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パンデミックによる不況の最中、雇用を守るため実施されているドイツの政策

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(著) (編集)

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ドイツのコロナ雇用対策/iStock
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 コロナ禍による世界的な景気後退は、しばらく続くだろうと予測されており、企業の倒産や失業者の増加はどの国にとっても喫緊の課題だ。

 同じく苦境にある西ヨーロッパ諸国だが、フランス、ドイツ、イギリスといった国々では、労働者を解雇することなく、それでいて労働時間を短縮する制度で、国内の雇用を守っているようだ。

 中でも歴史があり、有名なのがドイツの「時間短縮労働制度(Kurzarbeit)」だ。20世紀初頭に整備された制度で、2000年代の世界金融危機から同国が速やかに回復することができた理由の1つにも挙げられているほど、高く評価されている。

 世界各国で製造業や宿泊・飲食サービス業の雇用は大打撃を受けている。国によって違いがあり、ドイツのやり方が必ずしもどの国にも適応するわけではないが、参考になる部分はあるかもしれない。

企業と従業員を守るドイツの時間短縮労働制度

 ドイツの時間短縮労働制度の下では、経済状況が悪化したとき、企業は政府に通知するだけで、一時的に従業員の労働時間を短縮して、人件費を節約することができる。

 従業員が受け取る給料はその分減ることになるが、その一部は政府によって助成される。

 企業にとっては、人件費を抑えられるほか、景気が回復したときには、それまで通りの人材をすぐに確保できるというメリットがある。

 一方、従業員にとっても、全額ではないにしてもきちんと生活費を受け取りながら、それでいて仕事を解雇される心配がないのは大きいだろう。一般的な不況に対応するための制度だが、今回のパンデミックでも有効であるはずだ。

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iStock

ダイムラー(ベンツ)のある従業員の事例

 ダイムラー(あのメルセデス・ベンツを作る企業だ)に勤めているカタリナ・ルツさんは、先日会社から時間短縮労働を告げられた。

 勤務時間は0時間になってしまったが、政府から本来の給料の60.5%、会社から20%が支給されるために、普段の8割の収入が確保されている。

 今年、初めての赤ちゃんを授かるというカタリナさんにとっては、仕事と収入の安定はとても大切なことだ。オフィスの仕事から解放された今は、夫と一緒に実家に里帰りしているそうだ。

 「生活を見直して、自転車に乗ったり、母と毎日ランチをしたりしています。赤ちゃんを寝かせるために、アンティークの家具も修理しました。正直、時間短縮労働制度には大助かりです」と、カタリナさんは語る。

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/iStock

制度の柔軟性もポイント

 企業は1割以上の従業員の労働時間を1割以上削減するならこの制度を申請することができ、現在では最大21ヶ月まで継続できる。

 制度利用中の労働時間をかなり柔軟に変更できることもポイントで、カタリナさんの場合、制度を利用しながらでも週に16時間(2日)働けるという。

 企業は、こうした柔軟性を最大限に活かしながら、完全な再開へ向けて少しずつ準備を進めることができる。

 しかし、このような制度への支払いは主に国債で賄われており、おかげでヨーロッパでは以前より続いている議論が再燃しているのも確かだ。

 つまりEU加盟国はコストを共有するべきか、それともあくまで各国の責任において独自にやるべきなのかという問題だ。

 コロナ禍で経済を守るための膨大な額の補助金は、ツケを将来に先延ばしにしていると見ることもできるため、各国政府の舵取りは簡単なものではなさそうだ。

References:Germany’s Paycheck Protection Program/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 21件

コメントを書く

  1. 非正規を調整弁にしてる日本とは対照的だな

    • +23
    1. >>3
      めちゃくちゃ社会主義的な制度だけど支持すんの?
      大きい政府はそれはそれでデメリットも大きいけどなあ。

      • -1
      1. >>19
        日本のどこが社会主義じゃないわけ?
        これが民主主義か?
        世界的に見ても先進国で最低な保証内容と言う現実見ろや。クソネッウヨ。
        能無し老害共の独裁国家やんけ。

