メインコンテンツにスキップ

宇宙での移住先は月でも火星でもなく準惑星ケレス? フィンランドの研究者が恒久的な人間の居住地を作る提案

記事の本文にスキップ

31件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
準惑星ケレスに人間の居住地を作る計画を提案 / Pixabay
Advertisement

 月への人類帰還を目指すアルテミス計画や2030年代の火星有人飛行など、楽しみな計画がいくつか進んでいるが、もしかしたら将来的な宇宙の移住先は月でも火星でもなく、「ケレス」になるかもしれない。

 ケレスは、火星と木星の間に広がる小惑星帯に位置する準惑星だ。フィンランド気象研究所の研究者は、このケレスを周回する恒久的な人間の居住地、スペースコロニーを作ろうと提案している。

準惑星ケレスに二枚貝のようなスペースコロニーを

 『airXiv』(20年11月15日投稿)で閲覧できる論文によると、二枚貝のようなスペースコロニー(メガサテライト)の基本となるのは円盤状のフレーム部分だ。

 このフレームの両面にシリンダー状の構造物を並べて、磁力を利用したベアリングで直接接触しない形で結合する。

 人が住むことになるのはこのシリンダー構造の内部で、これが回転することで地球と同じ重力を発生させる。もし人口が増えれば、居住シリンダーをさらに増設すればいい。

 フレームにはさらに、それぞれ45度の角度で2枚の巨大な鏡が結合される。これは太陽の光を集めて、シリンダー内部に人工的な昼と夜を作り出すためのものだ。

この画像を大きなサイズで見る
Pixabay

なぜ月面や火星基地ではダメなのか?

 そもそもなぜ火星よりももっと遠いケレスの軌道上にスペースコロニーを浮かべなければならないのだろうか?

 その最大の理由は、月面や火星の地表では重力が小さすぎることだ。低重力環境に長期間滞在した場合、人体への悪影響が懸念される。これは特に成長期にある子供の骨や筋肉の発達に言えることだ。

 この問題の解決策は、衛星や惑星の周回軌道にスペースコロニーを飛ばし、機体を回転させることで人工的な重力を作り出すことだ。

 しかしここにもまた問題がある。いくつものコロニーを無秩序に宇宙に浮かべると、そのコロニー間の物資・人間の輸送に膨大なコストがかかるようになることだ。

 また仮に移動をロケットで行ったとすると、いずれ持続不能になる。ロケットによって噴出された原子が、紫外線によってイオン化し、やがて太陽風に吹かれて太陽系から出て行ってしまうからだ。

この画像を大きなサイズで見る
iStock

コロニーを巨大なメガサテライトに結合させる

 ずっと宇宙で暮らすのならば、そうした原子の流出を最小限に抑え、できるだけ循環させなければならない。

 そこで複数のコロニーをバラバラに浮かべるかわりに、巨大なメガサテライトに結合させるのだ。そして各居住シリンダー間の移動には、フレームに沿って走るリニアモーターカーのようなものを利用する。

 これならば移動コストを削減することができるし、ロケットのように原子が太陽系外に流出してしまうこともない。

ケレスがメガサテライトを軌道させる天体として最適な理由

 ケレスがメガサテライトを軌道させる天体として最適であるのは、そこに窒素があるからだ。窒素はコロニー内に大気を作るために絶対欠かせないものだ。

 短期間なら酸素だけでも人は生きていられるが、長期的に肺への悪影響が出る可能性は否定できない。

 さらに酸素だけの圧力が低い大気だと、火災の危険が増大する上に、昆虫や鳥といった生態系を維持するために不可欠な動物が空を飛ぶこともできなくなってしまう。

 しかし窒素があれば、地球と同じような大気を作ることができる。

 さらに大きさも重力も小さなケレスならば、宇宙エレベーターを建造するのにも都合がいい。

 ケレスの地上から長さ1024キロほどの宇宙エレベーターを伸ばしておけば、ケレスの資源をメガサテライトに輸送する手間を大幅に軽くすることができる。もちろんメガサテライト自体、ケレスの資源を利用して建造するのだ。

この画像を大きなサイズで見る
準惑星ケレス iStock

快適で自然災害もない持続可能な暮らしを実現

 なお研究者がイメージしているのは、オランダと同じくらいの人口密度(500人/km2)で、地球と同じような自然環境があり、それでいて自然災害や危険な天候もない生活環境だ。

 居住シリンダーを追加することで、最終的には地球よりも広い生活空間を確保できるようになる。

 もしそんなメガサテライトが本当に完成したとしたら、あなたは地球と宇宙どちらの暮らしを選ぶだろうか。

References:arxiv / futurism/ written by hiroching / edited by parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 31件

コメントを書く

  1. スペースコロニーが作れる頃には生態系を虫や鳥無しで維持できると思う

    • 評価
    1. ※1
      それはあり得ないかなー それは人類のおごりといえてしまう
      そっくり全ての種を箱舟に乗せて
      実際に生命さんに判断してもらい淘汰にかけないとならないと思う
      生命に対する敬意でありマナーなんだよ
      でないとね、たぶんすごーいフリークスだらけになると思うよ

      それにしても月では現段階では窒素と炭素がほとんど見つかってないんだね・・・
      知らなかったなー、なんでないんだろう

      • -1
  2. 小惑星帯にあると
    隕石でやられる可能性が高くないか?

