
image credit:Clay Bolt
その大きさはセイヨウミツバチの約4倍ほど。空飛ぶブルドッグの異名を持つ「ウォレスの巨大バチ(学名:Megachile pluto)」が、英国の博物学者アルフレッド・ラッセル・ウォレスによって最初に記述されたのは1859年のこと。だが1981年以来、野生で目撃されたことはなく、絶滅したものと考えられていた。
ところが、インドネシア北マルク州の島で、今もなお生きていることが40年ぶりに確認されたのである。
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成人男性の親指サイズの巨大ハチ
世界最大のハチというだけあって、体長は約4センチ、羽を広げると約6センチ。更に大きな顎が特徴だ。にもかかわらず、これまで誰にも気づかれなかったのはどういうわけだろう?と不思議に思うかもしれない。
確かにハチは大きいが、地球はもっと大きいから、というのが答えなのだろう。
なにしろ1859年の最初の発見から1981年までも、Megachile plutoはやはり今回と同じように行方不明であった。
その年、昆虫学者のアダム・メッサーが羽音を耳にして、標本を回収。ようやく存在が証明されたのである。だが、このときは生きている姿を伝える資料までは残されなかった。
今回再会を果たしたプリンストン大学のエリ・ワイマン氏は、先人よりもメディア受けをする方法に詳しかった。
調査にはハチ専門の写真家クレイ・ボルト氏が同行しており、プラスチックの容器に入れられた生きたままのMegachile plutoの姿がはっきりと動画に収められている。
いかつい姿に似合わず、意外にも草食系
ウォレスの巨大バチは滅多にお目にかかれないために、その生態についてはほとんど分かっていない。その大顎からは肉食性だろうという印象を受けるが、じつはそれはシロアリのように木の樹脂を削り取るために使われる。
小さな親戚であるセイヨウミツバチ(大きさは4分の1)のように、Megachile plutoは果汁や花粉といった無害なものを食べているのだ。

image credit:Clay Bolt
日本にいるオオスズメバチの方が大きくない?と思ってウィキペディアで調べたところ、女王バチのサイズが4 〜 5.5センチ。働きバチが2.7〜4センチ、雄バチが2.7〜4.5センチだった。ウォレスの巨大バチはメスの場合、6.35センチになるそうだから、世界最大はウォレスの巨大バチということになるのだろう。
絶滅が危惧されていたゾウガメも再発見
絶滅されたと考えられていながら、再び発見されたのはウォレスの巨大バチだけではない。ガラパゴス諸島の固有種であるフェルナンディナゾウガメ(Chelonoidis phantasticus)は、1906年以来絶滅したと考えられていた。だが、最近になってそのメスが発見され、多少体重は軽いが健康であることが確認されたのである。
Giant tortoise thought to be extinct discovered in Galapagos
こうした再発見は奇跡のような出来事であり、依然として多くの動植物が絶滅に追いやられつつあることには違いはない。それを証明するかのように、最近の研究では、世界の昆虫のバイオマス(総重量)が激減していることが判明している。
フェルナンディナゾウガメの生存が確認された一方で、また別のガラパゴスの固有種であるピンタゾウガメは、2012年に最後の個体が死んだことで絶滅種のリスト入りをした。
References:World's largest bee rediscovered and now you might never sleep again/ written by hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
これは良い生きとったんかワレ
2. 匿名処理班
ハチより大きいから、キュウ なんちゃって
3. 匿名処理班
そして数年後
発見者の彼は自宅の床下から無数の羽音を耳にし 剥がしてみると..
4. 匿名処理班
ニホンカワウソもどっかで生きてたりしないかな
5. 匿名処理班
ちょっとした小型犬くらいあるじゃん。しかもそんだけ大きくて採集型とか
まあそのサイズでスズメバチだったらマジ怖いからいいけどね
6. 匿名処理班
カラパイアさんの動物ネタはいつも興味深いわ
スズメバチの世界最大がまさか覆されるとはねぇ
7. 匿名処理班
こういうのってそっとしといてあげたほうがいいと思う、どっかのペンギンみたいなことにならないことを祈る
8. 匿名処理班
テラフォーマーズ化待ったなし…かと思ったけど意外にも草食系とかむしろ発見場所伏せて保護してあげてほしいわ。見た目だけで排除されそうな体型だし。
9. 匿名処理班
ゾウガメさんもいきとったんか
10. 匿名処理班
巣とかどんなサイズになっちゃうのか
11. 匿名処理班
オオスズメバチの大きさ気になってので調べてくれてサンクス。
ちょっと小さいだけでスズメバチのほうが断然脅威やな。
それに色がなんかハエっぽい。おなじ草食系のハチの熊蜂さんやマルハナバチさんの可愛さは段違いやな。
12. 匿名処理班
草食系の穏やかなミツバチと言っても、刺されたら絶対に痛いだろうな(大汗)。
13. 匿名処理班
手のひらくらいのサイズ?めっちゃでっかい!
