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テントウムシの羽をパカっと開くと本がいっぱい!夢がいっぱいつまったテントウムシ自転車の移動図書館

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image credit: Krisada T. Prachaya/Facebook
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 図書館は知の宝庫だ。求めるものにはその宝を惜しげもなく差し出してくれる。また、知識を得るために本を読むだけではなく、冒険やロマンスを求めて物語の世界に入り込むのも、本の中に一生の友達を見つけ出すのも、またよいものだ。

 だがしかし、特に小さな子どもたちには、自分で図書館に出かけていくのは難しいということも多かろう。そんな人々のために、図書館の方が近くへ来てくれるのが、「移動図書館」というシステムだ。

 この「移動図書館」には、マイクロバスの内部を改造して用いられることが多い。だが、別にバスに限ったものでもないのである。子供たちの心をくすぐる様々なタイプのものが登場しており、アルゼンチンでは戦車型の移動図書館が登場していた。

 戦車ではちょっと怖い?それならこんなのはどうだろう。自転車を改造してつくられた、こんなかわいいテントウムシ型の「移動図書館」が中国に登場したのだ。

テントウムシ型の、子ども向け移動図書館

 この車両の名前は “Shared Lady Beetle”、日本語にすると「共用テントウムシ」だ。中国のデザイン事務所「ルオ・スタジオ」の創設者、ルオ・ユージー氏のデザインである。

 牽引している前半分は、普通の自転車を改造した三輪車である。本体は、後ろの部分を尖らせた楕円形だ。本体の長さがかなりあるので、最後部にもう一つ車輪がついて、バランスをとっている。

 本体は金属板で覆われており、ちょうどテントウムシが羽根を広げるように側板を開くと、三段の棚が現れる。棚板は上に行くほど狭くなっている。

 本体には、本を一山と、さらに、小さな子どもを一人や二人のせても持つだけの耐久性がある。やってきた子どもが、一番下の棚に座って絵本を読んでいても大丈夫。

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車両は全てリサイクル部品でできている

 さて、この車両に使われている材料は全て、リサイクルされているものなのだ。

 前半分は、使用期間を過ぎたシェアサイクルである。数年前に起こったシェアサイクルブームによって、都会では需要を超える供給が生み出されてしまい、全く傷んでいないままに使用期限を迎えて捨てられるのだそうだ。

 車両の外側は廃車の金属板、内側の棚は、エコフレンドリーな工場から出る端材だ。

 自転車をはじめ、これらの「材料」は鉄やゴムなどといった全く希少性のない物質である。収集・再生しても利益が出ないため、放置されているのだ。ルオ氏は「共用テントウムシ」によって再利用を促したいとも考えている。

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 また、この一台に積んである本は、全てルオ氏の友人たちから寄贈されたものだ。

 「この小さな図書館が街のどこかで開いているときには、誰でもそこにある本を読んでいいし、自分の本を持ってきて、気に入った一冊と取り替えてもいい」とルオ氏はウェブサイトで語っている。

 レトロでスチームパンク風で大人がみてもかっこいいね。

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子どもたちの夢を載せていくテントウムシ

 ルオ氏がこの共用テントウムシの制作を思い立ったのは、ある友人がきっかけだった。

 この友人は、科学技術・工学系の教育の専門家である。手作りのたくさんの小道具を、買い物用のカートに詰め込んで出かけるのだ。

 これをみたルオ氏は、一手間だけで中身が展示できる車両をつくれないものかと構想したのである。その結果がテントウムシだ。

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 スタジオのウェブサイトによると、テントウムシは「都会の木々の葉の上を歩いている益虫」として捉えられている。テントウムシが羽根を広げると、子どもの目の高さに、ステキなもののいっぱい詰まった棚が現れるのだ。

 テントウムシに積むものは、本でも、小道具でも、実験機材でも、人形芝居の道具でも何でもいい。棚板は好きなように増やせる。

 テントウムシを見て寄って来た子どもたちが、羽の中に格納された品々を見て目を輝かせる。ここで出会った喜びの中から、未来を創る力が生まれてくるだろう。

References: Colossal / Laughing Squid / Luo Studio など / written by K.Y.K. / edited by parumo

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この記事へのコメント 26件

コメントを書く

  1. アイディアを形にする実行力が凄いと思った
    普通は思い付いてもやらないだろうに
    テントウムシが可愛いから形にしたかったのだろうか
    形にするのに、どれだけの根気が必要だったか?

    • +19
  2. テントウムシってこんな縦長だっけ。
    アイデアと実現する力はとても素晴らしい。

    • -6
  3. マジの「てんとうむしコミックス」か。
    マジのポプラ舎もあったな。

    • +13
  4. 本は結構重いから自転車で牽引は大変じゃ…と思ったら、さすがに本棚にみっちり積んでるわけじゃないんだね
    (もしかしたら広報写真とかで見栄えがするように減らしてあるのかもしれないが…。)

    • +3
  5. てんとう虫というかカブトムシのメス…

    • +4
  6. ドアヒンジの部分が曲がってる事に気付いてから気になってしょうがない人は私だけか?

    • -1
    1. ※8
      ヒンジは応力集中が厳しいからねぇ。
      芸術家さんだけではなくて、職人さんの助力乞う!

      • 評価
  7. これは大人もワクワクする
    移動図書館や私設図書館がもっと増えるといいな

    • +15
  8. 色が思ってたのと違った・・・w
    赤いナナホシテントウを思い浮かべてたw
    でも、とっても素敵な発想。

    • +2
  9. うわー、ナウシカの「蟲」だー。
    人力ってとこが、またイイね。
    小学生以上は読書ギライが増えるけど、
    絵本きらいって子はいないから、
    たくさんの名著に触れてほしい。

    • +4
  10. 素敵~
    こういうロマンと遊び心あふれる物は本当惹かれる

    • +3
  11. てんとう虫には見えないけど なんかいいな
    それと ゆっくり運転しないと中身がぐっちゃぐちゃになりそうだ

    • +3
  12. 何か既視感あると思ったら、昔の紙芝居だ。
    自転車にお話し積んで、お菓子も積んで、子供たちを楽しませる。
    デザインはずっと洗練されているけど。

    • +6
  13. てんとう虫レコードプレーヤー(おっさんしか知らんかも)みたいな感じを想像したら
    なんか凄え格好良いのが出てきた

    • +1
  14. ごめんなさい
    テントウムシには全く見えないよ。どう見てもゲンゴロウ?
    発想はエコな感じが満載で素晴らしいね!

    • -2
  15. コンセプトも素敵だけど、形もとにかくカッコいい!

    • +2
  16. てんとう虫つながりで、子供の頃に読む本はまさに黄金体験だしね。

    • +2
  17. 気に入った本があれば自分で一冊持ってきて入れ替えてもいいっていうのが面白い

    • +7
  18. 男の子は、冒険ものが大好きだからな、本の表紙を見るだけでワクワクするんだろうな。若いうちに情操を育ててほしい。

    • +1
  19. なんか、妙に手厳しいコメントが散見するのが残念。

    • +1

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