    • +2
    1. >>2
      古典SFだと小惑星帯はシューティングゲームのような高度な回避技術が必要に思えるだろうが、実際はアステロイドベルトの小惑星は平均約30,000kmも離れている
      地球と月の距離が384,000kmだから、アポロ11号で小惑星から一番近い小惑星に移動するのに20時間以上かかる距離と言えばイメージしやすいかな?

      この記事のようなスペースコロニーを建設出来る技術があれば衝突を回避するのは余裕だと思います

      • +2
    2. >>2
      発狂レンズ(by 弐瓶)建造しとくと良し。

      • +1
  3. 目標と夢は生きてく上で必要だが、文字通りの宇宙規模になるであろうロードマップには軽く目眩が起こりそうだな。

    空飛ぶデロリアンは2015年完成が間に合わんかったし、令和のガンダムは地上を歩くので精いっぱいだが、この想像図に至るまでどれだけかかるんだろうか……。

    • +4
  4. メガサテライトキャノンというパワーワード

    そして地球人の大部分はフィンランド人みたいに忍耐強くなかったのであった。

    • +4
  5. 後にアクシズとなり…と言うにはデカいな。(笑)

    • +1
  6. まずはカーボンニュートラルを地球レベルで達成しないと。
    どこの星に行っても汚染やゴミ対策ができなきゃ住めなくなっちゃうよ。
    まして地球よりずっと小さな星ではあっという間だよ。

    • -5
    1. >>7
      カーボンニュートラル言いたくて記事も読まずに書き込みとな?
      コロニーだよ。星に住むのではない。

      • +2
  7. 距離があるから第一歩目がすごく苦労しそうね。

    ところで、二枚目の写真の構造物が、ルクレハルク級ドロイド司令船にしかみえん件。

    • +2
    1. >>9
      検索してみたらソックリでワロタw
      エピソード1はあまり覚えてないなあ…

      • +1
    2. >>9
      なんか文中の説明と形状合わんな・・・と思って画像拡大したらルクレハルク級そのもので草

      • +1
  8. 無理に決まってる
    砂漠とか深海にさえ住めないのに

    • -3
    1. ※12
      砂漠は地表で緑化できる可能性もあるし地下に蟻塚みたいなコロニーを作る手もある
      海もそう
      東南アジアで海上民もいるから海への進出は現実的だし海中へも超硬度壁で海中コロニーも可能性としうてはありえる
      宇宙進出のことを考えるより地球にはまだまだ可能性がたっぷりある

      • +1
  9. Netflixのミッドナイトスカイって映画では木星の衛星?かなんかに移住可能なことなってるんだけど、なぜか大気も呼吸可能という都合が良すぎる設定で白けてしまった。

    • +1
  10. 技術的には可能だとしてもコスト的に無理だろ

    • +1
  11. 銀河鉄道999のメーテルが火星開発した地球人の努力に辛辣な言葉を投げかけてたなぁw

    • 評価
    1. >>15
      頑張って関東地方を箱舟にしたお母様を侮辱するようなw

      • +1
  12. 窒素を含めた資源調達を考えるとケレスが良いという構想か…
    でも、最初にケレスまで設備を送るハードルが高くない?
    それでも、月・火星に「都市」を作るより早いというシミュレーションなんだろうね。

    • +1
  13.  空気無し、紫外線、太陽風で地中に潜る生活。地球で大気の空気使わずに100年隔離された生活が出来て、移動を除外しても無理。300年から500年先か夢の世界のおとぎばなし。人類は地球で文明が絶える。

    • -2
    1. >>17
      紫外線を防ぐオゾン層
      宇宙線を防ぐ強力な地場
      その磁場を発生させる地球の自転に潮汐力で影響を与える月と言う主星に対して巨大すぎる衛星

      地球ってレア過ぎるほど好条件が整ってるから、コロニーも他の星への移住も難易度が高く感じるよね

      • +2
    2. ※17

      そんなに物事を否定的に考えて楽しいかい?
      まず色々な可能性を考える事そのものが、人類の生残性を高める一つの秘訣だと思うんだけどね
      その結果、やっぱり地球が良いというのであればそれはそれで仕方ないけど
      脊髄反射的に否定するのは思考停止に陥りやすいから良くないぞ

      • +1
  14. 宇宙の居住区って内部の空気圧に耐えられる外壁の材料が膨大になるんだよな。
    小惑星帯で資源調達できたとしても、まずはプラントが必要になるし…
    結局は宇宙開発進めるなら軌道エレベーターが欲しい所…実現できるのかなぁ

    • +2
  15. 鳥の心配をするのならそもそも鳥がスペースコロニー内でうまく生活できるのかね?
    鳥は地球の磁場を感知して方向感覚を得ているけど

    • +1
  16. 人と距離を置きたがるフィンランド人らしい発想だ

    • 評価
  17. これ作れる頃には人間がタンパク質で出来てない気がする。生存に必要な条件が違ってるじゃないかしら。

    • +1
  18. ロケット燃料が太陽系外に行ったからって何か問題が?
    そもそも、そんな長距離飛行が常態化してる頃には
    ロケット燃料なんて使ってないでしょうよ。

    • 評価
    1. >>30
      ロケットって推進機関の名称だから
      現在の燃料とは違うんじゃないか?

      • 評価
  19. なぜにルクレハレク…まさかケレス封鎖か分離主義運動か!?

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

自然・廃墟・宇宙

自然・廃墟・宇宙についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。