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解剖実験の授業に参加した医学生、遺体が旧友であることに気付き号泣(ナイジェリア)

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(著) (編集)

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 ナイジェリアの医学部では、政府管轄の死体安置室にある“引き取り手のない遺体”が、医学生の解剖実験に使用されることが法的にも認められている。

 その遺体のほとんが警察によって射殺されたものであり、家族にも知らせないまま遺体を献体に提供するという警察の横暴な行為が問題化しているという。

 そういった背景がある中、当時、医学生だったある男性が、解剖学の実習授業で使用されることになった遺体を見て驚愕し号泣した。

 それは、胸に銃弾痕のある友人の変わり果てた姿だったのだ。

医学部の解剖実験に使用される銃弾痕のある遺体

 ナイジェリアのジャーナリスト兼小説家のアダビ・トリシア・ヌワバニ氏は、今から7年前に医学生だったある男性が経験した悲痛な出来事を紹介した。

 当時26歳だったエンヤ・エガべさんは、カラバル大学の医学部で解剖学の実習授業に参加していた。

 ナイジェリアでは、医学部への献体が不足していることもあり、医学生の解剖用の遺体には政府管轄の死体安置室にある身寄りのない遺体や死刑囚が使用されることがほとんどだそうだ。

 しかも遺体のほとんどは警察が暴行を与えて死亡させたもので、銃弾痕があるという状況だったようだ。

 その事実を隠ぺいするため、警察署は直接遺体安置所の施設がある大学の医学部へ、遺体を解剖用として持ち込み、その際故人の身分証明書を大学側に提示することもなければ、家族に知らせることもないという。

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photo by iStock

解剖台の上の友人の遺体にショックを受ける医学生

 その日、エンヤさんは解剖台に運ばれた複数の遺体の1つの前に立ち、驚愕した。

 目の前の遺体は、過去に一緒にクラブ通いもしたことのある旧友のデヴァインさんだったからだ。

 デヴァインさんの右胸には2か所の銃弾痕があり、それを見たエンヤさんは号泣して、実験室を飛び出した。

解剖に使われる遺体の90%が射殺によって殺されていた

 医学雑誌『Clinical Anatomy』の2011年の調査によると、ナイジェリアの医学部で使用されている遺体の90%以上が「射殺によって殺された容疑者」だそうだ。

 しかもこれらの遺体は警察(治安部隊)によって射殺されたことを意味している。彼らの推定年齢は20歳から40歳で、95%が男性。更にその4人に3人は、社会経済的階級の低い身分となっている。

 この研究の共著者は、医学部の献体に関連したナイジェリアの発展の欠如を指摘し、「ナイジェリアは10年後も何も変わっていない」と国の体制を批判している。

 警察側は、行方不明者のほとんどが武装強盗であり、銃撃戦によって殺害されたと主張。メディアの取材に対し、「警察が、解剖学研究室や遺体安置所に遺体を持ち込んでいるなどということは知らない」と語ったという。

 しかし、エンヤさん同様、当時クラスで授業を受けていたオフィオ・アナさんは、このように話している。

授業で使用していたほとんどの遺体には弾丸が残っていました。

警察は犯罪者だと主張しますが、一部の遺体は警察の暴力被害に遭って命を落とした人かもしれないと思うと、不快になりました。

ある朝、遺体安置室がある医学部の前に、警察のバンが止まって血まみれの遺体を降ろすのを見たこともあります。

 近年、ナイジェリアでは警察官の横暴な暴行によって命を落とす人が後を絶たず、警察の行為を非難する大規模なデモも行われている。

デヴァインさんが殺された経緯

 旧友の遺体を解剖室で見たエンヤさんは、悲しみの中デヴァインさんの家族に連絡。

 すると、当時のデヴァインさんについての様子が明らかになった。

 ある夜、外出したデヴァインさんは、3人の友人らと警察に逮捕された。逮捕理由については明らかにされておらず、彼が自宅に戻って来ることはなかった。

 消息がわからなくなったデヴァインさんを追跡しようと、家族は複数の警察署を訪問したが、行方がわからないという。

 しかし、エンヤさんの連絡を受けて、ついに家族はデヴァインさんを見つけ出すことができた。悲しくもデヴァインさんは遺体となっていたが、家族は遺体を引き取り埋葬したそうだ。

