
白い漆喰でコーティングされたその巨大な人工道は「ホワイト・ロード」、または現地語で「サクベ」として知られている。
この古代の大通り建設を命令したのは、女王カウィール・アジョーだとされ、現在のメキシコに孤立していた都市をひそかに手中におさめるための道だった可能性がある。
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古代都市をつなぐ人工の巨大な白い道「ホワイト・ロード」

半島にあったヤシュナの小さな集落まで伸びている。
ライダー(LIDAR:レーザー光による検知と測距)技術によって発見された、この古代の道についての新たな研究が発表された。
ライダー技術とは、空からレーザーを地表に向けて発射し、その光が戻ってくるまでの時間を測定することによって、地表のデコボコを調べていく。そのデータを分析して、詳細な3Dマップを作成することで、肉眼では見通しのきかない深いジャングルに囲まれていても、地形がわかる。
ライダースキャンの結果、この古代の道に沿って、少なくとも8130もの建造物が連なっていることが明らかになった。全体を合わせると、オリンピックの競泳プールおよそ2900個分もの広さになるという。

ライダー技術によって見えてきたヤシュナの町。木々に覆われて見えなかった家屋、農園、大きなピラミッドのようなものがあるのがわかる
image credit:Traci Ardren and Dominique Meyer/University of Miami
いくつもの町を経由して目的地へとつながっていた人工道
1930年代に行われた調査では、この道はまっすぐ走っているものと考えられていた。だが、今回のライダー測定からは、この巨大な道はいくつもの町をまいて、寄り道をしながら最終目的地まで伸びていることがわかった。つまり、この地域周辺に住む大勢の人々を結びつけていた人工の大通りだったのだ。この道は、女王カウィール・アジョーが、チチェン・イツァ帝国の脅威に備える領土拡大の下準備をするために建設されたのではないかと、研究著者は推測する。コバーは、迫りくる侵略の脅威に対抗する堅固な足掛かりとして、ユカタン半島の中心で孤立しているヤシュナの町を手に入れようとしていたのかもしれない。
「道ができたのは、紀元700年少し前の古典期の終わりで、コバーが領土の拡張政策を推し進めていたときと一致しています」マイアミ大学人類学教授の考古学者、トレイシー・アドレンは言う。

コバーの石碑にある絵。偉大な白い道を築いたかもしれない女王戦士が描かれている
image credit:University of Miami
「力をたくわえて、チチェン・イツァの台頭に対峙しようとしていたのかもしれません。そのために、ユカタン半島の中心に確固たる砦が必要だったのです。この道は、コバーが力を維持するための最後のあがきのひとつだったのかもしれません」研究チームは、コバーとヤシュナの境界に連なる建造物群の遺跡の発掘も行った。この夏には、3度目の発掘調査をする予定だ。目的は、遠く離れたふたつの中心的都市で使われた日用品の類似性をはっきりさせることだ。
この論文は、『Journal of Archaeological Science』に発表された。
References:Modern technology reveals old secrets about the great, white Maya road/ written by konohazuku / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
>オリンピックの競泳プールおよそ2900個分
これ外人ならピンとくるんだろうか……?
2. 匿名処理班
十字路になってる辺り掘り起こしたら遺跡一杯ありそう(小並感)
3. 匿名処理班
>ライダー技術によって発見された……
現われたな?、◯面ライダー!!!
4. 匿名処理班
西暦3000年・・・
レーダーで測定した所、東京から名古屋まで道が繋がっていた事が判明した
大阪帝国の脅威に備える領土拡大の下準備をするために建設されたのではないかと
5. 匿名処理班
>>4
ライダー(LIDAR : Light Detection And Ranging)はレーダー(RADAR : Radio Detection And Ranging)に引っかけて命名された。
LIはLaser Imagingの略の場合もあります。