メインコンテンツにスキップ

史上初、リビア内戦で自爆ドローンが対人攻撃をした可能性が高いと国連が発表

記事の本文にスキップ

52件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
photo by iStock
Advertisement

 トルコ軍は昨年6月、500機を超える自爆ドローンを購入したと伝えられている。この自爆ドローンは、トルコ企業STM社が開発する4回転翼式ドローン「Kargu-2」(トルコ語で「鷹」や山間部の「望楼」の意)で、ターゲットを見つけると自動で突撃し一斉に爆発する自律型殺傷兵器だ。

 国際連合安全保障理事会は、昨年のリビア内戦時に、トルコに軍事支援要請を出していた国民合意政府(GNA)が自爆ドローンを使って、リビア国民軍(LNA)に史上初の人間に対する攻撃をした可能性があると発表した。

自律型殺傷兵器、自爆ドローン

 「Kargu-2」は、最高速度時速144キロ、最大飛行時間30分の飛行性能を誇る。

 ディスプレイ付きのコントローラーで操作することもできるが、光学・赤外線カメラ、LIDAR、GPSを通じて自律的にターゲットを特定し、作戦を遂行できる点が特徴だ。

 搭載可能な弾頭は、対人・非武装ターゲット向けの破片弾、屋内や洞窟内など閉鎖空間で有効なサーモバリック兵器(熱と衝撃波で殺傷する兵器)、軽武装ターゲット用の成形炸薬弾の3つだが、自ら突撃したり空中爆発で攻撃を仕掛けたりもできる。

 もっとも注目すべきは、大規模な編隊を組み、スワーム(群れ)で行動するAI機能を開発中とSTM社が発表していることだ。

 これはトルコ政府が進める「Kerkes計画」の一環として進められているもので、GPSが機能しない環境におけるドローンの作戦遂行能力を向上させることが狙いであるという。

 その複雑なネットワークがどのように統合されるのか詳細は明らかではないが、仮に20機で初歩的な連携攻撃を行えるようになるだけでも、兵器としての能力は格段にアップする。

 たった1機でもかなり広い範囲を破壊できるのだから、これを群れで行ったときの威力は容易に想像できるだろう。

 攻撃される前に数機を迎撃できたとしても、群れすべての襲来を食い止めることは難しい。ターゲットにされた側にすれば非常に厄介な相手だ。

Turkish Drone Kargu-2, Can Identify Faces of Targets

リビア国民軍に対しドローンによる対人攻撃があった可能性

 対人攻撃にこのような自律型殺傷兵器を使うことは非倫理であるとしてNGO団体などから反対の声が上がっていたのだが、すでに使用されていたようだ。

 今年3月に発表された国連安全保障理事会の報告書によると、自爆ドローンによる攻撃が、昨年のリビア内戦時に起きた可能性が高いというのだ。自爆ドローン「Kargu-2」により攻撃を受けたのはリビア国民軍側だという。

 2019年4月から続いている、リビア国民軍(LNA)と、国民合意政府(GNA)によるリビア内戦では、GNAがトルコに軍事支援要請を出しており、トルコ軍はリビア国民合意政府の要請がある限りリビアに駐留を続ける意向を示ししている。

 それ以上の詳細は明らかになっていないが、もしこの報告が真実であれば史上初の自律型ドローンによる対人攻撃が行われたこととなる。

この画像を大きなサイズで見る
Kargu-2 ドローン credit:MRE CAVDAR/STM

ドローン兵器大国トルコ

 なおトルコ軍はドローン兵器の採用に積極的で、Karguが最初に導入されたのは2017年のことであるそうだ。昨年からはその改良バージョンであるKargu-2も導入されており、こうした無人兵器がすでにシリアやリビアで投入されたという報告もあるようだ。

 また今年1月には、トルコ政府によって自爆ドローン356機の追加納入計画が発表されている。

 さらにSTM社は回転翼式のドローンだけでなく、まるでミサイルのように機能する「Alpagu」という固定翼式のドローンも開発している。

Turkish will Deliver Kamikaze Drone Alpagu and Kargu to Security Forces end of the Year

