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高地で生きるため、オオカミの遺伝子を受け継いだ犬、チベタン・マスティフ(米研究)

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 まるでライオンのような威風堂々とした姿で、「東方神犬」との異名を持つ超大型犬チベタン・マスティフは、普通の犬では生きられないような空気の薄い高地であっても生存することができる。

 この驚異的な低酸素耐性は、大昔に彼らがオオカミから遺伝子を譲り渡されたことで獲得したものだということが、新たなる研究で明らかとなった。

オオカミから受け継いだ遺伝子

 『Molecular Biology and Evolultion』(7月30日付)に掲載された新しい研究によると、チベタン・マスティフは、過去のどこかの時点でチベットオオカミと交配し、2つのアミノ酸の情報を持つ突然変異遺伝子を受け継いだという。

 この結果として、彼らの体内に流れる血液の酸素吸収・放出能力がアップグレードされたのだ。

低酸素でも生きていけるようヘモグロビンをアップグレード

 チベタン・マスティフが他の犬種にはないアミノ酸を作り出す遺伝子を持っていることは以前から知られていた。

 今回、新たに判明したのは、このアミノ酸によって、血液の中で酸素を運ぶ役割を担う「ヘモグロビン」が変化したことだ。

 研究では、チベタン・マスティフとチベットオオカミのヘモグロビンを他の犬種のそれと比較した。すると、前者は空気が薄い状況でも酸素の吸収・放出能力が高いことが明らかになった。

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チベットオオカミ Image by:Stanzinnamgail/wikimedia commons

 「高地では酸素が少ないために、その補給が問題になります」とアメリカ・ネブラスカ大学リンカーン校の生物学者トニー・シニョーレ氏は述べている。

 彼によれば、ヘモグロビンは酸素をくっつける磁石のようなもので、チベタン・マスティフのそれは単純に普通よりも強力な磁石であるのだそうだ。

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Image by ~User7565abab_575/iStock

かつて、チベットオオカミに起きた突然変異

 遺伝学的な調査によれば、大昔、チベットオオカミの体内で、なんらのタンパク質情報もコードされていない不活発なDNAに突然変異が起きた。

 そしてどこかの時点で、これらの突然変異が活性遺伝子にコピーされ、これによってヘモグロビンが変化したと考えられるという。

 こうして低酸素状態に耐えられるようになったチベットオオカミの個体は、標高の高いところへと移動するうちに、やがて一族の中で主流を占めるようになった。

 そうしたオオカミの遺伝子が、今度はチベタン・マスティフに受け継がれ、同様に彼らの間で広まっていったのだそうだ。

References:Tibetan Mastiffs Bred with Mountain Wolves to Survive at Super-High Altitudes | Live Science/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 26件

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  1. 全ての犬がオオカミの遺伝子受け継いでるんじゃないのか?

    • +6
    1. >>1
      犬として確立された後、新たに狼の遺伝子が組み込まれたってことじゃないかな

      • +24
    2. >>1
      柴犬「然り。そしてわれわれがいちばんこい」

      • +2
    3. チベットオオカミのほうがチベタン・マスチフより小さく見えるw
      実際はどうだかわからんが

      ※1
      イヌとして枝分かれしたあとに、
      再びオオカミの血が入ったということだと思う

      • +8
    4. >>1
      チワワ見て「これはオオカミ」って思える?

      • +1
  2. 空気が悪いとすぐ死ぬっていうのも、このルーツと関係あるのかね。
    特定のアミノ酸を作るとか性格を決めるとか体型を決めるとか遺伝子って何でもありだよね。

    • 評価
    1. ※4
      遺伝子は「特定のアミノ酸を作る」ことしかやってないのでは?
      その後の結果が体形や肌の色なんだと思う
      性格ってのはどうなのかな。環境の影響も大きいことだし、
      遺伝するのは「傾向」程度じゃないの?

      • 評価
  3. 人間で言えばvo2max値の高いアスリート、または山岳民族のような高地に順応した体を持つ、ということかな。

    • +3
  4. 変異種は通常種の群れの中でイジメられて追い出されてより酸素の薄い高地へ追いやられて、一層低酸素耐性を強めて行ったのかも、なんて想像して悲しくなってしまった

    • 評価
    1. ※10
      いじめられてというより、低酸素耐性が高い個体は生息域が広がることで他の個体より生き延びやすく、かつ子孫を残しやすかったんじゃなかろうか
      そも目に見える変化があるのか分かんないし…

      • +6
  5. 「世界一高価な犬」だね 安い交配種もたくさん生まれてて純血はすごく少ないんだってね

    • +3
  6. 威風堂々というよりは生活に疲れて丸くなったオッサンって表情に見える

    • +4
  7. テンジュの国って漫画に出てくる
    欲しくて値段を調べたら恐ろしくてすぐ諦めた…中国が目をつけるわけだ

    • 評価
    1. ※15
      金持ちがみんな欲しがるから、沢山ブリーディングして、それでも数が用意できないから他の犬種とまぜた大量の雑種チベタンが作られ、中国の住宅バブルの影響で世に大量のチベタン(+雑種)が出回るようになったんだが、元々躾が難しく、子犬時の躾に失敗すると熊や虎に匹敵する気性の荒い猛獣になるらしい。 

      さらに言うと、飼い主の殆どは金持ちアピールの自己顕示欲のために飼うので、躾を満足にしなかったり、他人任せにしたせいで手の付けられない危険獣化して大問題になってるらしい。 それのせいでチベタンの価値は暴落して、誰も欲しがらないゴミカスみたいな存在になってるって中国のニュースサイトで見た。

      • +3
      1. >>25
        中国人は躾をしないらしいね。先日も放し飼いのシェパードが子供を食い殺したってニュースが。かなり頻発してて問題になっているらしい。

        • +1
  8. こんなん表走ってたら脱走したライオンかと思って通報するわ普通に🦁

    • +7
  9. チベットオオカミとは似ても似つかんな・・・
    寒地に適合するとこんなモッサモサ(モフモフではない)になるのか。

    • +2
  10. もっと荒くれてる画像あったけど、ケルベロスかよと思ったわ。

    • +3
  11. 前からオオカミ系はスタミナがあるイメージはあったわ

    • 評価
  12. 飼い方とかいろいろあるんだろうけど、えらいこと凶悪な面もあるみたい…
    中国で飼い主食べちゃったとかそういう類のがちらほら。

    • +2

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