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宇宙の奥深くから届く謎の電波シグナルに16日の周期が確認される

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(著) (編集)

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zhengzaishuru/iStock
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 宇宙から届く謎のシグナル「高速電波バースト(FRB)」の特徴の1つは予測できないことだ。前触れもなく宇宙から放出され、はっきりと分かるパターンもない。そのために研究することすら難しい。

 だが、このほど規則的な周期を持つ高速電波バーストが発見されたそうだ。

 「FRB 180916.J0158+65」と呼ばれるシグナルは、16.35日周期で同じようなパターンを繰り返している。4日間は1時間ごとに1、2本のバーストを放出。そして12日間沈黙し、またこれを繰り返す。

 このパターンは、計409日間におよぶカナダ、ドミニオン電波天文台にある電波望遠鏡「カナダ水素強度マッピング実験(CHIME)」からの観測によって明らかになった。

 その意味合いは今のところ不明だが、高速電波バーストの謎を構成するパズルのピースの1つであるようだ。

数ミリ秒で太陽数十万個に相当するエネルギーを放射

 ざっくり言うと、高速電波バーストとは、一瞬だけパッと閃く電波スペクトルの大エネルギー放射だ。わずか数ミリ秒の間に、太陽数十万個分に匹敵するエネルギーを放射する。

 大抵の場合、バーストするのはたった一度だけで、同じものが再び検出されることはない。そのために、発生源を突き止めるのも難しい。

 中には繰り返しバーストするものもあるのだが、それはまったく予測不能だ。こうした反復するタイプのものなら、それが放たれた銀河まで突き止めることができる。だからと言って、それを手がかりにその正体へ迫れるわけでもない。

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昨年、新たに8つの反復型高速電波バーストを発見

 昨年CHIMEで宇宙を観測する研究グループから、なんと新たに8つの反復する高速電波バーストを発見したと発表があった。

 これによって既知の反復型バーストは一気に10個にまで増えた(なお高速電波バースト自体は150以上の検出例がある)。

 パターンが発見されたFRB 180916.J0158+65も、そのときに発見されたバーストのうちの1つだ。

 最初はバーストが繰り返されていること以外、特に目立つ特徴もないように思われていたのだが、観測するうちに先述した周期性が浮かび上がってきた。

 そしてこのことは、この謎の現象を解明する重要な手がかりになるという。

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NSF’s Optical-Infrared Astronomy Research Laboratory/Gemini Observatory/AURA

発生源は連星か?

 他の天体で周期性を持つものは、星やブラックホールの連星系である傾向がある。

 ここから推測すると、16.35日の周期はそれらが周回する期間である可能性があり、その軌道のどこかの部分で電波の発生源が地球に向いていると考えられる。

 FRB 180916.J0158+65はそれが位置する銀河も特定されおり、5億光年離れた螺旋銀河の辺縁にある。

 ここは星が形成される領域だ。ということは、超大質量ブラックホールの線は薄いが、恒星クラスの質量を持つブラックホールである可能性はある。

 しかし、これだけではかなり広い範囲の質量を想定することができるらしく、「いわゆる”ブラックウィドー連星系”(低質量星と強力なミリ秒パルサーの連星。パルサーの風が伴星を排除している。典型的な周回周期は数時間)からOB型星(奇妙な軌道を持つ連星パルサー)」までさまざまな候補を挙げることができるそうだ。

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B. Marcote et al./ Arxiv.

 あるいは、伴星からの風や、ブラックホールからの潮汐破壊が、電波バーストを定期的に妨げているという可能性もある。

 さらに高速電波バーストの発生源が、マグネターやX線パルサーのような単一の天体である可能性も完全に除外されたわけではない。

 ただし研究グループによると、後者の可能性をこれまでのデータで整合的に説明することはやや難しいようだ。

 というのも、こうした天体の周期性は揺動する回転運動によって生じるものである一方、そこまでゆっくりとした揺動をするものは知られていないからだ。

 また数日の周期を持つ電波パルサーは、高速電波バーストよりも桁違いに弱い。こうしたことを考えると、バーストの正体はまだまだ謎に包まれたままだ。

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Republica from Pixabay

反復型の高速電波バーストは想像以上に多い?

なお、単発だと思われていたが、バーストが弱すぎて検出できていなかっただけだった事例があることを指摘しておこう。

 それは11番目に発見された反復型高速電波バーストのことなのだが、このことは単発とされていながらも本当は反復している高速電波バーストが他にもたくさんあるかもしれないということを意味している。

 さらにFRB 180916.J0158+65が他の高速電波バーストとさほど変わらないように見えるという事実もまた、それ以外のバーストにもやはり周期性がありながらも、それが検出されていないだけという可能性を示唆するものだ。

 この研究は現在『arXiv』(1月28日投稿)で閲覧できる。

References:earthskyなど/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 17件

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  1. 専門外どころか素人すぎて、タイトル見たときは「宇宙人?!宇宙人なのか?!」って思ってしまった。
    ただ、読んでも「宇宙すげぇ」としか言えない。スケールでかい。
    うちゅうすごいとおもいました(小並感)

    • +6
  2. なんのこっちゃよう分からんけどロマンはあるな。

    • +7
  3. スタニスワフ・レムの「天の声」みたいなやつ?

    • +1
  4. この反復型高速電磁バーストFRB 180916.J0158+65は、反復型としては2つ目の発見で、発生源はSDSS J015800.28+654253.0という渦巻銀河らしい。ただ、初めて発見された反復型高速電波バーストFRB 121102の発生源とは構造があまりにも違うので、なぜ?ということらしい

    • +2
  5. ハッキリしてるのは宇宙人が出してる電波ではないということだな

    • 評価
  6. 遠方宇宙観測最大の弱点は「与えられた見える角度以外からの観測絶対不可能」ってトコロにある。
    発信源はずっと定期的な動きをしていても取り巻くガスなどが公転する周期になっていて、周期的にバーストを遮断するとか、多分そう言う事じゃないかなと思う。

    • +3
  7. 人為(?)的な電波っつうより天文現象な訳なのか。
    ガカーリ。

    • 評価
  8. 俺は難しいことは分からないけど、こういう天の川みたいな写真や、ハッブル宇宙望遠鏡とかで宇宙を写した画像とか見ると、もう「スゲェ・・」としか思えない。

    • +1
  9. このシグナルをもとに製造されたのがGANTZである

    • 評価
  10. 絶対に発信源に行こうとしたりしたら駄目なやつ

    • +2
    1. >>15
      付近を航行してる貨物船はいないからへーき。

      • 評価

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