これはらくちん。羊の上に乗ってくつろぐことを覚えてしまった、チャッカリ牧羊犬（イタリア）

　人間が羊を初めて家畜化したのは、数千年前のことだそうだ。羊飼いは、生活のため羊を飼育し保護する役割を担っているが、パートナーとなる牧羊犬にも重要な任務が課せられている。

　国や地域によって牧羊犬として使用される犬種は様々だが、現在は、機敏で聡明な犬種が選ばれている。牧羊犬は常に羊の群れが乱れないよう監視して的確に誘導することが求められるのだ。

　しかし中には、賢いがゆえにチャッカリタイプもいる。羊飼いの目を盗んで仕事をサボるのだが、そのサボりかたがすごい。

　羊がおとなしくしているのを良いことに、羊の背中に乗ってまったりとくつろいでいるのである。ウール100％の心地よいソファーに乗っているようなものだもの。そりゃ気持ちいいよね。 Doggo Makes Sheep Friends

羊をソファ代わりにくつろぐ牧羊犬の姿

　2017年の12月9日、イタリアのサルデーニャ島フォルドンジャーヌスでの出来事だ。羊飼いがいつものように牧羊犬の仕事ぶりをチェックしようと羊の群れに近付いたところ、ちょっとした違和感に気が付いた。

　何かがおかしい。最初は良くわからなかったが、犬が動いていないことに気が付いたのだ。

　通常、牧羊犬は羊の群れをまとめるために羊の周りを機敏に動く。しかし、この犬は動いてないばかりか、羊の群れの中にいるのだ。

　中というよりも上！

　羊に乗ってくつろいでいるではないか！

見つかっちゃっても動じないし、降りないよ

　世界中の文化において、牧羊犬というのは羊飼いの仕事を助け、羊の群れを常に注意深く監視する任務が課せられている。



　ところがこの牧羊犬、羊飼いが見ていないのを良いことに、サボることを覚えてしまったようだ。しかも極上のソファまでゲットしている始末。

　さらに犬は、職務怠慢中の姿を上司（羊飼い）に見られてしまったにもかかわらず、「ちゃんと仕事してますけどなにか？」と主張するかのようにカメラの前で一応吠えて見せ、仕事はきっちりやっている風を演出しているのだから面白い。

　自分から動こうとはせず、羊の背中に乗ったまま羊飼いの目の前であくびさえする犬は、羊飼いの反応を気にもしておらず、もはや完全リラックスモードだ。

　羊たちも犬に上に乗っかられても一向に気にしていないようだ。羊が動き始めると、背中に乗ったまま犬も移動する様子が動画に捉えられている。

密かに友情を育んでいたのかも？

　種は違えども、動物たちが長い時間を一緒に過ごすと、そこに深い絆や友情が芽生えることは多々ある。

　おそらく、この牧羊犬と羊は長年にわたり互いをよく知っており、ごく自然に絆が芽生えたのかもしれない。羊飼いの知らない間に、密かに友情関係を築いていたようにも見える。

　まるで犬が羊の家族の一員であるかのようなこの光景は、見れば見るほどほっこりしてくる。この光景を目の当たりにした羊飼いも、犬の職務怠慢を責める気にはなれなかっただろう。

　SNSに投稿された動画のキャプションには、「今日、私たちの羊には新しい毛皮の友達が同伴していました」と綴られている。

　この動画を見たユーザーらからは、次のような声が寄せられた。

・この犬、「仕事は、一生懸命するもんじゃなく賢くする」ってことを知ってるな。コスパ大事よね。

・一応、羊を守っているので良しとしようじゃないか。

・自分の仕事スタイルを持っている犬だ。

・羊の背中に乗っていたら大きく見えるから、もし敵が来ても威嚇になるんじゃない？

・仕事の仕方が優秀過ぎる！！

・これが本当の“シープドッグ”だ。

　ちなみに、羊の上に乗る犬は、この牧羊犬だけではないようで、YOUTUBEには他にも羊に乗る牧羊犬の動画がいくつかある。 Kelpie riding sheep

　牧羊犬界で、仕事をさぼるときには羊に乗るのがトレンドになっているのかもしれないし、そうでもないのかもしれない。 Papillion Dog rides sheep
written by Scarlet / edited by parumo
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