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触覚の不思議。人は不確かな情報をもっと良く知ろうとするとき、目で見るより触った感覚を信用する傾向にある(ドイツ研究)

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(著) (編集)

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 人は、目の前にあるものをもっと良く知りたいと思ったらどうするのか?それを指先で触れることで、現実感を得ようとする傾向にあるという。

 ドイツ・ルードヴィッヒ・マクシミリアン大学(LUM)の哲学者たちが、触覚という特殊な能力について研究している。

 美術館では毎年、多くの鑑賞者が作品に触るせいで、そのダメージを修復する費用を負担している。

 どうして人は、作品をもっとよく見ようとして触りたがるのだろう? 視覚では得られない触覚の妙とはなんなのだろうか?

触れることによって事実を確認する

 近世哲学の祖として知られるフランスの哲学者、ルネ・デカルトをはじめとする哲学者は、実際に触れることで現実感がもたらされ、外の世界との接触を体感できることに気が付いていた。

 それとは対照的に、心理学者たちは、触覚はもともとほかの感覚よりもとくに優位性があるわけではないとみなす傾向があった。

 我々は本当に触れることで現実感を得ようとしているのか?

 臨床研究では、強迫性障害の患者は、ちゃんとドアに鍵がかかっている、水道の蛇口が閉まっているのがわかっていても、触って確認せずにはいられないことがわかっている。

 だがこれまで、人が触覚を当てにするということを科学的に証明した研究はなかった。

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pixabay

人は不確かな情報を見たとき、触覚に頼る傾向がある

 LMUを中心とした学際研究グループは、不確かな情報しかないとき、わたしたちは目で見るよりも指先で触ってみるほうを信用する傾向があるという、初めての科学的証拠を発表した。

 研究では、わたしたちの物の形の見方や感じ方に影響する、垂直と水平の錯覚を利用した。

 同じ長さの2本のマッチ棒で逆さのTの文字を作ると、長さは同じはずなのに、垂直(縦)のマッチのほうが、水平(横)のマッチよりも長く見えるし、そう感じる。

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image credit:Vertical–horizontal illusion

 複数の被験者たちに、長さについて訊いてみると、2本のマッチの長さはほとんど変わらないと感じた人もいれば、明らかに2本の長さは違うと感じた人もいた。結果にばらつきがあるのは当然だ。

 だが、重要なことは、長さの判断がつかず、なんとか推測しようとするとき、人は目よりも手を触れて判断するほうに自信をもつとが多いということだ。

 「人は状況がはっきりしないときは、触覚を頼りにするようだ。触れるということは、現実をよりしっかりと把握する確実性という感覚を与えてくれる」LMUの准教授で認知神経学者のメルレ・フェアハーストは言う。

触覚が正しいというわけではない。触れることで得られる安心感

 触覚によって特定の状況を理解するのは、現代の神経科学にとってとても難題なように思える。結局、触覚もほかの感覚器官と同じで、良いときも悪いときもあり、すべて状況や課題によって違ってくる。

 触覚がほかの感覚よりも正確で優れているということではない。触れることで我々は安心し、気分が良くなるくれるということだ。

 「この研究は、”触覚は疑うのがもっとも難しい感覚だ”と言ったデカルトが正しかったことを示している」LMUの心理哲学科の学長オフェリア・デロイは言う。

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 こうした結果が示しているのは、日常生活や強迫性障害において、触覚によって事実確認する行為は、そうした方が確実だからというだけでなく、触覚から得られる特殊な安心感からきているのかもしれないということだ。

 「百聞は一見にしかず」ということわざがあるが、一目みてわからないものは「一見は一触にしかず」ということだ。

 この論文は『Nature Scientific Reports』に掲載された。

 というかモフモフしたものを見ると触れたくなってしまうのはなんでだろう?あれも安心感が得られるからなのか?その辺の研究も進めてみてもらいたい。

References:Philosophy of the Mind: In Touch with Reality – Neuroscience News/ written by konohazuku / edited by parumo

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この記事へのコメント 29件

コメントを書く

  1. 触れられる距離まで「近づく」って言う意味もあるかもね。

    • +1
  2. そら近視で乱視で色覚異常で飛蚊症のドライアイだもの(´×ω×`)

    • +2
  3. おばちゃんが、花を見ると、生花か造花かを触って確かめるのは、そのせいか

    • +5
  4. 子供の頃、友達の家に釣った赤魚が置いてあったけんだどヒレがトゲトゲしてたから触ってみたら指に刺さって痛かったのを今でも思い出すよ。

    • +1
    1. ※8
      触られたくないからトゲがあると思うのですが(名推理)

      • +3
  5. 現代人はCGみたいな作られた「感触がこの世に存在しない」映像があることを知ってるから、余計に触って確認しようとするのかな?
    類人猿やテレビや鏡を知らない原住民族とかでも同じ傾向が出るのかな?
    赤子がなんでも口に入れて確認しようとすることと触覚で確認したがることには相関性あるのかな?
    記事の読み始めは当たり前じゃんと思いながら見てたけど考えてみると結構深いかも

    • +4
  6. だって猫は触らないと液体なのか固体なのかわかんないしニヤリと笑って消えるかもしれないし不確かだし

    • +11
    1. ※11
      あれは指差”呼称”と言うくらいなので、
      口に出して言う方が重要なんですわ。
      自分の声を自分の耳で聞いて確認するのがポイント。