 空を埋め尽くす無機質なドローンの群れ――そんな光景を目にしてしてしまえば、どんな人間でも戦う前に恐怖で戦意喪失してしまうのではないだろうか。

References:Fully autonomous drones may have ‘hunted down’ and attacked humans for the first time / Drones may have attacked humans fully autonomously for the first time/ written by hiroching / edited by parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 52件

コメントを書く

  1. 神風特攻隊員を神格化するつもりは毛頭ないけど、
    ただのドローンでkamikazeはないっしょ。

    • 評価
    1. ※4
      Kamikazeは単に自爆特攻を意味する英語でsushi並みにメジャーな日本語由来英語ですよ

      • 評価
  2. 先端国の中国は3000台のドローンでショーを行ってる。
    その気になればどれだけの数を戦場へ投入できるのだろうか?

    • +10
    1. >>5
      関連記事にこんなのが
      「新兵器「自爆ドローン」を中国人民解放軍が開発中。編隊を組んでターゲットに特攻」
      過去記事なので既に実戦配備済みだと思う

      • +2
    2. ※5
      記事中にある「スワーム」やね。
      正規戦に使うとしたら物量で飽和攻撃を仕掛けることになるだろうから、相応の規模になるのと違うかな。数十か、数百か。
      かすみ網が必要になるな。

      • 評価
  3. 内線だから通じなかったんかな、外線電話ならワンチャン助かったかもね

    • -4
  4. うむ、内戦、な。「内線」で「自爆ドローン」とかやと社内不倫暴露みたいな感じやね。

    • +1
  5. もしもし…タイトルが内線になってますよ

    • -4
  6. また人殺しのために技術をつぎ込んでいる…..
    恐ろしいことに、自衛隊を有する日本やアメリカなどの同盟国も同じようなことしてるんだよね。だから完全に私たち日本も同罪だし、間接的な加害者としての自覚を持つべき。
    まぁ、自国が攻撃されるかもしれない、あるいは攻撃されたからといって軍隊の保有を認めるてる内は世界平和なんて遠い夢の話だろうけど。それに、防衛のためなら軍備(自衛隊や海保庁)も許されるという低い次元にこびりついてる人は戦後日本にもかなりいるんだよねぇ。
    平和憲法を戴く国民でありながら…..
    近年、日に日に強まってくる軍靴の足音の正体と見て間違いなさそう。

    • -29
    1. ※10
      ほなネットもやめような(もともと軍事技術)

      • +6
    2. >>10
      過去記事に人民解放軍も実戦配備にむけて開発してる記事があるけど、そっちについての見解も読みたいな

      • +4
    3. ※10
      ゲーム理論って知ってる?
      自分の国・命を守るためには武装するしかないんだぞ

      • 評価
  7. ゲームなのか実戦なのかわかんなくなる時代の到来、ということですか・・・

    • 評価
  8. 例の塹壕の中に突入して爆発したり、横穴の中に入って行った兵士に向かって行って横穴の中で爆発したり、貨物トラックが到着して兵士が集まってきて、さぁ荷物を降ろすぞというときに集まっている兵士達に向かって突っ込ん行って爆発したりしてた、アレだろ

    • +1
    1. ※12
      今ならカメラをつけて相貌認識(顔認証の技術)っを使ってフルオートで特定の人物だけを狙えるようにできますね。AIで行動パターンも作戦を伝えるだけで臨機応変にできます。自爆したってミサイルみたいに一発一千万円の 1/100 でできちゃうわけで、テロル向き。

      私たちはこれらの技術にどう対抗していけるでしょうね。

      • +3
  9. ミサイルなんかよりもよっぽど安上がりだし、発射台とかもいらないから場所とらないし、急旋回とかの細かい操作もできるから、市街地なんかではかなりヤバいね

