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宇宙で暮らすと感染症に弱くなる(アメリカ・ロシア共同研究)

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(著) (編集)

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 たった30日間宇宙で暮らしただけで、感染症と戦う免疫力が著しく低下するそうだ。

 これはアメリカのNASAとロシア科学アカデミー生物医学研究所がマウスを使用した共同実験で明らかになったことだ。

 『Federation of American Societies for Experimental Biology』に掲載された研究は、NASAとロシア科学アカデミー生物医学研究所(Russian Institute of Biomedical Problems)の共同プロジェクト「ビオン-M1」ミッションによる成果の1つだ。

30日間宇宙で暮らしたマウスのリンパ球が激減

 この研究の一環として、3グループのマウスを比較するという実験があった。

 2グループは高度575キロの宇宙で30日間過ごし、3つめのグループは対照群として地球上にとどまった。

 また宇宙で過ごした2グループのうち1グループは、地球に帰還後すぐさま検査を受け、もう一方のグループは帰還後1週間してから検査を受けた。

 検査では、大腿骨のタンパク質が解析された。

 すると、たった30日間微重力下で過ごしただけで、重要な免疫系の細胞を作り出す能力が劇的に低下してしまったことが明らかになった。

 しかも、帰還から1週間経過しても、免疫系の低下は回復していなかった。

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image credit:National Cancer Institute/Wikimedia Commons

座っていることが多い人も免疫力に影響が

 具体的に変化があったのはB細胞(リンパ球の一種)の数で、4割以上減少していた。

 リンパ球は抗体を作り出すために必要なものだ。

 宇宙飛行士を含め、宇宙に滞在した多くの生物には感染症に弱くなるという傾向が見られるが、このリンパ球の減少によってこのことが説明できるようだ。

 じつは、この発見が意味するところは、宇宙飛行士だけにとどまらない。

 地上にいる人であっても、座っている時間が長いなど、体を動かさない生活を送っていると、微重力下と同じような免疫系への影響が見られることが多いからだ。

 微重力が免疫系に与えるメカニズムが解明されれば、地上で暮らす人の免疫系の問題に対しても何らかの改善アプローチが考案されるかもしれない。

 研究チームは今後、もっと長い時間を宇宙で過ごした場合に免疫系に現れる影響や、微重力下で作られた抗体には数だけでなく、質の面でも差異があるのかどうかを調査する予定だという。

References:Living in Space Makes Our Bodies More Susceptible to Infections – D-brief/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 23件

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  1. 子供の頃、年がら年中半袖半ズボンで過ごし表彰された
    同級生とかは、もれなく病気がち。

    • -2
  2. 免疫力の低下は、微重力下の影響なのか、動かないことの影響なのか。
    微重力下で毎日一定時間エクササイズをしたらどうなるのか気になるな。

    • +3
    1. 筋肉だけじゃなくて免疫系にも影響あるのか。宇宙時代は大変なことになりそうだ

      ※3
      毎日一定時間(ISSだと2時間らしい)運動しないと、地球に戻ったとき立てなくなるくらい筋力が低下するらしいよ

      • +2
  3. 陸の動物って歩く事が前提に出来てるんだね。

    • +6
    1. ※4
      移動するってことは、怪我や細菌に晒されるリスクが大きくなるという事だから、それに合わせて免疫系も活発に活動するって話かもね。

      もしそうなら、動かずリスクが最小の時、通常の免疫系の活動は体に害になるのかも知れない。
      あるいは、役に立たなくなった個体に自死を迫る恐ろしいプログラムが仕込まれているかもだ。

      • +1
    1. >>5
      無菌状態に慣れすぎて皆んなあちこち弱ってるんでしょ

      • +1
  4. ひきこもりみたいなもんだからな
    久しぶりに人ごみに出たりすると速攻で風邪をひく

    • +4
  5. 単に菌が少ないところで過ごしてたから免疫がつかなかったのかと思った

    • +1
  6. 火星人もあっけなく死んだぐらいだもんね。

    • +2
    1. ※10
      火星人はウェスタンミュージックの「インディアン・ラブ・コール」を聞くと頭が破裂する

      • +1
  7. 普段生活することを想定されていない環境なんだから、人間自体は楽しんでいたとしても生体機能にかかる負担は半端ないと思う

    • +2
  8. 酸素がなくても極寒でも生き延びる細菌とかあるもんなあ。

    • +2
  9. だからHGウェルズの宇宙戦争に出てきた宇宙人は感染症で全滅したのか。

    • +1
    1. >>16
      単体生殖で変異がほぼ無いから全滅な

      • 評価
  10. 宇宙戦争って映画の落ちもどんどん盛り上げて最後は宇宙人が勝手に地球の感染症で死んでいって愕然としたけどあながち嘘でもないんだな

    • 評価
  11. 金魚もそうやで、金魚って丈夫な魚と思われてるけど、実はめちゃくちゃ貧弱で病気に対する耐性が非常に低い。
    金魚の原種はフナだから本来は確かに丈夫な種ではあるんだが、度重なる品種改良と養魚場の徹底的な衛生管理によって、病気への耐性が非常に低くなってしまった。
    だから世間で売られてる金魚の99%は非常に病気やケガに弱い。チョットしたことですぐ死ぬ。
    先に書いたけど、原種がフナなのでキチンとした環境で丁寧に買い続ければ本来丈夫な魚なので10年でも20年でも生きる。しかし一度でも水質のバランスが崩れるといとも簡単に病気になる。そして免疫も耐性もないノーガード戦法の魚なので薬剤や水質改善を行っても助かる確率は低い(助からないとは言ってない)

    どんな生き物でもそうだけど、綺麗な環境で生きてきた生物って直ぐ病気になるよ。

    • 評価
  12. 宇宙で~(アメリカ・ロシア共同研究)

    本題には関係ないけど、
    冷戦リアル世代からすると、
    この字面を見ると何か不思議な感覚になるというか
    今昔の感に堪えない。

    • +1
  13. あのー、地球も一応宇宙の敷地内に浮いてんですが・・)。?

    • 評価
  14. 絶えず宇宙線に曝されてるのに今さら感染症もへったくれも無いと思うが………
    高線量で被曝する方がずっと怖いよ(>_<")

    • 評価

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