
発見した地元住民らは、連絡したNOAA(米国海洋大気庁)のスタッフが来るまで、なんとかシャチの命をつなごうと、何度何度もも海水をバケツでくみ上げ、シャチの体にかけ続けた。
結果的にシャチは満潮になる前、高まった潮の流れに乗って、自力で沖合へと戻ることに成功したそうだ。
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シャチが海岸で座礁、地域住民らが救出に奮闘
7月29日の朝、アラスカ州のプリンスオブウェールズ島に生息するシャチの1頭が、岩の多い海岸に打ち上げられるという出来事が起こった。発見した地元住民らはシャチがまだ生きていることを確認、すぐにNOAA(米国海洋大気庁)に連絡した。
NOAAが到着するまでの間、なんとかシャチの命をつなごうと、住民たちはシャチが鳥の群れに襲われたりしないよう常にそばで見守った。
また、NOAAの許可を得て、脱水状態にならないよう、バケツやホースでシャチの体に海水を浴びせ続けた。
海藻が張り付いた岩の間で身動きがままならないシャチは、大きさ6メートルほどのまだ若いシャチのようだ。Lovely people helping. pic.twitter.com/N02eQQY2eb
— Tara Neilson (@neilson_tara) July 29, 2021
岩場で体を傷つけたのか、シャチの体の下に溜まった海水の色は赤く染まっており、怪我の具合が案じられた。
シャチの窮地に立ち会った、地元に住むターラ・ニールソンさんは、その様子を撮影し、Twitterでシェアした。It looks like it's a juvenile and Aroon says there's no sign of its pod. People are pouring water on it. Unfortunately it's injured itself on the rocks trying to get off the beach. The good news is the tide is coming in. pic.twitter.com/HW8v9zK6Ld
— Tara Neilson (@neilson_tara) July 29, 2021
長年、地元に住んでいるがこのようなシャチの座礁風景は目にしたことがないと述べたターラさんは、前夜に発生したアラスカ半島地域のマグニチュード8.2の地震による影響かもしれないと疑問を綴った。
しかしこれについて、後にNOAAスポークスマンは「関連があるという証拠はない」と述べている。
救助に参加したターラさんの姪が撮影し、シェアしたTikTokの動画内では、シャチがカチカチという音を立てたり、鳴き声をあげている様子が捉えられている。My niece Aroon is up here and found this stranded orca several miles from here. In all the years I've lived here I've never heard or seen anything like this. I have to wonder if the 8.2 #Earthquake was to blame. NOAA is on its way to try to save it. #offgrid #Alaska pic.twitter.com/m6GO1q8Vg1
— Tara Neilson (@neilson_tara) July 29, 2021
高潮に乗ってシャチは無事に沖合へ
NOAAは、この日の満潮が午後5時半頃に発生する予定なので、それまでなんとか命をつないで、はシャチが沖合まで、自力で泳ぎ戻ってくれることを願った。住民らに守られながら、絶えず海水を体にかけてもらっていたシャチは少し元気になったようで、予定より早めに潮が高まり、午後3時に自力でその流れに乗って海へ帰ることができたようだ。
— Tara Neilson (@neilson_tara) July 30, 2021こうしたシャチの座礁は珍しいことではあるが、初めてではないようだ。
NOAAによると、1990年代に2頭のシャチがアラスカ湾のターナゲインアームで立ち往生したことがあったが、この2頭も無事に沖合に戻ったということだ。
written by Scarlet / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
自分の体重で内臓が圧迫されて死んでもおかしくなかった
2. 匿名処理班
潮の満ちる時間が早くなるって不思議だね。無事に群に帰れたらいいね
3. 匿名処理班
体重凄いし、水だけじゃなくてお腹や内臓の損傷が心配だよ。
4. 匿名処理班
なんか若い時分に見た「七つの海のティコ」を思い出したわ
5. 匿名処理班
海に戻れたシャチにシャチ(幸)あれ!
6. 匿名処理班
鯱だけに自力で水を呼んだか
7. 匿名処理班
ガソリン水中ポンプ持ってきた人、超お手柄!
8. 匿名処理班
ブラックジャック先生もにっこり
9. 匿名処理班
確かシャチ、イルカ、クジラって陸だと自重で内蔵とか肺が潰れて死ぬんじゃないっけ?
