メインコンテンツにスキップ

グッピーが教えてくれた生物が進化する理由(米研究)

記事の本文にスキップ

33件のコメントを見る

(著)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Image by Mirko_Rosenau/iStock
Advertisement

 カリフォルニア大学のある生物学者は、進化に関してこんな疑問を抱いていた。

 はたして動物は食べられる危険に対応するために進化するのだろうか?

 それとも捕食者などいないところで自分たちが作り出した環境に適応するために進化するのだろうか?

 ペット向け熱帯魚としておなじみのグッピーが教えてくれた答えは、どうやら後者であるようだ。

あっという間に進化するグッピー

 デビッド・レズニック教授の説明によれば、グッピーは滝や急流に乗って、大抵の捕食者なら追ってこられないようなところに移動できるという。

 そして、安全なところに到着したら、あっという間に進化して、遺伝的に元々の種とは別の存在になってしまう。

 「グッピーがあっという間に進化することは知られていました。でも、それがなぜなのかがわかっていませんでした。」

 だが、『American Naturalist』(9月9日付)に掲載された論文で、レズニック教授はその理由を解説している。

この画像を大きなサイズで見る
Image by basuka from Pixabay

小川の強制引越し実験

 この疑問に答えるために、彼らはグッピーの故郷であるトリニダードへ飛び、ある実験を行った。

 小川の中のグッピーを、捕食者がたくさんいるところから、ほとんどいないところへ引越しさせてみたのだ。そして、それから4年間の変貌ぶりを元々の生息地のグッピーと比較しながら観察した。

もしグッピーが他の魚に食べられるリスクがないから進化するのであれば、すぐに目に見える進化が現れるでしょう。

でも捕食者がいないおかげで増えすぎて、自分たちのエサがなくなってしまうから進化するなら、目に見える変化が生じるまでにはタイムラグがあるでしょう。

 観察対象のグッピーはオス(寿命は5ヶ月ほど)で、追跡をしやすくするためにいずれにもマーキングがされた。そして注目されたのは、個体数を増加させる上で鍵を握っている寿命と大人になったときの体の大きさだ。

 また藻類や昆虫といったグッピーのエサとなる生物の量や他の非捕食魚の存在など、グッピーの生息数の増加にあわせて生じる環境の変化も記録された。

この画像を大きなサイズで見る
Image by David Reznick/UCR

変化した環境に適応するために進化する

 この実験から、グッピーが別の環境に導入されて進化するまでには、2、3年程度のタイムラグがあることが明らかになった。

 つまり、まずグッピーは新しい生息環境を変化させ、その結果として自らを変化させるらしいということだ。

進化の速度からそれがどのように起きるのか研究することができます。新しく判明したのは、生物は自分の周囲の環境を変えることで、自分自身の進化を形作っているということです

人間も環境に適応するために進化する?

 レズニック教授が今取り組んでいるのは、この知見を人間の進化に当てはめてみることだ。

グッピーのような生物とは違って、人間の人口は際限なく増えているように思えます。でも、それは環境への影響を増加させ、ひいては自らへも影響するはずです。

 人間の活動によって、この地球には温暖化をはじめとするさまざまな影響が現れている。そうした環境に適応するために私たちも進化するということがあるのだろうか?

References:Guppies teach us why evolution happens | News

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 33件

コメントを書く

  1. ホモ・サピエンスは氷河期で極少数にまで減ったから遺伝的多様性が無いと言われていたな。
    それに、住処の環境を自ら住みやすくしているから環境に合った進化をする必要も無い。
    だから、外見ではわからないところで進化するかもね。

    • 評価
  2. 人間の進化と言うことでは、武道をやっている16歳息子が、先生達の指には毛が生えていると、生える理由は拳での腕立てが原因らしい。自分自身もそれをすれば生えてくるのかなぁ?
    と言っていた。が、しばらくして、同じ様に拳での腕立てをしだしたら、少しだが毛が生えてきたらしい。体に負荷がかると一代でも変化する事が出来るのではないかと思ったが、いかがだろうか?

    • 評価
    1. ※3
      それは元々持っている機能が刺激で活性化したもので進化とは別物かと

      • +11
    2. >>3
      筋トレすれば筋肉が大きくなると思うのだが、いかがだろうか?

      • +2
    3. ※3
      仮面ライダーアマゾンの役者さんはずっと腰ミノ一丁の衣装だったけど(冬場も)撮影を終えたら体毛が濃くなったっていう話聞いた事ある。

      • +1
    4. >>3
      親世代が獲得した特性は子供に受け継がれる可能性があるとか

      • 評価
      1. ※15
        ルイセンコ「やはり私は正しかった」

        • 評価
    5. ※3
      それはただ身体が成長して男らしくなってなっただけでは・・・

      • +2
    6. ※3
      水泳選手の多くは手ひれがあるらしいからね
      水にいると進化しちゃうのか、ひれ遺伝子にスイッチがはいるのか

      グッピーの場合、男らしく進化することとは
      チャラ男になってメスのケツ追いかけまわすこと

      • +1
      1. ※27
        グッピーのオスはオスの鏡です。
        すくった網の中でもメスを追う。
        死ぬ数時間前までメスを追いかける。
        ひたすら交尾のみ考えてる生涯はアッパレ。

        • 評価
  3. 今回観測されたのが本当に進化と呼べるものなのかという疑問は置いておくとして、
    これほど急速な変化が起こるにはグッピーの中に、現環境では使われていないが新しい環境へ移った際にも対応できる余裕が存在していなくてはならない
    その余裕として考えやすいのはゲノムの冗長性だろう
    脊椎動物の初期進化において全ゲノム重複が複数回起こり、そのたびに生息域が大きく拡大していることもこの仮説と一致する
    ということは、ゲノムサイズが大きい生物のほうが新環境でも生き残りやすいのだろうか?

