
これは対物性愛と呼ばれていて、その対象はおもちゃから家電、建造物など様々だ。
なぜ人ではなく動物でもなう物質に恋愛感情を抱いてしまうのか?
人間が嫌いになるようなトラウマ経験によるものという説もあれば、共感覚(シナスタジア)により物を人間と同一視していまうという説もある。まあとにかく多様性の1つの形ではあるのだろう。
ここでは浮き輪のおもちゃ、石橋、自由の女神(からのシャンデリア)に恋した3人の物語を見ていこう。
浮き輪のおもちゃに恋する男性(アメリカ)
アメリカ、カリフォルニア州に住むマークさん(27歳)は、良い教育を受け話術にも長け、フルタイムの仕事を持ってしっかりと地に足がついた生活を送っている。しかし、彼が愛する対象は普通とはちょっと違う。マークさんは、空気を入れて膨らませて遊ぶプール用おもちゃに恋しているのだ。コレクターとしておもちゃ集めに夢中になるのではなく、おもちゃに恋愛感情を抱いているのだ。
I Love My Inflatable Animals | My Strange Addiction
マークさんの側には、ドラゴンのドレカ、サメのサミー、グリフィンのギャビンなどそれぞれ名前が付けられたプール用おもちゃがある。これらのおもちゃに恋するようになったのは、マークさんが14歳の時だったそうだ。
普通に人ともデートをしてみたよ。でも、相手にも生活があるしずっと互いに側にいることができないだろう?もし、僕が辛い時を乗り越えなきゃならないとしたら、相手にはしっかりとハグして寄り添っていてほしいんだ。このプール用おもちゃならそれが可能さ。しかし未だこれという運命の相手にはまだ巡り合っていないようで、「心のままに任せている。どれを見ても可愛いと思うし、一目ぼれしちゃうんだ」とマークさんは話す。
橋と結婚した女性(オーストラリア)
オーストラリア人のジョディ―・ローズさんの結婚式のビデオは、一見他の人たちの結婚式と変わりないように見える。しかし、彼女の隣には人間の新郎の姿はない。ジョディ―さんが立っている橋が新郎なのだ。
Woman falls in love with 'strong and sturdy' bridge and decides to marry it
この橋はフランス南部にある14世紀に造られた石の橋である。ゆえに新郎の年齢は約600歳だ。結婚式には14人のゲストが出席し、近隣のサンジャンドフォス市の市長からも祝福を受けたという。
その時を回顧して、ジョディ―さんはこのように話している。
とっても美しく、ワクワクした気持ちになりました。結構ナーバスにもなっていたし、まさに花嫁のような気持になれたわ。夫(橋)は、とってもハンサムで強くて頑丈よ。この橋こそ、私が繋がれるもので、そう思わせてくれる根拠を(夫は)与えてくれるの。
自由の女神からシャンデリアに恋した女性((イギリス)
イギリス人アマンダさんのケースは、ニューヨークにある自由の女神像だった。初めて自由の女神像を訪れた時、アマンダさんは体の中が溶けるような感覚を味わい、胸がドキドキし、口を閉じることができず、自分の体重も感じられなくなった。
初めて、自由の女神像の窓の内側部分に触れた時には、電気ショックを感じ、体全体がエネルギーで満たされた気持ちになったという。
People Who Love Objects: Amanda Liberty
最初に恋した物は、ドラムキットだったんです。でもそれが愛とはわからず、「ドラムキットに恋している自分って何なの!?」と、ただ困惑してしまいました。そして、自由の女神に恋に落ちたわけである。一旦ひとつの物に恋に落ちれば、アマンダさんの愛は真剣なものとなり、浮気をすることはない。アマンダさんは、法的に名字を「リバティ」に変更し「リバティ・アマンダ」となった。
2番目に恋したのは、アメリカの国旗でした。あの星とストライプが描かれたお馴染みの旗です。でも、とってもバカバカしくて子供っぽく感じたからすぐに他の物に気持ちが移ってしまいました。
しかし、その後アマンダさんは運命の相手を知ることになった。イギリスのアンティークショップで、シャンデリアに一目ぼれしたのだ。
シャンデリアを見た時に、「絶対連れて帰らなきゃ」と思い購入しました。家に帰ってすぐ包装を解いて、膝の上にのせてみたんです。現在、アマンダさんの家にはたくさんのシャンデリアが飾られているという。アマンダさんは、その1つの「ルミエール」と名付けたシャンデリアと婚約したそうだ。
この時、特別な繋がりを感じました。バチっと火花が散ったような感覚になって、「オーマイゴッド!何が起こったの!?私は自由の女神に恋していたのに。他の物を愛するつもりなんてないのに」って思ったんです。
33-Year-Old Woman Is Engaged to a Chandelier Named Lumiere
対物性愛は共感覚と関連性があるとする研究家
性科学者のエイミー・マーシュ博士は、何十人もの人々に取材をし、オブジェクト・ラブ(物への愛)、つまり「対物性愛」に関する世界で唯一の研究を終えた人物だ。マーシュ博士は、実はこのような風変わりな関係は珍しくはないと言う。
彼女の研究によると、物に恋するこの状態は、これまで定説とされていた、小児期のトラウマや過去の悪い人間関係とは無関係だという。
1つもしくは複数の物に対して性的、または愛情を含んだロマンチック志向を持つ人々は、非常に頑強で豊かで複雑な関係を築きます。結論としては、真実の愛は抑制できない強力なものであるということです。同博士は、共感覚(シナスタジア)を経験する人にとっては、物に恋することは非常に現実的だと述べている。
人が物に対して感情的な価値を持っていると信じている限り、それがたとえエッフェル塔やベルリンの壁、もしくは魚眼の形をした穴のボタンであっても、関係ないのだ。
そう、もちろん二次元だってね。
References:Object love: when people fall for pool toys, bridges, and the Statue of Liberty | Sunday Night/ written by Scarlet / edited by parumo
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コメント
1.