エラ呼吸じゃないのに水かけて意味あるんだろうか。
とりあえず生きて戻れたのは良かった。何事もなく回復するといいけど
10. 匿名処理班
いろんな事情で戻れないことも多いけど、海に帰れたのならなによりだよ。
11. 匿名処理班
俺も前に怪我したシャチを見つけたんで治療してやったら治療費に真珠を持ってくる様になったわ
12. 匿名処理班
おいしso
13. 匿名処理班
動けない今がチャンス
シャチの頭に乗ったり
シャチの白い斑点模様にマジックでお絵描きしたり
そんなことを考えた人も多いはず
14. 匿名処理班
6mでまだ若い・・・だと・・・?
15. 匿名処理班
シャチは無茶苦茶賢いから家帰ってオカンに
「ほんでなー人間に助けてもらってなー」と報告してると思う
16. 匿名処理班
シャチはカナダの研究者チームが特定したのだそうです。
「T146D」13歳。性別不明で体形からは雌との推測があるそうです。
出血痕跡などから健康は楽観視。群れに戻ったという観察はまだみたい。生存は将来の報告待ちなのかな。その群れでは20年ほど前にも5頭が座礁し、生き延び、群れに戻ったことがあるそうです。うまく帰れているといいですね。
鯨類の座礁では乾燥に弱いからと水をかけ続け(研究や飼育下の移動でも水をかけ続ける映像ありますね)ていますね。今回のも動画にポンプが登場した瞬間の「いけるかも!」感はんぱない。
17. 匿名処理班
たとえ海に戻った後長く生きられなかったとしても人々の行為が無駄だったとは思わない
18. 匿名処理班
自己満足の愚かな人間は自然淘汰に反してシャチの味方をしたか。
この一頭がいなくなればどれほど多くの生物が生きながらえたか、どれほど多くの生命が育まれた事か。
19. 匿名処理班
>>18
この一人がいなくなればどれほど多くの生物が生きながらえたか、どれほど多くの生命が育まれた事か。
20. 匿名処理班
※16
名前も付いているんですね
タラさんの最後のツイートに
「…混乱して変な感じで泳ぎまわったが方向感覚を取り戻した後は
群れに追い付いた」、漁師の弟(兄)は海のラジオでその後も元気だと聞いた
とありますからうまくやっているようですね
21. 匿名処理班
※18
人間の行いも自然現象の一部、その行いに救われた幸運なシャチが一頭いたってだけ。
22. 匿名処理班
応急しゃちで難を逃れたな
23. 匿名処理班
シャチ「こんなことでマイルカ!」
24. 匿名処理班
なんで水かけんの?て思ったが、クジラとかシャチって陸上だと体温が上がりすぎて熱中症になるみたいだな。やはり海のギャングといえども環境には勝てないか
25. 匿名処理班
※18
その多くの生物の命とシャチ一頭の命を天秤にかけて軽重を云々言うのも人間のエゴだって気付こうよ。
異種間で袖触れ合う素敵な縁があったってことでいいと思うけどな。
26. 匿名処理班
※18
その理論を推す人はやっぱまず自分が生きることで消費している命について真っ先に考えるべきだと思うんだ
自分は別、なんてダブスタかっこ悪いじゃん?
27. 匿名処理班
レプンカムイが無事に帰った…
28. 匿名処理班
※9
シャチの体表は水中にあることが前提だから、乾燥しちゃうとひび割れてしまうとか困ったことになるわけ。
人間だって、ずっと真水の中にいると体表がふやけて困ったことになると思うけど、その反対みたいな感じと考えるといいんじゃないかな。
29. 匿名処理班
※18
人が自然淘汰に手をだしてはいけない理由の一つは人の発明がチート過ぎるという事。
バケツ一杯の海水を運ぶ。ただこれだけの事でも自然界では異常な事。
人も自然の一部と言うのなら道具を使わずに助けられる範囲にするべきだよね。
30.
31.
32. 匿名処理班
※29
道具も人の一部だろうが
考えろや!
33. 匿名処理班
今回は専門家の許可とってるし、そのまままなら死ぬシャチ一頭が生きるくらいならそんなに気に影響することもないんじゃね