
もちろん、買ったときには、そのテディが特別なものだとは知らなかった。
ところがある日、犬がテディを踏んでしまった。そして、テディから何やら音がしたのだ。「ママ、男の人の声だよ」と娘に言われ、アマンダさんはテディを探ってみた。
それは「メッセージを録音できるテディベア」だったのだ。
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テディベアに入っていたメッセージ

image credit: Facebook
録音されていたのはこんなメッセージだった。
アフガニスタンからメリークリスマス。パパは君に会いたくてしかたがない。楽しいクリスマスとお正月を過ごしておくれ。またすぐに会おう。愛してるよ。アマンダさんは即座に、元の持ち主を見つけなければ、と固く心に決めた。
テディベアの秘密を知ったこの家族も同じ境遇にあった
アマンダさんの固い決心には理由がある。実は、アマンダさんの夫、ジェレミーさんも現役の海軍兵士であり、ちょうど長期間の任務から戻ったばかりだったのである。
「私たちには、父親が家を空けているということが、家族にとってどんなことだか分かっていました。そして、『愛してるよ』とか『すぐ会おう』というような、ホンのちょっとした言葉でも、どんなに家族の慰めになるかということも」とアマンダさん。
同じく兵士の家族として、また5人の子どもの母親としても、アマンダさんはこのメッセージを聞かなかったことにはできなかったのだ。

image credit: Facebook
持ち主探し大作戦がはじまる
アマンダさんは、まずガレージセールを行った隣人に聞いてみたが、「”グッドウィル”(日用雑貨や古着、家具・家電などを寄付してもらい、それを再販することで、収益を慈善活動や寄付に当てるスリフトストア)で買った」ということしか分からなかった。この線からは辿れない。次にアマンダさんは、テディの販売元である "Bday Bears" に問い合わせてみたが、「個々の商品にタグ付けはしていない」ということで、こちらの線も途切れてしまった。