2. 匿名処理班
生物をモノ扱いするより断然「人間」らしいぜ。
3. 匿名処理班
見返りを求めていないと言う意味では本物の愛情なのかもしれないね
4. 匿名処理班
ちょ…最後の一文、全腐女子相手に、なんっちゅうパワーワードだよ?
5. 匿名処理班
これらの者への愛と二次元への愛は同じものじゃないと思う。
二次元でも人型以外物は同等に近いと思うけど。
6.
7. 匿名処理班
モノに惚れる、というのは多かれ少なかれ職人なんかには普通にある感覚だが。
フェチというか、道具は相棒のコイツでなきゃダメなんだよ!っていうのはね。
でもそれで結婚とか・・・は、ちょっと違うな。
8. 匿名処理班
こういうのはあらゆる種類があるよね
アスファルトの道路にすっぱだかで大の字になってうつぶせに寝ていて警察に捕まった男は、道路を愛していたとか、いろいろ興味深い話はいっぱいある
記事を読むと相手(?)はなんでもいいってわけじゃなく、選り好みがあるのが意外と普通の恋愛と似てて興味深かった
9. 匿名処理班
なんつうか真に理解は出来ないが
好きな相手とずっと一緒にいたい欲求はなんとなくわかる
しかしそれでいうと橋とか自由の女神とかデカくて外に置いてあるものはなぁ〜……結婚したところでどうすんのって感じ
3番目の彼女がシャンデリアに心を移したのは無理もないような
10. 匿名処理班
空気で膨らます嫁と結婚してる人は
珍しく無いと思うんですが。
11. 匿名処理班
>>4
だから腐女子と二次元恋愛は別だと何度言ったら(
12. 匿名処理班
人以外に恋するのはわかるけど
結婚した人は相手から同意を貰ってるのかしら?
物として買われた相手に求められるまま同意も無しに結婚させられる石橋くんやシャンデリア嬢は居ないの?ちゃんと愛し合ってるのかしら?
物に恋するなら永遠の片思いになる覚悟も必要だよね
13. 匿名処理班
物に惚れ込むのとは違うんだよな?
脳内では擬人化でもしてるんかね…?
高度過ぎてちょっと理解が難しいや
14. 匿名処理班
>これまで定説とされていた、小児期のトラウマや過去の悪い人間関係とは無関係だという。
>結論としては、真実の愛は抑制できない強力なものであるということです。
共感覚と対物性愛の関連の真偽はともかく、
この点は何となく解る。
昔は同性愛なんかも
「異性に対するトラウマで正常な恋愛関係が築けなくなり〜」
みたいな見方をする人が多かったけど
(そして、真性の同性愛者でなく、環境要因から二次的に
恋愛対象が同性に向くタイプも確かに存在はするけれど)、
トラウマとか何とか関係なく、同性愛者は単に最初から
性愛の指向性が同性を向いているだけ、
というのが現在の解釈だし。
15.
16.
17.
18. 匿名処理班
※14
元からその素質だった人が、
周りの「普通」を強制される→やっぱり合わないので傷つく→
その結果自分の素質に気づく。
推し量りのない周りの人が、「やっぱり合わないので傷つく→その結果自分の素質に気づく。」という部分だけをくり抜いた結果だろうね。
というか、トラウマで変化するなら、
その辺のふられ上手なナンパ師とか、みんな同性愛になっちゃうだろうに。
19. 匿名処理班
>>3
相手側からの感情は一切無視って辺り愛情とは違う気もする…
20. 匿名処理班
本人がそれを幸せと感じているならそれでいい
橋などの公共物を占有するなら問題だけど
21.