    • 評価
  4. 天敵や捕食者の存在も、生息域における同種の密度も、等しく環境要因
    なのでそこに適応できた個体だけが子孫を残していくのは当然だし、結果として適応した遺伝子が発現する機会が増えるのも自然なことだよね
    いずれ人類100億人時代に適応した形質が獲得されていくのか

    • 評価
  5. 冷たい海に入る人は、だんだん耳の軟骨が飛び出てきて水が入りづらくなる(耳も聞こえづらくなるけど…)。
    人間も気づいていないだけで、結構いろんな隠しコマンドがあるのかも…。

    • +4
    1. ※7
      進化は遺伝子の変化のことを指す。
      それは何世代も世代交代して起こるもので、個体が特定の環境で長く暮らして変化することは進化とは呼ばない。

      • 評価
      1. ※17 その子供が産まれながら軟骨出てたら進化になる??
        というのも、床屋の2代目を継いだ友達が、親も自分もハサミの持ちすぎで薬指(だったか)が曲がってしまっていて、自分の子供が産まれたら、指の形がすでにハサミを持ちやすい形になっていたという話を聞いたことがある。
        つまり、変化が続くことが進化?なのかな、とちょっと思った次第でした。

        • 評価
        1. ※29
          分子進化的にいうなら、ある遺伝子集団の中で遺伝子の割合や種類の様相が変わる(固定化されている遺伝子が変動いていく)ことが進化なので
          獲得形質の遺伝(それがほんとにあるかは置いといて)は進化とは言えないだろう
          ただし、獲得形質の遺伝が遺伝子集団の変動に影響を与えるということはあると思う

          • +1
  6. 殺されたり病気で死んだりしない先進国の人達は子孫を作ろうとする意欲が下がってるし、人間もバランスを取ってるんじゃないかな。産めよ増やせよ言う人は人の税金で生計立ててる連中だし

    • +9
  7. 人間の長掌筋や足の小指や親知らずが退化していくのもこれ?

    • +3
  8. 人間も進化するけどグッピーほど速くない
    しかし環境の変化は恐ろしく速い

    • +2
  9. 「衣食足りて礼節を知る」なんて言葉も有るからな
    「衣食足りて進化を知る」な訳なのか?(少なくともグッピー的に)

    • 評価
  10. 寒い地方では体温を逃がさないように太りやすい体質に、暑い地方では体温を逃がしやすいように太りにくい体質に、という程度には人間も進化してる。

    • +1
  11. 環境因子によるエピジェネティクスな変化を「進化」とするなら、日本人の平均身長が年々伸びてるのも進化に該当してしまう気が

    • 評価
  12. 以前グッピー専門で飼ってたことがあるけど、グッピーが様々な品種を作り出せたのはまず、グッピーの旺盛な繁殖力があると思う。
    オスは死ぬまでメスを始終負いまわし交尾のチャンスを狙う。
    一度の交尾でメスは3回出産できる。
    卵ではなく卵胎生なので仔を産む。
    卵胎生の仔は大柄なので最初から大きめの餌を食べることができる。
    体も丈夫で環境に適応しやすく、繁殖力も強いのでその場所に適応進化すると思われるので決して放流しないでもらいたいものです。

    • +3
  13. とりあえず何を言っているかわからないけど、俺がガキの頃から進化していないことは科学的に明らか

    • 評価
  14. 学校で教える進化論を研究者は全く信じてないことがよくわかる。

    • -1
  15. 生殖細胞のDNAに変化がないと進化しないよね
    人間みたいに世代交代が遅い生き物の場合は
    進化もゆっくりだと思う

    • 評価
  16. グッピーの寿命が5か月
    それで2.3年で結果が出るなら
    人間に置き換えると5倍として
    500年後ってことか
    温暖化には追いつかないな!!

    • 評価
  17. 進化というか、もともとある程度の多様性を持ってて、
    環境によって生存個体数が変わって割合が変わるだけなのでは?

    人間だってぽっちゃりがモテる時代もスレンダーが持てる時代もあって
    その後はモテる個体の子孫が増えるけどそれだけにはならないやん?

    • -1
    1. ※28
      それの積み重ねが進化なんですが・・・

      • +2
  18. 捕食者のいない島での進化とかはその最たる例だわなぁ
    捕食者がいないから個体数の調整が餓死か病死になって、徐々に繁殖能力が低くなっていく(繁殖能力が高いとやたらに個体数が増えて環境収容力を超えてしまい多くが餓死する=やたら増えない個体が生き残るようになる=環境収容力に見合った繁殖力に落ちていく)というね

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

水中生物

水中生物についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。