
1週間行方不明となり、誰もが最悪の事態を予測した。
アンジェラさんがオレゴンから南カリフォルニアまで運転していたとき、動物が道に飛び出してきた。避けようとした拍子に道路から飛び出し、ビッグサー付近で75メートル下まで転落した。
これは彼女がフェイスブックに投稿した、奇跡の生還ストーリーだ。
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楽しいドライブが一転、崖から転落
2018年7月6日、アンジェラさんは美しい景色に囲まれながら、自宅のあるオレゴン州ポートランドから、南カリフォルニアまでのドライブを楽しんでいた。
image credit:facebook/Angela Hernandez
すると突然小さな動物が道路に飛び出してきた。アンジェラさんはその動物を避けようとハンドルを切ったところ転落、76m下まで落ちてしまった。落下の衝撃で気を失っていたアンジェラさん、意識が戻ったときには車の中に閉じ込められた状態だった。

image credit:facebook/Angela Hernandez
目が覚めた時にはまだ車の中で、膝の上まで水が上がってきている感じがした。車の窓はすべて閉じている。
慌ててシートベルトを外すと、前席に置いてあった道具を取り出し、それで運転席側の窓を叩いた。どうにか車の外に脱出して、海に飛び込む。
車から脱出し岸まで泳いで再び意識を失う
それから岸まで泳いで、そこで意識を失った。どのくらい時間が経過したのか、目が覚めるとまだ明るく、このときになってようやく自分の身に起きたことを悟った。
膝立ちになると、肩とお尻と背中と腿がひどく痛んだ。あたりには岩と海と、自分にはどう頑張っても向こうを見越すなんてできない崖しかなかった。足へ目をやる。靴は消えていた。

image credit:facebook/Angela Hernandez
サバイバル生活が始まる
それから数日の記憶は曖昧だ。自分以外に人がいないか探して、岩場をうろうろした。崖の向こうに通行する車が見えたので、大声で叫べば誰かが気づいてくれるのではと思った。私が家族の元に帰るにはそれしかなかった。
3日もすると、ジーパンのお尻のところはボロボロで、靴下は穴だらけになった。それから脱水症状も出始めていた。
車に戻って、何か使えるものがないか探す。落下で車から外れたらしい、25センチくらいの黒いホースがあった。
それまで行ったよりももっと南へ歩いてみると、ポタポタと音が聞こえた。見上げると、コケの大きな塊から雫が垂れていたのだった。それを丸めた手で受け止めて、舐めてみた。真水だ!
雫をホースにできるだけ溜めて、飲んだ。一時間はそうしていただろうか。毎日、これがお決まりの儀式となった。
まだ知らない高台がないか海辺を歩いては、肺の限りに『助けて』と叫び、崖の上から落ちてくる水を集める。岩場の最後の朝は特にいい朝だった。
ついに人と遭遇。無事救助される。
目が覚めたとき、女性が一人海辺を歩いていた。夢かと思った。『助けてぇぇ!』と叫んでからぱっと起き上がり、彼女の方へ駆け寄った。
彼女は男性と一緒にいた。きっと彼らも自分の目が信じられなかったろう。彼らはすぐに動いてくれた。
彼女はビーチを降りて、助けを求めに行き、その間、男性が一緒に残ってくれて、水をくれた。
彼は自分たちが海好きな夫婦で、散策しているときに私の壊れた車を見つけたのだと教えてくれた。ようやく人に会えたことが信じられなかった。

image credit:facebook/Angela Hernandez
重傷を負うも生きていることの素晴らしさを実感
やがて救助隊が到着して、私を崖から引き上げ、ヘリに乗せて近くの病院まで搬送してくれた。そこで私は家族と再会し、自分の怪我の具合を知った。
事故からの数日、私には脳内出血が起きていた。また肋骨4本と両鎖骨が折れ、肺が潰れ、目の血管が破裂していた。
おまけに手足と顔にひどい日焼けを負っていた。それでも、その日の最後にはそんなことどうでもよくなっていた。