22. 匿名処理班
「ドラムや星条旗との恋愛を経て自由の女神と結ばれるも最終的にシャンデリアと結婚」とかもはや「スパイの暗号かな?」ってレベル。
23. 匿名処理班
>>4
まだ女オタを総じて腐女子とか言っちゃう人?
24.
25.
26. 匿名処理班
相手の意思を考えない思いなんて
愛と言ってはいけないと思うんです
27. 匿名処理班
ナイトスクープのマネキン思い出した
28. 匿名処理班
目立ちたいから愛しているふりをする奴もいるだろう。
29. 匿名処理班
こいつらのいう恋愛感情が他の人と同じとは限らないと思うが
ただ倒錯してるだけに見える
30. 匿名処理班
うわあ、これ、名前があったんだ
自分も愛する対象があって、そのために引越ししてそのための部屋も用意して、
もう数百万はつぎ込んでて、毎日挨拶して語り合って無理だけど本気で結婚考えてる
(コメントにあるように相手からの同意はまだ得られていないと思うから、
環境を整えるだけにとどめているけども)
誰の目にも触れさせないようにしていておそらく誰にも理解されないだろうから、
出来るだけ外では普通にして無趣味に見えるようにしている
初めて語れる場があってちょっと興奮している 良記事をありがとう
31. 匿名処理班
恋愛対象が「人間なのが人間以外なのか」で分けるより、恋愛対象が「人のかたちをしているか、していないか」、という所で分けた方が整理して考えやすいかも・・?
32. 匿名処理班
※31
それな
和製ゲームでよくある「擬人化」とか呼ばれてるやつ
あれ実際にはただの美少女化とかイケメン化だからな
艦これのキャラを愛してるからといって対物性愛者なわけではない
33. 匿名処理班
スホーイ27フランカー複座型の機首のラインのあまりのセクシーさにおっきしたことはある自分だが、だからと言ってフランカー複座型は俺の嫁!!とは言えない。
言わないし、擬人化すりゃいいのかってものでもない。
理解を超える人たちではある。
34. 匿名処理班
※27
あのマネキンと結婚した人は
何年後かに生身の男性と結婚して子供にも恵まれてたね
なんかホッとしたけど、当時の心境を詳しく聞いてみたいw
35. 匿名処理班
※27
同じく!今どうしてるんだろう
36.
37. 匿名処理班
※34
そうそう、DVD付録の冊子に書かれたその後を読んでほっとしたよw
38.
39. 匿名処理班
性的な目で見てる物はあるけど、高価だから簡単には買えないし維持も大変そうだから一生片思いでいいやと思ってしまう……
結婚する行動力があるだけですごいわ
40. 匿名処理班
二次元などのフィクション作品のキャラに恋するのは
どっちかというと宗教の神仏を崇拝するのにもにている気がする
それ以前に実在していないので少なくとも対「物」ではないと思いますよ
※32
一方刀女子は本物の刀にもハマってときめく方がいるから
ひょっとしたらその中に対物性愛におちいる人がいるかも知れない
41. 匿名処理班
自由の女神「何もしてないのにフラれたわ…」
42. 匿名処理班
※32
二次は擬似恋愛みたいなものでこれらとは別物だよね
>ハグして寄り添っていてほしい
物には無理勝手にハグしてるだけで一方通行
43. 匿名処理班
結婚はともかく、車好きには割と多い気がする。
44. 匿名処理班
>>29
社会的に人の感情を倒錯とか言い出すほど定義する方が倒錯してると思う
45. 匿名処理班
>>43
エンジンついてるとまるで生きているような錯覚が生まれるんだよね。
車やバイクの正面は顔に見えるし、操作するとレスポンス得られるしで対物性愛とはちょっと違う気がする。
46. 匿名処理班
小学生のころからカラーコーン(三角コーン)が異常に好きなんだけど、対物性愛って言葉を初めて知った。
迷惑かけなければ大丈夫だよ…ね。部屋のコーンはもちろん買ってる。
47. 匿名処理班
対物性愛者だけど特にトラウマがあったわけでもなんでもない
人間には一度も魅力的に感じたことがなくて物にはとても魅力を感じるというだけ
本当に完全に生まれつきです…
48.
49. アユラ
>>43
オリラジの藤田さんだっけ?新調した愛車の事を
いつも彼女って、はしゃぎながら説明してました💧