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古代ギリシャ、ヘルメス神の頭部が下水道工事で発見される(アテネ)

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(著) (編集)

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ギリシャでヘルメス神の頭部を偶然発見 image by: Greek Ministry of Culture
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 ギリシャの首都アテネの中心部で下水道工事をしていた作業員は驚くべきものを発見した。なんとそれは、古代ギリシャの神、ヘルメスの彫像の頭部である。

 古代ギリシャではいたるところで大理石でできたヘルメス柱像が設置されていたそうで、頭部はその一部だと思われる。

工事中思いがけず発見された古代ヘルメス像の頭部

 下水道工事が行われていたのは、アテネのダウンタウンにあるアギア・イリニ広場付近。彫像の頭部は、人通りの多いエオルー通りの地下1.3メートルのところから発見されたという。

 最初は、ゼウスの頭部かと思われたが、よくよく調べてみると、ヘルメス神を表わした大理石の像の一部であるいうことがわかった。

 かなり保存状態が良く、中年期にさしかかったヘルメスを表わしたものと思われる。ヘルメス像は、若い男性の姿で描かれることの多いため、これは非常に珍しいことだという。

 像は紀元前4世紀後半からもしくは紀元前3世紀初頭のヘレニズム時代のものと考えられる。文化庁によると、古代ギリシャの彫刻家アルカメネスのスタイルで彫られているという。アルカメネスは、紀元前5世紀ごろに活躍した人物で、古代ギリシャのもっともすぐれた彫刻家のひとりと考えられている。

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ヘルメス神は、たいてい髭のない若い男性の姿で描かれることが多いため、この発見はかなり珍しい。

image credit:Greek Ministry of Culture

ヘルメス神は神の使い

 ゼウスの息子ヘルメスは、オリュンポス12神のひとりで、神々の使いだ。また、外交、貿易、境界、旅、群れ、盗人の神でもある。非常に聡明で器用なため、ゼウスから神々の伝令使の役目を任命された。旅人、商人、アスリート、羊飼いなど、幅広い人たちから崇められている。

 ヘルメスは、竪琴のリラやプレクトラム(弦楽器用のつめ)を発明したとも言われていて、死者の魂を黄泉の国へと安全に導く役目も担う。古代ギリシャでは、よく墓石にヘルメスの姿が描かれた。

 伝令の杖を持ち、広いつばのある帽子をかぶり、早く旅ができる羽根のついたサンダルを履いた姿で描かれる。この杖に触れると、人間は眠りに落ちると考えられている。ローマ神話の神々の使徒マーキュリーにあたる。

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image credit:Greek Ministry of Culture

旅人たちの守護神としてのヘルメス柱像

 この頭部は、辻々に道路標識として建てられたヘルメス柱像の一部である可能性が高いという。こうした柱像は、境界の印であり、旅人を守ってくれるものと考えられていた。戦争や追いはぎが頻発していた古代ギリシャでは、旅は非常に危険なものだったため、守護神はなくてはならないものだった。

 ヘルメス柱像は、ギリシャ人に宗教的な畏怖をもって崇められ、これを傷つけたり破壊することはとんでもない冒涜行為だとされていた。

 ペロポネソス戦争(紀元前431~404年)のとき、アテネの将軍で政治家だったアルキビアデスの多くの敵が、彼を陥れようとして、ヘルメス柱像を破壊する行為を利用したと記録されている。のちに、ローマやほかの民族が、装飾的な目的でこうした柱像を作るようになったという。

 道路標識としての役割を終えた後、柱像は宗教的な意味合いを失っていき、いつの間にか、排水管の壁に組み込まれるようになってしまった。

 皮肉なことに、これが像の保存に役に立った可能性があるという。今回、発見された頭部はすぐに、古代遺物官吏が管理するへ倉庫へ送られ、そこで安全に保管される予定だ。

References:smithsonianmag / archaeologynewsnetwork/ written by konohazuku / edited by parumo

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この記事へのコメント 18件

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  1. >伝令の杖を持ち、広いつばのある帽子をかぶり、
    早く旅ができる羽根のついたサンダルを履いた姿で描かれる。

    そしてマッパ(杖を持ち、帽子をかぶり、サンダルは履いている)

    • +5
  2. 「先日発掘していただいた食パンマンです」

    • 評価
    1. ※4
      右耳の上と襟足の一部のこと?表面が欠けるか汚れが剥離して大理石が露出しているように見えるが。

      • +5
  3. 道祖神、日本で言うとお地蔵様だったヘルメス
    旅人の神様でいつしか権能が増え、やがては旅人は知識を外からもたらす者としてヘルメスは賢者の象徴となり
    古代エジプトを起源とする錬金術もいつしか帽子を被った賢者ヘルメスから、西洋世界の魔法と科学の開祖トリスメギストスとなった

    • +9
    1. >>8
      お地蔵様は閻魔大王の化身とも言われてるから死者の魂を導くという所もヘルメスと似てて驚いた。ギリシャ神話と共通点ある神仏って幾つかあるんだよね。

      • +2
  4. おっさんの生首だけで何でヘルメスと分かるんだ?と思ったら
    ヘルメスの生首道祖伸っていうジャンルがあるのね

    • 評価
  5. 私はヘルメスの鳥 私は自らの羽を食らい飼い慣らされる

    • +2
    1. ※11
      15世紀のイギリスの錬金術師、ジョージ・リープリーの錬金術の写本『リープリー・スクロール』の中の一節だそうです。

      • +2
  6. 盗賊の神メルクリウスだけに本人の首も持ってイカれたわけか

    • +1
  7. 洪水で流された、とかかね?元は何所に有った物なのだろう?
    (そんなに長距離は流されない気がするが?どうなのだろう?)

    • 評価
    1. ※14
      きみのあたまのまわり
      ”?” ←これだらけか。

      ウニョンウニョンウニョン…
       ?( ゚Д゚)? 

      • 評価
  8. 像の側頭部、やっちまったな作業員。

    • 評価

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