
通常群れは作らないものの、時に仲間と助け合うこともある。
イエネコはもちろん、トラやライオンやチーターなどはよく知られているが、あまり知られていない仲間もいる。カラパイアには登場しているものも含まれるが、一般的には知名度は低いものの、魅力に溢れた10種のネコ科動物をまとめてみていくことにしよう。
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10. マーゲイ

ネコ科でも特に俊敏。足先が幅広で器用なために、片足だけで枝からぶら下がることができる。また足が180度くるりと回ることもでき、跳躍力も優れている。
主に鳥、爬虫類、猿などを食べる。またパイドタマリンの子供の真似をして大人を引き寄せる姿も目撃された。単独で行動し、人間のように通常は子供を1匹しか生まない。
森林の伐採によって生息域は減少傾向にある。また違法な飼育や毛皮目的の狩猟によっても個体数を減少させている。このまま何もしなければ、いつの日か絶滅してしまう恐れがあるという。
関連記事:クリクリお目目で木登り達人。南アメリカの固有種、マーゲイにズームイン!
9. サビイロネコ

インドやスリランカの固有種で、森林、石の多い山麓、藪、草原などで暮らし、廃屋に潜んでいることもある。
主な餌はネズミやニワトリなどの小動物だが、シロアリを食べたり、チャンスがあればガゼルなどのもっと大きな獲物を襲うこともある。
繁殖サイクルはイエネコに似ており、1回の出産で1〜3匹産むが、その子育てについてはほとんど分かっていない。珍しい動物であるが、イヌや人間に襲われたりする他、生息地も減少しつつある。
8. マレーヤマネコ

他のネコに比べると植物やフルーツを好むが、基本的には肉食性で水中の動物を食べる。そのため手には水かきが発達しており、爪が完全には引っ込まない。泳ぎが得意で、飼育下では生後間もない子猫が水中に飛び込む様子が観察されている。
出産は1度に1〜4匹程度。生息地の減少、違法取引、河川の汚染という脅威にさらされている。スマトラ島やボルネオ島、マレーシアに生息。マレーシアでは絶滅しかけたが、ヤシのプランテーションに適応した個体が発見されている。
7. アンデスネコ

中型で夜行性。生態はよく分かっていない。繁殖行動についてもほとんど情報がなく、子猫を数匹産み、時折つがいで行動することくらいしか分からない。主に山間部に生息するビスカッチャというウサギにそっくりなネズミを食べる。
アンデスネコはいくつもの脅威にさらされている。家畜を襲うとして殺される他、その畜産農家によって生息地が破壊されている。鉱業や狩猟の影響もある。また医療・宗教・食料の目的で地元民によって殺されることもある。対策を講じなければ、絶滅の恐れがある。
6. クロアシネコ

関連記事:ニヤニヤが止まらない。世界最小の猫、クロアシネコの赤ちゃんが一般公開に(米フィラデルフィア動物園)
南アフリカ、ナミビア、ボツワナの砂漠や草原に生息し、時折群れを形成することもある。動物学者による目撃事例はないが、地元の人によれば、体重1〜2.5キロのクロアシネコはキリンすら狩ることがあるという。ジャッカルと互角に渡り合うことも知られている。
餌は卵、両生類、イナゴ、げっ歯類、若いスプリングボック、爬虫類、野ウサギ、鳥など。待ち伏せや追跡といった狩りの他、2メートルもジャンプして鳥を捕まえることもある。
1度に1〜4匹を出産するが、こうした時期以外は単独で行動する。食中毒、生息地の細分化、イヌによって個体数が減少している。しかし大胆な生態が幸いし、多少の保護があれば状況が好転する余地はある。
5. イリオモテヤマネコ

大きさはイエネコに近く、白いマークのある黒っぽい被毛と黄金色の目が特徴。オスの方がメスよりやや大きく尻尾は先端まで太い。
多才であり、泳ぎと木登りが得意。木や岩場の洞穴などで1〜4匹を出産する。開発による生息地の破壊、イヌによる捕食、交通事故、イノシシ用の罠やカニ罠による混獲などにより生息数は減少しており、国の特別天然記念物に指定されている。
野良猫と交配し、雑種を産むことがある。野生化したイエネコと餌・なわばり・交配相手を競合することもある。しかし最大の脅威は、西表島の固有種で生息域が限られている上に、遺伝的多様性に乏しいことだろう。
4. ジャガランディ