      • +4
  7. 「スキンシップ」がお互いの愛情を高める
    という事も、触覚の効果なのかな・・。

    • +3
  8. 触覚に比べれば視覚はかなり新しい器官だからな

    • +6
  9. 背骨の、腰椎の5番6番がズレるだけで「視点が身長より20cm程上部にズレる」という謎現象が起きるから、見えるものって案外いい加減なのかもねw
    自分も居合やっていたから視野角180以上※あるし。

    ※円形の視野を変形させるみたいな感じ。だから限界付近の上下(視線を正面にした場合の斜め)や左限界に寄ったら右は流石に見えない。要は散眼だが、この術は左右の眼を独立して動かす術ではない。視線そのままで視点を動かす術。“極めれば”背後も見える。「背に眼があるのかこいつ」ってヤツね。

    • -1
  10. たぶん、生物に一番最初に備わった感覚器官が感触だからじゃない?

    • +4
  11. マッチ棒を触った人がより自信を持って回答する?
    自分なら触るより指を使って計測するなあ。。。

    より確信を持って回答するのは、触覚を優先するのではなく、
    (不確かながらも)2つの情報を得た上だからではないか。
    第一、人間は目で確かめないと触る事もできない。
    それとも、「ご自身の目で見る方法と、目隠しして
    ガイドに触らせてもらう方法を選べます」と言ったら
    触る方を信頼して最初に選ぶ人がいるのか?ねえだろ~。

    • 評価
  12. 眼で見て触れて大丈夫かを確認して、触ってみてそれを何か確かめるという動作が人間の物に対する確認だからじゃないかな。その後触っても平気なら臭いを嗅いだり舐めたり、弾いて音を出したりするでしょ
    要はメタリックカラーの棒を見て、金属かなってアタリをつけて、触ったら巻いた紙に塗装されただけだったってことを理解するようなもの

    • +3
  13. 古武術を学んでいるけれど、触覚の持つ本来の力を、日常でいかに活用していないか、気づいていないかに驚かされる。
    やっぱり身体を使うって大事。

    • +4
  14. 触れることで、相手と電気信号のやり取りを行なっているのかもしれない。

    • +2
  15. あーなんとなくわかる。触って納得することよくある。
    チンパンジーも初めて見るものは舌で触って確認するらしいね。一番感覚が鋭いから

    • 評価
  16. 実際、視覚よりも触覚(というか指)のほうが優れていると思う。
    温度や強度や平滑度なんかは視覚じゃまずわからないけど、指先でちょっと触れればたちどころにわかるし。

    • 評価
  17. 服は触覚を塞ぐ効果があるのかもしれんな
    それによって眠りやすくしたり集中力を高めたり
    まぶたのように情報を遮断する効果があるのではないか

    • +2
  18. どうもこうも、より確実を期す為でしょう。

    松本零士の漫画でも言っていましたよ?
    「任務は完璧を期して徹底的に」って。

    違うゾ、強迫性障害じゃないゾ!

    • 評価
  19. もっとよく知りたくて触っていたら、『お手を触れないでください』とか書かれてあることが多いもんなぁ…。気を付けなアカン。見てもわからないと、つい触りたくなる。

    • 評価
  20. 長さの錯覚のやつおかしいぞ?
    L字定規の横面、なんで間に棒挟んでるのに5mmなんだ?
    下の10mmはちゃんと縦線の真ん中辺りで5mmを指しているし…
    何よりマッチじゃなくて黒線だと、どこまでが黒線か?という定義次第では普通に縦線の方が長いし…
    まぁウィキのここで突っ込む意味はないんだけどね

    視覚を補完するのに最適なものが大抵触覚なだけじゃないかな?
    「妙に綺麗な色をしたスープで、見るからに「旨そうだなぁ」と思ったけど、ちょっと色合いが怖い。とりあえず指をつけてみた。うん、この手触りは旨いに違いない。」
    なんて話、聞いたことあるかい?

    視覚を問われた時に真っ先に行うのは測定だ。
    自分の指と比べる、適当な紙片と比べる。それが視覚による計測だとして許されないならとりあえず指でなぞる。どれだけ指を動かしたかで測れるからだ。指の動きという形で長さや、線の流れ、延いては形がわかる。
    立体が相手で、蝙蝠みたいに耳がいいのなら、エコーロケーションでも飛ばして確かにそんな形だと思えるだろう。
    線に「味」が付いていたなら舐めるのも一つの手だ。しかし、舐めるのは不衛生で、かつ対象も汚してしまう。それに口に運ぶという動作が往々にして大振りになりがちだ。何より線に味をつけてあるという話がそもそも可笑しなものだ。その線には味がついてるよ。と言われて、首を傾げない人がどれだけいるだろう?同じく味がついているか?を確かめる人もそうはいない。視覚で確認する情報が味覚に結びついていないためだろう。
    嗅覚で測るのはもっと難しい。匂いは放射状に散乱するものだ。つまり、形として捉える事がひどく難しい。身じろぎしただけで空気が揺れて、距離が一定で亡くなってしまう。つまり計測に用いるにはとても向いていない。
    結果として、便利よく使えるものが手であり、延いては触覚だという事だ。

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