    • +7
  10. 前例ができると歯止めが利かなくなるな…時間の問題だったけど怖い話だ

    • +7
    1. >>16
      自律して群れをなしてどうとかまんまそれなんよな

      • +1
  11. 人間だけを殺す機械がついに登場してしまったか

    • +1
  12. 人間という動物は道具を開発するし、あれば使う。
    その道具を世界の平和や発展に使うより軍事に使う方が優先される。
    それは全ての動物が、自分の生命を脅かす相手がいる場合に相手を倒すのが生き延びる為の本能であり、動物という生物が持つ最も強い本能と衝動の一つであるから、これは未来永劫変わらない。
    人間には理性があるから動物とは違うという人がいるが、生命維持本能を超える理性などない。

    • 評価
    1. ※23
      生き延びるためには殺し合い食い合うのもひとつの方策だけど、
      他者と協力し、社会を形作ってきたのもまた生き物なんだよ。
      それは、他者とわかり合うことは難しいけれど、わかり合えようとわかり合えまいと、誰も独りでは生きられないからなんだ。

      • +3
      1. ※41
        >ひとつの方策

        抗い闘うのは方策の一つじゃない、動物にプログラムされた最も優先される強い本能だと言っている。
        「闘わない事」を選ぶのは先に「闘う」事を想定して勝ち目がないから「諦める」「避ける」「他の交渉方法を探る」を選択したに過ぎない。
        勝ち目が無くとも闘う個はいるからな。

        >独りでは生きていけない

        それこそが平時でしか発揮されない「理性」ゆえの判断の賜物だ。
        動物は個で生きる者と群れて生きる者がいて、群れて生きる者は協力し合う事を習性的に知っている。
        平時ならそれでいいし、ほっといてもそう行動する。
        勿論、極度な貧困や有事の際の民衆(直接戦闘する訳ではないが影響を受ける)も平時とは言えず、肩寄せ合い協力し合って生き延びようとするだろう。
        だが、種の存続が係る相手と対峙した場合、先ずは「闘う」様に思考がプログラムされている。
        その後に前述の様に、勝ち目が無く「闘わない」を選択した場合に他の方策を採るのだ。

        怒りと攻撃の感情が何故最も強い衝動なのかは、動物の根本的な本能として「自分の生死が係っているから」に他ならない。
        人間は理性を培ってきたが、それは本能の上に立脚している。
        故に強い本能には脆くあっという間に吹っ飛ぶ。

        • 評価
  13. 民間ドローンの普及でドローン関係の部品コストが低下したからマジでこういうのは低コスト兵器になったよなぁ。
    20年ぐらい前はまだ翼があって移動速度が速い飛行機タイプだったけど、その頃はまだマルチコプターがドローンの前身だったし、自立型が普及したのはここ10年ぐらいか?

    • +1
  14. いつか絶対に来ると言われてきた時代がついに来るか…

    • +1
  15. 後のエアリアル・ハンター・キラー(Phased Plasma Canon, Missileを装備)である。

    • 評価
  16. 日本は海洋警備に投入すべきだな
    飛行艇みたいに海上に待機出来る奴が良い

    • -2
  17. これ
    国連安保理で禁止兵器にしなきゃアカンやつやろ

    • +2
  18. 人間を載せていれば倫理的なのだろう

    • 評価
    1. >>37
      違う違う
      恐怖されるのはそのうち独立型自立殺傷兵器が普通になる事
      スイッチが押されれば大量の兵器が無差別に殺戮を始めて止まらなくなる
      自制も停戦も終戦も出来なくなる事だよ
      核兵器と同様に人類絶滅一直線になり得る

      • +1
  19. 無数の無人航空機による対人自爆攻撃
    ↑↓
    一機の有人爆撃機から大量破壊兵器を投下

    • 評価
  20. アゼルバイジャンがドローン使って攻撃やってなかったっけ?

