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イギリスではペットに遺産を託すことができない。ペットも遺産もエリザベス女王に譲渡される場合もある

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(著) (編集)

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 ペットを残して先立たなければならない場合、飼い主は残されるペットにできる限りのことをしたいと思うだろう。

 アメリカでは、犬猫などのペットが飼い主の多額の遺産を引き継ぐケースもあるが、イギリスはペットにお金を残すことに関する法的スタンスは異なるようだ。

 飼い主に遺族や遺言が残されていない場合、ペットは「動産」と見なされ、遺産を含め全て女王に譲渡される場合もあるという。

ペットは「動産」とみなすイギリス

 飼い主が先に旅立つ場合、最愛のペットが飼い主の遺産を継続するというケースは、アメリカでは決して珍しくはない。

 New York Postによると、2015年にマンハッタンに住んでいたレズリー・アン・マンデルという女性起業家が、ペットの犬、猫、そして32羽のオカメインコに10万ドル(約1100万円)の遺産を残したという。

 マンデルさんは、自分が旅立った後もペットがどのように暮らしていくかについて、非常に細かな指示を残したそうだ。

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pixabay

 一方、イギリスではペットに飼い主の意思で遺産を残すことは、なかなか容易ではない。

 動物福祉に手厚い国として知られているイギリスだが、財産分与の話になるとペットは動産であるために権利の主体にならないからだ。

 つまり、飼い主がペットのために遺産を残したくても、動産である以上資産は継承できないのだ。

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女王にペットを含む財産を譲渡される可能性も

 イギリスで遺産争いや信託紛争、検認の整理を専門としている法律事務所創設者およびディレクターのマーティン・ホールズワースさんは、このように述べている。

法的に言うと、イギリスでは犬猫などのペットは動産なので、飼い主が遺産を残したくても冷蔵庫やXboxなどの物にお金を残すことができないように、それは不可能となっています。

もし、遺言に既存のペットについての言及がない場合、もしくは遺言自体がない場合、ペットは他の動産と同じように扱われ、権利ある受益者間で分けられます。

受益者にはペットの世話の保証や義務がないので、世話をすることを拒否することもできますし、ペットを受け入れたとしても、金銭的規定は発生せず、あくまでも世話は自己負担になります。

もし遺言があれば、指定された遺言執行者には「財産を分配するまで保存する」という法的義務が生じるので、ペットに家が見つかるまでは遺言執行者が引き取って面倒をみなければならない場合もあります。

もっと極端な話をすれば、遺族や遺言を残さず亡くなった場合、財産はペットを含み女王に譲渡されることもあります。

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pixabay

イギリスでペットの将来の世話を保護するためにできること

 ペットに資産を与えたり、遺産相続をしたりする権利が与えられないイギリスだが、やはり飼い主としては残されるペットに何らかの保障を与えておきたいことだろう。

 そこで、イギリスでは複数の選択方法がある。一番手っ取り早いのは、生前にペットを信頼できる誰かに託すことだ。そしてその人物に、今後ペットにかかる餌代や獣医費用などを一括現金で渡しておく。

 しかしこの場合、受取人に法的義務は発生しないため、万が一の場合拒否されたり、ペットを引き受けたものの、世話をせずに売ってそのお金を手にするという最悪の事態になり得ることもあると覚悟しておかねばならないという。

 他の方法としては、ペット信託を持っておくことが勧められているようだ。

 通常、イギリスではペットとペットの維持費を賄うための資金を持っている信託の受託者として2名を任命する。

 受託者は、1日2回の散歩など、ペットの世話をする時に課す義務を設定するために信託を起草することができる。

 この選択の利点は、受託者が信託の条件に従う義務があること。しかし、マイナス面は飼い主が生前にそれを準備し、誰かに受託者になってもらうことに同意してもらわなければならず、それの費用がかかるということだ。

 更に、RSPCA(英国動物虐待防止協会)にペットを引き取ってもらうという選択肢もある。

 RSPCAは無料で世話をしてくれるが、遺言執行者がこの機関を利用できるようにする条件を遺言に含めることが推奨されている。

Top image:photo by Pixabay /References:Mirror / written by Scarlet / edited by parumo

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この記事へのコメント 18件

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  1. ペットはものであって法的人格持ってないから日本でもペットに遺産は残せない
    ペットの面倒を見てくれることを条件にして遺産を残す条件付死因贈与契約をするしかない

    • +8
    1. ※2
      その条件が守られてるかって誰がチェックするんだろ。義務があっても義務を果たしているか(物言わぬペット以外)誰も気にしないならやったもん勝ちになっちゃいそうだけど。

      • -1
      1. ※7
        生前から相談して遺言執行者(弁護士など)を指定しておき、
        受遺者が負担付遺贈の負担を履行しない場合
        期間を定めて履行を求めてもらうという方法がある。

        そして、それでも履行がされなければ、
        家庭裁判所へ遺贈の取消を求めることもできる。

        また、『負担付遺贈』だと、相続放棄と同じように
        受贈者が「そんな遺産いらんから、義務も履行せん」
        と言ってしまえばそれまでだけど、
        『負担付死因贈与』の契約を生前に受贈者と結んでおけば
        贈与者の死後に受贈者から一方的に放棄することはできなくなる。

        • +4
  2. アメリカが特殊なんであって、ほとんどの国はペットに遺産とか残せないんじゃないの?
    知らんけどw

    • +4
  3. 日本だと遺産受け取れる親類などいなかった場合は国が持っていくんだっけ?ペットは保健所行き?

    • +3
  4. 女王陛下の犬となるのであれば、ある意味、そういう手段もあるのかと感心した。

    • +2
  5. 女王様すごいなー。
    海岸線だけじゃなくてペットまで王室のものかー。

    • -1
  6. エリザベス女王が引き取ってくれるならむしろ残したいレベルなんだが
    俺んちのメダカも引き取ってもらえたりしないかなぁ
    お金にすれば結構な額になるから遺族に残すんでも良いけど、かなり手間だしな

    • +3
  7. 日本でもペットは物だから、ペットを害したら器物破損で訴える事になるよね。
    てか、ペットに財産権を持たせてる国の方が少ないと思う。禁治産者扱いでワンチャン?犬だけに。

    • +1
  8. 女王陛下の犬となって
    スコットランドヤードで保護受けて
    警察犬として活躍する
    まで妄想した

    • +3
  9. ペットの今後が気になるなら、保護団体に寄付する条件として保護を頼めないものだろうか。すでにそういうビジネスあるだろうけど。

    • +1
  10. 女王やその周囲の人の持ち物になるわけじゃなくて、パトロンになってるとかなんかそういう関係団体やなんかが引き取るってことでしょ知らんけど
    概念?として「女王に譲渡」っていう表現になるだけで

    • +1
    1. ※16
      そういう関係団体にちゃんと引き取られるならまだいいけど、
      日本でいう「相続人のいない遺産は、国庫に没収」の国庫が
      女王に帰属という言い回しになっているだけだろう。

      保管できないナマモノは、行政から保健所の手に渡って処分
      なんて事にならなければいいけど…。

      • +1
  11. アメリカでもペットは動産であることに変わりはなく、ペットに遺産を残すことはできない。ペットに遺産というニュースの内実は、記事中に出てくる信託方式で、ペットの世話を目的とする財団を作る方式だと思う。 (英米法の国では遺言によって簡単に信託を形成することができる)。

    • +1

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