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全てはピザの為。イタリアの物理学者が「完璧なピザ」を焼くための数式を生み出す。その温度と時間は?

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(著) (編集)

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 イタリアのピザの代表的なものといえばナポリピッツァのマルゲリータだろう。

 イタリア王妃、マルゲリータ・ディ・サヴォイア=ジェノヴァが、「バジリコの緑、モッツァレラチーズの白、トマトソースの赤がまるでイタリアの国旗を表しているようだ」として気に入り、自らの名を冠したと言われている。

 もしあなたが完璧なマルゲリータを食べたいのなら、ローマに行けば良い。ナポリ発祥のマルゲリータだが、ローマのマルゲリータはことさらうまいのだそうだ。

 だが、それが難しいなら、他にも方法がある。

 イタリアの物理学者が、完璧なピザを焼くための数式を導き出すことに成功した。

 すごくややこしい熱力学の数式なのだけど、それをもとに温度と時間を設定することで、自宅のオーブンでおいしいピザを焼き上げることができるという。

 これは『The Physics of Baking Good Pizza(美味しいピザの焼き方の物理学)』という研究論文の基本コンセプトだ。物理学者2人と食材人類学者1人が、ピザに科学で立ち向かった記録である。

 そう、すべてはおいしいピザの為なのだ。

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pixabay

物理学者が教えるピザを焼く完璧な条件とは

 彼らが実験台に選んだのは、そのシンプルさゆえに究極のピザとも称されるマルゲリータだ。

 研究では、腕利きのピザ職人に頼んで、自分たちの目の前で生地を練り上げ、窯の中で焼いてもらった。

 ピザ職人の手にかかれば、ピザ生地は2分もしないうちにこんがりとしたマルゲリータに焼き上がり、「口の中からヨダレ」が溢れてくる。

おいしいピザを焼く決め手はレンガの窯の物理学

 ピザ職人によって明かされた美味しいピザを焼く秘訣は、レンガの窯の物理学だったという。

 窯の一角で薪を燃やし、内部で弧を描く壁と石の床面に沿わせて均一に熱を行き渡らせる。これによって、ピザのあらゆる面を均等に焼き上げることが可能になる。

 著者らによると、理想的な条件では、1枚のマルゲリータは330度に熱した窯の中でぴったり2分で完璧に焼き上がるという。

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image credit:arxiv

 ただし、トッピングを追加すると、その分だけ仕上がりまで時間がかかるようになる。

 ピザ職人によっては、木製かアルミ製の鋤で生地を持ち上げて、30秒ほど長く焼くこともあるだろう。こうすることで、底を焼きすぎることを防ぎつつ、「ピザを熱放射に晒す」ことができる。

ご家庭で完璧なピザを焼く方法「230度で170秒」

 だが、ほとんどの”素人”のご自宅には、レンガのピザ窯などないだろう。

 ありがたいことに、著者らは一般的な家庭用電気オーブンでもマルゲリータ・ピザを焼き上げるヒントを教えてくれている――物理学を使うのだ。

 家庭用オーブンを使う場合、おそらくピザを金属製のトレイに乗せて焼き上げることだろう。

 ところが、金属の熱伝導率はレンガよりもかなり高い。そのために、ピザ生地は底の部分から急激に熱を吸収することになる。

 したがって、330度で2分焼いてしまっては、せっかくのピザが「炭」に変わってしまう。

 そこで物理学者の面目躍如とばかりにややこしい熱力学の公式から、家庭用電気式オーブンでローマ風ピザを仕上げる完璧な解が求められた。

 その公式はすごくややこしい。

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image credit:arxiv

 だが結局これだけを覚えておけばよい。

自宅のオーブンなら230度で170秒焼き上げる

 170秒だから2分50秒だ。

 ただし窯で焼く場合と同じく、野菜などのトッピングを乗せるなら、それに応じて焼き上げる時間を延ばしてやらねばならない。

 トッピングに含まれた水分が蒸発するために、ピザ生地から熱が逃げてしまうからだ。

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 著者らが認めている通り、この解に従って自宅でピザを焼いたとしても、ピザ職人が専用の窯を使ってこんがり焼き上げたピザには敵わない。

 また、日本とイタリアでは湿度など様々な条件が異なるし、オーブンの癖もあるので一概には言えないが、それでも、何も考えずに焼くよりは、かなり満足のいく一品に仕上がることだろう。もちろん生地もチーズもトマトも吟味しなければならないが。

追記(2018/11/13):本文を一部修正して再送します。

References:arxiv/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 37件

コメントを書く

    1. ※1
      冷凍ピザを常備していた自分、勝利
      本場のピザではないが満足

      • +5
  1. 「レシピ通りにやったのに・・・」と主張する人が実際にやったこと。
    「230度で170秒 ? 500度で1分半ってことね。うん、わかった」