    • +1
  21. この話の恐ろしい所は今までの軍が開発してたような無人兵器と違って特殊な技術を必要とせず軽量・コンパクトでその気になれば誰でも簡単に製造出来るクアッドロータードローンが兵器としての運用実績を作った事
    それこそテロリストのようなこそこそ隠れて破壊活動をする糞共が大きな資金や大掛かりな施設設備を必要とせずにどこでも他人の命だけを今までよりも簡単に無差別に奪う事が出来るようになってしまう
    その為にドローンが頭上を飛んでるだけで恐怖の対象となってしまう
    これを防ぐにはRCのルールに従う保証も無いどの周波数を利用するか判らない無線コントロール兵器なので広範囲帯域に対応する無線ジャマーを利用するしか無くジャマーを運用する周囲ではRC等のホビー機器や無線機や携帯通信機器のすべてが使えなくなる可能性も出てくる

    • +2
    1. ※42
      これ自律型だから無線使えなくされてても自動自爆攻撃してくるってことじゃ?

      • +1
  22. 史上初なの?
    何年か前に車に乗ろうとしてる人にドローンが突っ込んで自爆してる動画見たような気がするけど

    • 評価
    1. 目的のチョイ頭の上で炸裂する方式を動画で見ると、どこまでも飛んで追いかけてくる手榴弾とか対人地雷のごとくで恐ろしいですね。複数機で足止め役の遠距離炸裂とトドメ役の至近炸裂とかやられたら逃げ隠れもできない。

      ※46
      AIドローンが自らの判断で人間を攻撃した事例の初と思われる報告、ってことでしょうね。クアッドコプターなドローンによる初の自律攻撃…のみならずAI兵器が自ら人間を攻撃した初の報告かも?としている報道もあるみたい。

      • +2
  23. ホライゾンゼロドーンみたいなことにならなければいいけど。

    ただ、暴走しなければミサイルよりも合理的な良い兵器と言えると思う。
    あくまで、使う人間もAIも「暴走しなければ」ね。

    • 評価
  24. 自立型だから、どの標的を狙うかを入力したらあとは打ちっぱなしの全自動で標的を攻撃、攻撃を成功させた場合は、帰ってこないが、既に標的が破壊されていれば自動的に帰って来るのかな

    • 評価
  25. 今更www

    ボストンダイナミクス社の四つ足だって行きつくところはわかってたよねみんな?

    • 評価
  26. 倫理な対人攻撃って何さ??

    • +2
  27. 言ってる事は大仰だけど要するにマルチコプター型のミサイルを対人使用したってだけだから
    公式によれば最高速度は72km/hなので↑の記事のは間違ってるだろう
    本体重量が7kgで非武装での最大飛行時間が30分ほど
    実用上昇限度500m
    爆装した場合は爆弾の重さ次第で飛行距離も飛行時間も速度も加速性も高度も大きく落ちる
    値段は分からないけどミサイルと違い人間がコントロールして終末誘導出来るので
    遮蔽物に囲まれてるからと油断してる相手に突っ込ませるには良いんじゃないかな

    • +1
  28. エースコンバット7みたいにAIが人間より正確に敵兵を見分けて誤爆しない、そんな時代がすぐに来る。そうなっても自称平和ナントカは自律兵器は非人道的だとか言ってるかな?
    言うんだろうな

    • +2
    1. >>56
      誤爆の殆どの問題は「攻撃対象」が曖昧な非対称戦争による物だから、正確に出来ても根本が変わるわけでわないぞ

      • 評価
  29. >最高速度時速144キロ、最大飛行時間30分

    用途の問題でもあるだろうが、最新のドローンでもこんなもんなんだな

    • -1
  30. ゆっくり動く安価な誘導弾みたいなものだから

    • -1
  31. この記事の中で驚くべき点は、「攻撃の引き金」が人間からドローンに渡ったという事。人間が通信を介して攻撃指示を出すタイプのドローンは2000年(21年前)には開発に成功してる(プレデターとか)。ドローン先進国であるアメリカは倫理的な観点から人間の攻撃指示によらないドローンは開発してこなかったが、記事に出てくるドローンは明らかに「移動・攻撃に通信を用いない」。つまり、「誰を殺すか」を自ら決める事が出来る「自立攻撃型のドローン」が実戦投入されたのが史上初だと記事は言っている。

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

サイエンス&テクノロジー

サイエンス&テクノロジーについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。