 後日、デヴァインさんの家族の訴えにより、ディヴァインさんの死に関与したとされる警察官数名が解雇されたという。

 エンヤさんは、その後この経験がトラウマとなり、しばらくの間は授業に参加することができなかったが、1年後には医学部を卒業。現在は、デルタ州にある病院の研究室で働いているということだ。

written by Scarlet / edited by parumo

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この記事へのコメント 52件

コメントを書く

  1. ナイジェリアってそんなやべー国なのか…

    • +17
    1. ※1
      あのタレントのボビーの出身国ですだよ。
      金持ちの父親はヨメが10人以上いて
      ボビーは兄弟を全部覚えることが出来ない。

      • -2
      1. >>36
        「富める者は大勢を養う事が義務/美徳である」という倫理観の国はわりとあるので
        「妻が多い=好色(女性を所有物扱い)」とは一概に言えない事も多いのよね。
        ボビーさんのお父さんがどういう方なのかはTVで一度見ただけだから「厳格そうな方だなあ」という印象以外は良く分からないけど。

        • +3
  2. 本当に罪を犯したか判然としない人を暴行して殺した挙げ句、身元確認もせず死体を隠蔽する
    オーケー、これ犯罪組織だ

    • +57
    1. >>2
      腐り散らしてるよな
      こんな調子だからいつまで経っても発展途上国のままなんだよ

      • +2
      1. >>43
        アフリカの国々なんてこんなもんだ。
        「ライオン実際に見てみたい~、シマウマみたい~」とか言ってた人がアフリカ行って、そのまま行方不明とかザラだぞ。

        • 評価
  3. 前に「叔父さん」に当たった女の子の話があったような…

    • +2
  4. 検視の仕事をしていたら知人の司法解剖をすることもあるだろう。
    それは仕方ない。
    でも警察が隠蔽目的で解剖させてるのは笑えない。
    警察の統制が取れていない国は大体ヤバいな、当たり前か。

    • +34
  5. >>デルタ州にある病院の研究室で働いているということだ。

    デルタって、デルタ株のデルタ??

    警官がそういうのしてると何が正義かわからないね…。
    旧友の方がご家族の元に帰れてよかった。

    • -44
      1. >>11
        多分、デルタ株の名前の由来なのかと言いたいんだろうけど、
        デルタ株は由来そのものはギリシャ文字、しかも発症元はインドだから何も関係ねーやな
        こういうのが後々風評被害に発展していくのだろうか…

        • +7
    1. ※6
      > デルタ株
      新型コロナのデルタ株は地名じゃなくてただのギリシャ文字アルファベット(アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ)だから関係無いよ

      • +15
  6. アメリカで弁護士が犯罪者となった旧友と法廷で再会した話は知ってる

    • +4
  7. 現代において発展途上国が未だ発展途上の原因の一つでしょこれ
    中世の衛兵かよ

    • +12
    1. >>10
      マトモな国のマトモな警察官なら
      動物も大切に扱うよ…

      • +9
  8. 警察と軍と坊主が腐敗しやすいのは古今東西言われてるな
    批判をマスメディアがとりあげることができてるのが希望だ

    • +8
    1. >>12
      坊主は兎も角、警察と軍の腐敗って給料の未払い・ピンハネ、つまり貧困と密接に関わっているからなぁ
      軍、警察、教師に十分給料が払われていない国はやばい事になる
      日本も他人事じゃないぞ

      • +17
  9. アンナチュラルというドラマでは解剖医が行方不明だった恋人と対面したっけ
    創作の世界であっても惨い話だと思ったのに、現実では相手が警察組織で真実を解明することもできない。創作よりも余程酷い状況が当たり前のように存在している。
    国によって命の価値がこんなにも変わるのかといつも愕然とする