    「レシピ通りにやったのに、どうしてこうなっちゃうのかなぁ・・・」

    • -7
  2. Photmath で計算式を読み込んだら -284dと出てきたが
    結局はよく分からない

    • 評価
  3. 「物理学って何の役に立つの?」に対する熱い回答

    • +34
  4. 上の公式に、「お腹がへっている係数」も加えて欲しい。

    • +18
  5. ピザとパスタで例えたらあらゆる学問の未解決問題全部イタリア人が解いてくれるんじゃないだろうか・・・

    • +8
  6. 330℃で、2分。
    これはローマ式pizzaの焼く温度管理。
    薄生地をクリスピーに仕上げる方法。
    ナポリ式pizzaは400から450℃で60から90秒
    この温度だと赤外線の放射率が最大となり、
    これ以上だと表面だけが焦げてしまう。
    直接炎が当たらないでレンガの蓄熱を利用するのも大事。
    これで表面がカリ、縁がフワッ、中心がモチの食感が同居した焼き上がりとなる。
    と客がいない時間に書き込み

    • +21
  7. どこがややこしい式なんだよ中学レベルの数学で全部片付くじゃねえか
    ところで、マルゲリータピザを食べるなら、今ならガストで持ち帰り限定で通常の半額300円(Mサイズ)でお得だぞ 俺はもう2回食べた

    • -17
    1. ※14
      日本の中学では微分積分やベクトル解析なんかはやらないと思うがどこの中学かな?

      • +4
      1. ※32
        ほう、ベクトル解析使っているんだ、って論文見に行ったんだけど使ってなくない? 微積は当然使われているけどさ。熱力学自体もほとんどベクトル解析は使わないしなぁ。

        多分※14は最終結果の式自体はそう高度な数学を知らなくても理解できる、っていいたかっただけなんじゃないかな。中学生にはちょっと厳しいとは思うけど、そんなに無茶苦茶を言っているわけでもないと思う。

        • -2
        1. ※38
          例えばT0が何を意味してるのかわからなければ式を理解したことにはならないし、そのためには論文自体理解してないといけないわけで。ルートやべき乗の記号がわかったからってこの式がわかったことにはならないでしょ。

          gradientはベクトル解析の領域では?少なくとも中学生はやらないとおもう(笑)

          • +2
  8. 生地がいい感じになったら、取り出してガスバーナーで上面を焼く。

    • +2
  9. そういえば、英国の科学者が
    ”おいしいゆで卵を作る計算式”
    なる物を考え出した、とか言う話を聞いた事がある。

    • +6
  10. 映画「きっと、うまくいく」の主人公、ランチョーが教師を馬鹿にするシーンを思い出したw

    • +1
  11. 国際宇宙ステーションでイタリア人クルーが仲間とピザを作ったとニュースでみた
    数式もそうだがイタリア人がピザにかける情熱は宇宙規模なんだなって

    • +5
  12. よく分からないのでこの数式で焼いたピザをください

    • +11
  13. イタリア人の食に対する情熱はガチ
    ピザの自販機を日本でもワンコインでやってくれんかな

    • +1
  14. 本場の生地が薄めのピザの場合ですよね。
    生地もっちりのアメリカ風なピザを時々
    自作しますが、ウチのオーブンレンジだと
    250℃5分です。
    何が言いたいかというと、自分ちの
    オーブンでの適切な温度と時間を
    色々試してみるのが結局一番なんじゃないかと。

    • +5
  15. ローマは観光客向けの店が多くて当たり外れが大きい
    ナポリのピザの方が美味しい

    • 評価
  16. ファミレスだとサイゼリヤのマルゲリータが良かった思い出

    • 評価
  17. 次はパスタの美味しい湯で方もやってほしいな

    • +1
  18. これは…。その道のプロがいる店に行け…ということかな?きちんとしたお店のピザ、美味しいもんんなぁ。

    • +1
  19. 美味しいものを得るために…

    アメリカは手頃な価格で本能に訴えかける味を提供するジャンクフードを開発した。
    フランスは研究と実践の年月を重ね、自国の料理を「世界最高峰」まで磨きあげた。
    イタリアはその歪みないピザ愛を昇華させ、美味しいピザを焼くための数式を発見した。

    一方日本は長い年月と尊い犠牲の末に河豚を食べる方法を見つけたり、クロマグロを養殖してみたり、ウナギの代用品に改良したナマズを使う研究をしたりと大はしゃぎしていた。

    • +1
  20. 日本の家庭で一番適してるのはガスコンロについてる
    魚用グリルだそうだ、うちはまだガスコンロ使ってるし
    魚は焼かないので試したら大成功だった

    • 評価

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