生息地はメキシコ南部から南アメリカの大部分にかけての森林、草原、湖沼、低木地である。餌はげっ歯類、果実、鳥、爬虫類と多岐に渡る。昼間の間に活動することが多く、またつがいで狩りをしたり移動したりすることもある。鳴き声が豊富で13種の鳴き方がある。
人里離れた場所で1〜4匹の子猫を産む。ここで紹介した他のネコとは違い、現在絶滅の危機にはない。毛皮に人気がないためだが、家禽を襲うとして殺されることもある。
3. マーブルキャット

短いが柔軟な手足を使って樹上で暮らしていると考えられている。非常に俊敏で、マーゲイと同じく、手の部分が180度回転する。1度の出産は1〜4匹とされるが、繁殖行動についてはほとんど分かっていない。
また餌についてもほとんど分かっていないが、コウモリを食べるとも言われる。生息地である森林は開発や農業などで減少しつつある。対策を講じなければ、いずれこの世から姿を消してしまうかもしれない。
2. アジアゴールデンキャット

地上で活動することが多いが、木に登ることもある。メスは1〜4匹を出産。オスはメスを殺してしまう上に子猫まで食べてしまうため、動物園での繁殖は非常に難しい。しかし人工授精の成功事例がある。(だが、日本のwikipediaによると、オスは子育てに積極的に参加し、時には遊び相手になってやることもあると記述されているので、諸説あるようだ)
アジアゴールデンキャットが直面する脅威を鑑みれば、その意味合いは大きい。彼らは毛皮目的や家畜を保護する名目で殺される他、食用にされることもある。地元ではその肉を食べると力がつくと考えられており、骨の粉末は解熱剤として利用される。
非常に魅力的なネコだが、性格が荒々しいこともあって、保全は一層困難なものとなっている。
1. ジャガーネコ

