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生まれつき顔が変形していた犬。里親の元を転々とし、ようやく運命の飼い主と巡り合うまで

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(著) (編集)

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 ラブラドール・レトリバーのボー・トックス(Beaux Tox)は、ご覧のようにかなり個性的な顔立ちをしている。眉間に深いシワがよっているのだ。

 関係者によると、どうやら母親の胎内できょうだいたちと押し合いへしあいしている内にこうなってしまったらしい。

 要は生まれつきの特徴だということである。MRI検査の結果では、このシワはボーの知性や性格、健康には何の影響も与えていない。

 もっとも、どんなに個性的であろうとも、犬は自分の顔立ちなど気にかけないだろう。だがしかし、ボーの前半生がつらいものだったのは、この顔立ちのせいなのかもしれないのである。

売りものにならない子犬は無料で引き取られたものの…

 ボーは6年前、あるブリーダーのところで生まれた。しかし、特徴的な顔立ちのために値がつけられず、ブリーダーは無料で手放すことに決め、引き取り手を探した。そして、テキサス州に住む男性が名乗りを上げたのだ。

 ボーはこの男性に引き取られ、「ラッキー」という名をつけられた。

 しかし、この名前に反して、そこからの5年間はボーにとってあまり幸運なものではなかった。ボーは、引き取り先で飼われていた猫と上手くやっていくことができなかったのだ。

 男性はボーを裏庭につなぎ、ネグレクトするようになってしまったのだ。

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何度も里親の元を転々と…

 数年後、ボーのおかれた状況を発見した地元の愛護団体が里親探しを買って出た。

 しかし、狭い裏庭しか世界を知らず、トレーニングを受けたこともなかったボーは、何度引き取られても、またこの裏庭へ戻されてしまうのだった。

ジェイミーさんとの出会い

 しかし、結局のところ、愛護団体の働きは無駄ではなかった。里親募集のためフェイスブックで拡散された写真がジェイミー・ヒューリットさんの目に留まったのだから。

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 狭い裏庭でジェイミーさんと初めて対面したときのボーの状態は、お世辞にもいいといえるものではなかった。あばら骨が浮き出し、ノミとミミダニがたかり放題だったのだ。

 しかし、それでもジェイミーさんはボーを引き取ると決めた。いや、正確にはその決心は初めから固まっていたのだ。

 ジェイミーさん自身が、9歳で最後の家に落ち着くまでの2年間、多くの里親の家を転々として育ってきたからである。

 「これ以上、里子に出されて戻されて、を繰り返させたくなかった」とジェイミーさん。「安定した、自分の家と思える家庭を与えたかったんです」

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image credit: Jamie Hulit/The Dodo

いくらかかってもいい、生き延びてほしい

 ボーを引き取ったジェイミーさんはそのまま動物病院に駆け込んだ。だが、ボーの病状はジェイミーさんの予想よりさらに悪かった。フィラリアに感染していたのである。しかも、ボーの衰弱は激しく、治療に耐えられる状態ではなかったのだ。

 獣医師は、ボーの生き延びる確率は50%だと告げた。だが、ジェイミーさんは迷わず治療する道を選んだ。

 「世の中には、犬の血統書に高いお金を払う人もいます。私はボーの健康証明書にお金を払っただけです。それで100%満足していますよ」

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image credit: Jamie Hulit/The Dodo

 最初の1ヶ月間、ボーは酸素室を出たり入ったり、という状態だった。獣医師は一日中ボーに付き添った。容態が悪化した際には、午前3時にジェイミーさんを呼び出したこともあったほどだ。

 治療の甲斐あって、ボーは徐々に健康を取り戻していった。右目はよく見えず、ミミダニのせいで左の耳が聞こえない。だが、それ以外は全くの健康体だ。

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image credit: Jamie Hulit/The Dodo

そして末永く幸せに

 ジェイミーさんの家に着いてからのボーは劇的な変化を見せた。

 屋外で飼われていたにもかかわらず、家の外には出たがらない。ジェイミーさんが外へ出ればついていくが、家の中で外を眺めている方が好きだという。

 ジェイミーさんの家には、先住犬のライリーがいた。13歳になるゴールデン・レトリバーのミックス犬だ。このライリーが、ボーに室内犬として暮らすことを教えてくれた。

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 年齢差にもかかわらず、二頭はとても仲がよい。時に子犬のようになるボーの振る舞いは、ライリーが若さを保つ助けにもなっているようだ。

 また、最近はスカウトという名の妹もできた。新たにジェイミーさんに保護されてきた犬だ。

 いまやボーは全力で人生を謳歌している。子犬のように活動的で、陽気だ。ボーのこれまでの暮らしを思うと信じられない、とジェイミーさんはいう。

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 「ボーは生命に満ちあふれてます」とジェイミーさん。「そして私たちにも多くをもたらしてくれたんですよ」

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References: The Dodo / CHEEZburger など / written by K.Y.K. / edited by parumo

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この記事へのコメント 56件

コメントを書く

  1. 画像のほとんどが見れなくなってるのが残念だ

    • +21
  2. 泣ける話だな。 あと人の優しさが身に染みる。

    • +72
  3. 自分もぶちゃいくだから尚のこと泣けてきた
    これからはたくさん、幸せになあれ!