    • +8
  10. 警察がうまく機能してないなぁ…
    曲がりなりにも行政の一機能だし、やっぱりアフリカのやばい国の例に漏れず、国が国としてあんま機能してないのかな?て思う

    • +7
  11. こういうとこの警察は国民を守る治安組織じゃなく、雇い主=権力者のための暴力集団でしかすぎない。

    • +8
    1. ※22
      射殺(という方法)によって殺された。
      って解釈してるんだが、俺は間違ってるんかな。

      ちなみに違和感を感じるは間違いじゃないらしいな。
      「違和感(という感覚)を感じる」って感じでOKらしい。ホントかどうかは分からんけど。

      • 評価
      1. ※33
        二重に述べるからあんまり美しくないだけで、ことさらに間違ってるといいたてなくても良いと思います。
        胃が頭痛とは言わないし、自転車から落馬とも言わなくて、頭が頭痛するとか、馬から落馬するとかね。

        記事のほうは、どうしようもないところだなとは思うけれども、自分じゃ何もできないからナイジェリア出身の人と会ったときに親切にしようと思った。

        • +4
    2. ※22
      もとの英文の表現を翻訳してんだろうからしょうがないんじゃないの?

      • +1
  12. この遺体が医大生の友人でなかったら表沙汰になっていなかっただろう
    そういう偶然は稀だろうから、ほとんどの場合は闇に葬られてるってことだ
    人の命が軽く、警察がマフィア同然の国で生きるって辛いものだよな
    いつ理不尽に命が奪われるか分からない

    • +12
  13. 下手に告発したら明日自分が解剖台に乗ってる可能性

    • +12
  14. ナイジェリア、そんな無法地帯なのかよ
    やばすぐる
    リアル北斗の拳じゃん

    • +2
  15. 逮捕されたって分かってるのに銃殺されてるってのがやべーな
    解剖研修が証拠隠滅に使われてるって事なのがさらにやべーな

    • +6
  16. 今まで権力の後ろ楯で好き勝手やってた奴等が、後ろ楯が無くなったらどうなるか?
    法治国家ならともかく、無事で済むとは思えんな。

    • +2
  17. 東南アジアの警察の腐敗はここまで酷かったんだな

    • -9
  18. 死に様には世相が反映され
    警察や刑務所の有様がその国の本当の姿です

    • +1
    1. ※34
      旭川の少女の事件、警察と病院がグルで嘘の精神病歴でっち上げてたんだが…

      • +3
  19. 当然複数名で管理されているであろう署内の金庫から現金が消えて、容疑がたった一人に向けられた挙句亡くなるなんて、残念ながら日本の警察は全員が実直なわけではないと思った。
    「日本に生まれてよかった」と思える部分は、先代らが築いてきたもの。
    それに甘んじてはならない。

    • +1
  20. 無垢の市民を射殺して献体として売りさばく警察。
    恐ろしいね。

    • +3
  21. まぁ日本は証拠よりも「自白偏重」で、それは何十年も前から変わらない。

    • +2
  22. ブラックジャックにあってもおかしくなさそうな話だ

    • +1
  23. なんか一方的に警察が悪いと決め付けるけどナイジェリアの治安考えたらそんなもんじゃない?って思える。

    • -8
    1. >>42
      流石に射殺後家族にも知らせず身元も隠して勝手に解剖にまわす行為は、治安云々関係なく悪いと思います!

      • +5
    2. ※42
      自分の友達や家族が殺されてそんなもんで済むわけないだろ

      あと治安が悪いからって警察が腐っていい理由にはならない

      • +7
      1. >>47
        それはなんとも言えないと思うよ。
        実際にナイジェリアの警官にならないと本当のところはわからんよ。

        • 評価
  24. すごい悲しい話だけど2番目の写真(多分フリー素材)が何かシュールで気になってしまった

    • 評価
  25. まだ7年前か
    そんなに昔ってほどでもないのがまた

    • +1
  26. あらゆる意味でアフリカ、これがアフリカ
    黒人が文明を発展させることはないな、あと100年は

    • -2

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