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銀河のような目を持つカエルのロミオ。種最後の生き残りと考えられていたが10年後、ついにジュリエットと巡り合える

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image credit: MATIAS CAREAGA/MUSEO DE HISTORIA NATURAL LCIDED’ORBIGNY
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 ボリビアで発見された銀河のような目を持つこのカエルはオスで、ロミオと名付けられた。彼はその種の最後の生き残りと考えられてきた。

 だが、ついにジュリエットに巡り会えたようだ。

 10年を孤独に過ごした彼だったが、見事にこれを耐え切った。

 彼の物語は、どんなぼっちにも勇気を与えるだろう。たった1匹だけで飼育され、虚しく恋の歌を歌ってきたロミオが見せた忍耐には感嘆を禁じ得ない。

 その忍耐がついに報われたのだ。

1匹しかいないと思われたカエルに仲間がいた

 人里離れたボリビアの雲霧林の奥深くでようやくロミオの仲間が見つかった。

 ロミオは、セウエンカス・ウォーター・フロッグ(Sehuencas water frog/学名 Telmatobius yuracare)と呼ばれる種だが、同種であるメス2匹とオス3匹が発見・捕獲されたのだ。

 ボリビア自然史博物館では、現在、いつの日か自然界に還すために、この絶滅が危惧されるカエルの繁殖を計画している。

 野生でその個体数を維持するには十分ではないかもしれないが、だからと言って保全を試みない手はないだろう。

ロミオの水槽の中に入れられたジュリエット

 ロミオが暮らす水槽の中に入れられるのは、捕獲された中でも一番元気がいいメスのカエルで、もちろん名前はジュリエットだ。 

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ロミオの運命のカエルとなるかもしれない同種のジュリエット

image credit:Robin Moore, Global Wildlife Conservation
 発見者のテレサ・カマチョ・バダーニさんによると、ロミオは結構シャイボーイなのだが、ジュリエットは社交的な女子で、ぴったりのカップルになると期待しているそうだ。

 本家ロミオとジュリエットよろしく、2匹が無事結ばれるとは限らないのだが、少なくともロミオの方はすでにジュリエットにぞっこんなようだ。

6度目の大量絶滅は既に起きてる?両生類に絶滅の危機

 科学者は現在、地球上で6度目の大量絶滅が起きているのではと危惧している。そして、この傾向は特に両生類で顕著だ。

・6度目の大量絶滅まであと100年くらい?我々は今、大量絶滅の最中にある。 : カラパイア

 国際自然保護連合によると、「絶滅危惧」に区分される両生類は、鳥類と哺乳類を合わせたものとほぼ同じ数に上っているという。

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 その4割が絶滅の危機にあるという推定もあり、すでに3分の1近くが絶滅危惧種に指定されている。

 ボリビアだけでも、生息地の減少、汚染、温暖化といった原因によって、両生類の22パーセントが絶滅危惧種に指定される。

 そうした原因の中でも個体数減少につながる最大の脅威の1つが、カエルツボカビ症というカビの感染症だ。

 これはおそらく温暖化のせいで流行し始めたもので、セウエンカス・ウォーター・フロッグをはじめ、世界中で数多くの両生類を死滅させている。

ロミオはがんばって婚活していた

 こうした厳しい状況の中、ロミオはただ独身貴族の気楽さにうつつを抜かしていたわけではない。

 昨年、素敵なお嫁さんを見つけるために、彼は真剣にお付き合いしたいと訴える出会い用のプロフィールを作成した。

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image credit:Robin Moore, Global Wildlife Conservation

 その中でロミオはこんな風に自己紹介している。

僕はセウエンカス・ウォーター・フロッグ。あんまり重い話はしたくないけど、文字通りひとりぼっちなんだ。まあ深刻なわけで、だからこそ、こうしているわけさ。ぴったりのお嫁さんを見つけて、僕の種族を救うためにね(でもプレッシャーは感じないで)

 バレンタインの日に開始されたお嫁さん募集キャンペーンは、自然の中で生き残っているセウエンカスを探す資金として1500万円相当の寄付を募ることで、その甲斐あってちゃんとお金を集めることができた。

 なおロミオとジュリエットを実際に出会わせる前に、ジュリエットはカビに汚染されていないか検査を受けることになる。

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image credit:Robin Moore, Global Wildlife Conservation

 うっかり病気をもらって、ロミオまで失うわけにはいかないのだ。

 ジュリエットが健康診断をクリアできれば、晴れてロミオとご対面だ。カエルの世界のロミオとジュリエットが、この世で結ばれることを祈ろう。

References:match / globalwildlife/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 42件

コメントを書く

  1. 2匹ともハッピーエンド目指して頑張れ~!!!

    • +33
  2. どうして悲劇を呼び込みそうな名前をつけるんだ。
    だいたい、ロミオは、ひとりぼっちというよりは、ロザラインに片思い中だった青年だぞ。

    • +15
  3. カエルって最長どのくらい生きるのだろう

    • +16
    1. ※3
      ロミオの年齢によっては、ジュリエットが「ええーこんなおっさん(じいさん)嫌…」となる可能性もあるわな

      ロミオはその気みたいだけど、いくら相手の選択肢が少ないからってカエルにも好みはあるだろうし

      • +8
    2. ※3 セウエンカス・ウォーター・フロッグはわからないけど8年から40年くらいと種類によって寿命は異なるようです

      • +8
  4. 新種の生物もたくさん生まれているんだろな

    • +9
  5. 孫にお嫁さんが見つかった時みたいな気分

    • +16
  6. 個体数がこれだけしかいないなら、近親交雑で近い将来、結局絶滅するのでは・・・。両生類だと大丈夫なのかな?
    ただ、野生絶滅とされた種が再発見されて、しかも普通にいっぱいいて、安価なペットにされてる例もあるしね。オウカンミカドヤモリ(クレステッドゲッコー)とか。
    実はこの子も奥地にいけばカエル王国があったりして。そうだと良いな(+’-’)