    • +58
  4. うぅ…泣ける
    良い人に巡り会えて良かったよぅ
    幸せいっぱい取り戻して欲しいな

    • +73
  5. この犬がずっと元気に長生きして、溢れるほどの幸せと喜びを享受できますように

    • +65
  6. ボー!よかったね
    本当によかった
    これからはずっと末長く幸せにね

    • +42
  7. 飼い主のジェイミーさん、先輩のライリーさん、どちらも優しそうや。

    • +62
  8. こう、笑顔で顔がくしゃってなってる感じで愛嬌あって可愛いと思う

    • +62
  9. ファニーフェイスなキャラクターみたいで逆にかわいい

    • +31
  10. いろんな場所でたらい回し、迫害されてきても、最後にやっと居場所、安住の地が見つかって本当によかったね涙
    わたしもいろんなとこを転々としてきたからわかるよ本当によかったよ涙

    • +54
  11. 命への責任を取る事が出来ないなら殺せ
    それもまた責任の取り方だ

    • -54
    1. ※24
      この記事を何も読んでないのか? もしくは読解力がないのか?
      その言い分はお門違いだと思うぞ。

      • +37
    2. ※24死んだらおしまい、この記事のようにたとえ一部でも助かる可能性すらなくなる
      ※67この記事だけでは判断できないし特殊な治療や金かかり過ぎるのは無理なんじゃないの?外で餌すらありつけなかったり暴力にあったりするよりマシだし、基本的な医療と世話はしてるでしょ

      • +1
  12. ジェイミーさんええ人や…涙が出てきた。

    • +23
  13. 歪んでいてもニコニコな表情がわかる顔はチャーミングだね。
    顔が歪んでいる事より、体が痩せ細っている方が見るに耐えない。
    素敵な人にめぐりあえてよかった。

    • +55
  14. ジェイミーさんありがとうという気持ちでいっぱい。
    ボーさん ほんとうによかったね‼︎

    • +18
  15. 高畠那生さんの絵みたいで、愛嬌のあるわんこだな。
    しかし、胎内で押されたからってこんな風になるのかしら?

    • +4
  16. 良かった良かった。
    幸せそうでほんとに良かったね。

    • +10
  17. 何か漫画の犬みたいな顔立ちだな…
    侮蔑的な意味ではなく

    • +9
  18. 超絶かわいい。そして今は幸せそうで良かった……!

    • +10
  19.  顔立ち?何が悪いの??自分の血肉を分けた子供が奇形だったら捨てるの?
    彼を物みたいに扱った輩に鉄槌を、そして彼に安息と幸せを

    • +6
  20. とても優しそうな子。
    良い家族ができて良かったね。

    • +7
  21. 愛嬌あって可愛いじゃんか

    末永く幸せにな

    • +10
  22. 最近なみだもろいが、手を差し伸べた飼い主さんも、立ち直った犬にも感涙してしまう。

    • +4
  23. 「変な顔(笑)」って言いながら撫でてあげたい気分

    • +2
  24. 精神的にも肉体的にもツライ半生だったのに、
    人間や他の動物たちをにくんだりしなかった。
    人間だとむずかしいはず。すごい事だ。

    • +10
  25. 愛嬌があって、かわいいと思う。
    最後の写真の女の人の良い笑顔と二匹の幸せそうな表情が好き。

    • +9
  26. いい面してるぜ。
    チョー楽しそうじゃないか。

    • +4
  27. ジェイミーさん、本当にありがとう。

    • +5
  28. 人間も同じ目線で見れるようにね。

    • 評価
  29. 皺が目立つというか頭部の形がつぶれた骨格の異常。

    • -2
  30. 引き取られる前は悲しそうな顔をしているのに、ジェイミーさんに引き取られた後の写真はとても幸せそうな笑顔だね

    • +4
  31. 泣けた。動物も人間も命があり幸せを求めることに変わりはない。

    • +2
  32. 25
    アルフわかるわw
    一瞬
    ん?て目を擦るが可愛い表情だな

    • +1
  33. 保護されて新しい里親が見つかったのに何度も何度もまた保護されるような家だったっていうのが信じられない
    アメリカって日本よりも保護犬の里親になる為に色々チェックありそうだし動物愛護先進国ってイメージだったから

    • +2
  34. 保護施設って、本気で何もしないところだとは思わなかった。
    病気(感染症)の治療にはお金がかかるからって
    あんなにガリガリになっても治療させずに放っておくなんておかしいだろ。
    どこが保護してるうちに入るんだよ。

    あんなに痩せるほど(与えられた餌を自力で食べたり、消化できないほど)感染症の状態が悪いなら
    同じ敷地で保護してる他の犬にだって感染する危険が高いだろうに。
    保護施設なんて名ばかりに見えてくるよ。

    細やかな手入れ、健康管理まではできなくても
    必要最低限の手当てを確実に実行するのが保護施設だと思っていたが
    違ったようだね。

    財源の問題もあるんだろうが
    アメリカって「お犬様」の国で、寄付も多く集まる国じゃなかったのか?

    • -2

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