる 

    • +14
  7. 俺が女性に忌み嫌われる原因は顔が悪いからじゃなくて臭いの可能性が!?

    まあ男にも攻撃されるんだけどね

    • -3
  8. こういうの見ると人間の自由意志なんて幻だってよくわかるね

    • +3
  9. つまりワンオペのお母さんは
    ずっと攻撃性を刺激され続ける訳ですよね…

    あかんよそれ、やっぱり一人でやるもんちゃうよ

    • +21
    1. ※16
      ランダムに四六時中警報が鳴り響く環境で
      常に危機感を煽られて神経を尖らせながら
      眠りも浅く短く、暖かい食事も、ゆっくり風呂・トイレも行けず
      相手に合わせたスケジュールで評価もされない賃金も上がらない仕事を続けるんだもんね
      そら発狂するわ

      • +7
  10. 子育てのとき父親の呑気な対応が責められがちだけど、父親が母親と同じぐらい攻撃モードに入っていたら確かに怖いわ。

    • -2
    1. >>19
      批判される呑気な対応って穏やかやおおらかじゃなくて無頓着だからなあ…

      • +12
  11. 男女両方とも攻撃的になったら大騒ぎになる

    • +1
  12. ワシが使っとるオーディコロンにもこの成分が入っているのでは?
    これ使うと、嫁がイライラし出すのだが・・・?

    • 評価
  13. この”男性””女性”というのは性自認のことなのか?

    それとも生殖器官の外見の違いなのか?

    いくつか前の記事みたいにVRで異性になる体験をした人の脳はこのHEXなる物質に対する反応も変わってくるのだろうか?

    今回この研究で得られた”HExに対する脳の反応の性差”を体内の性ホルモン量の違いなどで定量的に関係づけられれば、生物における雌雄の違いについて理解が進むかもしれない。人間社会でもなにかと争いのタネになってる性多様性の問題にも解決の光が見えるといいな

    • -1
  14. 匂いで攻撃的になるってのはあるよね
    旦那の口臭とか体臭とか
    マジでイライラするし

    • +4
  15. 知り合いの奥さんは旦那さんの体臭が大嫌い(子供が生まれる前は好きだったらしい)なのにその息子くんはパパの臭いが大好きでシャツなどをパパの匂いぃ~♡と喜んで嗅いでいるそうな。

    • -1
  16. 俺の体臭はこの成分が多いのかも。
    男には話やすい、居心地が良いと言われ、
    女には嫌われる。

    • -1
  17. 犬猫とかの動物が”におい”でコミュニケーション取るのは知られた話だし、
    植物が化学物質(つまり”におい”)でコミュニケーションを取ることも知られてるけど、
    人間だってもちろん例外じゃないってことなんだな。

    動物・植物問わず、地球生物としての基本的にな通信技術なんだねえ。

    • 評価

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