image credit:facebook/Angela Hernandez
私は自分が望むものをすべて持っているような気がした。私は今、病院で座って、妹と骨折した骨が痛むくらい笑っている。
その体験は恐ろしくも、滅多に味わえないものだ。もはや私はこの人生には大きな意味があるのだと想像せざるをえなくなっている。とにかく人生は素晴らしい。
written by hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
人間って簡単に壊れるようで意外としぶといんだよね、生命力に支えられた瞬間、何か「諦めてたまるか」という意志が芽生えるというか。
崖から落ちかけた事があって、その時スイッチ入って上に登る事が出来た事があった、
普段腕立てもろくに出来ないようなひ弱なのにね。
2. 匿名処理班
結構重症じゃないですか…一週間その状態で放浪って凄いな
なんだろ、生きようって強い意志でアドレナリン麻酔効いた感じなのかな
良く助かったなぁ
3. 匿名処理班
映画化決定!主題歌は、グロリア・ゲイナー「恋のサバイバル 」で
4. 匿名処理班
壮絶な話だ・・・
5. 匿名処理班
心身共に何て強い女性なんだ。
理不尽な事故にあって、アドレナリンが切れた後の尋常じゃない痛みや孤独と戦い、それでも希望を捨てず必死に生にしがみついた結果「人生は素晴らしい」と・・・
これだけの事があると人は悟るのね・・・
6. 匿名処理班
素晴らしいガッツだ
希望を捨てずに努力し続けたのがすごい
天は自らを助けるものを助ってのはこういうのを言うんだな
7. 匿名処理班
車には常にサバイバルの本を入れておいたほうが良さそうだ、スペアタイアのとことか、車検証のしたとかに
8. 匿名処理班
あれだけの怪我を負いながら良くやったと思う 早く回復するといいね
9. 匿名処理班
泣いた。
助かってよかった、ほんとによかった。
10. 匿名処理班
ナンバープレートを持った記念写真はいつ撮ったんだんだろう
11. 匿名処理班
最近はアメリカのこういう救出記事見ると、保険は入ってたのか、法外な医療費はかからなかったのかといった事後のほうが心配なる。事故からは助かったけど破産して……じゃ洒落にもならない。
12. 匿名処理班
アメリカってこう、カジュアルに行き来する場所のすぐそばに、トラブルに合うと救助困難な大自然が広がっているよな。日本だと、似たような場所があまり思いつかない。
13. 匿名処理班
泣いてしまった
あきらめずによく頑張った
14. 匿名処理班
こんな死にそうな目にあってまだポジティブでいられるなんて
どう育てばそうなるのか、うらやましいよ
15. 匿名処理班
生還したのは良かったと思うけど、これって場所が場所なら通行人やら他の車を巻き込んだ大事故になってたよね。
そっちの方が怖い。
みんなも野生動物が飛び出して来たら、運が悪かったと思ってハンドル真っ直ぐブレーキベタ踏みでね。酷いと思うかもしれないけど、これが被害を最小限に抑える一番良い方法だから。
16. 匿名処理班
ちょっとアーロイに似てる気がする
納得のタフネス
17. 匿名処理班
※7
車ごと遭難するとは限らないから、サバイバル本は手元に置いて定期的に読んでおく方が良いかも。
18. 匿名処理班
あきらめずによく頑張ったって書いてる人多いけど
命かかってるんだから誰でも頑張るでしょ
諦めちゃう人ばかりなのかな?
19. 匿名処理班
※18
誰でも頑張るなら日本の電車はこんなに止まらない
ギンピギンピでおケツを拭いてしまった人も生きていられたはず
現状の辛さと命の重さを天秤にかけて、逃げる方を選択する人はたくさんいる
20. 匿名処理班
その行為がやって当たり前かどうかと褒められる・労われるに値するかは関係ないかと思いますです
21. 匿名処理班
すごいな。
痛みとかで動けなそうなもんだけど。脳内出血で痛みがマヒしてたんかな
22. 匿名処理班
※12
日本だと観光客がロープウェイで行けちゃう山かなぁ
山頂にある観光施設と登山知識の必要な場所は結構近いんだけど、
境目がはっきりしているわけでもないので散歩にいっちゃう人がいるそうな
23. 匿名処理班
最近の話なんだねえ、助かってよかったよ
24. 匿名処理班
サバイバルで一番大事なのは「諦めない気持ち」らしい
25.
26. 匿名処理班
※18
気力が続かない、元々ない人もいるし
誰にでも出来ないことだからこうやって記事にもなってるんだし
皆感動してるんじゃないの?
27. .
自分で腕を切り落とした話はほんと恐ろしい。映画化
28. 匿名処理班
使えるモノを取り出した後、車を燃やしたらいいと思う
29. 匿名処理班
※15
実際これは言われてるよね、咄嗟のブレーキが踏める場合もあるがハンドル切って事故(単独、他者、他車巻き込み全てに対して)を起こすよりは諦めて轢けってやつ。
問題は運転者が動物嫌いでも無い限り動物を轢いたっていう自責の念が少なからず発生する点と、熊や猪みたいな相手だと車のほうが破損するという点か
30. 匿名処理班
いい話だけど、アメリカの医療費を考えると今度はアンジェラさんの資産が大ピンチな予感
31.
32. 匿名処理班
※19
頑張るから電車が止まるのであってその逆ではない
死を逃げと侮辱している時点で完全にキリスト教に汚染されている好例
33. 匿名処理班
日本でもいたじゃん、
地震で車ごと阿蘇大橋から落ちた人。あっちは助からなかったみたいだけど(´・ω・`)
でも発見されたのかなり経ってたしこの人みたいにサバイバルしてたかもなあ…
34. 匿名処理班
どれくらいの大きさの動物かは判らないが、小動物が飛び出して来たくらいなら、避けては駄目そのまま行く。