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人間の臨死体験に新たなる仮説。動物の生存戦略である「死んだふり」が進化した可能性

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(著) (編集)

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 死の際で、死後の世界を垣間見るような臨死体験をする人がいる。魂が体を離れる感覚やアイデンティティの喪失、トンネルをくぐる、明るい光が見えるなど、共通した報告がある。

 臨死体験は、世界各国の様々な文化圏で報告されており、心停止の状態から蘇生した人の4~18%が経験していると言われている。なぜ人は臨死体験をするのか?

 デンマーク、コペンハーゲン大学やベルギー、リエージュ大学の研究グループは臨死体験について新たなる仮説を打ち出した。

 『Brain Communications』(6月22日付)に掲載された研究によると、動物が死んだふりをして天敵の目を欺くように、人間も防衛メカニズムとして死んだふりをするスキルをもっており、これが進化の過程で豊かな知覚をもたらすようになった可能性があるという。

防衛本能として死んだふり(擬死)を身につけた動物たち

 動物の中には捕食者に襲われたときに死んだふり、すなわち「擬死(死んだふり・タナトーシス)」を行うものがいる。

 たとえば、あるテントウムシは天敵がそばにいると、体を硬直させて動かなくなる。これは動いた方がかえって目立ってしまうことを考えると、捕食動物から逃れる合理的な行動とみなすことができる。

 あるいは有袋類のオポッサムもまた死んだふりをするが、これは身体の損傷を抑えて、脱出する可能性を高めるためと考えることができる。

 捕食動物は捕らえた獲物がぐったりすると、力を緩める傾向にある。だから、どうしても逃げられなくなってしまったら、無理に動いて体を傷つけてしまうよりは、相手が油断する瞬間を待つのだ。

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photo by Pixabay

人間も生存戦略として擬死と臨死体験を経験する

 研究グループの神経心理学者シャーロット・マーシャル氏によると、こうした擬死は魚類やは虫類から鳥類や人間を含む哺乳類に至るまで、全ての動物に発生する高度な生存戦略であるという。

 今回の研究では、ライオンやクマといった大型動物や、性犯罪者や車など”現代の捕食者”に襲われた人間が、擬死と臨死体験の両方を経験していることを明らかにしている。そしてどちらの体験も、内容や効果に似たところがあるのだという。

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photo by iStock

言語を獲得した人間の擬死は臨死体験に進化した

 だが人間の擬死が、他の動物と違うのは、私たちが言語を獲得している点だ。このために擬死という比較的枠にはめられた経験が、非常に濃厚な経験として知覚されるようになった。

 結果、人間の擬死は進化して臨死体験として語られるようになり、捕食動物に襲われた以外の状況にも当てはめられるようになった。これが研究グループの仮説だ。

 また注目すべき点として、擬死を引き起こす大脳のメカニズムが、これまで臨死体験の原因ではないかと指摘されてきた、覚醒時にレム睡眠が侵入してくる現象のメカニズムと似ていないわけでもないことが挙げられている。

 このこともまた臨死体験の死んだふり仮説を裏付けているのだそうだ。

References:Near-death experiences, a survival strategy ? | EurekAlert! Science News / written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 23件

コメントを書く

  1. なんか違う…
    人の場合は側頭葉が活動して死の苦痛を和らげると聞いた。
    それが走馬灯という話だ。

    死んだふり・擬死とは違う気がする。
    オポッサムの脳波を測定してみたくれ。

    • +3
    1. >>1
      オポッサムが擬死してる間に現実以外のこと(臨死体験的な)を見ているとは思えないよね
      逃げるチャンス逃すし

      • 評価
  2. 「睡眠」という行為はある意味、擬死体験じゃないか?と思ったりする

    • 評価
  3. なんでアイデンティティの喪失2回でてきた?