よく今まで見つからなかったねぇ
14. 匿名処理班
どんな巣に住んでいるのか知りたい。
15. 匿名処理班
実はニホンオオカミも
16. 匿名処理班
※2
すき
17. 匿名処理班
ワイらのそのうち実は生きてましたみたいな絶滅危惧種になるんやろうなぁ・・
18. 匿名処理班
世界最大おおすぎ
オオスズメ、メガララガルーダ、オオベッコウ、ウォレスの4種であればどれが世界最大になるんだろうか、最大と感じるのだろうか
既存標本を並べたのが見たい
19. 匿名処理班
なかなか見つからないって事は群れを作らないタイプの蜂なんだろうな
20. 匿名処理班
再発見されたことは、この生き物たちにとって良いことなのだろうか?
21. 匿名処理班
>>3
発見者めっちゃ喜びそう。
22. 匿名処理班
今生物が減ってるってのは環境破壊もそうだけど磁場がどんどん弱ってるのも大きいらしいね…
人類の所業含めてホントに地球が生き物を殺しにかかってるみたい
23. 匿名処理班
ミツバチのようなかわいさもなく、スズメバチのようなカッコよさもなく、イマイチ不細工な面構えの蜂だなぁ…。
24. 匿名処理班
ちょっとしたザビーゼクターだなw
25. 匿名処理班
細かいことを言うと原文記事の"bee"はハナバチ類のことでこの中にスズメバチは含まれない。スズメバチは"hornet"だし、英語ではスズメバチ類のことを少なくとも"wasp"と呼んで区別するので、厳密には多分「世界最大のハナバチ」。
どちらにしてもハチ類の中でも最大級だろうし、詳しいことも判明していってほしいから末永く生き延びて欲しいなぁ
26. 匿名処理班
みつけたハッチ
27. 匿名処理班
すげっ なにこのクワガタ
28. 匿名処理班
(絶滅しとけよ...)
29. 匿名処理班
※14
元記事のほうで、発見者は木の幹に作られたアリ塚の中を探してた様子だから、古いアリ塚を間借りしてるのかもね(アリ塚そのものは人の顔くらいの大きさ)。
30. 匿名処理班
デケー!
31. 匿名処理班
警戒色じゃ無いから危険じゃないな
多分
32. 匿名処理班
草食系といってもやはり刺すんだよね?
針も太そうだから痛みもすごそう…
33. 匿名処理班
キラービー
34. 匿名処理班
音ゲーで有名なメガララ・ガルーダとは違うのね
35. 匿名処理班
こんなのに出会ったら絶叫して逃げ出すわ
36. 匿名処理班
これ違う映像でこの前見たけど、大きさはこの巨大ハチなのか
わからんが、うーん
わが家によく来る大スズメバチの方が大きく見えてしまうな
でもたぶん、この世界最大ばちの実物目の前にしてないからなんだろうな?
37. 匿名処理班
へたなクワガタより立派な大あごしてるな、、 こんな凶悪な形の顎使ってなにするんだろう?
38. 匿名処理班
オニヤンマ「おやつ」
39. 匿名処理班
スズメバチの系統から遠いミツバチ系統なのが驚き
40. 匿名処理班
形はハキリバチっぽいな。単独で動くタイプかな
41. 匿名処理班
トップの画像、何かに似てるなあと思ったら
鉄腕アトム『地上最大のロボット』のアトムvsプルートウみたいだな
42. 匿名処理班
思ってたより大きいです。
43. 匿名処理班
コイツの女王見てみたいな
こわ
44. 匿名処理班
発見、発見と騒がれる彼ら自身からしたら全く喜べる話じゃないだろうな
興味本位や調査やらで本来出会わなくても良かったのに人に住処を踏み荒らされるんだから
たまにはそっと放っておくことも大事じゃないかな
45. 匿名処理班
※2
そっか、小さいハチがいたら、それは「シチ」なんだね。
46. 匿名処理班
VODでスタングの予告を見たばかりなんだがwww
47. 匿名処理班
おっとり顏だよね?垂れ目だし間が抜けてるというか可愛い。木魚みたい
オオスズメはイカツイオラオラで迫力有るのにこの差はどこから来るのだ?
食べ物って関係するのかな?
48. 匿名処理班
クマバチの旦那にワンパン入れてもらいまひょ!
49. 匿名処理班
「いよいよもって死ぬがよい そしてさようなら」
とか言い出しそうでこぇーよ(涙)
50. 匿名処理班
太いorフサフサしてる奴は
大体良い奴。
51. 匿名処理班
これカリバチじゃ無くてハナバチ?