        • -5
  2. 失業する人と雇用を従来通り維持する人と明暗分かれるより
    皆が少しずつ問題を負担するほうが社会全体のダメージは軽いと思う

    • +21
  3. 国が6割保証とか日本以下じゃん 他に記事内に無いような条件もあるんでしょ

    • -17
    1. >>5
      ん?、同じくらいじゃないかな?
      ドイツの6割は『本来の給与の6割』。

      日本政府の雇用調整助成金は『休業補償金の9割』で休業補償は労働基準法で本来給与の6割以上と定められてる。あと今回この制度は非正規雇用にも拡大されたよ。

      日本の方が6割の9割だからちょっと少ないけど、その分一律現金給付ひとり10万円がある。

      記事によるとドイツの方はこれに各会社からの本来給与×2割の支給があって合計8割分の給与が貰えている。

      むろん日本の現金給付もひとり当たりなので4人家族なら40万円にもなり世帯主の月給としては人によってはむしろ平常時より増えてる人もいるかもしれない。

      • +11
  4. ワークシェアリングでしょ、賃金下がるよ。

    • -8
    1. >>8
      だよね。どうもリベラルのバラマキ政策をありがたがる人が多くて困る。リソースは同じなのにバラマキ増やしたらどこかが削られるとどうして理解できないのかなあ。

      • +1
  5. 短縮した事にして、お金を受け取り。
    通常通り働かせるブラック企業とかが出そうだな。

    • -6
    1. ※9
      ドイツはそういう企業の取り締まりはかなり厳しかったような。

      • +4
  6. 同じ敗戦国でも国民への対応結構違うんだな

    • -3
  7. 原資はおもに国債のようだが経済回復が早いという信用があれば国債という手は合理的だと思う
    ドイツは日本ほどドタバタ劇が発生してないと思うがさすがだな

    • +4
  8. 日本ではあちこちで倒産や経営破綻してるけど、
    ドイツのこれってあくまでも従業員をサポートする制度な感じ?
    企業そのものを保護しないと共倒れになりそうだけど大丈夫なのかな。
    もしかしたら見当外れかもしれないコメント失敬

    • -4
  9. ドイツを見習え,保証を云々・・言うのなら,消費税(食料品は10%のままで)20%じゃない?あるいは,法人税値上げ,富裕層の所得税アップとか。金のなる木があるわけでも無し,財源は必要でしょう。

    • +8
    1. >>15
      二割でもよくない。国がしっかり面倒見てくれたらさ。正規ならレストランカード(ご飯買ったりに使えるカード。金額はかわるけど)つくし、パートタイムジョブでも将来年金おりるし、仕事なくなったら保護もしっかりしてるし、学校も安い。税金バンバンとっても、ちゃんと回してくれてるなら日本でもやったらええやんと思う。そしたら、貯金しなくてもよくなるし。

      贅沢品が二割なだけなら、やらないだろうがな!

      ドイツ食品バカ安だよー、日本より安いもん。

      • 評価
  10. 白い肌に金髪?にピンクの帽子とインナーにベージュの上着
    白人さんは綺麗だな

    • -6
  11. 10年ごとに新型ウィルスがはっせいしている事実と自然災害が多い日本は【災害基金】制度みたいなものを至急設立しておくべきかと。南海トラフとか活火山の噴火とかあるし。
    新型肺炎も今後、消滅せずインフルみたいに何度でも来るだろうといわれている。一部では強毒化するのではないかともいわれています。
    国難と言う言葉をうまく刷り込まれてしまいましたが、国難はこれからです。どれほどの失業者が出てしまうのか。それによって、どれだけの人々が絶望し命を自ら断つのか。被害にあった時のために【基金】を制度として立ち上げて備えて欲しいです。

    • +5
  12. この制度、日本が不景気に入りだした頃にも話題になって、実際やってみようとしたけど非効率すぎるし収入落ちるしダメダメでなかったことにされてるよ

    日本は欧州程経済死なずに済んでいるので、人手不足業界に一時身を寄せて乗り切るほうが現実的。
    大学生があぶれてバイトの倍率凄いことになってるから、社会人は正社のほうがいいらししいとかなんとか。

    • -1
  13. 客が居なけりゃ企業側に一方的に負担を押し付けるだけなんだが?

    • -1

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