    • +2
    1. >>3
      大事なことなんだ。だから2回かいたんだ

      • +1
  4. 死んだふりが生存政略として受け継がれてきたのに
    捕食者側に対抗手段として残心の極意が根付かなかったのは不思議

    • +2
  5. 死んだふりという外的反応と、臨死体験という主観的体験にどういう関係があるのか本文だけじゃ全く分からなかった
    少なくとも周囲に敵がいる状況で、主観的体験をしているような余裕は無いはずなんだけどね
    むしろそういう反応は、生存戦略的には不利に働くと思うんだけど

    • +5
  6. 検証できない仮設なら、その研究は無価値であることに気付いてほしいわ
    時間の無駄だ
    他にやることあるだろ

    • -5
    1. >>8
      貴方の主観では無駄なんだろうが、他人にはそうでないことも沢山あるしなあ。

      まあ臨死体験と擬死は違うもんだろと俺も思うけどね。

      • +3
  7. いや、臨死体験は単純に「トンネルをくぐった」「故人に会った」レベルではなく、現実世界では説明出来ない事象が起きる。例えば、知らない女性に臨死体験中に「まだこっちに来てはダメ」と言われた→後日その女性が幼い頃生き別れた妹で実は最近亡くなったことが分かる等。

    • -1
  8. それ臨死体験と言うか走馬燈なのでは

    • 評価
  9. でも霊とか魂とかあった方が面白くない?
    たまには面白いことも言って欲しいな。

    • +2
  10. やはり、言語の獲得と引き換えに、失われてしまう感覚は、たくさんあるのだろうな。まずは、それをしゃべれない赤ちゃんにきく方法を、考えよう。

    • 評価
    1. >>12
      上手いことできていて、喋れるような年頃になると忘れてしまうんだなあ…。

      • 評価
  11. なるほど……つまり襲われても幽体離脱して魂だけは守ろうってことだな(勘違い

    • 評価
  12. 肩書さえあれば根拠や検証もなしに妄想垂れ流してもそれっぽく聞こえる不思議

    • -5
  13. 事故や病気で意識を喪失するのと、恐怖やショックで気絶するのは別のことだと思うけどねぇ。正確に調査するなら人をショックで気絶させて脳を調べるしかない。

    • 評価
  14. 幻体験の一種です。夢と同じで、ありとあらゆる体験があります。それ故、体験内容によって、様々な呼ばれ方をしています。
    死後幻覚、臨死体験、お迎え現象、もののけ、金縛り、UFO拉致体験等。。。
    キツネ憑き、蛇憑きなどの憑依体験もあります。

    • 評価
  15. 「仮説」そのものに対し手厳しい意見がいくつかありますが、倫理的、物理的に実験での検証が難しい説が、すべて妄想や言いっぱなしだと言いたいのですか?そもそもこれから検証法をデザインして真偽を確かめるための命題が「仮説」です。それに対し根拠がないと言うのは筋違いです。

    むしろまだこの説は、体験者への聞き取りなどでもある程度の傾向が見受けられる分だけ、少しは足掛かりがあるように見えます。

    実際に大きなショックを目の当たりにして意識を失ったり、その間の記憶が飛んだりと、近い現象はいくつかあるように思えます(これは素人考えなので笑い飛ばして頂いて結構ですが)。

    • +2
  16. 自分が体験したのと全然違う。30秒を漆黒無音の3ヶ月に感じる経験って相当強烈だよ。

    • 評価
  17. 私は倒れて幸いにも蘇生された身、温かい気持ちい良い光に満ち溢れた世界から帰ってきましたよ
    ・温かい=自分の血の海で大変暖かかったです(ついでに床のコンクリートは暑かった)
    ・気持ちいい=重傷を胡麻化すために脳内麻薬が出まくっていたのかと
    ・光に満ち溢れた=上斜め向きにされたので太陽が眩しく瞼を照らしていたのかと
    と自己分析していますわ

    意識を失って倒れたのか、意識を失いかけて倒れて衝撃でそこで意識を失ったのかは不明
    ゆえに擬死とは少し違うかもしれませんが
    ある程度以上の衝撃が加わると保護機能の様に意識をダウンさせる機能が働くそうで

    • 評価
    1. >>22
      大量出血して倒れるような事故て一体何が
      まぁ、無事で良かった

      • 評価

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