    それにしてもツボカビ怖いな。大量絶滅に繋がるほどのパンデミック起こしてる真っ最中な訳で、人間だったら完全に大パニック起こして12モンキーズ状態や・・・。

    • +27
    1. >>6
      カメの場合ではやはり片目がなかったり生殖器の形成不全が見られるそうです。

      • +3
  7. ロミオとジュリエットが新たなアダムとイブになりますように 産めよ、増えよ、地に満ちよ。

    • +17
  8. ちょっと泣けてしまった…ロミオもそうだけど科学者の人もがんばってほしい!

    • +13
  9. ロミオとジュリエットって最後は両方死んで終わりの悲劇で、
    ハッピーエンドじゃないよね。

    • +6
  10. 頑張れロミオ!
    劇中のロミオとジュリエットはハッピーエンドじゃないけど、君たちは子孫を残すんだ!

    • +8
  11. 今日も散々だったからいいニュースをありがとう

    • 評価
  12. 銀河の様な瞳……池上遼一の星雲児思い出した
    🌌

    • +2
  13. ちょっと現実的な話を一つ

    日本のトキが絶滅しかかってた時、本土最後の生き残りの雌のトキ、キンにお婿さんが迎え入れられた。しかし、三回とも失敗。 
    理由はキンが歳をとりすぎてお婆ちゃんだったから

    みんな思ったよ
    「婆ちゃん居る部屋に若い男を放り込んでも、そりゃ子作りなんてしねーわ、放り込まれた男も可哀そうだわ」って

    • +4
    1. >>15
      まあ若い雄トキからすれば若いねーちゃん見た試しもないんだろうしな。
      こりゃこれで仕方ないわ…

      • 評価
    2. >>15
      キンが繁殖に失敗したのは高齢でもう卵を作る機能が無かったからでしょ。
      大概の動物がそうだけどオスよりメスの方が繁殖可能な期間は短いよ。

      捕獲時に何歳だったのか分からないけどカエルは20年ぐらい生きるし。
      大体歳行ってる程度の事で生物が繁殖を諦める訳が無いじゃん 老衰間近のハムスターだって途中疲れて休みながら腰振ってるよ

      こんな邪推も邪推の与太話のどこが現実的なのか

      • +1
  14. 勝手に捕まえて10年経った後に、新しい仲間が捕獲されたからパートナーにあてがってやろうと?。やはり神は人間が創造した架空の存在で、実際は人間が行なえない事を神に押し付けているだけ。自然に暮らしていれば、絶滅しても構わない、人の価値観で増やしたり減らしたりするのは傲慢だろ。

    • -10
    1. >>16
      生物多様性の何たるかを何一つ理解してなさそう

      • 評価
    1. ※17
      ジュリエットが若いとは書いてないぞ

      • +1
  15. このカエルが何年生きるのか知らないが、ジュリエットから見てロミオがすごい年よりだったらかわいそう。
    まあ交尾はしないから、キモイとは思わないだろうけど。

    • +2
  16. カエルでさえ運命の相手と巡り会えたのにワイと来たら……

    • +8
  17. これこそ人類の二面性。

    人類は地球上において、異種を組織的に絶滅に追いやる行為をする一方で、異種を組織的に保護・繁殖させようとする唯一の生物だろう。

    • 評価
    1. ※21
      アリは地球上において、てんとう虫を組織的に絶滅に追いやる行為をする一方で、
      アリマキを組織的に保護・繁殖させようとする唯一の生物だろう。

      良くも悪くも人間はそんなに“特別”ではないよ

      • +2
      1. >>40
        目の前にいない相手にまで危害を加えて絶滅に追いやれたりできる生き物なんて人間ぐらいだろう…
        しかも自身の直接的な生存や繁殖のためでもない必然性のない理由で

        • -1
  18. ジュリエットの意思は無視ですか?
    ジュリエットには蛙権はないのですか?

    • +7
  19. カエルってそんなに長く生きる生物だったのか!

    • +3
  20. 雲霧林 って言葉、初めて知った
    ドラえもんの ヘビー・スモーカーズ・フォレスト ってこの事だったのかな

    • +1
    1. ※29
      標高の高い場所にあるジャングルだと思えばいい。実際に行ってみると
      朝と夜は意外なほど寒くてびっくりした。

      ヘビー・スモーカーズ・フォレストは藤子不二雄が創作した地名です

      • 評価
  21. これってチチカカ湖ガエル?絶滅危惧種になったのか

    • 評価
  22. カエルですら相手を見つけたというのに俺ときたら。。。

    • +5
  23. 成功するか失敗するかはともかくとして
    こんな素敵な婚活キャンペーンははじめて見たよ

    • +4
  24. んでも単純に見てオス2匹が余るわけで、そこにロミオおじいちゃんが含まれる可能性もだな……

    • +1
    1. ※35
      一生同じつがいで添い遂げるような種類じゃなかったら、繁殖シーズン毎にパートナーを変えて多様な組み合わせの子孫を残すのがベストだろうし単純にあぶれる雄はいないかも

      • +2
  25. twitterアカウント名の(no longer!)にほっこりした

    • 評価

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