マーゲイの近縁だが、それよりも小さく、また地上で過ごすことが多い。俊敏で器用に木登りもできるが、狩りは好物のげっ歯類がいる地上で行う傾向にある。
1度の出産は1〜3匹。オスは敵対的であることがある。飼育下のジャガーネコが23年生きたという記録があるため、ネコ科の仲間としては寿命が長い方だろう。
大型のネコ科動物と競合しているという危険もあるが、最大の脅威は生息地の縮小や毛皮取引・珍しいペット需要といった人間によるものだ。コーヒーのプランテーションでも生存できる適応性の高さが、保全に期待を持たせてくれる。
※追記:2017/11/22 本文を一部訂正して再送します。
via:10 Fantastic Little-Known Felines/ translated by hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
この子たちもみんなダンボール好きなのかと想像するとたまらない
2. 匿名処理班
生態がよくわからない子が多いのが、いかにもねこらしい
3. 匿名処理班
※1
レアな猫用猫転送装置に効果あるロープを発表したら
イグノーベル賞取れるしぜひ実現を
4. 匿名処理班
マレーヤマネコって原猿類みたいな顔してるな
可愛いけど
5. 匿名処理班
マーブル氏のしっぽ太すぎワロタw
6. 匿名処理班
みんな違ってみんなネコ
神様ありがとう
7. 匿名処理班
みんな違ってみんないい。みんなお家に来てほしい笑
8. 匿名処理班
ほとんどが人が原因で絶滅の危機が近づいてるのが悲しい。。でもその面では人家にゴロニャンしたイエネコ達の生存戦略は大成功だったのか…
9. 匿名処理班
あれ、ヤママヤーは雑種…
うっ!頭が…
10. 匿名処理班
クロアシネコさん
小さいのにものすごく獰猛だと聞いてはいたが、
まさかキリンを狩るとは…
ちょうかっこかわいい
11. 匿名処理班
猫は猫だから可愛い。あれ以上だとただの猛獣じゃん!
12. 匿名処理班
ネコにも平たい顔族がいるだとっ!
13. 匿名処理班
何種類かは街ん中で見かけても
普通の猫との違いがわからんかも
14. 匿名処理班
米1
樹上性のネコも段ボール好きなのかなぁ。
ウンピョウとかマーゲイとか...。
15. 匿名処理班
サビイロネコならうちにもいるぞ
人によっては「サビ猫」とも呼ぶが
16. 匿名処理班
やっぱブチ柄のネコっていいなあ・・・ワイルドで。
そもそもイエネコの原種って、どんなだったんだろうかね?
17. 匿名処理班
ぜ、全部ネコ
18.
19. 匿名処理班
イリオモテヤマネコはイエネコとの雑種を生むことがあるのか!そういえばイエネコの原種ってリビアヤマネコだよな・・・交雑が進んで純血のイリオモテヤマネコが絶滅する恐れもあるのか。厳しいな。
20. 匿名処理班
ほぼみな、絶滅の恐れがあるのが悲しい。
人が原因だけど、生息地を奪ってきた点が大きいと思う。
自分たちで使う毛皮や、家畜を守る程度なら
納得するし、それほど影響はないのではないか。
住んでる人の生活と動物の両方を守れるといいのだが。。。
21. 匿名処理班
可愛すぎて平伏してしまいそう
22. 匿名処理班
アジアゴールデンキャット「オスはメスを殺してしまう上に子猫まで食べてしまう」ってあるけど、ウィキの「狩りはつがいで行われることもある」「子育てにはオスが積極的に参加」って記述と随分違うな。
人間の飼育下でのストレスによりそういう行動を起こしたってことかな?
23. 匿名処理班
ジャガーネコ・・・・
ジャガーはネコ科・・・・
それとは別・・・
24. 匿名処理班
>>体重1〜2.5キロのクロアシネコはキリンすら狩ることがあるという。ジャッカルと互角に渡り合うことも知られている。
やっぱネコって強いんだな。本気のイエネコは日本刀持った人間じゃないと渡り合えないとかって話もあるし。
25. 匿名処理班
マーゲイの紹介欄のココア農場、ココアでも間違いないけど
この場合はカカオの方がいいんでね?
26. 匿名処理班
キリンって1対1ならライオンより強いのに体重2堋度のクロアシネコに狩られるとは思わないが
27. 匿名処理班
すっごーい!
28. 匿名処理班
スナネコが天使なんだよなー
29. 匿名処理班
どれもかわいいのでおけおけ(*´ω`*)
クロアシネコ近くでみたいなあ
30. 匿名処理班
ジャガーネコはジャガーとは別なの……?
31. 匿名処理班
すごい、全部が全部、顔が違う。個性的でそれぞれ魅力的!
32. 匿名処理班
全部きゃわいい!ー!ー!!
33. 匿名処理班
キリンを狩るクロアシネコさん…
キリンの死骸にかぶりついていた姿に尾ひれがついたとか、小さな生き物が実は賢く強いという世界中にありがちな民話として現地に伝わっているとか、そんな感じ?
34. 匿名処理班
ハアハアしちゃう・・・
胸毛にうずもれて寝てみたい
35. 匿名処理班
マーゲイ、猿を獲るのか。
夏の間だけで良いから親戚の桃畑に滞在してくれないかな。
ほんとは犬が良いんだけど、叔父が犬嫌いで子犬にもびびるんだよ。
36. 匿名処理班
唯一先進国に棲息するイリオモテヤマネコの保護すら雑って酷すぎるわ、国産朱鷺を絶滅させておいて一切学ばないとか阿呆過ぎないか?政府
37.
38. 匿名処理班
手触りはどうなんだ?
39. 匿名処理班
マーブルさんのしっぽで顔をはたかれたい
40. 匿名処理班
アンデスネコめっちゃ好みのお顔だわ
地球にはまだこんなに知らない猫がいるんだなあ
楽しいね
41. 匿名処理班
野生なだけあって肉食系が多いね
42. 匿名処理班
知らん種ばっかだったわ
色々いるもんだなぁ
43. 匿名処理班
みんなかわいい
44. 匿名処理班
スナネコ先輩や、マヌル猫先輩みたいな味のある子も好き
45. 匿名処理班
ジャコウネコの写真を見て以来、どこがネコや!
と思っていたけど、今回初めてマレーヤマネコや
ジャガランディを見て納得したよー。
近縁と思うのも、不思議はなかった。
(パルモ姐さん、ありがとう!)
過去記事で登場のフォッサ(ジャコウネコ科)も
似ているなー。
46. 匿名処理班
キリンも狩るってホントかよ
47. 匿名処理班
※26
この説は、あくまでも地元の言い伝え・伝説だよw
48. 匿名処理班
変化に富み、野性味あふれるネコたちの中で
唯一、ふつーにキジネコの顔している
クロアシちゃんにワロタww
49. 匿名処理班
ジャガーさんや、ジャガーさんが来た!
50. 匿名処理班
※1
イエネコは軽いからいいけど、でかい猫ならダンボールが保たないよ。
でも、外にダンボールハウス作っちゃ駄目よ?近隣住民に迷惑かけて、訴訟起こされたり生き物苦手板に食われたりしちゃうからね。
51.
52. 匿名処理班
※19
イリオモテヤマネコと野猫、イエネコとの雑種はあり得ません。
現在でも発見もされてません!