image credit: Facebook
テディを何とか元の持ち主に戻したいと願うアマンダさんにとって、最後の頼みの綱はSNSだった。アマンダさんはテディの写真と、録音を再生する動画をフェイスブックに投稿し、拡散してくれるよう書き添えた。
ついに本来の持ち主を発見!
投稿はあっという間に広まり、1万5千人以上にシェアされた。そしてそれは、カリフォルニア州のペイジ・ホルギンさんの元にも届いたのだ。ペイジさんは、聞いた瞬間に兄弟の声だと気づいたという。
ペイジさんの兄弟は、8年前にアフガニスタンから娘にこのテディを贈ったのだ。彼はその後、無事に帰国はしたものの、PTSDとの絶え間ない戦いに疲れ果て、とうとう自ら命を絶ってしまったという。
テディベアは、アパートを追い出されるときに失くしてしまったものであるらしい。
アマンダさんとペイジさんは、このテディベアを本来の持ち主であるペイジさんの姪の元へ届けるべく連絡を取り合ったという。
ペイジさんの姪――パパに愛されていた女の子は、既に16歳になっている。
Owner of teddy near with recording of Afganistan soldier found
過去から戻ってきた宝物のテディベアは、今頃、彼女の元に届いているだろうか。
父親と離ればなれになっている全ての子ども、父親を亡くした全ての子どもに慰めがありますように。
via: Mommypage / FOX59 WEB / Viralnova / Mail Online など / translated by K.Y.K. / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
亡くなってしまったのか…泣けるなあ
2. 匿名処理班
>父親と離ればなれになっている全ての子ども、父親を亡くした全ての子どもに慰めがありますように。
ずっと堪えてたけどパルモさんの最後の一言で涙腺決壊した…(; ;)
3. 匿名処理班
良い話( ;∀;)
switch詐欺とかあったけど、snsは良いもんだ
4. 匿名処理班
折角帰国できたのに自殺してしまうほど精神的に追い込まれていたとなると
ベアに録音したのは家族のためもあるけど自分の精神を保つためでもあったのかな
5. 匿名処理班
こんなの泣いちゃう。
くまさん、お嬢さんの元に届いてるといいなぁ。
6. 匿名処理班
こういう話は本当にダメ・・・。
残された家族の事を考えると
泣きそう。
7. 匿名処理班
なんだろ…すごく切ない……
8. 匿名処理班
クラナドを思い出した
9. 匿名処理班
ええ話や…
10. 匿名処理班
悲しいなぁ退役軍人でPTSDに悩まされてる方は真面目で心の優しい素敵な方ばかりなのに本当に残念だ…
11.
12. 匿名処理班
そもそもの原因、戦争・紛争がこの世から一切
取り除かれますように
祈り願います
13. 匿名処理班
残された娘さんの心に届きますように
14. 匿名処理班
こんなに愛してる娘さんの存在さえ慰めにならないぐらい酷い経験したのかと思うと……
15. 匿名処理班
PTSDで自裁か…
悲しい話しだ。
16. 匿名処理班
SNSが普及したことは害になることもあるけど
こういうのを見るとSNSがあって良かったと思う
17. 匿名処理班
切なすぎる…
ペイジさんの亡くなったご兄弟の安らかなお眠りをお祈り申し上げます。
SNSって使い方を誤れば人を簡単に傷つけてしまう、危ういツールだけど、
こういう暖かな使い方は本当に素晴らしいと思う。本来こうあるべきなのかな。
18. 匿名処理班
米軍はPTSDの解消に力を入れて色々対策(帰還前の兵士を食堂に集めてお互いの辛い体験を話させたり)してるけどそれでも無くならないんだな
災害派遣の自衛官でもPTSDに悩まされた人もいるし、もっと研究が進んで自ら命を絶つ人がいなくなる事を望むよ
19. 匿名処理班
アメリカって戦地から帰国できても後遺症やPTSDに悩まされて命をたつ人が多いんだよね
やっと家族のもとに帰れてもそれでも耐えられないようなつらい思いをしたんだと思うと何とも言えないや
20. 匿名処理班
なんか 良い話みたいになってるけど・・・ アメリカのガレッジセールで売られてたってことは要らないから捨てたり売却してる可能性もあるよな・・・ それ考えると複雑だし悲しいわ・・・ でもボイスメッセージに気が付いてない可能性もあるし 返して正解なんだろうけど (´・ω・`)
21. 匿名処理班
※20
わざわざ行間空けて、
「テディベアは、アパートを追い出されるときに失くしてしまったものであるらしい。」って書いてるのに・・・・・・
22. 匿名処理班
※21
空気が読めないというか 人の心の内面を読めない人と言うのは解った。
もし要らなくて処分していた場合持ち主だって気を使って『有難う無くして困ってたの』そう言うでしょ?無理やり良い話にしたいんだろうけど。
23. 匿名処理班
米19
>テディベアは、アパートを追い出されるときに失くしてしまったものであるらしい。
だから、どのタイミングかはわからないが、軍人さんの家族が自ら手放したものではなく、バタバタしている時に運悪く離れ離れになってしまったんじゃないだろうか…
24. 匿名処理班
折角無事に帰国できたのに結局PTSDで亡くなってしまったなんて辛いね…
私も毒親が原因でPTSDになって自サツ未遂を何度もした事あるから気持ちが分かる
(幸い、今は安定しています)
娘さんにとってテディベアはお父さんが昔頑張っていた事、生きていた証になるだろうなぁ
25. 匿名処理班
これは本当に見つかって良かったって喜んでいいんだろうか
なくしたって書いてあるけどそんな大事なものをなくすかな
側に置いておくのは辛すぎるけど捨てることは出来なくて寄付という形で処分したんじゃなかろうか
忘れる事で救われてる場合もあるし家族のトラウマを呼び起こすような事にならないといいけどな………
26. 匿名処理班
精神病ってこういうもの
自分本位のなんちゃって鬱とは訳が違う
27. 匿名処理班
ちくしょう!風で弱ってる時に限って…(涙)
28. 匿名処理班
風じゃない…風邪だ…orz
ええい!頭の中も弱りすぎ!
29.
30. 匿名処理班
今夏イチ切ない…
31. 匿名処理班
話的にはクラナド思い出すけど画像見ると基地クマ思い出して複雑な気分